「気配値(けはいね)」という言葉をご存知でしょうか。
気配値とは簡単に言うと、株を売買する人が”買いたい””売りたい”と希望している値段のことを指します。
これから株式投資を始めようと思っている方は、ネット証券の注文画面などで気配値を今後見かけることがあると思います。
今回この記事を読んで、気配値の意味や見方を理解しておきましょう。
この記事でわかること
- 気配値の意味
- 気配値の考え方
- 気配値に表示される特別なサイン
気配値とは何か
前述のとおり、気配値とは株の買い方が「買いたい」、売り方が「売りたい」と希望している値段(指値)のことを指します。
「板」という価格ごとの買い希望株数と売り希望株数が載っている一覧表があり、そこに記載されている価格が気配値です。
株式を売買する方は、この板を見ることによりどの価格でどのいくらいの売買が行われるのかを想定することができます。
つまり、株式投資においてとても便利なツールなのです。
気配値(板)の考え方
上図を見てください。
これが気配値(板)と呼ばれているもののデータです。
一体どうやって見るのでしょうか?
まず、「売数量」とは株を売りたい人の株数、同様に「買数量」は株を買いたい人の株数です。
それに対応する値段が同じ列に書いてあります。
例を見てみましょう。
・売数量2200,値段156
156円で株を売りたい人の株数の合計が2200株ということを示しています。
・売数量1100,値段152
文字色が青色になっている部分です。
152円で株を売りたい人の株数の合計が1100株ということを示しています。
・買数量1900,値段151
文字色が赤色になっている部分です。
151円で株を買いたい人の株数の合計が1900株ということを示しています。
青色になっている152円は株を売ってもいいと思える1番安い値段であり、赤色になっている151円は株を買ってもいいと思える1番高い値段です。
また、売数量の数値が表示されているのは、その気配値での売数量>買数量であるときなので、売り注文が多いということから「売り気配」と呼ばれます。
同様に買数量の数値が表示されているのは、その気配値での売数量<買数量であるときなので、買い注文が多いということから「買い気配」と呼ばれます。
売り気配が多いときは株価が下落する傾向にあり、買い気配が多いときは株価が上昇する傾向にあるというのが原則です。
例の場合の気配値では、152円の場合買いたい人よりも売りたい人が多く、151円の場合売りたい人よりも買いたい人が多いという状況を表しています。
つまり「151円だと売るには安すぎて、152円だと買うには高すぎる」というのがこの株を売買している人の総意です。
つまりこの銘柄は151円と152円を中心に売買が行われています。
この結果から、現在はこのような気配値(板)になっています。
この後、もし「152円でもいいから買いたい」という人が大量に出てきてどんどん買い注文が増えていくとどうなるのでしょうか。
気配値(板)は変化する(153円が青色、152円が赤色になる)のが想像できるでしょう。
つまり、この銘柄は152円と153円を中心に取引されるようになります。
実際は取引時間中に新しい注文が入ると、その値段の板が点滅します。
そのため、板の点滅回数が多い場合その銘柄の値動きは激しいということを表しているのです。
このようにして現在の株の需要と供給や最新株価を予測するのが、気配値の考え方です。
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気配値は必要なのか
それでは、気配値は必須で見るべきものなのでしょうか?
気配値は、直近での売買の参考にはなりますが、その後長期的なスパンで株価が上昇するのか、下落するかのトレンドまでを追うことは難しいでしょう。
デイトレーダーのような短期スパンでトレードをする人には重宝されるツールですが、中長期で株を保有するトレードスタイルの場合は、参考程度に見ておけば十分であると言えます。
長期的にトレンドを追いたい場合は、株価チャートなどで全体的な動きを追っていく方が、トレンドを見極めやすいです。
中長期でトレードをする場合は、ローソク足の動きを追っていくようにしましょう。
ローソク足について詳しくは、四本値(よんほんね)とは?4つの価格とローソク足の基礎の記事をご覧ください。
自分が売買しようとしている銘柄が、直近でどのような注文が入っているのかを確認したい場合は、板を見て気配値を見てみるとおもしろいでしょう。
気配値に出てくる表示
気配値を見ていると時々あまり見たことのないマークが現れます。
・「特」…「特別気配」
特別気配とは、買いまたは売りに注文が殺到しているときに、取引を一時停止する処置のことです。
大量注文によって大きく値段が動いてしまうと市場が混乱する原因になるため、このような仕組みが導入されています。
買いが殺到している場合は「買数量」側に、売りが殺到している場合は「売数量」側にマークが表示されます。
・「S」…「ストップ高」・「ストップ安」
ストップ高(ストップ安)とは、あらかじめ決められた株価の動く範囲(値幅制限)の上限(下限)まで株価が上がった(下がった)ときのことです。
ストップ高(ストップ安)になると、同日はそれ以上株価が上がり(下がり)ません。
まとめ
- 気配値は株価の予測や需給を見る上で重要なツール
- 売り注文が多いと「売り気配」・買い注文が多いと「買い気配」
- 臨時的に表示されるサインがあるので注意
いかがでしょうか。
気配値を見ることで、直近の売買予測に生かしやすくなります。
ただし、気配値の情報だけを頼りにトレードをしてしまうのは危険です。
あくまでも、ひとつのツールとして使い方を覚えておくようにしましょう。
株式投資をする際には、様々の用語を覚えておくとよいので、当サイトの内の他の株用語記事なども合わせてご覧になってみてくださいね。
知っておきたい株式投資用語集|マーケットや指数・指標に関する基本用語 その1
知っておきたい株式投資用語集|マーケットや指数・指標に関する基本用語 その2
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。