SBI証券が提供している米国貸株サービス「カストック【Kastock】」をご存知でしょうか?
SBI証券の米国貸株サービス「カストック」を使えば、保有している米国株を貸し出すだけで金利が受け取れます。
結論として、配当金との二重取りが可能で売却制限もないため、利益を最大化したい投資家には必須のツールです。
「株が売れなくなるのでは?」という不安も不要で、自動設定で手間もかかりません。
ただし、初心者が損をしないための税金の注意点もあるため、本記事でその仕組みと対策を徹底解説します。
米国貸株サービス「カストック【Kastock】」とは?
カストック(Kastock)は、SBI証券が国内でいち早く導入した「米国株・米国ETF専用」の貸株サービスです。
投資家が保有している株式をSBI証券に貸し出し、SBI証券はそれを機関投資家などが参加する貸株市場へと貸し出します。
この際に発生する貸出料の一部が、投資家へ「金利」として還元される仕組みです。
米国株の貸株ができるのはSBI証券の大きな強み
かつて日本のネット証券では、国内株式の貸株サービスは一般的でしたが、米国株を対象としたものは限られていました。
SBI証券のカストックは、約2,000銘柄以上の米国株やETFを対象としており、その規模は業界最大級です。
多くの証券会社が国内株のみに焦点を当てる中、成長性の高い米国株で金利収入を得られる点は、資産形成のスピードを速める強力な武器となります。
特に、長期保有を前提としている「ガチホ」銘柄がある場合、ただ眠らせておくのはもったいないと言えるでしょう。
金利の決まり方と支払いのタイミング
貸株金利は一律ではなく、銘柄の需給バランスによって変動します。
一般的に、市場で不足している銘柄ほど金利が高くなる傾向にあります。
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通常銘柄 年率0.01%程度
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ボーナス銘柄 年率0.5%から2.0%以上になることも
金利は毎日計算され、毎月一回、米ドルで証券口座に入金されます。
少額に見える金利でも、複利運用や再投資に回すことで、数年後には大きな差となって現れます。
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米国貸株サービスを利用できるのはどんな人?
米国貸株サービスを利用できるのは、すでにSBI証券で外国株式口座もしくはインターネット取引口座を開設している方です。
また、未成年は利用できません。
米国貸株サービスを利用するメリット
上記では、米国貸株サービスについて解説しました。
証券会社に株やETFを貸し出すことで貸株金利を得られる米国貸株サービスですが、金利以外にもメリットがあります。
以下で、1つずつ見ていきましょう。
貸株金利と併せて配当金を受け取れる
1つめのメリットは、貸株金利と併せて配当金を受け取れる点です。
米国貸株サービスを利用すると、本来株は手元にはありませんが、株主の権利として配当金を受け取ることができます。
配当金は、源泉税徴収後に配当金相当額として自動的に入金されます。
簡単申し込みで2,000銘柄以上を自動貸し出しできる
2つめのメリットは、簡単申し込みで2,000銘柄以上を自動貸し出しできる点です。
米国貸株サービスには、SBI証券のWEBサイトもしくは外貨建商品取引サイトのログイン後画面から、簡単に申し込み手続きができます。
申し込み手順は、以下のとおりです。
- SBI証券WEBサイトにログイン後、「口座管理」>「お客さま情報 設定・変更」>「お取引関連・口座情報」画面の「米国貸株サービス」欄右の「お申し込み」
- 外貨建商品取引サイトにログイン後、「口座管理」>「貸株」>「貸株残高」>米国貸株サービスのお申し込みはこちらから
申し込みの適用は毎月25日(25日が休日の場合には、翌営業日)に行われるので、25日までに申し込めばその翌月から、25日以降に申し込めばその翌々月から、米国株や米国ETFの自動貸し出しが開始されます。
米国貸株サービスを利用せずに手元で保有しておきたい銘柄がある場合は、貸株非対象に設定することもできるのでご安心ください。
売りたいときに売ることができる
3つめのメリットは、売りたいときに売ることができる点です。
「米国貸株サービス利用中の米国株は売れるの?」と疑問に思う方も多いかもしれませんが、証券会社に貸し出し中の米国株でも、何の手続きも必要なく売却することができます。
米国貸株サービスを利用していて米国株が手元にないからと言って、売るタイミングを逃してしまうことはないのでご安心ください。
初心者が知っておくべきカストックの注意点とリスク
メリットが多いカストックですが、金融商品である以上、リスクやデメリットも存在します。
これらを正しく理解していないと、思わぬ損失や税金面でのトラブルを招く可能性があります。
証券会社の信用リスク(カウンターパーティ・リスク)
貸株サービスにおいて最も重要な視点は「分別管理の対象外」になることです。
通常、証券会社に預けている株は、万が一証券会社が破綻しても保護される仕組みになっています。
しかし、貸株中の銘柄は、投資家が証券会社に「無担保で貸している」状態になります。
つまり、SBI証券が経営破綻した場合、貸し出している株が戻ってこない、あるいは一部しか返却されないリスク(信用リスク)があります。
大手ネット証券であるSBI証券の破綻確率は現時点では極めて低いと考えられますが、資産を一点に集中させすぎない等の配慮は必要です。
貸し出す株数の指定ができない
カストックでは「この銘柄の半分だけ貸し出す」といった細かい数量指定はできません。
非対象に設定しない限り、保有しているその銘柄の全株が貸し出されます。
ポートフォリオの一部だけを貸株に回したいと考えている方にとっては、少し不自由に感じるかもしれません。
解約のタイミングにはルールがある
カストック自体を解約したい場合、毎月25日の正午(12時)が締め切りとなります。
25日の正午を過ぎてから解約の申し込みを行うと、適用されるのが翌月になってしまいます。
急いで全資産を引き上げたい場合などは、このカレンダーによるスケジュール感を把握しておく必要があります。
意外な落とし穴!税務上の取り扱いと確定申告
カストックを利用する上で、中上級者でも頭を悩ませるのが「税金」の問題です。
特に米国株投資で重要な「外国税額控除」に影響が出る点は見逃せません。
配当金が配当金相当額に変わる影響
株を貸し出している間に発生した配当金は、正確には「配当金相当額」として入金されます。
この「相当額」は、税制上「雑所得」として扱われます。
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通常の配当金 配当所得(所得税・住民税の分離課税が可能、外国税額控除の対象)
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配当金相当額 雑所得(総合課税の対象となり、他の所得と合算される)
ここで問題になるのが、米国での現地課税10%です。
通常の配当金であれば、日本の確定申告で「外国税額控除」を適用して二重課税を解消できますが、雑所得である「配当金相当額」はこの控除の対象外となるケースがほとんどです。
確定申告の手間とコスト
貸株金利自体も「雑所得」に分類されます。給与所得者で雑所得などの合計が年間20万円以下であれば、原則として所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は必要です。
少額の金利を得るために申告の手間が増えることを「コスト」と捉えるか、それでも利益を優先するかは、投資家のスタンスによります。
米国株で大きな金額を運用しており、外国税額控除をフル活用している投資家にとっては、カストックを利用することで逆に手残りの現金が減ってしまう逆転現象が起きる可能性もあります。自分の所得水準と相談して判断しましょう。
カストックを始めるための簡単3ステップ
SBI証券でカストックを始める手順は非常にシンプルです。
すでに外国株口座を持っている方なら、数分で完了します。
ステップ1 お申し込み画面へアクセス
まずはSBI証券の公式サイトにログインします。
「口座管理」タブから「お客さま情報 設定・変更」を選択し、「お取引関連・口座情報」へと進みます。
その中にある「米国貸株サービス」の項目から申し込みボタンをクリックしてください。
ステップ2 契約締結前交付書面の確認
金融サービスを利用する際の重要事項説明書(契約締結前交付書面)が表示されます。
特に前述した「分別管理の対象外であること」や「税務上の取り扱い」についての記載をしっかりと読み、内容に同意します。
ステップ3 貸株対象銘柄の確認と設定
申し込みが完了すると、翌月(または翌々月)の25日から順次貸し出しが開始されます。
保有銘柄の中で、どうしても配当金として受け取りたい(配当金相当額にしたくない)銘柄がある場合は、個別の銘柄管理画面から「貸株非対象」にチェックを入れておきましょう。
カストックに関するよくある質問 Q&A
Q1. カストックを利用するのに手数料はかかりますか?
A1. いいえ、カストックの利用料や申し込み手数料は一切無料です。
むしろ、株を貸し出すことで投資家側が金利を受け取る仕組みですので、コスト面でのデメリットはありません。
Q2. 貸し出した株の株主優待はどうなりますか?
A2. 米国株には日本のような株主優待制度は基本的にありませんので、優待の心配をする必要はありません。
ただし、株主総会での議決権(投票権)については、貸し出している期間中はSBI証券または貸出先に移転するため、自身で行使することはできなくなります。
Q3. NISA口座で保有している株も貸し出せますか?
A3. 残念ながら、NISA(少額投資非課税制度)口座で保有している株式やETFはカストックの対象外です。
貸株サービスは特定口座、または一般口座で保有している資産が対象となります。
まとめ
SBI証券の米国貸株サービス「カストック(Kastock)」は、米国株投資に「金利」という新しい収益の柱を加える画期的なサービスです。
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SBI証券限定 米国株で金利を得られる貴重なサービス。
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利便性 いつでも売却可能で、配当金も相当額として受け取れる。
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リスク 証券会社の信用リスクと、税制上の「雑所得」扱いに注意が必要。
カストックは、寝かせている米国株に働いてもらうための絶好のツールです。
特に長期保有を前提としている投資家にとって、年率0.01%から数%の金利上乗せは、数十年後の資産額に大きなインパクトを与えます。
特に長期保有を前提としている投資家にとって、年率0.01%から数%の金利上乗せは、数十年後の資産額に大きなインパクトを与えます。
しかし、税務面での複雑さや分別管理の対象外となるリスクを軽視してはいけません。
自分のポートフォリオと税金のバランスを考えながら、まずは少額の銘柄や無配株から試してみてはいかがでしょうか。
正しい知識を持って活用すれば、あなたの米国株投資はより強固で効率的なものになるはずです。
米国株投資にもテクニカル分析が通用する?株初心者にもわかりやすく解説

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。






