「サイコロジカルラインって聞いたことがあるけれど、どうやって使えばいいの?」と疑問に思っていませんか?
投資初心者の方でサイコロジカルラインというツールがあることは知っているものの、具体的な使い方がわからないという方が多いようです。
そこで今回は、サイコロジカルラインの概要から実際の使い方まで初心者の方にもわかりやすく解説します。
本記事を読むと、サイコロジカルラインがどんな指標なのか理解できるようになり、実際の投資でも活用できるようになります。
また、サイコロジカルラインを使うときの注意点や、より精度の高い投資判断を行うためのコツについても詳しく紹介しました。
ぜひ本記事の内容を参考に、ご自身の投資戦略にサイコロジカルラインを取り入れてみてください。
サイコロジカルラインの使い方を解説!RSI・MACDとの違いは?
サイコロジカルラインとは
本章では、サイコロジカルラインについての以下の内容を解説します。
- サイコロジカルラインとは
- サイコロジカルラインの計算式
- サイコロジカルラインの設定
それぞれみていきましょう。
サイコロジカルラインとは
サイコロジカルラインとは、投資家の心理状態を数値で表したテクニカル指標です。

株価が上昇した日と下落した日の比率を計算して、市場参加者が楽観的なのか悲観的なのかを判断します。
サイコロジカルラインは0%~100%の範囲で表示され、50%を基準として上下に変動します。
一般的には75%以上になると投資家に楽観視されているとみて、25%以下になると悲観的であると判断される場合が多いです。
サイコロジカルラインの計算式
サイコロジカルラインの計算方法は、以下のとおりです。
- サイコロジカルライン = (上昇日数 ÷ 計算期間)× 100
たとえば、12日間のうち8日が上昇した場合は(8 ÷ 12)× 100 = 66.7%になります。
重要なポイントは、値幅の大小は一切考慮せず、単純に上昇・下降の日数のみをカウントする点です。
1円の上昇も1,000円の上昇も同じ1日として扱われるため、計算がシンプルだという特徴があります。
サイコロジカルラインの設定
サイコロジカルラインの期間設定では、基本的に日足チャートなら12日、週足チャートなら12週で使用される場合が多いです。
ただし、この数字は絶対的なものではなく、投資スタイルや取引する銘柄の特性に応じて調整するのが重要です。
期間を短くすると市場の変化に素早く反応しますが、ダマシのシグナルが増加するデメリットがあります。
一方で期間を長くすると指標は安定しますが、売買のタイミングが遅れがちになる傾向があります。
そのため、12日や12週という数字に固執せず、実際の取引データを使ってバックテストを行い自分の投資スタイルに最適な期間設定を見つけるのが重要です。
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サイコロジカルラインの使い方
本章では、サイコロジカルラインの使い方として、買いサインと売りサインの見極め方について解説します。
買いサイン
サイコロジカルラインは、25%以下になったときが買いサインとなります。

25%以下の水準は投資家が過度に悲観的になっている状態を表しており、株価が売り込まれている「売られすぎ」の状況を示しています。
この状況では売り圧力が一巡し、反発上昇の可能性が高まるため、投資のチャンスとして捉えられます。
ただし25%以下になったからといって、必ずしもすぐに株価が上昇するわけではない点に注意が必要です。
売りサイン
サイコロジカルラインが、75%以上になったときは売りサインとなります。

この水準は、投資家の期待が高まりすぎている状態を反映しており「買われすぎ」の状況を表しています。
そのため、調整により価格が下がる可能性が高まっていると判断可能です。
したがって、サイコロジカルラインが75%に達したら利益を確定させたり、新たに買いポジションを取ることを見送ったりするべきタイミングだといえます。
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サイコロジカルラインを使うときの注意点
本章では、サイコロジカルラインを使うときの注意点として、以下の内容について解説します。
- 値幅が考慮されていない
- 必ず損切りをする
- 分散投資を徹底する
それぞれみていきましょう。
値幅が考慮されていない
サイコロジカルラインは、価格の値幅を一切考慮せず、単純に上昇・下降の日数のみをカウントする点に注意が必要です。
たとえば、1円の上昇も100円の上昇も同じ1日として計算されてしまいます。
そのため、相場の勢いや強さを正確に測れない場合があることに注意して、サイコロジカルラインを活用しなければなりません。
サイコロジカルラインの仕組み上、単独での使用で相場を読むには限界があります。
したがって、サイコロジカルラインを活用する際は、複数のテクニカル指標と組み合わせて総合的に投資判断を行うのが重要です。
サイコロジカルラインとほかの指標との併用の仕方は、下の章で紹介していますので参考にしてみてください。
必ず損切りをする
サイコロジカルラインを使った取引では、機械的な損切りの徹底が重要です。
なぜなら、25%以下で買いエントリーしても相場の流れによってはさらに下落が続く可能性があり、損失が拡大するリスクがあるためです。
たとえば売られすぎのサインが出ても、市場全体の下落トレンドが続けば個別株はさらに下がり続ける場合があります。
そのため、エントリー時に明確な損切りラインを設定し、感情に左右されずに損切りを実行するのが資金を守る上で不可欠です。
一般的にはエントリー価格から10%以内で損切りを行うルールが推奨されています。
どの時点まで下がると損切りするかは、手法によりますのでご自身の戦略に合わせて調整してみてください。
分散投資を徹底する
サイコロジカルラインを活用した取引では、一度に全資金を投入しないようにするのが大切です。
なぜなら1回の取引で全資金を使ってしまうと、予想が外れた場合に資産の大部分を失ってしまうリスクがあるからです。
そのため、1回の取引に投資できる金額を総資金の20%以下に制限するようにしましょう。
資金を分散させると、投資判断が間違っていたとしても全体の資産に与える影響を抑えられます。
サイコロジカルラインによる売買サインを活用しながらも、常にリスク分散を意識した投資戦略を心がけるのが長期的な成功につながります。
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サイコロジカルラインの使い方を知りたい人によくある質問
サイコロジカルラインの使い方を知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。
- サイコロジカルラインとRSIの違いは?
- サイコロジカルラインはほかの指標と組み合わせた方がいい?
それぞれ解説します。
サイコロジカルラインとRSIの違いは?
サイコロジカルラインとRSIの違いは、以下のとおりです。
| サイコロジカルライン | RSI | |
| 指標の意味 | 一定期間内で上昇した日数の割合を算出する | 一定期間内の値上がり幅の割合を算出する |
| 計算式 | (上昇日数 ÷ 期間の日数)× 100 | (値上がり幅 ÷ 期間の値動き幅)× 100 |
| 判断基準 | 75%以上:買われすぎ
25%以下:売られすぎ |
70%以上:買われすぎ
30%以下:売られすぎ |
| 特徴 | 日数のみで計算(値幅を考慮しない) | 値幅を算入して過熱感を捉える |
サイコロジカルラインとRSIは、どちらも相場の過熱感を判断するテクニカル指標ですが、計算方法が異なります。
サイコロジカルラインは一定期間内でどのくらい上昇日数があったのかを計算し、値幅を考慮せず日数のみで判断します。
RSIは、一定期間の値動きの中で上昇と下降どちらの勢いが強いかを確認できるのが特徴です。
サイコロジカルラインは計算が簡単で理解しやすく初心者向きである一方、RSIはサイコロジカルラインとくらべて精度が高いといえます。
サイコロジカルラインはほかの指標と組み合わせた方がいい?
サイコロジカルラインは単体で活用するよりも、ほかのテクニカル指標と組み合わせて使った方がいいです。
なぜなら単一指標だけでは相場の全体像を正確に把握できず、ダマシのシグナルに引っかかりやすくなるからです。
そのため、サイコロジカルラインを使用する場合は、ほかのテクニカル指標と組み合わせて、複数の視点から相場を分析するようにしましょう。
たとえば、サイコロジカルラインとRSIを組み合わせると、両方の指標が同じ方向を示したときにより信頼性の高い投資判断を行えます。

このように、複数の指標が同じ売買サインを示した場合にエントリーすると、投資の成績を改善できるようになります。
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まとめ
今回は、サイコロジカルラインの使い方から注意点まで詳しく解説しました。
サイコロジカルラインは投資家の心理状態を数値で表したシンプルなテクニカル指標で、25%以下で買いサイン、75%以上で売りサインとして活用できます。
ただし値幅を考慮しない計算方法には限界があるため、ほかのテクニカル指標との組み合わせが重要です。
また、機械的な損切りの徹底や、分散投資によるリスク管理も忘れてはいけません。
サイコロジカルラインは、計算が簡単で理解しやすい初心者向けの指標ですが、単独での使用は避けてRSIなどのほかの指標と併用すると成功率を高められます。
ぜひこの記事を参考に、冷静な投資判断を心がけてみてください。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。







