株式投資をはじめる際には誰もが損をしたくないと思いますが、急落や暴落といった事態は必ず発生します。
長年株式投資を行っているとコロナショックやリーマンショックのように、いつかは暴落に巻き込まれてしまい損をしてしまう可能性があるということです。
もちろん、株式市場全体が暴落してしまう場合もありますし、各個別銘柄ごとに問題が発生した場合にも急落が起きてしまう場合があります。
そこで、株式投資では予期せぬ事態に備えリスクヘッジをとることが基本となるのです。
リスクヘッジをとっておかなければ、暴落が起きた際には資金を大幅に失ってしまったり、株式市場から退場してしまう原因となり得るでしょう。
特に投資初心者の方は損失を抱えてしまうことに対して、耐性などが無いため損切りなどの判断ができずに、大きな損失につながるかもしれないのでリスクヘッジは必ず覚えておくべきです。
では、どのようなリスクヘッジをしていけばいいのでしょうか?
今回は、株初心者の方にもわかりやすすいように、リスクヘッジについて、その方法を紹介していきます。
この記事でわかること
- 株のリスクヘッジについて
- 投資を行う上でリスクヘッジの重要性
- リスクヘッジ方法
株のリスクヘッジとは?
株式投資では、時に攻めるよりも守りの方が大切と言われることがあります。
それは、株価の上昇に対して下落のスピードの方が速く、利益よりも損失の方が早く増えてしまうことや、一度の失敗が大きな損失につながり市場から退場してしまう恐れがあるためです。
そのような事態から資金を守るために、株ではリスクヘッジがとられているのです。
そしてリスクヘッジとは、起こり得るリスクに対して対策を取るということです。
この起こり得るリスクというのは、保有している玉に対して想定とは反対の動きをしてしまうことを言います。
例えば、買い玉を保有している場合であれば株価の暴落や急落であり、投資において損失を抱えてしまうリスクとも言えます。
リスクヘッジをすることで、将来的に起こり得るこのような暴落などの危機的な状況に対して、投資資金が大幅に減少してしまうことを抑えられるのです。
なぜこのようにリスクヘッジをとらなければならないのか、それは株式市場において必ずしも想定通りの株価の動きをするとは限らないからです。
つまり、株価が想定とは逆の方向に動いてしまうというリスクがあるためと言えるでしょう。
株価の暴落は必ず起きる
株価の暴落は数年~数十年おきに歴史を見ると発生しています。
世界的に古いものだとNYダウのブラックマンデー、日本でもバブル崩壊による日経平均の暴落、最近ではITバブルやリーマンショック、コロナショックが記憶に新しいでしょう。
このように株式市場全体で暴落は定期的に起きているのです。
もちろん、個別銘柄においても企業の不祥事や特定産業においての低迷で株価は急落を起こしています。
これら暴落や急落が起きている過去を見ると、株価は常に上昇を続けているわけでは無く、上昇中に暴落や急落を挟みながらチャートが形成されていることがわかるのです。
そのため、暴落などは必ず起こると想定しておき、万が一に暴落が起きた際に資金を減らさないために、リスクヘッジは必要となります。
投資家は資産を守ることを優先する
株式投資において成功をするために必要なのは、いかに資金を減らさないかとなります。
投資の結果には基本的に増えるか減るかしかないためです。
少しずつ投資で上手く利益を増やせたとしても、一回の暴落に巻き込まれてしまって利益を全て失っては意味がありません。
負けて損失を抱えてしまうことを回避できない以上、損失額をいかに抑えることができるかが大切です。
損失額を抑えることができれば、自分の資産を守ることができ、次の投資資金を確保しておくことにつながります。
そのため株式投資を行う上で、資産を守るためにリスクヘッジを取らなければならないのです。
実は危険という意味では無かった?投資における「リスク」の本当の意味を紹介
株のリスクヘッジ方法を紹介
ここまで株式投資におけるリスクヘッジの重要性を紹介してきました。
ただ、リスクヘッジと聞くと何か難しそうに感じる人もいるかもしれません。
代表的なリスクヘッジであれば、株式投資だけではなく不動産投資や債券などに資金を分散させるといった方法がありますが、これは基本的に資産家が取るべきリスクヘッジです。
では株式投資のみを行う人や初心者の場合、どのようなリスクヘッジをとり、資産を守ればよいのでしょうか。
ここからは、株式投資におけるリスクヘッジのとり方を紹介していきます。
損失を確定させる損切り
株式投資のリスクヘッジで有効な方法として損切りがあります。
損切りとは、例えば買い注文により保有している銘柄の価格が下落した際に、損失による被害を最小限に抑えるための決済となります。
A社の株を1,000円の時に購入したとしましょう。
その後、株価が上昇すると予測を立てていたのですが、予測に反し株価は下落していき900円の値を付けたのです。
ここでテクニカル分析の結果、A社の株はさらに株価が下落していくと予測できたので、株価が800円700円500円と下がっていく前に、損失を最小限に抑えるため900円で決済を行うのが損切りとなります。
株式投資では急落や暴落を避けることは難しいと紹介をしました。
避けることが難しいため、とれるリスクヘッジとしては暴落による損失を最小限に抑えることです。
そのため、株を保有している間はあらかじめ損切り価格を設定しておき、その設定価格まで株価が下落した際に損切りを行う事によって、計画的に資産を守ることができるのです。
もし、損切りによるリスクヘッジをとらなかった場合には、先ほどのA社の例で株価が下がっていく中、株価が上昇に転じることを祈り待つしかないのです。
銘柄によっては、二度と高値に戻らない銘柄もあるため、損切りができなかった場合には塩漬け株となってしまい、資金を大幅に失ってしまうのです。
ちなみに損切りについては損切り(ロスカット)の意味とは?初心者の方にわかりやすく解説しますで詳しく解説をしているので、ぜひ参考にしてください。
建玉操作や空売りも有効
損切り以外に、株式投資のリスクヘッジとして有効となるのが建玉操作と空売りになります。
建玉操作とは、資金全力で株を買い建玉を持つのではなく、株価の動きに合わせて建玉を持つ技術となります。
建玉操作について詳しくは【株技術】建玉の操作って何?株初心者にもわかりやすく解説しますの中でも解説しているので、合わせてご覧ください。
建玉操作を行うことができれば、万が一に株価が天井付近の銘柄を買ってしまったとしても、株価が下がった際に余力資金で買い増し、平均購入価格を下げることができるのです。
例えば、ある銘柄の株価が1,000円の時に資金の内半分を使い買いました。
その後、株価は下がっていき600円の値を付けましたが、そこから上昇に転じるテクニカル分析のサインが確認できました。
ここで残り半分の資金で株を購入すると(1000円+600円)÷2=800円の平均購入価格となるのです。
そのため、1000円で株を買い、その後下落をしたとしても上昇に転じる予測があれば、株価が600円に下がった時に買い増し、平均購入価格を800円に下げることで、損失額を減少できたり上昇によって利益に変えることもできるリスクヘッジなのです。
もう一つ、空売りによるリスクヘッジも有効となります。
先ほどの例で、株価が1,000円の時に株を買ってしまった際には、価格の下落に備えて空売りを行う事で、買い建玉の損失を減少もしくは空売りの利益によってプラスに変えることもできるのです。
空売りの場合には、買いの時点で両建てを行うこともできますし、下落がはじまり長く続きそうな場合には途中から売り建玉を持つことも有効です。
両建てについては両建ての手法を徹底解説!リスクを減らしつつ利益を増やすための極意の記事を参考にしてみてください。
損切りと比べると、少し難しい技術ではありますが、習得で出来れば様々な場面で活用できるリスクヘッジとなります。
まとめ
- 株のリスクヘッジは損失軽減もしくは回避
- 投資を行う上でリスクヘッジは必要不可欠
- 株のリスクヘッジには損切りや建玉操作が有効
いかがでしたでしょうか。
株式投資において、暴落や急落、損失はある意味で避けることは難しいでしょう。
そのため、大切な資産を守るためにリスクヘッジをとっていかなければならないのです。
投資家は儲けたお金をいかに守ることが重要になってきますからね。
そして、損切りも建玉操作も勉強したからと言って、すぐに使えるようになるとは限りません。
何度も練習し、少額でも良いので実戦による投資で使ってみて、株の技術を磨いていくことが投資家として成長につながるので、まずは知識を学び使い方から学んでいきましょう。
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著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。