「移動平均乖離率を使ってデイトレードってどうやるんだろう?」と疑問に思っていませんか?
特に初心者の方は、移動平均乖離率をどう使ってデイトレードをすればいいのか迷ってしまいますよね。
そこで今回は、移動平均乖離率の概要から具体的なデイトレードの方法、注意点まで詳しく解説します。
本記事を読むと、初心者の方でも移動平均乖離率を使ったデイトレードの基本的な流れを理解できるようになります。
ぜひ本記事の内容を参考に、移動平均乖離率を活用したデイトレードにチャレンジしてみてください。
移動平均乖離率とデイトレード
本章では、移動平均乖離率とデイトレードのそれぞれの概要について解説します。
知っている方もおさらいとして、目を通してみてください。
移動平均乖離率とは
移動平均乖離率は、現在の価格が移動平均線からどの程度離れているかをパーセンテージで示すテクニカル指標です。

計算式は、以下のとおりです。
- {(現在の株価-移動平均線)÷移動平均線}×100
上の式により導きだされたプラスの値が大きいほど買われすぎ、マイナスの値が大きくなるほど売られすぎの状態を示します。
株価は移動平均線から大きく離れすぎると、元の水準に戻ろうとする性質があるため、投資家に反転のタイミングを見極める際の判断材料として活用される場合が多いです。
移動平均乖離率の一般的な目安として、乖離率が±5%を超えると反転の可能性が高まるとされています。
ただし、銘柄や相場環境によって反転ポイントは異なるため、過去のチャートデータを分析して個別の特性を把握するのが重要です。
デイトレードとは
デイトレードは、エントリーしたその日のうちに売買を完結させる短期投資の手法で、ポジションを翌日に持ち越さないのが基本です。
数分から数時間で利益を狙うため、小幅な値動きでも効率的に収益を積み上げられます。
デイトレードのメリットは、取引時間外に発表される突発的なニュースによる価格変動リスクを回避できる点と、資金効率が良い点です。
同じ資金を1日に何度も回転させるので、少ない元手でも大きな利益を狙えます。
デイトレードを成功させるためには、チャート分析能力と迅速な判断力が必要不可欠です。
また、取引時間中は常にチャートを監視する必要があるため、集中力を維持できる環境作りも重要な要素となります。
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移動平均乖離率でデイトレードする方法
移動平均乖離率を活用してデイトレードする方法を、以下の3つのSTEPで解説します。
- STEP1.過去の移動平均乖離率から反発ポイントを確認する
- STEP2.上位足のトレンドを確認する
- STEP3.反発ポイントでエントリー
それぞれ詳しくみていきましょう。
STEP1.過去の移動平均乖離率から反発ポイントを確認する
過去の移動平均乖離率から反発ポイントを確認する作業は、デイトレード成功の基盤となる重要なステップです。
まず、対象銘柄の過去3ヶ月から6ヶ月程度のチャートを用意し、移動平均乖離率が何パーセントのときに株価が反転しているかを記録していきます。
反発ポイントの確認作業では、単発的な反転ではなく、少なくとも3回以上同じ水準で反転している箇所を重点的にマークしましょう。
たとえば、ある銘柄で移動平均乖離率が+3%に達した際に3回連続で下落に転じている場合、その水準が強い抵抗線として機能していると判断できます。
このような統計的なデータを蓄積すると、エントリータイミングの精度を大幅に向上させることが可能になります。
STEP2.上位足のトレンドを確認する
上位足のトレンド確認は、トレードの成功率を高めるために重要な要素で、デイトレードなら日足の大きな流れに逆らわない取引を心がけるのが大切です。
上昇トレンド中に移動平均乖離率がマイナス圏で反発を狙う「押し目買い」や下降トレンド中にプラス圏で反発を狙う「戻り売り」の戦略が、効果的なアプローチとなります。
トレンド確認の具体的な方法として、日足チャートの25日移動平均線の向きをみてトレンド相場であるかを確認しましょう。
移動平均線の傾きが右肩上がりの場合は上昇トレンド、右肩下がりなら下降トレンドの可能性が高いと判断できます。
移動平均乖離率を使ってデイトレードをするなら、上位足のトレンドに沿った取引をすると失敗の可能性を下げられます。
STEP3.反発ポイントでエントリー
上位足のトレンドも判断できたら、乖離率が反転水準に達した瞬間にエントリーするようにしましょう。
また、利食いは移動平均線への回帰を目標とし、移動平均乖離率が0%付近を利益確定ラインにするのが一般的です。
損切りラインは、想定した反発ポイントを更に2%~3%逆行した時点に設定し、損失を最小限に抑える管理を徹底しましょう。
なお、本節で紹介した利確や損切りポイントはあくまでも1例ですので、実践する際は銘柄や市場環境に合わせて調整する必要があります。
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デイトレードにおける移動平均乖離率の注意点
移動平均乖離率を使ってデイトレードする際の注意点は、以下のとおりです。
- 他のテクニカル指標と組み合わせる
- 一定の乖離率で必ず反転すると判断しない
- 銘柄ごとの特性に着目する
それぞれ解説します。
他のテクニカル指標と組み合わせる
移動平均乖離率をトレードに活用する場合、他のテクニカル指標と組み合わせるのが重要です。
なぜなら、単一の指標では市場の状況を多面的に捉えきれず、判断の根拠が不十分になるからです。
そのため、移動平均乖離率を使って投資を行う際は、複数のツールで相場を分析して、シグナルの信頼性を高めましょう。
たとえば、相場の買われすぎ・売られすぎを判断するRSI(相対力指数)と組み合わせて過熱感をダブルチェックすると、移動平均乖離率の精度は向上します。

このように、複数の指標が同じ方向を示している場合のみエントリーするルールを設けると、投資成績の向上が見込めます。
一定の乖離率で必ず反転すると判断しない
移動平均乖離率が過去の反転水準に達したからといって、必ずトレンドが反転するとは限らない点を理解しておくのが重要です。
強いトレンド相場では、通常の反転水準を大きく超えて乖離率が拡大し続ける場合があるからです。
特に材料株や急成長企業の株価は、決算や新商品発表などのニュースによって従来の水準を無視した動きを見せることがあります。
そのため、移動平均乖離率を使って取引する際は、事前に損切りポイントを決めてエントリーするのが大切です。
価格が想定以上に逆行したら、機械的に損切りをするようにしましょう。
銘柄ごとの特性に着目する
移動平均乖離率の反転水準は銘柄によって大きく異なるため、それぞれの特性を十分に理解してから取引を開始するのが不可欠です。
たとえば、大型株のような比較的安定した値動きの株は、移動平均乖離率±5%程度で反転する場合が多いです。
一方、小型の成長株は±10%~±20%程度まで乖離が拡大することも珍しくありません。
また、同じ業種内でも個別企業の業績や財務状況によって株価の安定性は大きく変わるので、事前の企業分析も重要な要素となります。
そのため、トレードする銘柄を選ぶ際は、過去の値動き幅を事前に調査し、自分のリスク許容度に適した銘柄を選ぶのが長期的な成功につながります。
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移動平均乖離率とデイトレードに関するよくある質問
移動平均乖離率を活用してデイトレードをしたい人によくある質問は、以下のとおりです。
- 移動平均乖離率は日足しか使えませんか?
- 長期線と短期線の乖離率の判断方法は違いますか?
それぞれ解説します。
移動平均乖離率は日足しか使えませんか?
移動平均乖離率は、日足以外の時間軸でも活用できます。
5分足、15分足などの短期足では、より細かな売買タイミングを捉えられるためデイトレードで活用できます。
また、週足や月足の移動平均乖離率は中長期的な投資判断に活用でき、大きな転換点をみる際に有効です。
特に週足の移動平均乖離率は、日足よりも重要な転換点を示す場合が多いです。
なお、短期足になるほどダマシの発生頻度が高くなるため、短い時間軸で使うなら複数のテクニカルツールを併用して判断するのが重要になります。
長期線と短期線の乖離率の活用方法は違いますか?
移動平均乖離率の長期線と短期線では、シグナルの意味と投資判断における役割が異なります。
短期線の乖離率は、株価の短期的な過熱感や調整の可能性を示します。
そのため、短い期間での売買タイミングの判断に用いられる場合が多いです。
一方、長期線の乖離率は株価の中長期的なトレンドの強さや持続性を表しており、相場の大きな転換点を見極める際に活用される傾向があります。
このように、短期線は機敏な売買判断に、長期線はトレンドの方向性確認に使い分けられます。
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まとめ
今回は、移動平均乖離率を活用したデイトレード手法について詳しく解説しました。
移動平均乖離率を活用したデイトレードで成功するためには、過去のデータから反発ポイントを分析し、上位足のトレンドを確認してからエントリーするのが重要です。
また、銘柄ごとの特性の理解や適切な損切りラインを設定するなどリスク管理の徹底も大切です。
移動平均乖離率は万能な指標ではありませんが、正しい理解と適切な活用により、デイトレードの精度向上に大きく貢献する有用なツールだといえます。
ぜひ本記事を参考に、安全で効果的なデイトレード戦略の構築に取り組んでみてください。

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。







