株式投資を始めると、誰もが最初に直面するのが「チャートの見方」です。
チャートを読むことができれば、株価の流れをつかみやすくなり、売買の判断材料として役立ちます。
とはいえ、最初は「ローソク足って何?」「線が多すぎて難しい」と感じる方も多いでしょう。
本記事では、初心者でも理解できるように、株価チャートの基本構造・見方・分析のポイントを整理して解説します。
最後まで読んでテクニカル分析の基礎を押さえ、株価の動きを自分で読み取れるようになりましょう。
株価チャートとは?
株価チャートとは、株価の動きをグラフ化したものです。
1日、1週間、1か月といった期間ごとの値動きを記録し、視覚的に「株価が上がっているのか、下がっているのか」を把握できます。
企業の財務や業績をもとに分析する「ファンダメンタルズ分析」と異なり、チャート分析(テクニカル分析)は投資家の心理や需給の変化を“株価の形”で読み取ることを目的としています。
また、チャートは全ての投資家が同じ情報を共有できるため、初心者でもプロと同じ目線で相場を確認できるのが特徴です。
チャートの日足・週足・月足ってどうやって使い分けるの?初心者向けに解説します
チャートの種類と時間軸の違い
チャートには複数の種類がありますが、最も一般的なのが「ローソク足チャート」です。
このほかにも「折れ線グラフ」や「バーチャート」などがありますが、日本ではローソク足が主流です。
ローソク足とは
ローソク足は、1本の棒でその日の始値・終値・高値・安値の4つの価格を表します。
四角い部分を「実体」、上下に伸びた線を「ヒゲ」と呼び、上昇(陽線)と下落(陰線)がひと目で分かるようになっています。
下記のグラフをご覧ください。

この図の中の白と黒の四角形はローソク足です。
移動平均線は、赤、緑、青で引かれている折れ線グラフのことになります。
この移動平均線の色は証券会社や自身の設定により変えることができるので、必ずしもこの色の限りではありません。
この図で言うと、赤色の線が5日間の株価の終値の平均をまとめた線で5日移動平均線と言い、同様に緑が20日の平均をまとめた20移動平均線、青色の線が60日移動平均線となります。
日数が大きくなるほど、長期的に株価の推移を確認することができ、日数が少ないほど短期での移動の平均推移を確認することができます。
移動平均線とは、一定期間の株価の平均値を折れ線グラフでつなぎ合わせたものです。
一目見るだけで、株価が上昇傾向なのか、下降傾向なのかという、株価のトレンドを把握できる便利なグラフです。
上の図であれば、株価の上げ下げを繰り返しながら上昇傾向にあることが見てわかります。
このように株価が上昇しているときは「上昇トレンド」、下降しているときは「下降トレンド」と呼ばれます。
トレンドに乗ることができれば利益を上げやすいですが、トレンドの終盤でエントリーしてしまうと高値掴みとなり株価の動きが反転してしまうこともあるので、注意が必要です。
移動平均線はどう見ればいいの?株初心者にもわかりやすく解説します。
チャートの時間軸(足)の使い分け
チャートは表示する期間によって「日足」「週足」「月足」などに分かれます。
目的に応じて見方を変えることが大切です。
| 種類 | 期間 | 特徴と活用法 |
|---|---|---|
| 日足 | 1日ごとの値動き | 短期売買のタイミングをつかむのに最適。値動きの細かい変化を確認できる。 |
| 週足 | 1週間ごとの値動き | 中期的なトレンドを把握しやすく、ノイズが少ない。 |
| 月足 | 1か月単位の値動き | 長期の流れを確認するのに向いており、大局的な方向をつかみやすい。 |
初心者のうちは、まず「日足」で値動きの基本パターンを覚え、慣れてきたら週足・月足を併用して全体の流れを確認すると良いでしょう。
チャートを見るうえでの基本要素
移動平均線
移動平均線は、一定期間の株価の終値を平均して線で結んだものです。
「5日」「20日」「50日」など、期間を変えて複数本の線を重ねて表示します。
株価がこれらの線の上にあるときは上昇傾向、下にあるときは下降傾向と判断されることが多いです。
移動平均線は、チャートの“傾き”を見るだけで現在の相場の方向感をつかめる便利なツールです。
トレンド(上昇・下降・横ばい)
チャートを読み解くうえで、まず確認したいのが「トレンド」です。
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上昇トレンド:高値と安値がともに切り上がっている
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下降トレンド:高値と安値がともに切り下がっている
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レンジ(横ばい)相場:一定の範囲で上下を繰り返している
トレンドを見極めることで、現在の相場がどの局面にあるかを理解できます。
ただし、トレンドの終盤では勢いが弱まり、反転の兆しが出ることもあるため注意が必要です。
出来高
出来高とは、ある期間に取引された株数の合計を表します。
出来高が増えているときは多くの投資家が関心を持っている証拠であり、価格変動の背景を読み取る材料になります。
特に「価格が上昇しているのに出来高が減少している」ときは、勢いが弱まっているサインとして注目されます。
チャートの見方を身につけるステップ
ステップ1:過去のチャートを観察する
まずは過去のチャートを開き、値動きのパターンを確認してみましょう。
上昇・下降・横ばい、それぞれの局面で株価がどのように動くかを観察することが、チャート理解の第一歩です。
ステップ2:ラインを引いてみる
過去の高値や安値を線で結ぶと「サポートライン(下値支持線)」や「レジスタンスライン(上値抵抗線)」が見えてきます。
これらのラインは、次に価格が反発・反落しやすい目安として活用されます。
ステップ3:トレンドの変化を確認する
移動平均線の傾きが変わったり、短期線と長期線が交差する場面は、トレンド転換のシグナルになる場合があります。
チャート上でこうした変化を見つける習慣をつけると、相場の流れをつかみやすくなります。
チャート分析で意識したいポイント
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トレンドの方向を優先して考える
短期の値動きに惑わされず、全体の流れを把握することが重要です。 -
時間軸をずらして確認する
日足・週足・月足を比較し、複数の視点から判断すると精度が高まります。 -
感情で判断しない
チャートは客観的なデータです。焦りや期待に流されず、一定の基準をもって観察しましょう。 -
ニュースや材料との関係を意識する
チャートの形には、企業の決算や経済イベントの影響も反映されます。背景を理解することも大切です。
株価チャートを軸にした相場式の売買シグナルとは
株価チャートを見ることができるようになると、「テクニカル分析」と呼ばれる分析手法をもとにトレードの精度を上げることが可能です。
しかし、初心者の方には難しいと感じることもあるかもしれません。
当サイトの監修者である株歴38年以上のプロトレーダー「相場師朗(あいばしろう)」先生の技は、テクニカル分析の手法を応用しています。
そのため株初心者の方にもわかりやすい手法として確立されています。
さらに再現性のある手法のため、一度覚えてしまえば同じようなシグナルを見つけて何度でもエントリーすることが可能です。
相場先生の手法にご興味がある方は、最も初歩的なシグナルである【相場流株技術用語】下半身・逆下半身とは?の記事を合わせてご覧になってみてください。
よくある質問(株価チャートの基本Q&A)
Q1. チャートを見るときは「日足」「週足」「月足」どれを使えばいいですか?
A. 目的によって使い分けるのが基本です。
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日足:短期売買(1日〜数週間)の値動きを確認したいときに便利です。
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週足:中期的なトレンドをつかむときに使います。ノイズが少なく、方向性を見極めやすいのが特徴です。
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月足:長期投資(半年〜数年)の方向性を判断するときに適しています。大きな流れ(上昇・下降トレンド)を確認できます。
初心者のうちは、まず日足でチャートの基本形を覚え、次に週足・月足で全体像をつかむのがおすすめです。
Q2. ローソク足の形はどのように見るのですか?
A. 長い上ヒゲは「上昇の勢いが弱まったサイン」、長い下ヒゲは「下落からの反発」を示すことがあります。
形状を比較することで、売り・買いの勢力バランスを読み取れます。
まとめ
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チャートは株価の「過去」と「今」を映す地図のような存在
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ローソク足と移動平均線を中心に構造を理解する
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トレンドや出来高を観察し、相場の流れをつかむ
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感情ではなく、データを基に冷静に判断することが重要
チャートの見方を理解すれば、株価の動きを客観的に捉えられるようになります。
最初は難しく感じても、繰り返し観察することで少しずつパターンが見えてきます。
まずは自分の興味のある銘柄を一つ選び、日足チャートを1か月分だけでも観察してみましょう。
チャートを読む力は、一朝一夕では身につきませんが、確実にあなたの投資判断を支える基礎となるはずです。
株の正しい勉強方法は?優待・ファンダ・テクニカルそれぞれ完全ガイド

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。







