「円高円安ってなに?」と疑問に思っていませんか?
円高や円安という単語はニュースでよく耳にする言葉ですが、どのような仕組みで起こり、私たちの生活や投資にどんな影響があるのかわからないと思っている方が多いようです。
そこで今回は、円高円安の基本的な概念から、実生活への影響まで詳しく解説します。
本記事を読むと、初心者の方でも円高円安とはどんな現象なのか、自分にとってどちらが有利なのかを理解できるようになります。
また、為替の動きをみて株式投資にどう活かすかについても紹介しました。
ぜひ本記事の内容を参考に、為替の動きを意識した賢い投資判断の参考にしてください。
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円高円安を理解するシンプルな考え方
本章では、円高円安を理解する考え方として以下の内容を解説します。
- 円高とは円の価値が上がる状態
- 円安とは円の価値が下がる状態
それぞれみていきましょう。
円高とは円の価値が上がる状態
円高とは、外国通貨に対して円の価値が上昇している状況を表す経済用語です。
具体例として、ドル円の為替相場が1ドル=100円から1ドル=80円に変動したケースで考えてみましょう。

以前は1ドル分の商品を購入するのに100円必要でしたが、円高が進むと同じ1ドル分の商品をわずか80円で購入できるようになります。
上の例が示すように、円高は世界の為替市場で日本円の価値が他の通貨に対して高まった状況を指しています。
円安とは円の価値が下がる状態
円安とは円高と逆で、他国の通貨に対して日本円の価値が下落する現象を指します。
たとえば、為替相場が1ドル100円から1ドル120円に変動した場合が円安の状態です。

上の例で説明すると、1ドル100円の時代には1ドルの商品を100円で購入できました。
しかし円安が進行し1ドル120円になると、同じ1ドルの商品を手に入れるために120円が必要になります。
つまり、以前より20円多く支払わなければ同一の商品を購入できなくなったため、円の価値が低下したことになります。
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なぜ円高円安が起こるのか
本章では、円高円安が起こる理由となる以下の原因について解説します。
- 景気
- 金利
- 貿易収支
それぞれみていきましょう。
景気
景気動向は、為替相場を左右する重要な要因となります。
経済成長率が高い国の通貨は、投資収益性の観点から魅力的と判断され、海外からの投資資金流入により通貨高圧力が生まれるからです。
具体例として、日本経済の成長率が他の主要国を上回る場合をみてみましょう。
たとえば、GDP(国内総生産)成長率が米国2%で日本3%という状況では、より高い経済成長を期待できる日本への投資需要が高まります。
すると、海外投資家が日本株や日本国債を購入する際に外貨を円に両替するため、円買い圧力が強まります。
逆に、景気悪化局面では投資資金が海外に流出しやすいです。
企業業績の悪化や雇用情勢の悪化が予想される国からは、投資資金が引き上げられ通貨安圧力が生じるためです。
景気を判断する主要な経済指標として、GDP成長率、失業率、消費者物価指数などがあります。
上記の指標が改善傾向を示す国の通貨は買われやすく、悪化傾向を示す国の通貨は売られやすい傾向があります。
金利
金利差は、為替レートへの影響力が大きい要因の1つです。
より高い金利収入を求める投資資金は、低金利国から高金利国へと移動する性質があり、為替レートに大きな変動をもたらすからです。
たとえば日本の政策金利が1.0%、米国の政策金利が4.0%だった場合、この政策金利の差は各国の債券利回りや金融商品の金利にも反映されます。
具体例として国債に1年間だけ、1,000万円投資する場合を考えてみましょう。
- 日本の10年国債(利回り約1%と仮定):年間約10万円の利息
- 米国の10年国債(利回り約4%と仮定):年間約40万円の利息
上記の場合、単純計算では約30万円の金利差益が生まれます。
そのため、金利差が拡大すればするほど資金移動の動きは活発化し、為替への影響も増大します。
貿易収支
貿易収支とは、国が外国に売った商品(輸出)と外国から買った商品(輸入)の差のことです。
貿易黒字は外貨獲得による自国通貨需要の増加をもたらし、貿易赤字は外貨支払いによる自国通貨売り圧力を生み出します。
以下では、それぞれの具体例についてみていきましょう。
貿易黒字の場合(輸出>輸入)
日本が外国で車や電子製品を売ると、ドルやユーロをもらいます。
日本企業はそのお金を円に換えるので、「外貨を売って円を買う」動きが増えるため、円の価値が上がって円高になります。
貿易赤字の場合(輸出<輸入)
石油などを輸入すると、代金をドルで支払わなければいけません。
すると「円を売ってドルを買う」動きが増えるので、円の価値が下がって円安になります。
つまり、日本の商品がよく売れれば円高、輸入が増えれば円安の傾向があります。
円高円安は株にどう影響する
円高円安が、株に与える影響は以下のとおりです。
- 円高になると輸出企業の株価は下がる
- 円安だと輸入企業の株価が下がる
それぞれみていきましょう。
円高になると輸出企業の株価は下がる
円の価値が上昇すると、海外販売を主力とする企業の株価は低下する傾向にあります。
なぜなら、外国通貨で得た収益を日本円に換算する際、円高により換算額が減少するためです。
具体例として、海外での自動車販売で10万ドルの収益を上げた場合を考えてみましょう。
1ドル100円の為替レートのときに海外通貨を円に戻すと1,000万円となりますが、1ドル80円まで円高が進むと10万ドルの価値は800万円に目減りしてしまいます。
上記のような仕組みにより、円高は輸出依存企業の業績を圧迫し、結果として株価の下押し要因となります。
なお、円高による株価への悪影響を受けやすい代表的な業界は次のとおりです。
- 自動車関連
- 電気機器
- 精密機器
これらの分野は海外市場への依存度が高い企業が多く含まれるため、株式投資を検討する際には為替動向の確認が重要といえるでしょう。
円安だと輸入企業の株価が下がる
円安は、輸入企業にとって不利に働きます。
海外から商品を調達している企業の場合、円安が進行すると従来よりも仕入れコストが上昇するからです。
たとえば、1ドル100円のレートのときにブランド商品を10万円で輸入していた場合、為替レートが1ドル120円まで円安が進むと、同じ商品の輸入に12万円が必要です。
上記のように、円安になると輸入業者は商品価格の引き上げやコスト削減への取り組みが必要となるため不利な状況となります。
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円高円安が私たちの生活に与える影響
円高円安が私たちの生活に与える影響として、以下の内容に沿って解説します。
- 円高が実生活で消費者に与える影響
- 円安が実生活で消費者に与える影響
それぞれみていきましょう。
円高が実生活で消費者に与える影響
円高になると、海外産の商品やサービスが安くなり消費者にとってはメリットになる場合が多いです。
たとえば、食品では小麦や大豆などの輸入穀物が安くなることで、パンや食用油の価格上昇が抑えられ家計の負担が軽くなります。
また、海外旅行で1,000ドル必要な場合、1ドル120円のレートなら12万円かかりますが、1ドル100円なら10万円で済むようになるからです。
つまり、円高は「同じお金でより多くのものが買える」状況を作り出し、実質的に収入が増えたのと同じ効果をもたらします。
円安が実生活で消費者に与える影響
円安は、消費者にとってマイナスの影響をもたらす面が多いです。
たとえば、海外旅行では同じ予算でも現地で使えるお金が減り、旅行費用が大幅に高くなります。
また、輸入食品や外国製品の価格が上昇するため、普段の買い物でも出費が増えてしまいます。
特に輸入に依存している石油やガスの輸入価格が上がることで、ガソリン代や電気代などの負担も重くなり家計も苦しくなるでしょう。
このように円安は、消費者の生活のあらゆる面に負担をもたらします。
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円高円安を株学習にどう活かすか
本章では、円高円安を株の情報収集をする際に活かすコツとして、以下の内容に沿って解説します。
- 企業をみるときに為替を意識する
- ニュースを株目線で読み替える
それぞれみていきましょう。
企業をみるときに為替を意識する
企業の株価を分析するときは、その会社が円高・円安のどちらで利益が増えるかを考えましょう。
たとえば、トヨタやソニーなどの輸出企業は円安になると海外での売上が円換算で増えるため株価が上がりやすくなります。
一方、石油や食品を輸入している企業は円高の方が原材料費が安くなり利益が増える傾向があります。
そのため、投資したい企業をみつけたら「この会社は海外でどのくらい稼いでいるか」「原材料をどこから調達しているか」を調べて、為替変動の影響を予測してみましょう。
この視点を持つことで、より精度の高い投資判断ができるようになります。
ニュースを株目線で読み替える
経済ニュースをみるときは「ニュースがどの企業にプラスかマイナスか」を考える習慣をつけましょう。
たとえば「円安が進行」というニュースをみたら、輸出企業(自動車・電機メーカーなど)の株価上昇要因と読み替えられます。
逆に「円高進行」なら輸入関連企業にとってチャンスです。
毎日のニュースを「今日の為替はどちらに動きそうか」「それによってどの業界の株価が影響を受けるか」という目線で読むと、投資のヒントがみえてくるでしょう。
円高円安について知りたい人によくある質問
円高円安について知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。
- 円高と円安はどちらがいい?
- 円高円安はどんな仕組みで変動する?
それぞれみていきましょう。
円高と円安はどちらがいい?
円高と円安にはそれぞれ異なるメリットとデメリットがあり、立場によって有利不利が変わるため、どちらがいいか一概にはいえません。
円高になると、海外旅行や輸入品が安くなるため消費者には嬉しいですが、輸出企業の売上が減少し、日本経済全体には厳しい影響が出ます。
一方、円安になると輸出企業の業績は向上し、外国人観光客も増加しますが、輸入品の価格上昇により生活費が高くなります。
このように、置かれる立場で優劣が決まるため、一律にどちらが優れているとは断言できません。
ですが、経済全体のバランスを考えると極端な円高や円安ではなく、適度な水準で安定していることが望ましいとされています。
円高円安はどんな仕組みで変動する?
円高円安は通貨の需給バランスによって変動し、円の需要は円高圧力となり、需要が減ると円安圧力が強くなります。
需要や供給を発生させる主な要因は、日本と他国の金利差や貿易収支などです。
たとえば、日本の金利が上がれば円建て投資の魅力が増し円高圧力となり、逆に海外の金利が上がれば資金が流出し円安要因となります。
また、貿易黒字が拡大すると外貨が円に交換されるため円高要因となり、貿易赤字が拡大すると円安圧力が生じます。
円相場は上記のように様々な経済要因が複雑に絡み合って決まるため、単一の指標だけでなく複数の要素を総合的に判断することが重要です。
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まとめ
今回は、円高円安の基本的な仕組みから、私たちの生活や株式投資への影響について解説しました。
円高円安は景気や金利、貿易収支といった経済要因によって変動し、輸出企業と輸入企業に真逆の影響を与えます。
また、為替の動きは生活費や海外旅行の費用にも直結します。
株式投資においては、企業が円高・円安のどちらで利益が増えるかを意識し、経済ニュースを投資家目線で読み替える習慣をつけることが重要です。
ぜひ本記事を参考に、為替動向を踏まえた精度の高い投資判断を心がけてみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。






