「株の確定申告のやり方が知りたい」と思っていませんか?
株式投資をはじめたばかりの方にとって、確定申告はどこから手をつければいいかわからず、難しいと感じている方が多いようです。
そこで今回は、確定申告の具体的なやり方を4つのSTEPで解説します。
本記事を読むと、初心者の方でも確定申告の全体像を把握し、自分に必要な手続きをスムーズに進められるようになります。
ぜひ本記事の内容を参考に、申告漏れやペナルティを防ぎながら確定申告を完了させてみてください。
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株の確定申告が必要になる人
まずは、自分が確定申告の対象者であるかどうかを確認しましょう。
株式投資をしていて確定申告が必要になる人は、以下のとおりです。
- 給与所得者の場合(会社員・パート・アルバイト等)
- 給与所得者以外の場合(個人事業主・フリーランス・専業主婦等)
それぞれみていきましょう。
給与所得者の場合(会社員・パート・アルバイト等)
会社員やパート・アルバイトなど給与を受け取っている方は、年末調整をしていることが前提ですが「給与・退職所得以外の所得」が年間20万円超で確定申告が必要です。
なお、株式の売買益だけでなくFX取引や暗号資産、副業収入などもすべて合算して判断します。
たとえば、株式投資の利益15万円+副業収入8万円=23万円で申告が必要です。
ちなみに、年間の株式投資による利益の合計が20万円を超えていても、利用している口座の種類によって確定申告の要否は変わります。
どの口座なら確定申告の手続きが不要になるのかは、次の章で解説します。
また、給与収入が2,000万円超の場合は、他の所得の金額に関係なく申告義務があるため注意が必要です。
給与所得者以外の場合(個人事業主・フリーランス・専業主婦等)
個人事業主やフリーランス、専業主婦(夫)など給与所得がない方は、株の利益を含めた合計所得が95万円超で確定申告が必要です。
そのため、合計所得が95万円以下の場合は、確定申告の義務はありません。
しかし、基準額以下でも源泉徴収税の還付や繰越控除などを活用したい場合は、任意で申告することも可能です。
なお、合計所得が95万円を上回った場合でも、使用している口座の種別により確定申告が必要かどうかは異なります。
確定申告の手続きを省略できる口座については、以下の章で説明いたします。
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証券取引口座の区分別の違いと株式投資における申告手続きの要否
証券口座には大きく分けて4種類があり、口座の種類によって税金の処理方法と確定申告の要否が異なります。
そこで本章では、各口座の特徴と申告の要否について詳しく解説します。
- 特定口座(源泉徴収あり)
- 特定口座(源泉徴収なし)
- 一般口座
- NISA口座
それぞれみていきましょう。
特定口座(源泉徴収あり)
特定口座(源泉徴収あり)は、証券会社が税金の計算から納付まで自動で行ってくれるため、投資家自身が確定申告をする必要は原則としてありません。
仕組みとしては、利益が発生した時点で証券会社が20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金を自動的に差し引く「源泉徴収」という処理が行われます。
たとえば年間100万円の利益が出た場合、証券会社が約20万円を自動で納付するため、手続きは一切不要です。
ただし、複数の証券口座で取引しており、ある口座では利益が出て別の口座では損失が出ているケースでは、「損益通算」(利益と損失を相殺して税負担を減らす仕組み)のためにあえて
確定申告をすることで、払いすぎた税金の還付を受けられる場合があります。
特定口座(源泉徴収なし)
特定口座(源泉徴収なし)は、損益の計算こそ証券会社が行ってくれますが、税金の納付は投資家自身で行う必要があるため、原則として確定申告が必要になります。
証券会社が年間の取引をまとめた「特定口座年間取引報告書」を作成・提供してくれるため、確定申告書の作成自体はそれほど難しくありません。
年間取引報告書に記載された数字をそのまま申告書に転記する形で進められるため、初めての方でも比較的対応しやすい口座区分です。
なお、給与所得者で株の年間利益が20万円以下の場合は、例外的に申告不要となるルールがあります。
ただし、住民税の申告が別途必要になるケースもあるため、税務署や市区町村窓口で自分の状況を確認することをおすすめします。
一般口座
一般口座は、損益の計算から確定申告の書類作成まで、すべての手続きを投資家自身が行わなければならない口座区分です。
証券会社による自動計算サービスがないため、年間を通じた全取引の履歴を自分で管理・集計する必要があります。
取引回数が増えるほど計算の手間は増大するため、管理ミスや計算ミスが起きやすくなるリスクがある点に注意が必要です。
NISA口座
NISA口座(少額投資非課税制度を利用した口座)なら、確定申告は原則不要です。
通常の口座であれば利益の約20%が税金として差し引かれますが、NISA口座では税負担自体がないからです。
たとえば、NISA口座で保有する株を売却して20万円の利益が出た場合でも、税金は発生せず、20万円がそのまま手元に残ります。
配当金を受け取った場合も同様に非課税となるため、長期的な資産形成に向いている口座です。
ただし、NISA口座内で損失が出た場合、他の課税口座(特定口座・一般口座)の利益と相殺する「損益通算」ができません。
また通常の課税口座であれば、損失を翌年以降最大3年間繰り越して将来の利益と相殺できる「繰越控除」も、NISA口座で出した赤字には適用されない点に注意が必要です。
NISA口座内の損失はあくまで口座内で完結するため、税負担の軽減に活用できないことは理解しておきましょう。
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株の確定申告のやり方を全体像で理解する
株の確定申告は、大きく分けて以下の4つのステップで進めます。
- STEP1:自分が申告対象かどうかを確認する
- STEP2:必要な書類を集める
- STEP3:申告書を作成する
- STEP4:提出する
各ステップを順番に進めると、投資初心者の方でも確定申告を完了させられます。
STEP1.自分が申告対象か確認する
確定申告の手続きをはじめる前に、自分が申告対象かどうかを確認しましょう。
口座の種類や株の確定申告が必要な対象であるかなど、条件によって申告の要否が変わるため、最初に整理しておくと不要な手間を省けます。
たとえば、会社員で株の年間利益は20万円以上だが、特定口座(源泉徴収あり)のみで取引しており他口座との損益通算も不要であれば「申告不要」と判断可能です。
自分のケースを事前に整理しておくと、STEP2以降の作業が効率よく進められます。
STEP2.必要な書類を集める
申告対象であることが確認できたら、次は確定申告に必要な書類を準備します。
書類が不足した状態では申告書を正確に作成できないため、期限前に余裕をもって揃えておくのが大切です。
株の確定申告で一般的に必要となる書類は、以下のとおりです。
| 書類名 | 対象者 |
| 特定口座年間取引報告書 | 特定口座を利用している方 |
| 取引報告書 | 一般口座を利用している方 |
| マイナンバーカードまたは通知カード+本人確認書類 | 全員 |
| 源泉徴収票 | 給与所得者 |
| 前年分の確定申告書 | 繰越控除を適用する方 |
年間取引報告書は、証券会社から毎年1月末までに発行されます。
複数の証券口座を利用している場合は、すべての口座分を取り寄せる必要があるため、口座数を事前に確認しておきましょう。
STEP3.申告書を作成する
必要書類が揃ったら、国税庁が提供するオンラインツール「確定申告書等作成コーナー」を使って申告書を作成します。
画面の案内に従って数字を入力するだけで自動的に税額が計算されるため、税務や会計の専門知識がなくても対応できます。
作成の流れは、以下のとおりです。
- 国税庁の公式サイトにアクセスし「確定申告書等作成コーナー」を開く
- 作成する申告書(所得税)を選択する
- 年間取引報告書の数値を画面の指示に従って入力する
- 税額が自動計算されるので内容を確認する
- 入力完了後、印刷またはe-Tax用のデータとして出力する
なお、難しいと感じる部分については電話でも確認できます。
STEP4.提出する
申告書が完成したら、申告期限(通常は毎年3月15日)までに提出して手続きを完了させます。
提出方法は以下の3つから選択できます。
- e-Tax(電子申告):自宅から24時間提出可能
- 郵送:税務署に行かずに提出できる
- 税務署への持参:担当者に直接確認しながら提出できる
なお、申告期限を過ぎると「延滞税」や「無申告加算税」といったペナルティが発生する可能性があるため、余裕をもったスケジュールで進めるのが重要です。
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株の確定申告をするときの注意点
株の確定申告をするときの注意点は、以下のとおりです。
- 損益通算と繰越控除は申告しないと適用されない
- 申告期限(3月15日)を必ず守る
- NISA口座の損失は繰越控除と損益通算に使えない
それぞれみていきましょう。
損益通算と繰越控除は申告しないと適用されない
株式投資で損失が出た年に確定申告を行うと「損益通算」と「繰越控除」という2つの制度を活用できます。
損益通算とは、同じ年に発生した複数の口座間での利益と損失を合算することです。
たとえば、A口座で利益が出てB口座で損失が出た場合、2つの口座の損益を相殺して税負担を減らせます。
さらに、損益通算を行ってもなお損失が残った場合に利用できるのが損失の繰越控除です。
損益通算を使えば、その年に控除しきれなかった損失を翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の利益と相殺できます。
ただし、損失が出た年に申告をしていないと、損益通算も繰越控除も受けられなくなってしまうため、申告漏れのないよう手続きを行いましょう。
申告期限(3月15日)を必ず守る
確定申告の提出期限は、原則として毎年3月15日と定められています。
ただし、3月15日が土曜日・日曜日・祝日にあたる場合には、翌平日が期限となります。
万が一、期限を過ぎて申告した場合や申告そのものを怠った場合には「延滞税」や「無申告加算税」が課される可能性があるため注意が必要です。
申告漏れや遅延を防ぐためにも、早めに準備を進めて余裕をもって申告を済ませるようにしましょう。
NISA口座の損失は繰越控除と損益通算に使えない
NISA口座で損失が出た場合、繰越控除や損益通算をすることはできません。
通常の課税口座であれば、損失を他の利益と相殺することで税負担を軽減する「損益通算」や、翌年以降に損失を繰り越せる「繰越控除」といった制度を活用できます。
しかし、NISA口座は運用益が非課税になるというメリットがある一方、その裏返しとして損失が税制上の控除対象にはならないという制約がある点に注意が必要です。
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株の確定申告のやり方を知りたい人によくある質問
株の確定申告のやり方を知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。
- 株の確定申告は会社員でも必要?
- NISA口座の取引は確定申告に関係する?
それぞれみていきましょう。
Q1. 株の確定申告は会社員でも必要?
A. 会社員であっても、状況によっては確定申告が必要です。
会社員は勤務先が「年末調整」(給与に対する税金の精算)を行いますが、株式投資による利益は年末調整の対象外となるため、別途申告が必要なケースがあります。
会社員が確定申告を必要とするかどうかは、利用している口座の種類と年間利益の金額によって異なります。
| 口座の種類 | 年間利益 | 申告の要否 |
| NISA口座(新NISA含む) | 問わず | 不要(非課税のため) |
| 特定口座(源泉徴収あり) | 問わず | 原則不要 |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 20万円超 | 必要 |
| 特定口座(源泉徴収なし) | 20万円以下 | 不要(住民税申告は別途要確認) |
| 一般口座 | 20万円超 | 必要 |
| 一般口座 | 20万円以下 | 不要(住民税申告は別途要確認) |
つまり、NISA口座または特定口座(源泉徴収あり)のみで取引している会社員は、原則として確定申告は不要です。
一方、一般口座や特定口座(源泉徴収なし)を利用しており、年間20万円を超える利益が出ている場合は会社員であっても確定申告が必要になります。
Q1. NISA口座の取引は確定申告に関係する?
A. NISA口座内の取引で得た利益は非課税であるため、基本的に確定申告は不要です。
NISA(少額投資非課税制度)は、口座内の運用益に対して税金が一切課されないからです。
たとえば、NISA口座内で株を売却して100万円の利益が出た場合でも、通常の口座であれば約20万円かかる税金がゼロになります。
また、NISA口座で受け取った配当金も同様に非課税となるため、申告の必要はありません。
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まとめ
今回は、株の確定申告が必要になるケースからやり方まで解説しました。
確定申告の要否は、利用している口座の種類や年間の損益によって異なります。
特定口座(源泉徴収あり)やNISA口座であれば原則不要ですが、一般口座や特定口座(源泉徴収なし)では別途手続きが必要です。
大切なのは、自分の口座区分を事前に把握したうえで、複数口座の損益の合算漏れや申告期限(3月15日)に気をつけながら手続きを進めることです。
ぜひ本記事を参考に、申告漏れやペナルティを防ぎながら確定申告をスムーズに完了させてみてください。
損益通算とは?詳しい仕組みや確定申告のやり方を解説!

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。






