トリプルトップは、上昇してきた株価が同じような高値で何度も止まり、流れが変わる可能性を示すパターンとして知られています。
一方で、形だけを追いかけると「だまし」に振り回され、思わぬ損失につながることもあります。
本記事では、投資初心者の方にも分かりやすいように、トリプルトップの基本的な意味や構造、チャートでの見つけ方、一般的な分析の流れや注意点を解説します。
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トリプルトップとは

トリプルトップとは、チャート上に出現する下降トレンドのきっかけとなるシグナルです。
上昇トレンドから下降トレンドに切り替わるタイミングとなり、利益を狙いに行くのであれば空売りをすることになります。
必ず下降トレンドが始まるとは限らないという点は、覚えておきましょう。
トレンド転換のシグナル
トリプルトップはトレンド転換のシグナルです。
上昇トレンドから下降トレンドに切り替わるタイミングであるため、買いで持っているなら、下がる前に利益確定をしたほうがいいかもしれません。
何回も上昇を繰り返すものの、天井に当たるようにして何度も下落をし、最終的には上昇できずに下落していくわけですね。
3つの高値(山)と2つの安値(谷)からなる
トリプルトップは、3つの高値(山)と2つの安値(谷)から構成されています。
ポイントは、3つの高値がほぼ同じ価格、2つの安値もほぼ同じ価格であるという点。

上のラインはレジスタンスラインと呼び、価格がそのラインに当たるたびに反落します。
下のラインはネックラインと呼び、価格がそのラインに当たるたびに反発します。
トリプルトップでは、ネックラインと3回当たったタイミングで突きぬけるように下落すれば、形が完成するわけです。
高値圏で出現
トリプルトップは、高値圏で出現します。

これまでの値動きから、高値がどこかを確認してみましょう。
高値圏であれば、トリプルトップである可能性は高くなります。
逆に高値圏でなければ、トリプルトップにならずに、上昇トレンドが継続してしまうことも。
高値圏かどうかは必ずチェックしておきましょう。
実際の例
実際にトリプルトップが出現した例を見てみましょう。
下記はジェイリース(7187)のチャートです。

トリプルトップ出現後、下落トレンドが始まっていることがわかります。
事前にこの下落を予想できれば、空売りを入れて大きな利益を狙いに行けますね。
トリプルトップと反対のパターン「トリプルボトム」
トリプルトップが高値圏からの転換パターンとして意識されるのに対し、その反対に位置づけられるのが「トリプルボトム」です。
こちらは安値圏で3回下げ止まり、相場が上方向へ転じる可能性が意識される形とされています。
両者を比較しておくと、チャートの上下の節目を立体的に捉えやすくなります。

トリプルボトムは、上昇トレンドへ転換するシグナルです。
3つの安値(谷)と2つの高値(山)から構成され、安値圏で出現します。
まさにトリプルトップとは正反対のシグナルですね。
トリプルボトムとは?だましに合わないための売買タイミングを徹底解説
トリプルトップをチャート上から見つける流れ
トリプルトップを実際にトレードで活かすためにも、探し方を覚えておきましょう。
ポイントは2つ。
- 連続した上昇トレンドを探す
- ダブルトップを探す
1つずつ確認していきましょう。
連続した上昇トレンドを探す
連続した上昇トレンドを探しましょう。
トリプルトップは、3回上昇を繰り返してから下落する形となっています。
上昇しては天井に当たったかのように下落を繰り返している形があれば、トリプルトップの可能性があるので注意してください。
高値圏かどうかも要チェック。
条件と当てはめていって、トリプルトップになりそうかどうかを判断していきましょう。
残念ながら、トリプルトップを簡単に絞り込むツールは調査の結果ありませんでした。
よく似た形の三尊天井の形状で絞り込んでみて、トリプルトップを探してみるのも一つの手です。
ダブルトップを探す
トリプルトップを探すなら、似た形のダブルトップを探しましょう。
ダブルトップから、トリプルトップになる可能性があるため、注意して見守るのです。

検索のスクリーニング機能で、ダブルトップを調べてみて、該当銘柄をチェックしておくのです。
その後の動きを追って、トリプルトップになりそうなものがないか探してみましょう。
トリプルトップの売買タイミング
トリプルトップの売買タイミングをマスターして、利益を取れるようになりましょう。
利益を得るためには、売買のタイミングがとても重要です。
せっかくトリプルトップを発見できても、売買タイミングを間違えれば損しかねません。
トリプルトップの売買タイミングは、以下の2つ。
- ネックラインを越えたら空売り
- 山からネックラインまでの値幅と同じ下降で手仕舞い
利益確定までしっかりマスターしておきましょう。
ネックラインを越えたら空売り

トリプルトップは下降トレンドが始まるシグナルですから、利益を狙いに行くなら空売りです。
下がった分だけ、利益になるわけですね。
空売りを入れるタイミングは、ネックラインを超えて下がったタイミング。
トリプルトップが完成したタイミングともいえます。
山からネックラインまでの値幅と同じ下降で手仕舞い

手仕舞いのタイミングは、トリプルトップの頂点からネックラインまでの幅と、同じだけ下がったタイミングです。
欲張って「もっと下がってから」と思っていると、上昇トレンドに変わってしまい損失をする可能性があります。
あらかじめ利益を確定させるタイミングは決めておきましょう。
ルールに則って、冷静にトレードすることが重要ですよ。
直近の値動きを意識しつつ手仕舞い
手仕舞いのタイミングとしてもう一つ覚えておきたいのが、「直近の値動きを意識しつつ手仕舞う」ことです。
チャートにおいて、投資家たちが意識する価格帯をチェックしておきましょう。
直近の安値や、よく価格が反発・反落しているラインには要注意。
価格が動きがちなラインに近づいてきたら、手仕舞うかどうか注意してチャートを観察するようにしてくださいね。
トリプルトップの注意点
トリプルトップだと思ってトレードを始めても、思わぬ値動きをして損をしてしまう可能性はあります。
そのようなだましに合わないためにも、トリプルトップの注意点を押さえておきましょう。
高値圏以外での出現に注意

高値圏以外でのトリプルトップ出現には注意しましょう。
トリプルトップではなく、ただもみ合っているだけの可能性があります。
その場合、下降トレンドではなく、再び上昇トレンドに入ってしまうことも。
そうなれば損失が膨らんでいってしまいますから、高値圏かどうかは冷静に判断しましょう。
ネックライン付近は損切りすることも視野に入れておく
ネックライン付近では、損切りすることも視野に入れておきましょう。
トリプルトップの形になっていたとしても、100%下降トレンドになるわけではありません。
想定外の動きに対応できるように、どこまで上がったら損切りするか決めておくのです。
適切な損切りが出来なければ、損失がどんどん膨らんでいってしまいます。
損失が膨らんでいる状態は冷静な判断もしづらいですから、事前に損切りラインを決めておいてくださいね。
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空売りしてから上がっても焦らない
トリプルトップ完成後、空売りをしてから少し上がったとしても焦らないようにしましょう。
ネックラインまで上がったあと、再度下降する可能性があります。
早すぎる判断で利益を取り損ねることはよくあることです。
とはいえ、大きな損をするよりはマシですから、どこまでの上昇を我慢するかは事前に決めておいてください。
トリプルトップに関する質問Q&A
Q1. ダブルトップとトリプルトップは、どちらが信頼性が高いのですか?
一般的には、トリプルトップのほうが高値での攻防が長く続いている分、「上値の重さ」がより強く意識されやすいと考えられます。
ただし、だからといって必ずトリプルトップのほうが大きな下落につながるとは限りません。
相場の環境や出来高、ニュースなどによって値動きは大きく変わるため、「どちらが強いか」を単純に比べるよりも、その局面でのトレンドの長さや過熱感、全体相場との関係などを合わせて確認することが大切です。
Q2. トリプルトップは、どの時間軸のチャートで見るのがよいのでしょうか?
トリプルトップは、日足や週足など、ある程度の期間を含んだ時間軸で確認されることが多いパターンです。
短い時間軸でも形自体は現れますが、短期的なノイズが多く、もみ合いとの区別が難しくなることがあります。
一方、日足や週足では、トレンドの流れや出来高の変化も合わせて見やすくなるため、「どの程度重要な節目になっているか」を判断しやすくなります。
複数の時間軸を並べて、「上位の時間軸で意味のある高値圏になっているか」を確認する習慣を持つと、パターンの重みづけがしやすくなります。
まとめ
トリプルトップは、高値圏で3回の高値試しが続いたあと、ネックラインを割り込むことで上昇の勢いが弱まり、流れが変化する可能性を示すパターンとして広く知られています。
本記事では、その基本的な意味や構造、投資家心理との関係、チャート上での見つけ方、一般的に意識されやすい価格帯や値幅の考え方、そして注意したいポイントを解説しました。
大切なのは、トリプルトップという名前そのものよりも、「高値圏でどのように買いと売りの力関係が変わっているのか」という背景を理解することです。
形だけで結論を急ぐのではなく、他のテクニカル指標や相場環境と組み合わせて、冷静に変化の兆しを観察していく姿勢が、チャート分析の精度を高める一歩になります。
三空踏み上げには売り向かうべからず?過去のデータ4,000銘柄を徹底検証

これまで10以上のメディア運営に従事。現在は自身も株塾で学びつつ、毎日コンテンツ作成をし続ける。
あらゆるジャンルで編集者として活動してきた経験を活かし、初心者から上級者まで役立つ記事を作成。







