ローソク足は、株価の一日(あるいは一定時間)の動きを一本で表すグラフです。
本記事では、はじめてチャートを読む方でも迷わないように「色・長さ・ヒゲ」の基本から、始値・終値・高値・安値の位置関係、十字線の意味、学習の進め方までをやさしく整理します。
仕組みを理解し、日々のチャートを自分の目で確認できる基礎づくりを目指しましょう。
ローソク足とは?
ローソク足は「価格の動きを一本の図でまとめたもの」です。
一本の中に、始値・終値・高値・安値という4つの価格が入っており、相場の一日を“写真一枚”のように切り取ります。
ローソク足の読み方は、(1)色、(2)長さ、(3)ヒゲの3要素を順に確認するのが基本です。
まず色で「上がって終わったか、下がって終わったか」(陽線・陰線)を把握し、長さで「その日の値動きの大きさ」(値幅)をとらえ、ヒゲで「一時的にどこまで行ったか」(高値・安値)を見ます。
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ローソク足の色は価格の上げ下げを意味する
最初に確認するのは色(陽線・陰線)です。
終値が始値より高ければ“上がって終わり(陽線)”、低ければ“下がって終わり(陰線)”を意味します。
上図はYahoo!ファイナンスのNTT株のチャートです。
実際に見てみると、確かに青色は下がっていて、赤色は上がっているのがわかります。
使うチャートによっては、色が赤ではなく白だったりするため、事前に確認しておきましょう。
白・赤は上昇を意味する
白・赤色は、株価上昇を意味します。
上図は、みんかぶの三菱UFJフィナンシャル・グループのチャートです。
白い部分で上昇していることがわかりますね。
ローソク足の色は、自分で設定できるツールもあるため、好きな色を選ぶと良いでしょう。
おすすめは他のチャートでも採用率の高い白色か赤色です。
黒・青は下落を意味する
黒・青色は株価下落を意味します。
例えば上図は、カゴメのチャートです。
青は一般に陰線(いんせん)を示し、終値が始値より低かった日=下落して終えた日を意味します。
チャート上で黒・青の足が続いていれば、「その期間は下落して引けた日が相対的に多かった」と読めます。
ただし、連続陰線=今後も必ず下がるということではありません。
色は“その日の結果”を示す情報です。まずは色=上げ下げを即座に認識できるようにしつつ、流れの判断は前後の値動きや出来高・上位足の方向などと合わせて確認すると安定します。
ローソク足の長さ(四角形+棒線)はどれだけ値動きしたか
ローソク足の長さ(四角形+棒線)は、どれだけ値動きしたかを意味しています。
長いローソク足は値動きが大きい、短いローソク足は値動きが小さいということですね。
ローソク足の長さから、「今日はかなり値動きしたな」と読み取れるわけです。
長ければ長いほど値動きしている
ローソク足の長さが長ければ長いほど、値動きの幅は大きいです。
これまでくらべてかなり長いローソク足が出現したときは要注意。
もしかしたらのその企業に関するニュースが出ているかもしれません。
逆に短いローソク足は、ほとんど値動きしなかった証拠です。
同じ長さでも値動きの仕方は異なることも
ローソク足の長さが同じだったとしても、どのように価格が動いたかは異なります。
一直線に上昇したのか、それとも上下を繰り返しながら最終的に上昇で終わったのかは、ローソク足を一つ見るだけではわからないのです。
1日1本のローソク足で見る以外にも、1時間1本・1分1本など時間の単位を変えることで、より細かな値動きを見ることができます。
とはいえ、まずは長いローソク足を見たら「色々あったかもしれないけど、最終的には上昇した(下落した)」と捉えておけばOKです。
ローソク足の四角形は何を表している?
ローソク足は、四角形と棒線で構成されています。
四角い部分=実体は、始値と終値の差です。
どこから始まり、どこで終わったかを示します。
取引が始まったときの値段
四角形の片方は、取引が始まった時の値段を示しています。
上昇している赤色のローソク足なら下側、下落している青色のローソク足なら上側です。
株式市場は、9時から11時30分までと、12時30分から15時まで開いています。
つまり9時の株価を示しています。
取引が始まった時の値段のことを「始値(はじめね)」といいます。
ローソク足を見るだけで、その日の株価がいくらから始まったのかもわかるのです。
取引が終了したときの値段
ローソク足の四角形、もう片方は取引が終わった時の値段を示しています。
株式市場が閉まる時間、つまり15時の株価となるわけです。
取引が終わった時の値段のことを「終値(おわりね)」といいます。
始値と終値が近い値段であればあるほど、ローソク足は短くなるということです。
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ローソク足の棒線は何を表している?
ローソク足の上下に突き出ている棒線、いったい何を表しているのでしょうか。
棒線は、最も高い時と最も安い時の値段を表しています。
上と下の棒線について、それぞれ見ていきましょう。
その日最も高かったときの値段
上に突き出ている棒線は、その日最も高かったときの値段を示しています。
100円でスタートした株価が、お昼ごろに200円にまで上がったが、その後下がって150円で終わったなら、200円が最も高い値段ですね。
その日最も高かった時の値段を、「高値(たかね)」といいます。
その日最も安かったときの値段
下に突き出ている棒線は、その日最も安かったときの値段です。
安ければ安いほど、棒線も下に長く伸びていくわけですね。
その日最も安かったときの値段を「安値(やすね)」といいます。
ローソク足を見るだけで、その日始まったときの値段・終わったときの値段・最高値・最安値がわかるわけですね。
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棒線しかないローソク足は何?
ローソク足を見ていくと、棒線しかないタイプのローソク足があります。
上図は、フュージョンという銘柄のチャートです。
パッと見ただけだと、ローソク足がほとんどないようにも見えます。
このように棒線しかないタイプのローソク足は、「その日値動きしなかった」「最初と最後が同じ値段だった」ときに出現します。
始まりと終わりの値段が同じ
始まったときの値段と、終わったときの値段が同じだった場合、横棒のようなローソク足となります。
その日ほとんど値動きしなかったことが読み取れます。
上下に線が伸びている場合は、「値動きはしたけれども、結局最初の値段に戻った」ことを意味するのです。
この横棒のローソク足が出現しているときは、「買いと売りの勢いが拮抗しているな」ともとらえられますね。
取引数が少ない銘柄にもよく出現する
横棒のローソク足は、取引数が少ない銘柄にもよく出現します。
取引する人が少ないから、値段も動きづらいというわけです。
にもかかわらず、先ほどのフュージョンのチャートを見てみると、横棒のローソク足ながらも、価格は動いています。
これは、株式市場が閉まっている間に買いや売りの注文が溜まっており、市場が始まった瞬間に価格が動いた状態からスタートするからです。
買い注文がたくさん溜まっていれば、その分価格も一気に上がった状態でスタートするイメージ。
詳しく知りたい方は、始値についてまとめた記事でチェックしてみてください。
ローソク足の見方をマスターしたらパターンを覚えていこう
ローソク足の見方をマスターしたら、様々なパターンを覚えていきましょう。
ローソク足には、様々な種類やパターンがあります。
そのパターンを覚えることで、今後の値動きを予想できるようになるのです。
「このパターンだから暴落するかもな」「この種類のローソク足ならまだ上がるな」
投資で利益を積み重ねていくためにも、ローソク足の知識をさらに深めてきましょう。
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よくある質問(Q&A)
Q1. ローソク足は1本だけ見れば相場の流れがわかりますか?
A. 1本のローソク足は、その日の「結果」を示す記録にすぎません。
上昇して終わった(陽線)としても、全体の流れが下降トレンドなら一時的な戻りにすぎないこともあります。
複数本の並び方(連続陽線・陰線、長短の変化)をあわせて見ると、より信頼度の高い判断ができます。
Q2. どの時間軸のローソク足を見ればいいですか?
A. 目的によって使い分けます。
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短期トレード:1分足・5分足など(細かな値動き)
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スイングトレード:日足(1日の動き)
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中長期投資:週足・月足(トレンドの流れ)
初心者のうちは、日足チャートで値動きの「型」を覚えるのがおすすめです。
まとめ
ローソク足は、一本の中に「始値・終値・高値・安値」の4つの情報がまとまった、視覚的に分かりやすい価格の記録です。
まずは色(終わり方)、長さ(値幅)、ヒゲ(到達点)の順で確認する型を身につけ、同じ手順で日々のチャートに触れてみてください。
基礎を押さえた上で、自分に合う学習ペースでパターンや応用の読み方を重ねていくことが大切です。
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これまで10以上のメディア運営に従事。現在は自身も株塾で学びつつ、毎日コンテンツ作成をし続ける。
あらゆるジャンルで編集者として活動してきた経験を活かし、初心者から上級者まで役立つ記事を作成。