「200日移動平均線を使いこなしてトレードの精度を上げたい」そう感じていませんか?
5日線・20日線など短期の移動平均線を活用している方も多いですが、200日移動平均線を理解して使いこなすことで、より大局的に相場を読む力が身につきます。
一方で、設定や使い方を誤ると、せっかくのチャンスを逃したり、損失を抱えるきっかけにもなりかねません。
本記事では、「200日移動平均線の仕組みと特徴」「トレンド判断や売買の実践的な使い方」「注意すべき落とし穴」などを初心者にもわかりやすく解説します。
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200日移動平均線とは

200日移動平均線とは、直近200日間(約1年)の終値の平均値を線で結んだテクニカル指標です。
短期的なノイズを抑え、相場全体の長期トレンドを見極めるのに適しています。
・5日線 → 約1週間の平均(短期)
・20日線 → 約1か月の平均(中期)
・200日線 → 約1年の平均(長期)
直近200日の終値を平均化したもの

200日移動平均線は、直近200日の終値を平均化したものです。
5日移動平均線は約1週間の値動きを平均化、20日移動平均線は約1か月の値動きを平均化しているのに対して、200日移動平均線は約1年の値動きを平均化しているといえます。
株式市場は平日に開いていますから、移動平均線の数字もそれに合わせた形がよくみられるわけですね。
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200日移動平均線でわかること
長期的なトレンドを分析できる
200日移動平均線は、長期的なトレンドを分析するのに役立ちます。
多くの投資家たちが使用する指標の一つであり、相場をより広い目で見たときに「今上昇トレンドなのか」「それとも下降トレンドなのか」を見極められる指標です。
短期的な値動きの分析とは相性が悪いため、5日移動平均線などとは使い分けるようにしましょう。
一方で、短期の移動平均線と組み合わせることで、買い時・売り時を見つけることもできます。
サポートライン・レジスタンスラインになる
200日線は価格が反発・反落しやすい水準としても注目されます。
たとえば株価が200日線に接近したときに、反発して再上昇したり、逆に200日線で跳ね返されて下落に転じるケースがよく見られます。

上記は、サイバーエージェント(4751)の例です。
200日移動平均線がレジスタンスラインとなり、価格が反転していることがわかります。
移動平均線はどう見ればいいの?株初心者にもわかりやすく解説します。
200日移動平均線の基本的な使い方
200日移動平均線を使いこなすためにも、具体的な活用法をまとめました。
間違った使い方をすれば、利益を生み出していくことはできません。
200日移動平均線を、自分のトレードに落とし込んでいってください。
日足チャートで確認する
200日移動平均線は、日足で見るようにしましょう。
週足や月足に切り替えてしまうと、ツールによっては「200日移動平均線」でなくなる可能性が高いです。
分足・日足・週足・月足それぞれで数値を設定する必要がありますから、日足で200日に設定していても、他の時間足では時間設定が変わってきてしまいます。
正しく使うためにも、200日移動平均線は基本的に日足で見るようにしましょう。
他の時間足でも見る場合は、数値の設定が200日に相当するかどうか気を付けるようにしてください。
チャートの日足・週足・月足ってどうやって使い分けるの?初心者向けに解説します
株価と200日移動平均線の位置関係をみる

株価と200日移動平均線の位置関係によって、トレンドの方向性が掴めます。
200日移動平均線より株価が上で推移しているなら、大きな上昇トレンドだと分析でき、逆であれば下降トレンドとしてみることができるのです。
大まかなトレンドを見極めることで、今後の株価がどう推移していくかだけでなく、今の値動きが一時的なものかどうか判断するのに役立ちます。
200日移動平均線で相場全体のトレンドを掴んでおくと、短期の値動きも分析しやすくなりますよ。
株のトレンドについて知る!テクニカルにおける上昇・下降トレンドとは
トレンド中の反発・反落の目安にする

200日移動平均線を、トレンド中の反発・反落の目安にしましょう。
上図の場合、上昇トレンドにある中で、一時的に下落しているものの200日移動平均線に触れて反発していることがわかります。
反発のポイントで追加の買いを入れていけば、より大きな利益を狙いに行けますね。
いわゆる押し目買いと呼ばれる手法ですが、200日移動平均線を使いこなすことで、押し目買いの精度を上げることができます。
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ローソク足と200日移動平均線の交差でトレード

ローソク足と200日移動平均線の交差が、売買のタイミングです。
ローソク足が200日移動平均線を下から上に突き抜けたら買い、逆に下へ突き抜けたら売りと判断します。
なお、上昇トレンドか下降トレンドかを見極めておくのがポイント。
上昇トレンド中であれば問題ありませんが、下降トレンドの場合は買っても価格は下がる一方ですから、売りから入り、買いで手仕舞うやり方がオススメです。
ローソク足が200日移動平均線を上から下へ突き抜けたら空売りをして、逆に上へと突き抜けたら利益確定するわけですね。
200日移動平均線を使う時の注意点
200日移動平均線を使う時の注意点をまとめました。
- レンジ相場では活用しにくい
- 売買タイミングは遅くなりがち
トレードに役立てるためにも、注意点は抑えたうえで活用しましょう。
レンジ相場では活用しにくい

大まかなトレンドをみる200日移動平均線は、レンジ相場では活用しにくいです。
レンジ相場で利益を狙おうとしても、200日移動平均線からわかる買い時・売り時では、利益を狙いにくくなっています。
上昇か下降、どちらのトレンドかを見極めるのは難しいのです。
200日移動平均線が横ばっている状態の銘柄は、避けるようにしましょう。
ピボットとは?正しい使い方や注意点をプロ目線でわかりやすく解説
売買タイミングは遅くなりがち
200日移動平均線の場合、売買タイミングは遅くなりがちです。
長い期間のデータを用いているため、200日移動平均線の動きは株価に対してゆったりとしています。
200日移動平均線をもとにした買い時・売り時だと、株価が明確に下降トレンドに入ってからしばらくして利益確定することになるのです。

上昇トレンドから下降トレンドに切り替わったタイミングを狙えていれば、より大きな利益を狙えます。
200日移動平均線だけでトレードをしようとすると、どうしても「ある程度下がってから」取引をすることになると覚えておきましょう。
スイングトレードに適した銘柄の探し方!初心者でも利益を出すコツ
組み合わせて使いたい指標・シグナル
200日移動平均線だけよりも、さまざまな分析手法を組み合わせたほうがトレードの精度は上がります。
特に組み合わせて使いたい指標・シグナルをまとめました。
200日移動平均線での勝率をより上げるためにも、合わせて使いこなしていきましょう。
短期移動平均線との併用
200日移動平均線だけでなく、短期移動平均線も組み合わせてチャートを分析しましょう。
オススメは、5日・20日・60日・100日の移動平均線です。
短期移動平均線も合わせてみることで、「一時的な値動きかどうか」見極めやすくなります。

例えば上図の場合、200日移動平均線だけであれば、ローソク足と触れた時点で売りたくなりますが、他の短期移動平均線が下向き出ないことから、「上昇トレンドは継続中であり、一時的な下落である」と予想できます。
そして短期移動平均線が下向きになり200日移動平均線と交差するタイミングで売買をすれば、より大きな利益を狙えるようになるのです。
相場流では「PPP」という移動平均線の組み合わせによるシグナルが読み取れます。
ぜひ合わせて参考にしてください。
【相場流株技術用語】PPP(パンパカパン)・逆PPPとは?移動平均線でトレンドの波をとらえよう
MACD
MACDも、200日移動平均線と合わせて使うのがオススメな指標です。
移動平均の発展版といわれるMACDでは、相場の過熱感がわかります。
つまり、200日移動平均線で「上昇か下降かトレンド」を見極めて、MACDで「買われすぎか売られすぎかで反転するタイミング」を見極めるわけです。
株はMACDだけで勝てる?勝率が上がるやり方・オススメの組み合わせ
【相場流】下半身・逆下半身

相場流の技術である下半身・逆下半身は、5日移動平均線とローソク足による買い時・売り時のシグナルです。
下半身は、5日移動平均線を上回るように陽線のローソク足が突き出ている状態を指します。
逆下半身は、5日移動平均線を下回る形で陰線が実体の半分以上出ている状態です。
株価変動のきっかけを示しているため、200日移動平均線と組み合わせることで、手仕舞いのタイミングをつかみやすくなります。
200日移動平均線よりも5日移動平均線をもとにしている分、売買のタイミングは早くなりますから、手仕舞いのタイミングで活用すると、より大きな利益を狙えますよ。
【相場式株技術用語】下半身・逆下半身とは?株初心者にもわかりやすく解説します
200日移動平均線のよくある質問Q&A
Q1. 200日線を上回れば上昇トレンドですか?
A. 位置だけでは判断できません。線の傾きや上位足、直近の節目との関係を併せて解釈します。
Q2. 200日線の交差は必ず転換の合図ですか?
A. レンジや横ばい局面では交差が頻発します。
出来高や価格帯別出来高の帯との整合を確認してから評価します。
まとめ
200日移動平均線は、長期のトレンドを分析するのに役立つ指標です。
チャートを見る手段の一つとして持っておけば、トレードの選択肢も広がります。
200日移動平均線の正しい使い方をマスターして、売買のタイミングを的確なものにしていきましょう。
トレードで大切なのは、運ではなく練習の積み重ねです。
焦らず基礎を固めていけば、200日移動平均線は“相場の地図”としてあなたのトレードを支える武器になります。
株塾では、こうした移動平均線の実践的な使い方や「相場流」の売買判断法を体系的に学べます。
感覚や運ではなく、再現性あるトレード技術を身につけたい方は、ぜひ学びを深めてください。

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。







