「特別損失ってなんだろう?」と、疑問に思っていませんか?
特別損失という言葉を決算書で見かけたけど、具体的にどのような損失なのかわからないという方が多いようです。
そこで今回は、特別損失の基本的な意味や、該当する例について解説します。
特別損失の概要を理解して、決算書を正しく読み解けるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
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特別損失とは
特別損失とは、会社の通常の営業活動とは関係なく、臨時的・突発的に発生した損失のことです。
たとえば、災害による損失や、固定資産の売却損などの損失が、代表例として挙げられます。
表示される場所は、損益計算書(会社の利益を段階的に計算する書類)における、経常利益より下の区分です。
特別損失なのかを判定する際、明確な金額の基準はなく、「臨時性・金額的重要性・異常性」という3つの観点から判断されます。
投資先の決算書で大きな特別損失を見つけたら、一時的な損失かどうかをまず確認してみましょう。
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特別損失に該当する例
本章では、特別損失に該当する代表的な8つの項目を取り上げて、内容をひとつずつ解説します。
- 固定資産売却損
- 固定資産除却損
- 固定資産圧縮損
- 投資有価証券売却損
- 減損損失
- 盗難損失
- 災害損失
- 前期損益修正損
固定資産売却損
固定資産売却損とは、土地や建物、機械などの固定資産を、帳簿価額より安く売却した際に生じる損失です。
たとえば、帳簿価額1,000万円の土地を800万円で手放した場合、差額の200万円が固定資産売却損にあたります。
固定資産は頻繁に売却されるものではないため、売却損は臨時的な損失として特別に区分されます。
本業の不調ではなく、資産整理にともなう一時的な損失と捉えると、決算書を読み解きやすくなるでしょう。
固定資産除却損
除却(じょきゃく)とは、使用をやめた資産を会計帳簿から取り除く手続きを意味する会計用語です。
固定資産除却損とは、企業が所有する有形固定資産を廃棄・撤去などすることにより、帳簿から除外した際に発生する損失のことです。
具体的には、除却時点での帳簿価額(取得原価から減価償却累計額を差し引いた未償却残高)を基礎として、損失が計算されます。
スクラップとしての価値がある場合はその分を差し引き、廃棄費用が発生した場合はその分を加算した金額が、固定資産除却損として特別損失に計上されます。
固定資産圧縮損
固定資産圧縮損とは、圧縮記帳を行う際に、固定資産の帳簿価額を減額するために計上する損失を指します。
圧縮記帳とは、補助金などで資産を取得した場合に、受け取った利益への課税を先送りする会計処理です。
補助金をそのまま利益として扱うと一度に税金がかかるため、負担の集中を防ぐ目的で行われます。
国庫補助金のほか、工事負担金や保険差益で資産を取得した場合も、圧縮記帳の対象です。
実際にお金が出ていく損失ではなく、課税のタイミングを調整するための会計処理である点が特徴です。
決算書で圧縮損を見かけても、会社の経営が悪化したわけではないと覚えておくと、安心できるでしょう。
投資有価証券売却損
投資有価証券売却損とは、長期保有を目的とする株式や債券を、帳簿価額より安く売却した際の損失です。
取引先との関係維持のために持ち合う株式など、長く保有する証券が投資有価証券に該当します。
投資有価証券の売却による損失は一時的なものと想定されるため、特別損失として処理できます。
たとえば、帳簿価額300万円で保有していた取引先の株式を200万円で売却すると、100万円が売却損です。
一方で、短期売買を目的とする有価証券の売却損は、営業外費用として区分されます。
同じ株式の売却でも、保有する目的によって決算書上の表示場所が変わる仕組みです。
減損損失
減損損失とは、固定資産の収益性が低下し、投資額の回収が見込めない場合に、帳簿価額を減額する損失です。
たとえば、業績不振の店舗について、将来の収益から投資額を回収できないと判断した際に、その店舗に属する建物や設備の帳簿価額を減額します。
減損処理は「資産のグルーピング→兆候の把握→認識の判定→測定」という流れで進め、帳簿価額を回収可能な金額まで切り下げます。
なお、減損はあくまでも帳簿上の価値を見直すための処理であり、計上した時点でただちに資金が流出するわけではありません。
しかし、多額の減損はニュースでも取り上げられやすいため、投資家が特に注目したい特別損失といえるでしょう。
盗難損失
盗難損失とは、現金や商品、備品などが盗難の被害に遭った場合に計上する損失です。
たとえば、事務所に保管していた現金が盗まれた場合、被害額が少額であれば一般的には営業外費用の「雑損失」として処理されます。
しかし、被害額が多額かつ臨時的な損失と判断される場合には、特別損失の「盗難損失」として計上します。
災害損失
災害損失とは、地震・台風・火災などの災害が原因で、資産が滅失・毀損(失われたり壊れたりすること)した場合に計上する損失です。
たとえば、台風で倉庫が損壊した場合、建物の帳簿価額の減少分に加え、解体やあと片付けにかかった費用も災害損失に計上できます。
災害損失は毎期続く費用ではないため、一時的な数字として冷静に受け止める視点が重要です。
前期損益修正損
前期損益修正損とは、過去の決算期における誤りを、当期の決算で修正する際に計上する損失です。
たとえば、前期に計上すべきだった費用100万円の漏れが、当期に発覚したケースなどで使われてきました。
ただし、2011年度以降に適用されている「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」により、重要な誤りは原則として過去の決算書自体を修正する「修正再表示」で対応することになっており、当期の特別損失として前期損益修正損を計上するケースは少なくなっています。
現在では、金額が僅少で修正再表示を行わない場合などに限り使われる科目と理解しておきましょう。
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特別損失のメリット
特別損失の利点は、臨時的な損失を分けることで、本業のもうけを示す経常利益に影響を与えない点です。
損失を正しく区分すれば、決算書が会社本来の収益力を映し出せるため、外部からの評価を得やすくなるといえます。
また、税務上損金として認められる特別損失であれば、課税対象となる所得を抑えられ、結果的に法人税の負担が軽くなる場合もあります。
投資家にとっても、一時的な損失と本業の不調を区別しやすくなることがメリットです。
特別損失のデメリット
特別損失のデメリットは、金額が大きい場合に、当期純利益を大幅に押し下げてしまう点です。
特別損失は、経常利益から差し引かれる形で計算されるため、会社の最終的なもうけに直接影響します。
利益が減れば純資産も増えにくくなったり、場合によっては赤字に転落したりするおそれもあります。
また、特別損失が毎期のように計上されている場合、経営上の課題を抱えている可能性に注意が必要です。
減損損失やリストラ費用が繰り返し発生しているなら、経営改善が進んでいないサインかもしれません。
決算書を読む際は、損失が一度きりのものかどうかを見極める視点を持ちましょう。
特別損失が出た場合の注意点
特別損失は、通常の事業活動以外の要因で一時的に発生する損失であるため、本業の収益力を示す営業利益や経常利益とは区別して捉えることが重要です。
特別損失の計上により最終的な純利益は減少しますが、それが一過性のものであれば、翌期以降の業績に継続的な悪影響を及ぼすとは限りません。
一方で、減損損失が繰り返し計上される場合は、事業の構造的な問題を示唆している可能性もあります。
投資判断にあたっては、特別損失の発生原因や金額の妥当性、今後の再発リスクなどを確認し、企業の中長期的な成長力への影響を冷静に見極めることが大切です。
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よくある質問
特別利益とは?
特別利益とは、通常の営業活動に直接関わるものではなく、一時的・偶発的に生じた利益です。
特別損失と対になる概念であり、経常的な収益と区別して、本業の実力を示すために設けられています。
代表例は、固定資産売却益や投資有価証券売却益などです。
借入金や買掛金・未払金といった債務の返済を免除してもらった際に生じる債務免除益も、特別利益の一種として挙げられます。
損益計算書では経常利益の下に表示され、特別利益と特別損失を合わせて「特別損益」と呼びます。
大きな特別利益が出ていても一時的なものと捉え、本業の実力は営業利益や経常利益で見極めましょう。
特別損失と雑損失の違いは?
特別損失と雑損失の違いは、損失の「金額の大きさ(重要性)」と「独立した勘定科目で計上する必要があるか」にあります。
両者の違いは、以下の表のとおりです。
| 比較項目 | 特別損失 | 雑損失 |
| 損益計算書上の区分 | 特別損益 | 営業外費用 |
| 金額の目安 | 多額で重要性が高い | 少額で重要性が低い |
| 具体例 | 多額の災害損失、減損損失 | 少額の現金過不足、延滞金 |
たとえば、盗難の被害額が大きければ特別損失、少額であれば雑損失として処理されます。
明確な金額基準はないため、損失の規模と性質に応じて会社ごとに判断されます。
まとめ
今回は、特別損失の意味や該当する例などについて解説しました。
特別損失は臨時的な損失を経常利益と分けて示せるため、本業の収益力を正しく把握するのに役立ちます。
しかし、特別損失をみる際は、損失が一時的なものかどうかを見極める視点が重要です。
本記事を参考に、投資先の決算分析に役立ててみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。





