「インサイダーという単語は聞いたことはあるけれど、どういう意味なの?」と疑問に思っていませんか?
インサイダーや関連する法的規制については、株式投資をはじめたばかりでも知っておくべき重要な知識です。
そこで今回は、インサイダーの基本的な概念や法律違反となるインサイダー取引について解説します。
ぜひ本記事の内容を参考に、法令を遵守した健全な株式投資を実践してください。
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インサイダーとは
インサイダーという言葉を聞いたことがあっても、正確な意味を理解している投資初心者は多くありません。
そこで本章では、インサイダーに関する理解を深めるために、以下の3つの観点から詳しく解説します。
- インサイダーは内部の情報に近い人のこと
- インサイダー取引はインサイダーが行う不公正な売買
- 噂と内部情報を混同しない視点が重要
それぞれみていきましょう。
インサイダーとは内部の情報に近い人のこと
インサイダーとは、上場企業の内部情報にアクセスできる立場にある人物を指します。
具体的には会社の役員や従業員、大株主、取引先の関係者などが該当し、一般投資家よりも早く重要な情報を知れる状況にある人たちです。
インサイダーの範囲は思っているより広く、直接的な関係者だけでなく、間接的に情報を得られる立場の人も含まれます。
たとえば、上場企業の監査を担当する会計士や企業買収に関わる弁護士なども、業務上知り得る情報によってはインサイダーに該当する場合があります。
インサイダー取引はインサイダーが行う不公正な売買
インサイダー取引とは、インサイダーが一般に公表されていない重要な情報を利用して株式の売買を行う違法行為です。
重要な情報とは、株価に大きな影響を与える可能性がある情報を指し、決算発表前の業績情報や企業買収の計画、新商品の開発状況などが代表例です。
インサイダー取引は金融商品取引法で厳格に禁止されており、違反した場合は懲役刑や罰金刑が科される可能性があります。
また、不正に得た利益についても返還義務が生じるため、経済的な損失も大きくなります。
噂と内部情報を混同しない視点が重要
投資初心者が注意すべき点は、世間で流れる噂と企業の内部情報を明確に区別することです。
インターネットや投資情報サイトでみかける推測や憶測は、内部情報ではありません。
公開されている情報を参考にした投資判断は、通常のリサーチ活動に当たります。
一方、企業関係者から直接聞いた未公表の情報や、業務上知り得た機密情報は内部情報に該当します。
公開情報に基づく投資判断は合法的な投資活動となりますが、内部情報を利用した取引は法律で禁じられているインサイダー取引です。
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インサイダー取引になる行為
投資初心者にとって重要なのは、どのような行為がインサイダー取引に該当するのかを理解することです。
そこで本章では、インサイダー取引に当たる以下の行為について解説します。
- 公開前の内部情報を使った上場株式の取引
- 公になっていない内部情報の伝達行為
それぞれみていきましょう。
公開前の内部情報を使った上場株式の取引
基本的なインサイダー取引として挙げられるのは、一般に公表されていない重要な内部情報を利用して上場株式を売買することです。
重要な内部情報には決算の数値や事業提携の計画、新商品の開発状況などが含まれます。
情報を知った本人が直接取引を行うだけでなく、家族名義や知人名義で取引を行った場合も同様に違法行為です。
また、情報を知った時点から公表されるまでの期間はすべて規制対象となるため、短期間の取引であっても処罰の対象になる可能性があります。
規制は上場株式の現物取引だけでなく、社債券やデリバティブ取引なども含まれます。
公になっていない内部情報の伝達行為
インサイダー取引の規制は、売買行為だけでなく内部情報の伝達行為も対象としています。
ただし、刑事罰や課徴金が科されるのは、情報受領者が実際に取引を行った場合に限られます。
なお情報の伝達方法は問わず、直接の会話や電話、メールなどあらゆる手段による伝達が規制対象です。
重要なのは本人の意図や目的であり、利益供与等の目的がない日常会話は基本的に規制対象外とされています。
しかし、内部情報に関わる立場にある人は、意図せず規制に抵触するリスクを避けるためにも未公表の重要事実の取り扱いには細心の注意が必要です。
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インサイダー取引に該当する事例
実際にどのような状況でインサイダー取引が発生するのか、具体的な事例をみることで、投資初心者でも注意すべきポイントがわかるようになるでしょう。
そこで本章では、インサイダー取引に該当する以下の3つの事例について解説します。
- 画期的な新薬の承認情報を知った製薬会社役員による取引
- 赤字転落を事前に知った経理担当者による株式売却
- 上場企業の従業員から情報を得た友人による取引
それぞれ解説します。
なお、本章で紹介する例は架空の事例です。
画期的な新薬の承認情報を知った製薬会社役員による取引
製薬企業A社の役員が、自社で研究開発している医薬品について厚生労働省による認可が下りる予定であるという内部情報を事前に入手し、承認公表の1週間前に自社株式を大量に取得したとします。
承認発表後に株価が大幅に上昇し、この役員は短期間で数千万円の利益を得ましたが、後にインサイダー取引として摘発されました。
この事例では、役員という立場上当然に知り得る情報を利用した点と、情報の重要性が極めて高い点が問題となります。
本節の例からもわかるように、企業価値に直結する重要情報を保有する立場にある者は、情報の取り扱いについて細心の注意が必要です。
赤字転落を事前に知った経理担当者による株式売却
上場企業B社の経理部門で働く従業員が、四半期決算で初めて赤字に転落することを決算発表の2週間前に知り、保有していた自社株式をすべて売却した事例です。
この従業員は業務上、決算の準備作業を通じて業績悪化の情報を事前に把握する立場にありました。
赤字転落の情報は株価の大きな下落要因となる重要な情報であり、一般投資家が知るのは正式な決算発表の時点です。
決算発表後に株価が大幅に下落したため、この従業員は損失を回避できましたが、インサイダー取引として処罰を受けました。
上場企業の従業員から情報を得た友人による取引
上場企業C社の営業部門で働く従業員が、大手企業との大型契約が成立する見込みであることを友人に話し、その友人がC社株式を購入して利益を得た事例をみていきましょう。
この従業員は契約交渉の進捗を詳しく知る立場にあり、正式発表の1週間前に友人のAさんに「来週すごいニュースがあるよ」と伝えました。
Aさんは直ちに100万円でC社の株式を買い、その後のニュース公表により株価が30%値上がりし、30万円の収益を手にしました。
このような内部情報に基づく取引は違法行為であり、刑事罰や課徴金の対象となる可能性があります。
投資における法令遵守の観点から、非公開情報を排除し、公開情報のみで投資判断することが重要です。
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インサイダー取引が禁止される理由
インサイダー取引が禁止される理由は、以下のとおりです。
- 市場は平等な条件で取引できる環境が不可欠だから
- 情報格差が広がると価格の意味が薄れるから
- ルールがあるから初心者も株式投資に参加しやすい
それぞれみていきましょう。
市場は平等な条件で取引できる環境が不可欠だから
株式市場は、すべての参加者が平等な条件で取引できる環境が不可欠です。
もしインサイダー取引が横行すると、一部の人だけが有利な立場で取引を行うことになり、市場に対する信頼が根本から揺らいでしまいます。
信頼を失った市場では投資家が参加を控えるようになり、最終的には市場機能そのものが機能不全に陥る可能性があります。
そのため、市場の信頼性を保つためには、透明性の確保と適切な規制が欠かせません。
情報格差が広がると価格の意味が薄れるから
株価は企業の価値を反映するものですが、適正な価格形成には多くの投資家による公正な取引が必要です。
ですが、インサイダー情報によって一部の関係者だけが有利な状況になると、市場の健全性が損なわれて投資家離れが進みます。
その結果、株価が企業の真の価値を反映しなくなってしまうため、インサイダー取引を厳しく取り締まる必要があります。
ルールがあるから初心者も株式投資に参加しやすい
インサイダー取引の禁止は、投資経験の浅い個人投資家を保護する役割も果たしています。
厳格なルールがなければ、情報収集力や人脈に劣る初心者は圧倒的に不利な立場に置かれ、株式投資への参加をためらうからです。
公正な取引環境が法的に保証されているからこそ、知識や経験が不足している投資初心者でも、学習と努力によって成功の可能性を見出せます。
ルールによる保護があることで、より多くの人が株式投資に参加できるようになり、市場の裾野が広がって健全な発展が促進されます。
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インサイダーについて知りたい人によくある質問
インサイダーについて知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。
- インサイダーとインサイダー取引の違いは?
- 値動きが急なら内部情報が理由にあると考えるべきですか?
それぞれみていきましょう。
インサイダーとインサイダー取引の違いは?
インサイダーとインサイダー取引は密接に関連していますが、区別して理解する必要があります。
インサイダーは「人」を指す言葉で、企業の内部情報にアクセスできる立場にある人物のことです。
具体的には会社の役員や従業員、大株主、取引先の関係者などが該当します。
一方、インサイダー取引は「行為」を指す言葉で、インサイダーが未公表の重要情報を利用して株式の売買を行ったり、その情報を他人に伝達したりする違法行為のことです。
重要なポイントは、インサイダーであること自体は違法ではなく、不正な取引を行った時点で初めて違法行為となる点です。
問題となるのは一部の人による不正な取引行為のみで、多くのインサイダーは適切に法令を遵守しています。
値動きが急なら内部情報が理由にあると考えるべきですか?
株価の急激な変動は、必ずしもインサイダー取引によるものとは限りません。
株価は、投資家の心理的要因や大口投資家の売買など様々な要因によって大きく動く場合もあり、合法的な理由による急激な値動きも頻繁に発生します。
一方で、明らかに不自然な値動きや、重要発表の直前に集中した取引については、監督当局が調査を行う場合があります。
投資初心者は急激な値動きをみて憶測するのではなく、企業の公式発表や市場全体の動向など、公開されている情報をもとに冷静に分析することが大切です。
根拠のない推測は、投資判断を誤らせる原因となるため注意が必要です。
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まとめ
今回は、インサイダー取引の基本概念からインサイダー取引が禁止される理由まで解説しました。
インサイダー取引は投資家にとって絶対に避けなければならない違法行為であり、重い刑事罰や課徴金が科される可能性があります。
投資初心者の方は、噂と内部情報を明確に区別し、公開されている情報のみをもとに投資判断を行うのが重要です。
ぜひ本記事を参考に、適切な法令遵守のもとで安全な株式投資を心がけてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。






