【これで安心】仕手株とは?見分け方や仕手筋による手口や特徴を紹介

みなさんは「仕手株(してかぶ)」という言葉をご存知でしょうか?

もしかしたら、ニュースなどで「株式市場では仕手系材料株(してけいざいりょうかぶ)が物色され…」というような言葉を聞いたことがあるかもしれません。

仕手株とは、”非合法な手口で株価を操作されている株”のことで、この操作により1日に株価が10%以上変動することもあります。

「自分には関係ないだろう」と思っていると大変に危険です。

なぜなら、知らず知らずのうちに巻き込まれてしまう可能性があるためです。

大ダメージを受けてしまう前に、本記事を参考に仕手株についての知識を身に着けていきましょう。

この記事でわかること

  • 仕手株(してかぶ)、仕手筋(してすじ)とは
  • 仕手株に仕立てる一連の流れを解説
  • 仕手株を見分けるポイント

株の勉強は絶対にやるべき!オススメ勉強ステップや失敗しないためのコツ

目次

仕手株(してかぶ)、仕手筋(してすじ)とは?

「仕手株」とは、大きな投資資金を持っている投資家集団によって、株価を意図的に操作されている銘柄のことをいいます。

この仕手株の株価を意図的に操作する投資家集団は「仕手筋」と呼ばれており、脱法・違法に近い行為をしていることから過去には逮捕された例もあります。

「どして急に株価が上がったんだろう…」「一気に売られて暴落してる…」ような銘柄を見かけたことはありませんか?

もしかしたら、それは仕手筋のしわざかもしれません。

それでは、仕手筋はどのように株価を操作しているのでしょうか。

ここからは、仕手株が出来上がるまでを、流れで詳しく解説していきます。

①対象の株を集める【玉集め(ぎょくあつめ)】

まず仕手筋は、仕手株に仕立てる対象の銘柄を決めると、安値の段階から少しずつ買い増していきます。

ポイントは、市場から大きな注目を集めないように少しづつ買い増すところです。

なぜ少しづつ買い増すのかというと、一気に買うと他の投資家に気づかれてしまうためです。

このように安値の段階で株式を買い上げていくことを「玉集め」と呼びます。

同様に、仕手筋はあらかじめ決めていた株式数に達するまで、少しづつ株を買い増していきます。

②一気に株価を高騰させる【玉転がし(ぎょくころがし)】

仕手筋は予定していた株式数を買い集めると、さらに大量の買い注文を出して対象の銘柄を一気に買い増していきます。

一気に買い注文を出すことにより、出来高が上がり、他の投資家へアピールできるのです。

ただしこの大量の買い注文は、市場に流通している株式を買い増しているのではありません。

玉集めの時に買った分を一度売りに出しておいてから、再度自分で買い戻すのです。

そうすることにより、他の投資家に株を買われることなく出来高を増加させることができます。

この大量の買い注文から市場での注目集めまでの流れを「玉転がし」といいます。

わざわざ一度売りに出すのは手間がかかりますが、これは売買が活発におこなわれている銘柄であることを装い、市場からの注目を集めるというのが狙いです。

例えば、みなさんが利用している証券会社のサイトでも、値上がり率ランキングが公開されていますよね。

株価の情報収集に利用しているサイトにも登場するようになると、市場はその銘柄の話で持ち切りになってしまいます。

したがって、玉転がしによって出来高が増加し市場からの注目を集めた対象銘柄は、仕手筋以外の投資家からも買い注文がどんどん入るようになるのです。

ちなみに、仕手筋も同じ証券会社を使うと怪しまれるので、あえて違う証券会社や名義を利用するという巧妙な手口を使うそうです。

③買い集めた株を一気に売りに出す【ふるい落とし】

玉転がしが成功し、他の投資家から買い注文が入ってくるとさらに株価は高騰します。

ここで仕手筋は、持っていた仕手株を大量に売り注文に出し、一時的に株価を下落させます。

これを「ふるい落とし」といい、仕手筋が浮動株を多く支配するためにおこなう行動です。

浮動株については「浮動株」は多いのと少ないのどっちがいいの? 株初心者の方にもわかりやすく解説しますをご覧ください。

他の投資家は、せっかく注目して買った銘柄の株価が急落すると不安になります。

そうすると売りに出す人が増え、さらに株価が下落していきます。

ここまでが仕手筋のシナリオです。

ふるい落としの後は

ふるい落としが完了すると、再度玉転がしを繰り返して株価を上昇させて仕手筋以外の投資家の心情を翻弄させていきます。

その後他の投資家が大量に買い進める状況になれば、仕手筋に大きなチャンスが到来します。

株価が上昇した時点を狙って保有していた株式をすべて売りに出し、大幅な利益を確定させるのです。

仕手筋はこの手口を繰り返すことにより、大きな利益を得ています。

結果的に、仕手筋による一連の行動がほかの投資家に悪影響を与えないのならいいのですが、そうはいきません。

仕手筋が株をすべて売ったことで最初の水準まで大暴落し、他の投資家の手元には大きな含み損を被った株式が残ってしまいます。

つまり、仕手株と知らずに買ってしまうと、仕手筋の手口によって大やけどを負ってしまうのです。

では、仕手株に巻き込まれないためにはどうしたらいいのでしょうか。

仕手株を見分けるには?

ここまでの説明で、仕手株の恐ろしさがお分かりいただけたかと思います。

できるだけリスクを回避するためにも、仕手株を見分けることができたら嬉しいですよね。

完全に判断することは難しいのですが、仕手株の対象となりやすい銘柄の特徴をいくつかご紹介していきます。

  • 株価が100円以下で倒産リスクが高い銘柄(低位株)
  • 過去に株価が急騰または急落を繰り返した不安定な銘柄
  • 業績が悪くて需要が少ないのにもかかわらず、急に出来高が増加する銘柄
  • ベンチャー企業などの株価水準の判断が難しい銘柄
  • 発行済株式数が少ない銘柄
  • 時価総額が小さい銘柄
  • 信用取引が可能な銘柄

これらが100%正確とはいえませんが、仕手株に仕立てられやすい株のポイントとしてぜひ参考にしてみてください。

安全な銘柄選びの3つのポイント

仕手株を見分けるポイントをお伝えしましたが、そもそも安全な銘柄での取引を心得ていればより安全と言えます。

そこで、このサイトを監修している株塾主催の相場師朗先生が、株塾生にお伝えしている銘柄選びの3つのポイントをご紹介します。

①日経225、JPX400採用銘柄から選ぶ
②出来高が100万株以上
③貸借銘柄であること

この3点については初心者におすすめの株の選び方とは?プロが活用する3つの基本ポイントを押さえようにて、詳しく解説しています。

新たな手口「ネット仕手筋」とは

近年のインターネットの普及に相まって「ネット仕手筋」という仕手筋が登場し始めました。

ネット仕手筋は、従来の仕手筋のように多額の投資資金を武器にしているのではありません。

「ネット」とあるように、ネット掲示板やSNSなどのインターネットツールを通して情報発信を巧みにおこない、仕手株に仕立て上げていきます。

ネットの場合はリアルタイムで瞬時に情報が広がるので、従来の仕手筋による玉転がしよりも短期間で成果が出て、株価が急変しやすいといわれています。

とくに決算や事業拡大といったニュースがないのに短期間で株価が急騰している場合には、仕手株を疑ってみてもいいかもしれません。

まとめ~仕手株の見分け方や仕手筋の特徴~

  • 仕手株とは、仕手筋という投資家集団によって多額の投資資金を投じられ、株価を意図的に操作されている株式のこと
  • 安く買い集める→大量の買いで株価上昇させ、注目度上げる→ほかの投資家が買い始めて株価上昇しているタイミングで保有株を売り、利益確定
  • ほかの投資家は知らず知らずのうちに、含み損を抱えてしまうことになる

本記事では「仕手株」の意味やメカニズム、見分けるコツをご紹介しました。

最後になりますが、急騰を続けている銘柄を見つけたときには、その理由となる材料があるのかをきちんと調べてから、投資対象にするか判断しましょう。

そのためにも発行済株式数や低位株などは必ず確認すべき事項です。

「実は持っている株は仕手株だった…」とならないように、本記事を参考に仕手株についての知識を深めて、安全に株式投資をしていきましょう。

手仕舞いとは?株初心者にもわかりやすく解説します

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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