米国株投資で知らないと損する為替リスク!賢くリスクを抑える投資戦略

米国株投資で知らないと損する為替リスク!賢くリスクを抑える投資戦略

株式投資に興味がある人にとって、米国株は気になる投資先のひとつではないでしょうか。

アメリカには、GAFAと呼ばれる、世界経済をリードするIT企業であるグーグル(Google)やアップル(Apple)、フェイスブック(Facebook)、アマゾン・ドットコム(Amazon.com)などの巨大企業が存在します。

ハイペースで上昇する米国企業の株価は、日本人投資家をも魅了してやみません。

また米国企業は、株主への利益還元として配当金を重視する傾向があります。

高配当や増配当の銘柄に魅力を感じて、米国株への投資を検討している人もいらっしゃるのではないでしょうか。

いっぽう通貨も異なる海外の株を買うとなると、不安や心配もありますよね。

「海外の株を買ってみたいけれど、為替リスクがあると聞いて心配…」

「為替リスクの対策って何かあるの?」

実際に米国株を取引する際に注意しなくてはならないのが「為替リスク」です。

今回は為替リスクとはどのようなものなのか、そしてリスクを抑える方法もあわせて、易しく解説します。

為替レートはどうして変動するの?為替の変動要因とは

目次

米国株の為替変動リスクとは

米国株の取引における為替変動リスクとはどのようなものなのか、見ていきましょう。

為替レートの変動が資産価値に影響

為替変動リスクとは、為替レートの変動によって、外貨建て資産の価値が変動する可能性のことです。

海外の株式に投資する場合、一般的にその国の現地通貨で投資を行います。

そのため米国株に投資する場合は、日本円とドルの変動に注意する必要があります。

購入した米国株の価格が値上がりし、ドルベースでは含み益があっても、為替レートの状況によっては日本円に換算すると損失が生じる場合があるのです。

たとえば株価が1,000ドルの米国株を、1ドル=100円の為替レートの時に購入したと考えてみましょう。

この時必要な資金は「1,000ドル×100円=10万円」となります。

購入した米国株が1,100ドルに値上がりすると、どうなるでしょうか。

ドルベースでは、100ドルの含み益があります。

ところが為替レートが1ドル=80円と円高に振れると、円ベースでは「1,100ドル×80円=8万8,000円」となり、1万2,000円も損してしまうのです。

逆に為替レートが円安に振れれば、利益が生じます。

為替差益と為替差損

為替レートの変動によって生じた利益は「為替差益」、生じた損失は「為替差損」と呼びます。

為替レートは常に変動しており、上がったり下がったりを繰り返しています。

短期間で大きな利益を狙う投資家から支持を得ている「FX(外国為替証拠金取引)」は、この為替レートの変動を利用して利益を得る仕組みです。

米国株取引は、株価の動きだけでなく、為替レートの変動にも注意を払わなくてはならない、より複雑な取引だといえるでしょう。

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為替リスクを抑える方法

それでは、為替リスクを抑えながら海外の株式に投資する方法はあるのでしょうか。

円高の時に買い、円安の時に売る

最もシンプルな方法は、円高の時に米国株を買い、円安の時に売却するというものです。

ドルに対して日本円の価値が高い場合が「円高」、ドルに対して日本円の価値が低い場合が「円安」です。

円高ならより少ない日本円で、ドル建て資産を多く購入することができます。

そのため米国株を購入するなら、より少ない日本円を支払うだけで済む円高の時に買ったほうがオトクになりますよね。

そして米国株を売るときは、円安の時に売ることで、売った時により多くの日本円が受け取れるというわけです。

為替レートをこまめにチェックしながら売買タイミングを考えることで、為替リスクを避けることができるでしょう。

為替ヘッジ

為替リスクを抑える方法のひとつに「為替ヘッジ」があります。

主に「外国の株を購入したいが、為替変動リスクは取りたくない」という投資家が行うものです。

「為替ヘッジ」とは、為替変動の影響を抑えるための仕組みで、将来交換する為替レートをあらかじめ予約して取引を行う「為替先物取引」が行われます。

直物(じきもの)市場でドルを購入すると同時に先物市場でドルを売ることで、為替変動による影響を回避するのです。

個人投資家向けの外国債券や、外国株式の投資信託には「為替ヘッジあり」と「為替ヘッジなし」の2種類が設定されている場合があります。

ただし為替ヘッジには「ヘッジコスト」がかかる点に注意が必要です。

ヘッジコストとは、為替ヘッジを行う通貨の金利と、日本円の金利の差です。

ドル建て資産に対し為替ヘッジを行う場合は、ドルと日本円の金利差がヘッジコストとなります。

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米国株と日本株、どちらに投資すべき?

ここまで解説した為替リスクを踏まえたうえで、「結局米国株と日本株どちらを買えばいいのか?」と疑問に思われた方もいるかもしれませんね。

米国株と日本株にはそれぞれ長所と短所があるため、一概にどちらが良いと断言することは難しいでしょう。

ただし投資家として重視するポイントを見極めれば、どちらに投資するのか、または両方にバランスよく投資するのか判断できるはずです。

米国株の高い成長性を重視するのであれば、為替リスクを差し引いても米国株に投資した方が大きな利益が得られると考えることもできます。

いっぽう為替差損が生じた場合を考えると、米国の現地投資家よりも得られるリターンが少ないと考えて日本株の取引に特化する投資家も少なくありません。

いずれにしても米国株に投資するのであれば、為替リスクについて十分に理解し、その対策も講じたうえで取り組む必要があるでしょう。

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まとめ

米国株の為替リスクと、そのリスクを抑える方法について解説しました。

世界的な大企業が多く存在し、高いパフォーマンスを上げ続ける米国の株式市場は、投資家にとって魅力的です。

いっぽう日本の投資家が米国株を取引する場合は、為替リスクを避けることはできません。

株の購入時よりも為替レートが円高になる「為替差損」により、得られる利益が目減りする可能性があり、これに株価自体の値下がりも加われば投資家にとって大きなダメージとなります。

米国株への投資でより大きなリターンを狙うのならば、為替リスクへの対策に加えて、米国株の売買タイミングを見極めたトレードを行う必要があるでしょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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