みなさんは「株式ミニ投資(ミニ株)」という言葉をご存知でしょうか?
株式投資をおこなうには、できるだけ多くの投資資金を手元に集める必要があると思っている方も多いでしょう。
ただし、株式ミニ投資を利用すれば少額の資金からでも投資をすることが可能です。
株式を10株単位で購入することができます。
本記事では、そんな株式ミニ投資について知っておきたいポイントや、メリット・デメリットを徹底解説していきます。
この記事でわかること
- 株式ミニ投資とは何か
- 株式ミニ投資について知っておくべきポイント
- 株式ミニ投資のメリット・デメリット
株式ミニ投資って何?
まずは「株式ミニ投資」とは何なのかについて、ご説明していきます。
株式ミニ投資は「ミニ株」とも呼ばれるもので、簡単にいうと通常なら単元株100株単位で購入しなければならない株式を10株(つまり10分の1)単位で購入できる取引方法のことです。また、最大取引単位は90株です。
つまり単元株100株に囚われずに、10分の1の少ない投資資金でも株式投資ができるということになります(別途、取引手数料等はかかります)。投資資金があまり手元にないトレーダーの方も市場に呼び込もうという狙いがあり、1995年10月に導入されました。
株式ミニ投資のポイント
このような、少ない投資資金で株式が購入できるという魅力がある株式ミニ投資ですが、通常の単元株に従っておこなう株式投資とはルールが異なっているなどいくつか注意点があります。
そこで、株式ミニ投資についての知っておきたいポイントをいくつかご紹介していきたいと思います。
株式の名義は証券会社
株式ミニ投資では、株式名義人が証券会社の「株式ミニ投資口」になります。詳しくいうと、証券会社名義で証券保管振替機構に預託され、それをトレーダーが持ち分として所有するということです。
また株式ミニ投資を利用して株式をさらに買い足していった結果、保有株式数が単元株100株を超えることもあるかもしれません。
そのようなときは申し出をしてもしなくても、名義がトレーダー本人の名前となり、通常の株式取引として扱われるようになります。こちらについても知っておくとよいでしょう。
配当金を受け取れるが議決権はなし
「株式ミニ投資だと配当金は受け取れないのかな?」と思われる方もいるかもしれません。株式ミニ投資においては、保有株式数が単元株未満だとしてもその持ち分に応じて、配当金はきちんと配分されますのでご安心ください。
ただし、議決権を行使することはできないほか株主優待もありません。
そのため株式ミニ投資で利益を得るには、売却益もしくは配当金の受け取りのみということになります。
もし議決権を行使したい、株主優待を受けたいなどという場合は、投資資金に余裕が出てきたらその株式を追加購入して単元株100株以上保有することが必要です。魅力的な銘柄が目についたら、そのような方法をとる必要も出てきそうですね。
購入できる銘柄は証券会社が選定した銘柄のみ
気になるのは、株式ミニ投資ではどの銘柄でも購入できるのかということではないでしょうか?株式ミニ投資では、それぞれの証券会社が選定した銘柄のみしか購入することができません。
また、そもそもすべての証券会社が株式ミニ投資を取り扱っているというわけでもありませんので、確認が必要です。
約定価格は翌営業日の始値
株式ミニ投資は、証券取引所ではなく証券会社を相手として取引をおこないます。
というのも、証券取引所では単元株未満(100株未満)の株式取引ができません。
よってトレーダーが株式ミニ投資の注文を出しても、すぐに証券会社が証券取引所につなぐことは不可能です。
よって注文はいつでも出せますが、約定価格は注文受付最終時間の翌営業日の始値となります。また指値注文をおこなうこともできません。
株式ミニ投資のメリット
次に、株式ミニ投資のメリットをご紹介します。通常の株式取引ではなく株式ミニ投資をするメリットとは、一体どのようなものがあるのでしょうか?
少ない投資資金で株式投資ができる
繰り返しになりますが、株式ミニ投資の大きなメリットはこちらでしょう。
通常であれば株式は単元株100株単位での購入になるので、いくら株価が低くてもそれの100株分となるとリスクが大きいと感じて株式投資を諦める方もいらっしゃるのではないでしょうか?とくに初心者の方には当てはまりやすい状況かと思います。
ただし、株式ミニ投資ならその10分の1の価格で「投資をしたい!」と思っている企業の株式を購入することが可能になります。
だれもが知る大手優良企業はもちろん、今後の成長が期待できるベンチャー企業など、さまざまな企業に少ない投資資金で投資をすることができます。
十分な投資資金を準備するのが難しい方はもちろん、まだ不安を感じる初心者の方の練習にもなるのでおすすめです。
リスクを分散できる
株式ミニ投資なら、1つの銘柄に対する最低投資金額が低いため通常の株式取引では難しかった方も同じだけの投資資金で、複数の銘柄の分散投資をすることが可能です。
分散投資をしておけば、片方の株価が下落してももう一方の株価が下落していなければ損失を抑えることができます。
輸出関連株と輸入関連株など、正反対の株価の動きをすると考えられる組み合わせを選ぶと損失をカバーしやすいですが、利益額は最大になりにくい(どちらか、もしくは複数銘柄で損失が出る可能性もある)ので注意が必要です。
株式ミニ投資のデメリット
上記では、株式ミニ投資のメリットをご紹介しました。トレーダーにやさしく投資の幅が広がるという点で非常にうれしい制度ではあるのですが、一方でデメリットもあります。
売買のタイミングが思い通りでない
上記でも少し触れましたが、証券取引所では株式ミニ投資のような単元株未満の取引をおこなうことはできないため、注文を出してから約定するまでにタイムラグが生じてしまいます。
もしかしたら、想定していたよりも不利な形で約定する可能性も0ではありません。
通常の株式取引であれば、証券取引所が営業している時間であればリアルタイムで売買をすることができるのでその点を比べればデメリットだといえるでしょう。
「今がチャンス!」といった、自分の思い通りのタイミングで約定することは困難です。
取引手数料が割高
通常の株式取引と同様、株式ミニ投資でも取引手数料が発生します。株式ミニ投資では購入単価が低くなるので、その投資金額に対しても取引手数料が割高になるというデメリットがあります。
ただし、取引手数料の発生を避けることはできません。そのため売却益などで取引手数料以上の利益を挙げることが必要です。
ただし、あまりにも大きな利益を狙おうとするとリスキーな取引になってしまうので、あくまでも冷静に投資判断をおこなうようにしましょう。
まとめ
- 株式ミニ投資とは、通常の売買単位となる単元株の10分の1で株式が買える制度のこと
- 配当金は持ち分に応じて受け取れるが、株主優待や議決権はなし
- メリットデメリットを判断した上で、活用できるかどうか検討が必要
いかがでしたでしょうか?
本記事では株式ミニ投資についての知っておくべきポイントや、メリット・デメリットを解説してきました。「こんな便利な制度があるんだ!」と感じた方もいらっしゃるかと思います。
株式を10株単位で購入できるというだけで、かなり投資がしやすくなりそうですよね。
ただし売買タイミングや取引手数料などデメリットもあるので、そちらを検討のうえ株式ミニ投資の制度を利用するかどうか検討してみましょう。
株式累積投資(るいとう)って何?投資方法やメリット・デメリットを解説します
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。