株の自動売買に興味があるものの「本当に儲かるのか」「怪しいツールではないか」と不安を感じていませんか。
結論からお伝えすると、株の自動売買は仕組みを正しく理解して運用すれば利益を出すことは十分可能です。
しかし、魔法の杖のように「何もしなくても稼げる」わけではありません。
本記事では、自動売買が儲かると言われる理由や、初心者が陥りやすい落とし穴、裁量トレード(手動売買)との決定的な違いをプロの視点で徹底解説します。
株式投資の自動売買とは?
株式投資の自動売買とは、株の購入から売却までを自動的に行ってくれるシステムです。
例えば、〇〇という株を□□□□円で買い△△△△円で売る、テクニカル指標で売買サインが出たら取引をする、といった幅広い範囲でルールを設定して取引を行ってくれます。
自動売買は各証券会社で使うことができ、一部市販のシステムも存在しています。
基本的に自動売買という名前ではなく、SBI証券であればオートレ225、楽天証券であればアルゴ注文、といったようにそれぞれ独自の名前でサービスが展開されており、各社で料金設定も違います。
そのため株式投資で自動売買をやりたい場合には、利用している証券会社の自動売買を使うのが一番早いでしょう。
(ちなみに自動売買ソフトや自動売買ツールと呼ばれることもありますが、どちらも今回紹介する自動売買と同じものになります。)
自動売買を使うとどのようなメリットがある?
自動売買を使うメリットとしては、自分の代わりに自分が決めたルールで自動的に取引を行うことができ、取引の際の判断をしなくていいということが挙げられます。
他にも、
- 感情的な取引ではなく機械的に利益確定や損切りができる
- 常に株式市場を確認しなくても取引をしてくれるため、自分の使える時間が増える
などのメリットがあります。
やはり自分ではないシステムが株式取引をしてくれるという点で、普段は感情的になってしまう部分を排除できたり、かなり不労所得に近い形で利益を得られるでしょう。
自動売買を使うとどのようなデメリットがある
自動売買を使うメリットがあれば、デメリットも存在します。
デメリットの一例として、
- 自動売買システムのルールを決めるのが難しい
- 全ての相場に対応できるシステムは作れない
- システムに資産運用を任せる不安
などがあります。
自動売買はルールを買わなければ、自分で決める必要があるのです。
そのため何回も試行錯誤を繰り返しながら、なるべく利益が大きくなるルールを見つけていかなければなりません。
そこに加えて、株式市場は常に決まった方向に価格が動くわけではないので、常に調整が必要となるのです。
もちろん、自分の大切な投資資金を自動売買のシステムにゆだねるため、常に一定の不安は残った状態となるでしょう。
仕事が忙しくて株を始められない?そんな人でも株が始められる方法を紹介
株式投資で自動売買を使うと儲かる?
多くの人が最も気になるのは「結局のところ儲かるのか」という点でしょう。
インターネット上には「勝率90%」や「月利100%」といった景気の良い言葉が並びますが、現実はそれほど甘くありません。
自動売買の収益性に関する真実を、冷静な視点で分析していきます。
特定の相場環境では驚異的な利益を出す
自動売買が得意とするのは、一定の価格帯を行き来する「レンジ相場」や、明確な方向性が出ている「トレンド相場」です。
設定したルールがその時の相場環境に合致していれば、驚くほど効率的に利益を積み上げることができます。
例えば、押し目買いのルールを設定しているときに上昇トレンドが続けば、資産は右肩上がりに増えていくでしょう。
負けるパターンは相場環境の変化への不適応
自動売買が儲からないと言われる原因の多くは、相場の変化に対応できない点にあります。
上昇トレンド用に設計されたシステムを、急落時や暴落時にそのまま使い続けると、大きな損失を出すリスクがあります。
自動売買で儲け続けている投資家は、システムを放置しているのではなく、相場の局面が変わったときにルールを修正したり、一時的に稼働を停止したりする判断を行っています。
期待収益率の現実的なラインを知る
自動売買で億万長者になれると考えるのは危険です。
プロの運用でも年利10%から20%程度を安定して出せれば非常に優秀とされます。
初心者が「自動売買=楽して稼げる」という幻想を抱くと、無理なレバレッジをかけて破綻する原因になります。
堅実に資産を増やすためのツールとして捉え、長期的な視点で運用することが、最終的に「儲かる」状態を作る近道です。
株式分割は儲かる?実例をもとに儲かったかどうか107銘柄で徹底検証
メリットから見る自動売買が投資家に選ばれる理由
自動売買を導入することで得られるメリットは、単に「楽ができる」だけではありません。
投資技術の向上やリスク管理の面でも、非常に合理的な側面を持っています。
ここでは、自動売買がプロ・アマ問わず選ばれている具体的な理由を解説します。
徹底したリスク管理と損切りの実行
投資において最も難しいのは損切りです。
自分の非を認めて損失を確定させる行為は、人間に苦痛を与えます。
しかし、自動売買であれば、買値から数パーセント下がったところで自動的に決済するよう設定しておけば、感情の介在する余地なく損失を限定できます。
これにより、一度の失敗で市場から退場するような致命傷を負うリスクを劇的に下げることができます。
バックテストによる過去データでの検証が可能
自分の考えた投資戦略が、過去の相場でどれくらい通用したかを確認することをバックテストと呼びます。
自動売買システムを使えば、数年分のデータを数分で検証し、勝率や最大ドローダウン(資産の最大減少幅)を数値化できます。
根拠のない「なんとなく儲かりそう」という勘に頼るのではなく、データに基づいた裏付けのあるトレードができるのは大きなメリットです。
複数銘柄の同時監視と分散投資の実現
人間が同時に監視できる銘柄数には限界がありますが、システムであれば数百、数千の銘柄を同時にチェックできます。
特定の条件に合致した銘柄が見つかれば、瞬時に分散して注文を出すことも可能です。
これにより、特定の銘柄に資産を集中させるリスクを回避し、ポートフォリオ全体の安定性を高めることができます。
自動売買を運用する上で知っておくべきデメリットとリスク
メリットばかりに目を向けていると、思わぬ落とし穴にはまることがあります。
自動売買には特有の難しさがあり、それを理解していないと「儲かる」どころか大切な資産を大きく減らしてしまうことになりかねません。
システム設定とルールの最適化には知識が必要
自動売買は、導入してボタンを押せば終わりではありません。
どのような条件で買い、どのような条件で売るかという「ロジック」を構築するには、テクニカル分析やファンダメンタルズの基礎知識が不可欠です。
完全に他人が作ったシステムを購入する場合でも、そのシステムがどのようなロジックで動いているかを理解していないと、不調に陥った際に対処ができなくなります。
突発的なニュースや経済イベントへの弱さ
中央銀行の金利発表や地震などの災害、政治的なサプライズニュースによる急激な変動には、多くの自動売買システムが対応できません。
テクニカル指標をベースにしているシステムは、指標の計算が追いつかないほどの急変時には、誤ったサインを出したり、損切りが遅れたりすることがあります。
こうした非常時には手動で介入する柔軟性が求められます。
悪質な高額ツール販売業者による詐欺被害
「株 自動 売買 儲かる」というキーワードで検索すると、時に怪しげな宣伝を目にすることがあります。
SNSなどで「誰でも月収100万円」といった誇大広告で数十万円もする高額ツールを売りつける業者が存在しますが、その多くは実用性に欠けるものです。
証券会社が公式に提供しているサービスや、信頼できるプラットフォームを利用することが、安全に運用するための大前提となります。
証券会社が提供する主な自動売買サービスと特徴
一昔前まではプロの領域だった自動売買ですが、現在は多くの証券会社が一般投資家向けに便利な機能を提供しています。
プログラミングの知識がなくても始められるものが増えており、初心者でも活用しやすい環境が整っています。
楽天証券のアルゴ注文による高度な執行
楽天証券では「アルゴ注文」という名称で、自動売買に近い機能を提供しています。
例えば、株価が上昇して目標値に達した後に、一定幅まで下落したら売却する「トレイリングストップ」などは非常に強力なツールです。
これにより、利益を最大限に伸ばしつつ、反転した際には確実に利確するというプロのような立ち回りが可能になります。
SBI証券のスマート注文とオートレ225
SBI証券でも、多彩な条件付き注文が可能です。
日経225先物を対象とした「オートレ225」などの外部連携サービスも充実しており、本格的なシステムトレードに挑戦したい投資家からの支持を集めています。
UIも直感的で分かりやすく、初心者から上級者まで幅広い層が利用できるのが強みです。
松井証券の自動売買やその他のユニークなサービス
松井証券では、投資信託の自動つみたてだけでなく、FXや株式における自動売買機能の強化にも力を入れています。
特に、一度設定すれば何度も繰り返し注文を出してくれるリピート系の注文機能は、忙しい人でもコツコツと利益を積み上げやすい設計になっています。
各社の手数料やツールの使い勝手を比較し、自分に合った環境を選ぶことが重要です。
裁量トレードと自動売買はどちらが優れているのか
「自分で判断して取引する(裁量)」のと「システムに任せる(自動)」のは、どちらが良いのでしょうか。
結論から言えば、両者にはそれぞれ一長一短があり、どちらか一方が絶対的に優れているわけではありません。
しかし、目指すべき方向性は明確にあります。
裁量トレードは技術の向上が利益に直結する
裁量トレードの最大の利点は、相場環境の変化に即座に対応できる「柔軟性」です。
経験を積めば積むほど、チャートの形やニュースの重要度を総合的に判断できるようになり、自動売買では不可能な大きな利益を狙うこともできます。
投資家としての実力を磨き、一生モノの技術を身につけたいのであれば、裁量トレードの経験は避けて通れません。
自動売買は規律を守るための最良のパートナー
一方で、どれだけ技術があっても人間はミスをします。疲労やストレスで判断力が鈍ることもあれば、ついルールを破ってしまうこともあります。
自動売買を「補助ツール」として活用し、自分の不得意な部分(損切りや深夜の監視など)をシステムに任せるという考え方が、現代の賢い投資スタイルと言えるでしょう。
ハイブリッド型の運用が最も安定する
最も成功している個人投資家の多くは、裁量と自動売買を組み合わせています。
大局的なトレンド判断は自分の目で行い、具体的なエントリーやエグジットの執行はシステムに任せる。
あるいは、資産の一部を堅実な自動売買に回し、残りの資金で高いリターンを狙う裁量トレードを行う。
このように両方の良いとこ取りをすることで、メンタルを安定させながら資産を増やしていくことが可能になります。
株の自動売買で失敗しないための実践ステップ
これから自動売買を始めようと考えている方に向けて、失敗のリスクを最小限に抑えつつ「儲かる」状態を目指すための手順をステップ形式で解説します。
焦って大きな資金を投入する前に、必ず以下のプロセスを確認してください。
投資の基礎知識を身につけることが先決
自動売買であっても、株の仕組み、指標の見方、決算書の読み方などの基礎知識は必須です。
システムが「なぜ今買ったのか」を理解できなければ、運用を継続することはできません。
自動売買はあくまで「道具」であり、使い手が未熟であればその性能を引き出すことは不可能です。
まずは裁量トレードや読書を通じて、投資の土台を作ることが重要です。
少額からテスト運用を開始する
いきなり全財産を自動売買に投じるのは無謀です。
まずは最小単元や少額の資金で、システムが自分の思い通りに動くかどうかをテストしてください。
デモトレード機能がある場合は、それを利用するのも良いでしょう。
実際の相場でルールが機能することを数ヶ月かけて確認し、自信が持てた段階で少しずつ運用額を増やしていくのが定石です。
定期的なパフォーマンスチェックとメンテナンス
自動売買は「ほったらかし」でも良いと言われますが、それは「放置」とは違います。
週に一度、あるいは月に一度は、今の相場環境と設定したルールが乖離していないかを確認する必要があります。
成績が悪化している場合は、相場がレンジからトレンドに変わったなどの予兆がないかを探り、必要に応じてルールの微調整を行いましょう。
株式投資で確実に利益を出していきたい場合は投資技術を向上させることが大切
自動売買でも儲けることはできますが、基本的には投資家自身が取引をした方が儲けは大きくなります。
自分で取引をすればトレンドが発生している時には、その流れに乗る形で利益を最大限に伸ばすことができますし、レンジ相場でも柔軟な対応ができます。
これは自動売買が苦手な部分でもあるため間違いなく自分で取引をした方が損失も少なく儲けも大きくできます。
それと、自動売買に株式の取引をゆだねると自分の投資技術を向上させることができません。
投資家としてはどんな相場でも乗り切り利益を出せることが重要であるため、なるべく自分で取引をして技術を向上させる方が良いでしょう。
条件付き注文「寄付、引け、指成」とは?指値や成行以外の株の注文方法を解説
株式投資の自動売買に関するよくある質問
Q1. 自動売買は初心者でもすぐに始められますか
A. はい、始めること自体は非常に簡単です。
多くのネット証券が初心者向けの自動売買機能を備えており、口座を持っていれば数分で設定可能です。
ただし「設定できること」と「利益を出せること」は別問題です。
まずは証券会社が提供しているチュートリアルを読み込み、簡単な逆指値注文などから段階的にステップアップしていくことをおすすめします。
Q2. 高額な自動売買ソフトを買えば儲かるようになりますか
A. いいえ、高額なソフトを買ったからといって儲かる保証はありません。
むしろ「絶対に儲かる」「元本保証」といった言葉で高額商品を売るケースは詐欺の可能性が高いです。
投資に絶対はありません。
まずは証券会社が無料で提供しているツールを使いこなし、自分なりの戦略を確立することが利益への最短距離です。
Q3. 自動売買だけで生活することは可能ですか
A. 理論上は可能ですが、非常に高いハードルがあります。
自動売買だけで生活できるほどの利益を出すには、相応の運用資金(数千万円単位)と、複数のシステムを組み合わせてリスクを分散する高度なポートフォリオ管理能力が必要です。
初心者のうちは、あくまで副収入や資産形成の一助として捉えるのが現実的です。
まとめ
株の自動売買は、正しく使えば感情を排除し、効率的に利益を積み上げることができる優れた手法です。
しかし、本記事で解説した通り、万能なシステムはこの世に存在しません。
自動売買はあくまであなたの投資をサポートするパートナーです。
システムにすべてを丸投げするのではなく、自らが舵取り役となって知識を蓄え、判断力を養うことで、初めて「継続して儲かる」というステージに到達できます。
まずは、現在利用している証券会社の自動注文機能を一つ試してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。






