平均足に興味はあるけれど、「実際の使いどころ」がつかめず手が止まっていませんか。
平均足はローソク足の揺れを慣らし、流れを視覚化しやすくする表示手法です。
ただ、感覚任せで使い始めると、サインの解釈を誤って売買判断がぶれやすくなります。
本記事では、平均足の仕組みと読み方、代表的な活用パターン、他指標との組み合わせ、だましを減らすポイントまで紹介。
トレンド把握を安定させるための“再現性ある手順”をわかりやすく解説します。
平均足とは

平均足とは、テクニカル指標の一つであり、トレンドを把握したいときに活用します。
一見ローソク足のようにも見えますが、別物です。
平均足をもとに、上昇トレンドか下降トレンドかを判断し、買いか空売りかを考えます。
初心者でもローソク足の見方がわかる!チャートを見るための基本を徹底解説
トレンドを判断できる
平均足は、トレンドを測る際に役立つ指標です。
陽線・陰線が連続しているため、トレンドの方向性が視覚的にわかりやすいのが特徴です。
例えば下図の場合で考えてみましょう。

ローソク足であれば、「移動平均線よりも上で推移しているし、まだ陽線も出ている…」とまだ上昇するかもしれないと迷う方もいるはず。
しかし平均足であれば、「陰線が連続しているから、下降トレンドが始まっていそう」と、トレンドの判断がしやすくなるのです。

実際にその後、下降トレンドが続き、株価は下落しました。
空売りを入れていれば、利益を狙える局面だったわけですね。
シンプルで使いやすい
平均足では、陽線・陰線が連続して出現します。
初心者からでも確認しやすく、一目で判断ができるところが大きな魅力。

また平均足の色だけでなく、長さからもトレンドの強さを読み取ることができます。
ローソク足とは計算方法が違う
平均足とローソク足は、計算方法が違います。

通常、ローソク足は「始値・終値・高値・安値」の4つの値から構成されています。
一方平均足は、「1つ前の始値と終値の平均が始値」です。
そして終値は「その期間の始値・終値・高値・安値の平均」となっています。
ヒゲはローソク足と同じく高値・安値を表しています。
平均足は使うべき?
トレンドが視覚的にわかりやすくなる平均足ですが、実際のところ使うべきなのでしょうか?
他にも指標が色々とある中で、平均足を必ず使うべきかどうかでいえば、答えは「NO」です。
トレンドを測る指標は他にもありますから、平均足にこだわる必要はありません。
基本的には使わなくてもOK
基本的に平均足は使わなくてもOKです。
移動平均線でもトレンドは測れますから、必須とは言えないでしょう。
もちろん平均足を使わないほうがいいわけではありません。
あくまでも、必須ではない指標だと思っておきましょう。
平均足とボリンジャーバンドの最強手法!利益を増やす組み合わせを徹底解説
平均足だけでは分析精度に欠ける局面も
平均足だけで分析する場合、精度に欠ける局面も出てきます。
いわゆるだましに合う可能性が高いわけです。

上図はカシオ(6952)の2023年5月のチャート。
平均足では陽線が連続し上昇トレンドだと思って買いを入れたのに、数日後に暴落してしまいました。
こういっただましに合わないためにも、平均足だけで勝ちにいくなら、研究と練習がかなり必要になるでしょう。
サブとして使うのがオススメ
複数の指標を組み合わせて使いたいときであれば、平均足はおすすめです。
とある指標では上昇トレンドみたいだけれど、平均足ではどうだろうと比較検討するわけです。
指標を組み合わせて使えば、分析の精度も上がります。
移動平均線やボリンジャーバンドなど、できるだけ自信を持ってトレンドを判別できるようにしていきましょう。
200日移動平均線とは?利益を生み出すための設定・コツをプロ目線で徹底解説
平均足で勝つための手法
平均足をトレードで活かすためにも、勝つための手法を覚えましょう。
間違った手法を続ければ、利益どころか損失を抱えてしまう可能性があります。
平均足を使いこなすためのポイントをまとめました。
上ヒゲ陽線が連続していれば上昇トレンド

上ヒゲ陽線が連続していれば、上昇トレンドだと考えられます。
具体的には、3本以上連続して出現すれば「上昇トレンド」だと判断しましょう。
上ヒゲがあるということは、前日よりさらに高値を付けているということです。
株価が上がっている証拠なので、上ヒゲの陽線は見逃さないようにしましょう。
上ヒゲ陽線とは?相場の転換点を見極めて勝つための買い時・売り時
下ヒゲ陰線が連続していれば下降トレンド

下ヒゲ陰線が連続して出現していれば、下降トレンドだと考えましょう。
3本以上の連続で、下降トレンドの可能性は高いといえます。
逆に言えば、下ヒゲでなく上ヒゲの陰線が出現したら、トレンドの終了を意識し始めることをオススメします。
下ヒゲ陽線・上ヒゲ陽線はトレンド転換
上昇トレンド中に、下ヒゲ陽線が出現したら要注意。
下降トレンドに切り替わる可能性があります。

下ヒゲ陽線は、上昇の勢いが弱まっていることを示します。
下降トレンドが始まる可能性を意識して、手仕舞い・損切りのタイミングを検討しましょう。
また下降トレンドから上昇トレンドに切り替わる際は、上ヒゲ陽線が出現しやすいといえます。
実体が長いほど強いトレンド
平均足の実体が長いほど強いトレンドだといえます。
逆に短い場合は、トレンドとしては弱いというわけですね。
長い実体の陽線が続いていたのに、短い実体の陽線が連続し始めたら、上昇のトレンドが弱まってきたと考えましょう。
陰線でも同じく、実体の長さがトレンドの強さを表しています。
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平均足の手法で注意すべきポイント
平均足の手法をトレードに活かすうえで、注意すべきポイントをまとめました。
便利な指標である平均足ですが、必ず利益を出せるようになるわけではありません。
損失を避けるためにも、平均足の注意点を押さえておきましょう。
3本以上連続したらトレンドと判断すること
トレンドの判断は、「3本以上連続しているかどうか」で考えましょう。
1本出ただけでは、トレンドが発生しているかどうかの判断は難しいといえます。
ある程度連続してからようやく、「これはトレンドになっていそうだ」と考えられるのです。
逆に、3本陽線が出現したからといって、直後に4本陰線が連続で出現したりしたら、上昇ではなく下降トレンドが始まったと考えたほうが良いでしょう。
実際の値動きよりもタイミングが遅くなる
平均足は、実際の値動きよりもタイミングが遅くなります。
ローソク足と違い、1本前の価格を含めて当日分が表示されるため、現在の価格はわかりづらいです。
トレンド転換のタイミングや、売買タイミングは、実際の値動きに対して出遅れてしまう可能性は高いでしょう。
短期であればデメリットといえますが、中長期の投資であれば、あまり大きなデメリットにはなりません。
自分のトレードスタイルに合わせて、平均足の手法をどこまで取り入れるか考えてくださいね。
レンジ相場は手を出さない

トレンドを測る平均足は、レンジ相場ではあまり活躍しません。
陽線も陰線も交互に出現しやすく、トレンドだと思っても間違う「だまし」も発生しやすいです。
レンジ相場になっていると分析したのであれば、平均足の手法は使わないほうがいいでしょう。
あくまでも、トレンドで利益を狙いに行く際に役立つ指標なのです。
単独で使うとだましにあうことも
平均足を単独で使うと、だましにあうことも少なくありません。
トレンドを見やすくする指標であり、平均足だけで利益を積み重ねていくのは難しいでしょう。
長期間にわたるトレンドはつかみやすい一方で、すぐ終わる短期的なトレンドは、平均足だけで見極めるのは至難の業です。
いつ頃このトレンドが終わるのか、平均足だけで判断しないようにしましょう。
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平均足と合わせて使いたい指標・テクニック
より分析の精度を上げるためにも、平均足と合わせて使いたい指標・テクニックをまとめました。
どれも分析の基本といえる技ですから、ぜひ覚えておきましょう。
移動平均線
移動平均線も、平均足と同じくトレンドを測る際に役立つ指標です。
何日の移動平均線を使うかは、自分のトレードスタイルに合わせて考えましょう。
平均足でまずトレンドをざっくりと把握し、その後移動平均線でトレンドの強さを細かく分析していきます。
移動平均線の細かな使い方はマスターしておく必要がありますから、下記記事を参考にしてください。
ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドは、トレンドの強弱や反転の目安を測るテクニカル指標です。
平均足でトレンドの状態を確認した後に、ボリンジャーバンドでトレンドの強さをより詳しく見てみましょう。
特にチェックしておきたいのが、強いトレンド時に発生するバンドウォークです。
バンドウォークについては下記記事で詳しく解説しています。
バンドウォークとは?順張りで利益を出せるようになる見極め方を解説
エリオット波動

エリオット波動は、相場の値動きについての理論です。
値動きにパターンがあるとして、一定のサイクルを繰り返しながら動くとされています。
エリオット波動を覚えておくことで、平均足でわかったトレンドが、いつまで続くのかを見極めやすくなるのです。
現在の値動きが、エリオット波動のどのあたりに位置づけられるのか、これまでの値動きから分析してみましょう。
エリオット波動とは?基本原則や利益を出すコツをプロが徹底解説
【相場流】下半身・逆下半身

トレンド転換の合図として目安になるのが、相場流技術の一つ「下半身・逆下半身」です。
5日移動平均線を、日足の陽線が実体の半分以上を突き出した状態を、下半身といいます。
逆に、日足の陰線が実体の半分以上を下向きに突き出すと逆下半身になります。
下半身は、上昇トレンドのきっかけとなるシグナルです。
平均足と同時に発生していれば、トレンドの信ぴょう性はより高いといえるでしょう。
【相場式株技術用語】下半身・逆下半身とは?株初心者にもわかりやすく解説します
【相場流】9の法則

9の法則は、相場流技術の一つであり、トレンドがいつまで続くのかを測るシグナルです。
トレンドはローソク足の9日前後まで続くという技術であり、平均足でつかんだトレンドが、いつまで続くか見極める際に役立ちます。
もちろん、確実に9日間続くとは限らないですから、チャートを注視することは必要です。
常に9の法則を頭の片隅に入れておき、売買タイミングを間違えないようにしましょう。
【相場流株技術用語】9の法則とは?忘れがちな株技術をあらためてチェック
よくある質問(Q&A)
Q1. 平均足はローソク足より優れていますか?
A. 役割が異なります。
平均足は平滑化で流れの把握に強く、ローソク足は当日の力学を精密に捉えます。併用が実務的です。
Q2. 連続本数は何本を目安にしますか?
A. 3〜5本が一般的な閾値です。
短期は3本、日足スイングは4〜5本など、時間軸で調整します。
Q3. レンジでの活用法はありますか?
A. レンジではだましが増えます。
平均足よりもオシレーター系や価格帯別出来高を優先し、平均足はブレイク時の確認に限定する手が現実的です。
まとめ
平均足は、相場の“流れ”を視覚的にとらえやすくするシンプルなテクニカル指標です。
陽線・陰線の連続性や実体の長さを見ることで、トレンドの強弱や転換の兆しを直感的に把握できます。
ローソク足よりノイズが少なく、チャート全体のリズムをつかみたい場面に適しています。
ただし、平均足は過去データをもとに描かれるため、タイミングがやや遅れる傾向があります。
短期売買や急変局面では、移動平均線・ボリンジャーバンド・出来高など他の指標と組み合わせて使うのが効果的です。
「3本連続でのトレンド判断」や「実体の長さによる勢い確認」を基本ルールとして活用し、平均足を“メインの判断軸”ではなく“トレンド確認の補助指標”として取り入れることが、安定した分析につながります。
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これまで10以上のメディア運営に従事。現在は自身も株塾で学びつつ、毎日コンテンツ作成をし続ける。
あらゆるジャンルで編集者として活動してきた経験を活かし、初心者から上級者まで役立つ記事を作成。







