みなさんは、ベテラントレーダーの方でも取り入れている「時間分散投資」という投資手法をご存知でしょうか?
株式投資をしている方は、「安く買って、高く売る」を念頭に置いている場合がほとんどかと思います。
ただし実際には「安く買えた!」と思ってもその後さらに値下がりしてしまったり、絶好の買いタイミングだと思って大金を投じすぎて手元の余裕資金が少なくなってしまったりすることもありますよね。
つまり「安く買って、高く売る」を意識しても、そのとおりに売買することはそう簡単ではないということです。
そこで、株式の価格変動リスクによるダメージをできるだけ抑えるために必要な投資手法の時間分散投資について本記事で解説していきます。
この記事でわかること
- 時間分散投資とは何か
- ドルコスト平均法の考え方
- ドルコスト平均法のメリット
時間分散投資とは?
まずは「時間分散投資」がどのような投資方法なのかについて、ご説明していきます。
時間分散投資は株式投資を含むさまざまな資産運用における投資方法の1つです。
価格変動リスクを持つ金融商品への投資においてそのリスクを抑えて、運用効果をできるだけ高めるために有効となります。
株式投資における「時間分散」とは、株式を購入する時間(タイミング)を分散させるということです。
詳しくご説明すると、銘柄が決定しているとしたらその銘柄を一気に購入するのではなく、タイミングを分散させて一定期間ごとに定額で少しずつ購入していくようなイメージとなっています。
時間分散投資における大きなポイントは“定額で購入する”という点です。
いつどんなときでも、あらかじめ1万円と決めていたなら一定期間ごとに1万円を投資します。つまり購入株式数などは考慮しないということです。
これは、積立貯金とよく似ていますね。
時間分散投資の考え方「ドルコスト平均法」
時間分散投資を代表する考え方の1つが「ドルコスト平均法」です。
有名な手法なので、聞いたことがある方も多いかもしれません。
ドルコスト平均法は、上記でご説明したような一定期間ごとに定額で金融商品を購入する手法のことを指します。
時間分散投資の考えそのものといっても過言ではありません。ドルコスト平均法は、通常の株式取引で取り入れることもできますし、各証券会社が提供する「株式ミニ投資」や「株式累積投資」といった運用サービスにおいても用いられている手法です。
では、時間分散投資の代表格ともいえるドルコスト平均法を用いるとどのような効果があるのでしょうか?
それは「平均取得価格を下げることができる」という効果です。
もし株式の投資タイミングを分散させずに、「ここが安値圏だ!」と思ったときの1回に限定して株式を購入する場合を考えてみましょう。
この1回で投資資金いっぱいまで株式購入に回してしまったら、予想が外れて株価がさらに下落してしまった(実は安値圏ではなかった)ときは、ずっと高値掴みをさせられたままその株式を保有し続けることになります。
適切な売りタイミングを待つ必要がありますが、余裕資金がないためそれまでは絶妙な買いタイミングがあったとしても、身動きができません。
一方でドルコスト平均法のように、投資タイミングを分散させていた場合はどうでしょうか?
購入株数にこだわらずに一定期間ごとに定額で株式を購入するため、適切な1回あたりの投資金額を設定していれば資金がカツカツになることはありません。
つまり余裕資金は、ほかの銘柄への投資に回すことができます。
また定額購入であることにより株価が安いときには購入株数が多く、株価が高いときには購入株数が少なくなります。
つまり高値で大量に購入するというケースを避けることができ、結果的に平均取得価格を下げることが可能です。
ほかにもある!ドルコスト平均法のメリット
ドルコスト平均法を用いるメリットは、いくつかあるとされています。
どのようなものでしょうか?
大口の投資資金がなくても始められる
ドルコスト平均法では、1度に投資しきるのではなくその先の何回かに分けて分散的に定額投資をすることが想定されています。
なので、初めから大きな利益を期待して数千株も購入する必要はありません。
よって自分の収入を考慮して毎月捻出できるくらいの額を投資に回し、それを繰り返し積み立てていくことで無理なく資産を形成することが可能になります。
心理的な影響を受けにくい
ドルコスト平均法では“毎月〇円を△日に投資に回す”といったように、一定期間ごとの投資スタイルをあらかじめ決定しておく必要があります。
そのため、通常の株式取引のような日々の株価変動を意識したトレードのように心理的な影響を受けにくいです。
ある意味強制的に、決まった額を決まった日に投資することができるので自分の感情を混ぜ込むことなく、安定的な投資が可能になります。
ただし、より効率的に利益を狙うためには、テクニカル分析でトレンドを見極めることが大切です。
ドルコスト平均法のデメリットとしては、ナンピン買いのように、株価が下がり続けている中で購入してしまうリスクもあります。
例えば、2020年2月末頃からの暴落の時期などに買い玉を積み増していたら、今頃どうなっているでしょうか?
大きな損失を抱えてしまい、資金を減らしてしまうことにもなりかねません。
トレンドに上手く乗ることができれば、玉を着実に増やすことで利益額を増やしていくことも可能です。
トレード技術を磨き、自分の判断で建玉を操作できるようになり、利益を狙ってみてはいかがでしょうか?
まとめ
- 時間分散投資とは、一定期間ごとに定額で金融商品を購入していく投資手法のこと
- 代表的な考え方がドルコスト平均法で、平均取得価格を下げることができる
- ナンピン買いのような状況になってしまうこともあるため注意が必要
いかがでしたでしょうか?本記事では、「時間分散投資」という投資手法について詳しく解説してきました。
建玉をするタイミングを複数回にわけることは重要ですが、しっかりとトレンドを判断した上で建玉をする必要があります。
下手に一定額を投資し続け、ナンピンし続けるような状況にならないように気を付けましょう。
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著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。