黄金株とは?その強力な権限と個人投資家への影響を徹底解説

黄金株

黄金株、何やら儲かりそうな響きのする名前ですが、結局何なのか知りたいと思っていませんか?

黄金株を使って、投資で大きな利益を出せれば最高ですよね。

しかし、黄金株は投資家というより経営者側にメリットのある株式です。

黄金株とはどういうものなのかをきちんと理解しておかなければ、誤ったトレードをしてしまう可能性があります。

そこで今回は、黄金株とは何かを一から徹底解説。

3,000人以上の塾生が在籍する投資塾「株塾」を運営している私たちが、プロとしてわかりやすくお伝えします。

黄金株が活用されるケースもご紹介していますから、ぜひ参考にしてくださいね。

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目次

黄金株=拒否権付種類株式

黄金株とは、拒否権付種類株式のことです。

株には、株主の権利内容に特別な条件をつけた種類株式というものがあります。

その中でも、拒否権を付けた株式のことを黄金株というのです。

価値が非常に高い株式ということで、黄金株と呼ばれています。

すべての議案に対して否決できる権利が付いた株式

黄金株には、「すべての議案に対して否決できる権利」がついています。

通常、株主総会でさまざまなことを話しあうわけですが、黄金株を1株でも持っていれば、議案に対して「NO」がいえるのです。

たとえ自分以外が全員賛成していても否決にできる黄金株は、非常に強い効力を持つことがわかりますね。

株主総会での決議で拒否権が発動できる

通常の株主総会とは別に、黄金株などを持つ種類株主総会というのも存在します。

株主総会で決まった内容だったとしても、黄金株を保有していれば種類株主総会の時点で拒否権を発動できるわけですね。

多数派の意見で危険な内容が決議されてしまわないように、黄金株1株でストップをかけることができるのです。

後継者に会社を譲渡する際に活用される

黄金株とは

黄金株が活用されるのは、「後継者に会社を譲渡する」タイミングです。

社長が後継者に引き継ぐ際に、黄金株を発行して社長が保有します。

そうすることで、後継者が暴走したとしても、拒否権を発動して食い止めることができるわけですね。

「会社のさまざまなことは任せておきたいけど、全部OKにしてしまうのは不安」という状況において、黄金株は効力を発揮するのです。

黄金株によって拒否できる主な内容

黄金株によって拒否できる主な内容は以下の通り。

  • 代表取締役の選任・解任
  • 取締役の選任・解任
  • 取締役の報酬
  • 会社資産の譲渡
  • 多額の融資
  • 事業譲渡
  • 合併
  • 新株発行
  • 組織変更など

会社の行く末を揺るがすような事態も、黄金株なら「待った」をかけられます。

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黄金株のメリット

黄金株のメリットは大きく2つ。

  • 事業承継を円滑に進められる
  • 敵対的買収からの防衛策として有効

それぞれ詳しく解説していきます。

事業承継を円滑に進められる

黄金株の大きなメリットとして、事業承継を円滑に進められることがあります。

会社の権利については後継者へと引き継ぎつつ、拒否権だけは確保できるため最悪の事態は避けられるのです。

すべての権利を引き継いでしまうのは不安ですが、前社長として最終的にNGを出せる状況というのは安心ですよね。

もし黄金株がなければ、どのタイミングでどこまで譲渡すればいいのか、判断は非常に難しいといえます。

敵対的買収からの防衛策として有効

もう一つの大きなメリットが、敵対的買収からの防衛策として有効なことです。

M&A戦略の一つである敵対的買収は、企業や株主の合意を得ないまま、多くの株式を買い集めることで行われます。

全体の50%超を買い集めることで、株主総会で議決権を行使し、都合の良い組織変更などを進めていくわけです。

そのような状況でも、黄金株を保有できていれば、認めたくない議案にもしっかりと拒否権を発動できます。

敵対的買収からの防衛策として、黄金株は有効なのです。

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黄金株のデメリット

黄金株にもデメリットはあります。

  • 拒否だけで提案できるわけではない
  • 拒否権の発動により経営が阻害されてしまうことも
  • 黄金株を巡って争いが生じることも

詳しく解説していきます。

拒否だけで提案できるわけではない

黄金株には拒否権という強い効力がありますが、提案する権利はありません。

あくまでもすでにある議案に対して、拒否できるのみです。

「○○したい」「××を譲渡したい」など、黄金株を持っているだけでは提案できないのです。

最終防衛ラインとしての機能だけがあるという点には注意しておきましょう。

拒否権の発動により経営が阻害されてしまうことも

黄金株,デメリット

黄金株を持っていない側からすれば、本来実施できていた内容が拒否権の発動により、思うように進まないことがあります。

むやみやたらと拒否権を発動されてしまえば、経営はそれだけ阻害されてしまいますよね。

黄金株を誰が持つのかは、慎重に決める必要があるのです。

黄金株を巡って争いが生じることも

黄金株を保有していた方がなくなった場合、残った黄金株を巡って争いが生じることもあります。

例えば、父親が保有していた黄金株を、兄弟のうち弟が引き継いだとします。

そうなると、社長が兄だとして、多くの株式を保有していたとしても、弟がNGを出せば経営は思い通りに進められなくなってしまうのです。

黄金株には強い効力があるからこそ、事前に引き継ぎ先を決めておかなければ、トラブルのもとになるため注意してください。

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上場企業で黄金株を発行しているのは1社のみ

上場企業で実際に黄金株を発行しているのは「INPEX」1社のみです。

日本最大のエネルギー開発企業であるINPEXは、経済産業省が筆頭株主となっている企業。

国内インフラに大きく関わっているため、敵対的買収を防ぐために黄金株が発行されています。

非上場かつ株主が少数の企業で、黄金株は活用されるケースが多いです。

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個人投資家にとって黄金株はほぼ関係ない

個人投資家からすれば、黄金株はほぼ関係のない存在です。

黄金株を手軽に手に入れられるわけではないですし、上場企業で発行しているのも1社のみとなっています。

あくまでも、経営側にとって役に立つ存在というわけですね。

とはいえ、黄金株を持つINPEXは、その防衛力の強さから「つぶれない会社」といわれていますから、投資先の一つとして覚えておいて損はないでしょう。

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まとめ

黄金株は、会社経営で役立つ種類株式の一つです。

事業のスムーズな承継や、買収からの防衛策として覚えておきましょう。

一般的な投資家にはほぼ関係ありませんから、実際のトレードではあまり活用する場面はありません。

黄金株という響きだけにひかれず、きちんと分析を重ねてトレードするようにしてくださいね。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

これまで10以上のメディア運営に従事。現在は自身も株塾で学びつつ、毎日コンテンツ作成をし続ける。

あらゆるジャンルで編集者として活動してきた経験を活かし、初心者から上級者まで役立つ記事を作成。

情報をわかりやすく、魅力的にお届けすることがモッ

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