「ストキャスティクス 設定」をどうすればいいか迷っていませんか?
設定を変えるだけで、売買サインの出方や精度は大きく変わります。
本記事では、初心者でも実践できる「おすすめ設定」と「使い分け」、さらに利益につながる売買タイミングやだましを防ぐポイントまで丁寧に解説します。
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ストキャスティクスとは?設定を理解する前に知っておくべき基礎
ストキャスティクスとは、一定期間の高値と安値の範囲における現在値の位置を数値化した指標です。
相場の「買われすぎ・売られすぎ」を判断するオシレーター系の代表格で、以下の3本線で構成されています。
%K:現在値の位置を示すメインライン(感度が高い)
%D:%Kの平均線(滑らかに補正)
Slowing:%Kの動きをさらに平滑化(スロータイプで使用)
期間を短くすれば反応は速くなるが「だまし」が増え、期間を長くすると精度は上がるがサインが遅れます。
自分のトレード期間(デイトレ/スイング)に合わせた設定が重要です。
ストキャスティクスのおすすめ設定
ストキャスティクスのオススメ設定は、%Kが20、%Dが3です。
相場の過熱感を示すオシレーター系のテクニカル指標であるストキャスティクスは、設定を変えるとシグナルも変わってしまいます。
オススメ設定にしたうえで、どうトレードするか戦略を立てていきましょう。
%Kは20日がおすすめ
ストキャスティクスの%Kは、20日設定がおすすめです。
そもそも%Kは、対象期間の値幅において、現在の価格がどの位置にあるのかを示す数値。
例えば20日の間に0~200円で株価が動いていたとすると、現在200円なら%Kは100%、現在0円なら%Kは0%です。
現在100円の場合は、%Kは50%ということですね。
20日という数値は、市場が開いている約1か月分の日数からオススメとしています。
過去1か月分もあれば、高いか安いかの判断はしやすいといえるでしょう。
超短期での手仕舞いや損切りなら%Kは9日
トレードの期間が短い場合は、%Kの設定は9日がおすすめです。
9日設定であれば、小さな値動きにも敏感に反応するため、すぐに対応することができます。
通常時に使用すると、シグナルが出現しすぎてしまうため、あくまでも超短期に特化した設定です。
%Dは3日がオススメ
%Dは3日設定がオススメです。
%Dは、%Kの平均値であり、3日設定の場合は3日平均となります。
あくまでも%Kがあるうえで、それをさらに見やすくするために%Dが存在しているのです。
基本的に%Dは3で固定して問題ありません。
%Kの設定は人それぞれですが、%Dはほとんどの投資家が3日設定で使っています。
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ストキャスティクスのおすすめ売買タイミング
ストキャスティクスのおすすめ売買タイミングは2つあります。
- %Kが5以下になったあと%Dが20を超えたら買い
- %Kが90超えかつ%Dが80を割ったら売り
それぞれ確認していきましょう。
%Kが5以下になったあと%Dが20を超えたら買い
ストキャスティクスでの買いシグナルは「%Kが5以下になったあと%Dが20を超えたタイミング」です。
まず%Kが5以下になっているかどうかで、現在の価格が底値に近いかどうかがわかります。
%Dも20を割り込んでいるのであれば、それは下降トレンド中である可能性が高いです。
そんな底打ちの状況で、%Dが20を超えると、下降トレンドから上昇トレンドに転換し始めているシグナル。
さらに%Kと%Dがどちらも上向きであればより強いシグナルだといえます。

上図はMonotaRo(3064)の2022年1月のチャートです。
ストキャスティクスによる買いシグナルが出た後、上昇トレンドが発生しています。
買いを入れていれば利益を狙えるタイミングです。
%Kが90超えかつ%Dが80を割ったら売り
ストキャスティクスの売りシグナルは、「%Kが90超えかつ%Dが80を割ったタイミング」です。
%Kが90を超えている状態は、価格が高値圏に近づいていることを意味します。
そんななか、%Dが80を割るというのは上昇から下落へとトレンドが転換する合図。
そのタイミングで売りを入れれば、下降トレンドを掴める可能性が高いです。

上図はMonotaRo(3064)の2022年3月のチャートです。
ストキャスティクスの売りシグナルが出現した後に、上昇トレンドから下降トレンドへと切り替わっているのがわかります。
空売りを入れていれば、利益を狙える場面です。
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ストキャスティクスの設定が最適かどうか検証
ストキャスティクスの設定が最適かどうか、実際に検証してみました。
日経225・金・ドル円の相場で、実際にストキャスティクスの買いシグナル・売りシグナルを確認してみましょう。
買いシグナルで買った場合は売りシグナルで手仕舞い、売りシグナルで空売りした場合は買いシグナルで手仕舞いするルールで検証しています。
今回の検証結果から、ストキャスティクスはある程度信じてよいものの、大きなトレンドが発生している場合は注意が必要だということがわかりました。
いくら勝ちを重ねたとしても、強い上昇トレンド中に空売りを入れるという逆張りをすれば、大負けしてしまう可能性があります。
その点も踏まえて、検証結果を確認してみてくださいね。
日経225

上図は2023年9月から約1年間の日経225のチャートです。
ストキャスティクスでの買いシグナルと売りシグナルで売買した場合の結果を表しています。
結果は5勝3敗、やや勝ったものの、だましのシグナルが3つありました。
だましはすべて売りシグナルで出現しており、「大きな上昇トレンドの中にある小さな下降トレンド」に振り回されています。
この結果からもわかる通り、ストキャスティクスの注意点として「大きなトレンドを踏まえたうえでトレードするか検討する」ことが重要です。
金

上図は、2023年9月から約1年間の金チャートです。
全体的に右肩上がりであり、日経225同様売りのシグナルが多め。
とはいえ、結果的には10勝2敗でした。
しかし、2敗がかなりの大負けとなっているため、大勝利というわけではありません。
ストキャスティクスだけでなく、他の指標も活用してトレードすれば、より精度の高い分析ができるようになります。
大きな上昇トレンド中の売りシグナルには特に注意したいですね。
ドル円

上図は、ドル円における2023年9月から約1年間のチャートです。
ストキャスティクスでのトレード結果は、10勝0敗。
利益の大小はあれど、全勝という結果になりました。
この時期のドル円とストキャスティクスによる分析は、相性が良かったといえます。
もちろん、ルール通りにやらなければ全勝という結果は得られません。
特に後半の空売りを積み重ねる場面では、含み損がどんどん膨らんでいく状況です。
そのような状況を耐えきった後に手仕舞うことができれば、利益を得られるわけですね。
売買シグナルが出ていないなら売買しないというのも、勝ち負けを左右する要素の一つです。
ストキャスティクスの売買タイミング(実践ルール)
【買いシグナルの条件】
- %Kが「5以下」まで下落
- その後、%Dが「20を上抜け」たタイミング
- 両線が上向きなら信頼度アップ
この動きは売られすぎ→反発初動を示すパターン。
上昇トレンド転換の初期サインとして活用できます。
【売りシグナル(または利確サイン)の条件】
- %Kが「90を超える」
- %Dが「80を下抜け」
過熱した買い局面が収束し、上昇トレンドの勢いが鈍化したサインです。
ただし、強い上昇トレンドでは“逆張り”せず、利確判断として使いましょう。
ストキャスティクス設定を活かす3つのフィルター
ストキャスティクス単体では「だまし」が起こるため、以下の3つを併用するのが効果的です。
-
上位足トレンドとの整合性
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週足・日足が上昇なら「買い」サインを優先
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下降なら「売り」サインを優先
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移動平均線の向き
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20日移動平均線が上向きなら買いだけ狙う
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下向きなら戻り売りのみ
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出来高の増加確認
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シグナル出現時に出来高が増えていれば信頼度が高い
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ストキャスティクスを「方向を判断するツール」ではなく「タイミングを取る補助ツール」として使うと成功率が上がります。
だましを減らすチェックリスト
ストキャスティクスのサインは便利ですが、過信は禁物。
以下のチェックをルール化すると“勝率の安定化”につながります。
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上位足の方向性を必ず確認する
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急騰・急落直後のシグナルは無視する
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指値は直近のヒゲ付近を避ける
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ストップロスを固定+時間制限で設定する
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RSIや価格とのダイバージェンス(乖離)も同時確認
よくある質問(Q&A)
Q1. %K=14と%K=20のどちらがいい?
A. 保有期間で使い分けましょう。
短期なら%K=14、スイングなら%K=20が安定です。
両方を過去検証して最適化を目指しましょう。
Q2. 他のテクニカル指標と組み合わせるなら?
A. 性質の異なる指標を選びましょう。
移動平均線や出来高、サポート・レジスタンスラインとの併用がおすすめです。
まとめ
ストキャスティクスは、相場の過熱感や反転の兆しをつかむうえで非常に有効なテクニカル指標です。
なかでもおすすめの設定は、%K=20・%D=3。
この設定を基準にすれば、短期から中期のトレードで安定したサインを得やすくなります。
ただし、どんなに優れた設定でも、相場の流れ(トレンド)を無視すれば「だまし」が発生しやすくなります。
ストキャスティクスは、単独で使うよりも移動平均線や出来高、サポートラインなど他の指標と組み合わせて使うことで、より精度の高い判断が可能になります。
また、短期売買を重視するなら%Kを9など短めに設定し、より細かい値動きを捉える方法も効果的です。
一方で、長期的なトレンドを重視したい場合は、期間を長くしてノイズを減らす設定が向いています。
結局のところ、「ストキャスティクス 設定」に絶対的な正解はありません。
大切なのは、自分のトレードスタイルと相場環境に合わせて設定を調整し、検証と記録を重ねることです。
一度のトレード結果に一喜一憂するのではなく、検証を通して「どんな局面で機能しやすいのか」を把握することが、ストキャスティクスを真に使いこなすための近道といえるでしょう。

これまで10以上のメディア運営に従事。現在は自身も株塾で学びつつ、毎日コンテンツ作成をし続ける。
あらゆるジャンルで編集者として活動してきた経験を活かし、初心者から上級者まで役立つ記事を作成。







