「利上げすると株価はどうなるんだろう?」と疑問に思っていませんか?
利上げが株価に影響すると聞いたことはあるものの、具体的にどう左右されるのか知りたいという方が多いようです。
そこで今回は、利上げが株価に与える影響について解説します。
本記事を読むと、利上げで株価がどう動くのかを理解し、金利動向を踏まえた投資判断ができるようになりますので、ぜひ最後までご覧ください。
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そもそも利上げとは?
利上げとは、日本銀行をはじめとする中央銀行が、世の中のさまざまな金利の基準となる政策金利を引き上げる行為を指します。
利上げの主な目的は、景気の過熱やインフレを抑えることです。
金利が上がると、企業や個人がお金を借りるときに支払う利息の負担が重くなっていきます。
すると、企業は設備投資を控えたり、個人も住宅の購入といった大きな買い物を我慢したりします。
企業の投資や個人の消費が減っていく結果として、経済全体の熱が少しずつ冷めていく仕組みです。
このように、利上げは世の中のお金の流れを大きく変えるため、株式市場を動かす重要イベントとして注目されています。
なお、政策金利を決める機関は、日本では日本銀行、米国では中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)です。
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利上げすると株価にはどう影響する?
利上げは、株式市場全体にとって株価を下落させる要因になりやすいと考えられています。
主な理由としては、以下のとおりです。
- 借入コストの増加:企業がお金を借りる際のコストが増え、利益が圧迫されやすくなる
- 個人消費の冷え込み:住宅ローンなどの金利上昇によって、消費者の支出が抑えられやすくなる
- 株式市場からの資金流出:預金や債券の利回りが上がることで、株式よりも安全な資産にお金が流れやすくなる
実際に、米国で急速な利上げが行われた2022年には、S&P500が年間で約19%下落しました。
ただし、すべての銘柄が売られるわけではなく、業種によっては利上げが追い風になるケースもあります。
利上げすると株価が上がる銘柄
利上げの局面では、金利が上がることで貸出の利ざやや資金の運用利回りが改善し、業績の向上が期待できるとされ、金融関連の銘柄が買われやすくなります。
利上げに強いとされる代表的な業種と、株価が上がりやすい理由は以下のとおりです。
- 銀行株:貸出金利と預金金利の差である「利ざや」が広がり儲けが増えやすい
- 保険株:契約者から預かった保険料を運用する際の利回りが良くなる
利上げが進む場面では、金融株を中心とした金利上昇メリット銘柄に、投資家の資金が集まりやすくなると覚えておきましょう。
利上げすると株価が下がる銘柄
一方で利上げの局面では、借入依存度が高い業種や、将来の成長期待で買われてきた銘柄が売られやすくなります。
金利の上昇によって支払う利息が増えたり、将来の利益を現在の価値に直した金額が目減りしたりするためです。
利上げに弱いとされる代表的な業種・銘柄と、売られやすい理由は以下のとおりです。
- 不動産株:物件の取得を借入に頼る事業構造のため、金利負担の増加が利益を直撃する
- 新興ハイテク株:赤字のまま先行投資を続ける企業が多く、資金調達コストの上昇が痛手になる
- 公益株や高配当株:配当の安定性から「債券の代わり」として資金を集めてきたため、金利が上がり債券自体の利回りが改善すると投資先としての優位性が低下する
業種や財務体質によって利上げの影響は大きく異なるため、保有資産の内容を確認しておくことが重要です。
利上げで株価は過去どうなった?
過去の利上げ局面を振り返ると、株価が短期間で大きく下落した事例がいくつも確認できます。
代表例が、インフレを抑えるために急速な利上げが行われた2022年の米国市場です。
FRBは1年間で政策金利を4%以上も引き上げた結果、S&P500は年間で約19%下落し、ハイテク株中心のナスダックは約33%も値下がりしました。
日本でも、2024年7月末日銀が政策金利を0.25%程度へ引き上げた直後に、歴史的な暴落が起きています。
2024年8月5日の日経平均株価は1日で4,451円も下落し、過去最大の下げ幅を記録しました。
過去の事例を踏まえると、急ピッチの利上げや想定外の利上げは、短期間で大幅な株価下落を招くリスクがあります。
金利引き上げが見込まれる局面で気をつけておきたいこと
本章では、金利引き上げが見込まれる局面で気をつけておきたいこととして、以下の5つについて解説します。
- グロース株はリスクが大きくなりやすい
- 借入コスト増加による業績圧迫に注意
- 公益株や高配当株が売られやすくなる
- 為替変動への影響
- すでに織り込み済みの可能性がある
それぞれ順番にみていきましょう。
グロース株はリスクが大きくなりやすい
利上げが見込まれる局面では、グロース株の下落リスクが特に大きくなりやすいと考えられます。
グロース株は将来の利益成長を先取りして株価が形成されていますが、金利が上昇すると利益の現在価値が目減りしやすくなるためです。
加えて、グロース株には先行投資を続ける企業が多く、資金の調達コスト上昇が経営に重くのしかかります。
実際に2022年の米国の利上げ局面では、ハイテク株が集まるナスダック市場は大きく下落しました。
利上げが視野に入ってきたら、資産全体に占めるグロース株の割合を早めに点検しておきましょう。
借入コスト増加による業績圧迫に注意
金利の上昇段階では、変動金利で借入を行っている企業ほど、支払利息の増加が業績を圧迫しやすくなります。
特に有利子負債の比率が高い企業は、わずかな金利変動でも利払い負担が大きく膨らみ、業績が悪化するケースがあります。
利上げが想定される状況の投資判断では、自己資本比率やD/Eレシオ(負債資本倍率)などの財務指標を確認し、金利上昇に対する耐性を見極めることが重要です。
公益株や高配当株が売られやすくなる
金利の引き上げが予想される場面では、公益株や高配当株も売られやすくなります。
金利が上がると預金の利息や債券の利回りが改善し、わざわざ値動きリスクのある株を持たなくても十分なリターンが得られるようになるためです。
特に電力・ガスなどの株は、配当利回りの高さから債券の代わりとして保有されることが多いだけに、金利上昇で債券利回りが改善すると相対的な魅力が薄れ、資金が流出しやすくなります。
利上げ観測が高まっている局面では、公益株や高配当株は売り圧力を受けやすく、株価が下落しやすい傾向がある点に注意しましょう。
為替変動への影響
利上げでは為替相場の変動を通じて、間接的に株価へ影響を与えることがあります。
金利が上がると、より高い利回りを求める世界中の投資家が金利の高い国にお金を移すため、通貨高が進みやすくなります。
もし、日銀の利上げにより日米の金利差が縮まれば、円高を通じて輸出企業の儲けを減らす要因となります。
実際に日銀が利上げした2024年7月の直後には円高が一気に進み、自動車をはじめ輸出関連株が大きく値下がりしました。
反対に、国内向けの商売が中心で海外からの仕入れが多い内需企業には、円高が追い風になる場合もあります。
保有銘柄が円高と円安のどちらで恩恵を受けるのかを、あらかじめ確認しておきましょう。
すでに織り込み済みの可能性がある
株式市場には将来の出来事を先取りして動く性質があり、利上げが予想されると、投資家は正式な発表を待たずに先回りして売買を進めることが多いです。
そのため、事前に予想されている利上げは、株価への影響がすでに織り込まれている可能性があります。
たとえば、日銀が2024年3月にマイナス金利を解除した際は、事前の報道どおりの内容だったので、混乱は限定的でした。
利上げが予測されている局面では、市場がどの程度まで予想を織り込んでいるかという視点を持つことも大切です。
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よくある質問
利上げ局面でも成長が期待できる企業はありますか?
利上げ局面でも、金利上昇で利ざやが拡大する銀行や保険会社などの金融機関は、成長が期待できます。
また、有利子負債が少ない財務が健全な企業や、生活必需品・インフラなど景気に左右されにくい事業を持つ企業も、安定した業績が見込めます。
さらに、コスト上昇分を価格に転嫁できる価格決定力の高い企業も、有望といえるでしょう。
利上げのニュースが出たらすぐに株を売るべきですか?
利上げのニュースが流れた場合でも、慌てて保有している株をすべて売る必要はありません。
利上げの影響は株価に反映済みのケースもあり、勢いに任せたパニック売りは損失を広げる原因になりかねません。
また、業種によって利上げの受け止め方は大きく異なり、銀行株のようにむしろ恩恵を受ける銘柄も存在します。
保有銘柄への影響を個別に見極めたうえで、自分の投資方針に沿って冷静に判断するようにしましょう。
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まとめ
今回は、利上げが株価に与える影響と、株価が上がる銘柄・下がる銘柄について解説しました。
利上げは株式市場全体の下落要因になりやすい一方で、銀行株や保険株など金融関連の銘柄には追い風となるケースもあります。
ただし、利上げの影響はすでに株価に織り込まれている場合もあるため、慌てず冷静に判断するようにしましょう。
ぜひ本記事を参考に、金利動向を意識した投資判断に役立ててみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。





