約定とは何?約定の仕組みも解説

約定とは何?約定の仕組みも解説

「約定って何だろう?」と疑問に思っていませんか?

約定という言葉は聞いたことがあるものの、どのような意味なのかわからないという方が多いようです。

そこで今回は、約定の基本的な意味や仕組みについて解説します。

本記事を読むと、初心者の方でも約定の意味や仕組みを理解できるようになります。

ぜひ記事の内容を参考に、約定の仕組みを理解したうえで株式取引に臨んでみてください。

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目次

約定とは

約定(やくじょう)とは、株式やFXなどの金融商品の売買注文が正式に成立することです。

投資家が出した買い注文と、別の投資家が出した売り注文の条件がマッチしたタイミングで約定します。

つまり、証券会社を通じて注文を出した段階ではまだ取引は完了しておらず、売り手と買い手の希望価格や数量が一致して初めて「約定した」状態になります。

そのため、約定は「注文」とは異なる概念であることを、理解しておくのが大切です。

なお、国内株式では売買が成立した約定日から起算して2営業日後に、代金の支払いや株式の受渡しが行われます。

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約定のルール

約定にはすべての市場参加者にとって公平な取引環境を維持するために、以下のルールが設けられています。

  • 価格優先の原則
  • 時間優先の原則

それぞれみていきましょう。

価格優先の原則

価格優先の原則とは、より有利な価格を提示した注文から優先的に約定させるルールです。

買い注文であればより高い価格の注文が、売り注文であればより安い価格の注文が先に約定する仕組みです。

たとえば、ある銘柄に対して500円の買い注文と501円の買い注文が出されていた場合、501円の注文が先にマッチングされます。

価格優先の原則は、次に解説する時間優先の原則よりも上位に位置するルールです。

そのため、まず価格で優先順位が確定したあと、同一価格の注文が複数ある場合に時間優先の原則が適用されます。

時間優先の原則

時間優先の原則とは、同じ価格で発注された注文が複数ある場合、早く出された注文から順に約定させるルールです。

たとえば、500円の買い注文が2件あった場合、先に注文を出した投資家の方が優先的に約定する権利を持ちます。

このように公平性を保つため、発注が早い投資家の注文から約定される仕組みが設けられています。

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約定の仕組み

株式市場では約定を成立させる方法として、以下の2つの方式が採用されています。

  • 板寄せ方式
  • ザラバ方式

それぞれ解説します。

板寄せ方式

板寄せ方式とは、一定の時間帯に集まった注文をまとめて突き合わせ、需給バランスが取れた1つの価格で一括して約定させる方法です。

主に取引開始時(寄付き)や取引終了時(引け)など、注文が集中しやすいタイミングで使われています。

約定とは何?約定の仕組みも解説

なお、板寄せ方式では取引開始前に出された注文はすべて同時に発注されたものとして扱われるため、時間優先の原則は適用されません。

多くの注文を公平に処理し、市場参加者の需給を反映した適正な価格を形成できる点が板寄せ方式の大きな特徴です。

ザラバ方式

ザラバ方式とは、取引時間中に出された注文を、条件が合致した瞬間に売買を成立させる方法です。

寄付き後から引けの直前まで、取引時間中の大部分で採用されている方式であり、価格優先の原則と時間優先の原則に基づいて約定が行われます。

ザラバ方式では取引が成立するたびに株価が変動するため、市場の値動きがリアルタイムで反映される点が大きな特徴です。

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注文方法ごとの約定タイミング

本章では、以下の基本的な注文方法ごとの約定タイミングについて解説します。

  • 成行注文
  • 指値注文

それぞれみていきましょう。

成行注文

成行注文とは、価格を指定せず「いくらでもいいから買いたい(売りたい)」と発注する注文方法です。

約定タイミングに関しては、価格の条件を設けないため、発注した時点で市場に出ている最も有利な相手方の注文と即座に約定が成立します。

たとえば、ある銘柄を成行で買い注文を出した場合、市場に出ている最も安い売り注文の価格で取引が成立します。

約定とは何?約定の仕組みも解説

約定スピードが速い反面、相場が急変動しているタイミングでは想定していた価格から大きくズレた金額で約定してしまうリスクがあります。

想定外の価格で約定する現象はスリッページと呼ばれ、特に値動きが激しい銘柄や取引量が少ない銘柄で発生しやすいため注意が必要です。

指値注文

指値注文とは「500円以下になったら買いたい」「600円以上になったら売りたい」のように、自分で価格を指定して発注する注文方法です。

希望する売買価格をあらかじめ決めておけるため、想定外の不利な価格で約定するリスクを回避できる点がメリットです。

約定タイミングとしては、ある銘柄を500円の指値で買い注文を出した場合、500円かそれ以下の売り注文が市場に出たときにのみ約定が成立します。

ただし、市場価格が指定した値段に届かなければいつまでも約定しないため、希望通りの取引ができず売買の機会を逃すリスクも伴います。

確実に取引を成立させたい場合は成行注文、価格にこだわりたい場合は指値注文と使い分けることが大切です。

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注文したのに約定しない主な理由

注文を出しても必ず約定するとは限らず、さまざまな要因によって取引が成立しないケースがあります。

本章では、注文したのに約定しない理由を以下の内容に沿って解説します。

  • 価格に関する要因
  • 優先順位に関する要因
  • 流動性に関する要因
  • 制限値幅に関する要因

それぞれみていきましょう。

価格に関する要因

注文したのに約定しない要因として、指値注文で指定した価格に市場価格が到達しないケースが挙げられます。

指値注文は指定した価格か、それより有利な価格でなければ売買が成立しません。

たとえば、ある株を1,000円の指値で買い注文を出したものの、その日の安値が1,005円までしか下がらなかった場合、5円の差で約定せずに注文が残ったままになります。

そのため指値で注文する場合、設定した価格によっては取引機会を逃してしまうリスクがあることを念頭に置いておく必要があります。

優先順位に関する要因

同じ価格帯に注文が集中している場合、時間優先の原則によって自分の注文が後回しになり、約定しないことがある点に注意が必要です。

たとえば、株価1,000円の銘柄に同じ1,000円で指値買い注文を出しても、すでに同価格で大量の買い注文が並んでいれば、先に発注した人たちが優先されます。

そのとき、もし売り注文の数が不足していると、自分の注文まで順番が回らず約定しません。

そのため、約定を早めたい場合は成行注文への切り替えを検討すると効果的です。

流動性に関する要因

取引量が少ない銘柄では、売買相手が見つからず約定が成立しにくくなります。

市場に参加する投資家の数が少ないと、自分の注文に見合う相手方の注文が存在しないケースが発生するからです。

そのため、出来高が極端に少ない小型株では、買い注文を出しても売り手がいないまま数日間約定しないケースも珍しくありません。

したがって、流動性の低い銘柄に投資する際は、約定までに時間がかかる可能性があることを事前に想定しておく必要があります。

制限値幅に関する要因

株価の急激な変動から投資家を守るために、取引所はストップ高・ストップ安と呼ばれる制限値幅(1日に動ける株価の上限・下限)を設定しています。

もし、制限値幅の上限や下限に株価が張り付くと、売買が成立しにくくなる点に注意が必要です。

たとえば、好材料が発表されてストップ高に達した銘柄は、買い注文が殺到しても売り注文が極端に少なくなり、買いたくても約定しない状態が続く場合があります。

そのため、ストップ高やストップ安が発生した場合は、翌営業日以降に売買できないかを焦らず市場の状況を冷静に見極めることが重要です。

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約定について知りたい人によくある質問

約定について知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。

  • 約定と注文は違う?
  • 成行なら必ず約定する?

それぞれみていきましょう。

約定と注文は違う?

約定と注文は明確に異なる概念であり、混同しないように注意が必要です。

注文とは「買いたい」「売りたい」という意思を市場に表明する行為で、約定とは注文が実際に成立した状態を指します。

たとえば、ある銘柄を500円で購入したいと注文を出しても、500円で売ってくれる相手が現れなければ約定には至らず、取引は成立しません。

このように注文は取引における「申し込み」の段階に過ぎず、約定は取引が「成立」した段階を指すため、両者の違いを正しく理解しておくことが大切です。

成行なら必ず約定する?

成行注文は価格を指定しないため約定しやすい注文方法ですが、あらゆる状況で必ず約定するわけではありません。

ストップ高・ストップ安の価格に張り付いている銘柄では、成行注文であっても約定しないケースがあります。

そのため、成行注文を出す際は値幅制限の状況を確認したうえで発注するようにしましょう。

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まとめ

今回は、約定の基本的な仕組みと、注文方法ごとの約定タイミングについて解説しました。

約定とは売買注文が正式に成立することであり、価格優先・時間優先の原則に基づいて公平に処理される仕組みになっています。

ただし、指値注文で価格が届かない場合や、制限値幅の上限や下限に価格が張り付いているときは約定しないケースもあるため注意が必要です。

ぜひ本記事を参考に、約定の仕組みを正しく理解したうえで取引に臨んでみてください。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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