新興国株投資はやめとけ?向き不向きと主なリスクをやさしく解説

新興国,株,やめとけ

「新興国 投資 やめとけ」という言葉を目にすると、興味はあるものの不安になってしまう方も多いと思います。

新興国株は、高い経済成長が期待される一方で、政治・通貨・情報などの面で特有のリスクも抱えています。

本記事では、新興国株投資が「やめとけ」と言われる背景や主なリスクを整理しつつ、どのような人と相性が良いか、どんな視点で検討されることが多いのかを解説します。

新興国株投資を本当にやるべきかどうか知りたい方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

   
目次

目的や状況によって新興国株投資をやるべきかどうか異なる

新興国株投資は全員におすすめすることはできません。

新興国部投資は、高い成長率を期待できる一方で大きな損失を出してしまうリスクもあるので、個々人の目的や状況によってやるべきかどうかが異なります。

新興国株投資をやめた方がいい人とおすすめの人は、それぞれ下記のとおりです。

目的や状況によって新興国株投資をやるべきかどうか異なる (2)

投資初心者やリスクを抑えたい人はやめとけ

投資初心者の方や大きな損失を出したくないという方は、新興国株投資はやめたほうがいいです。

新興国株は、株価の変動が大きい傾向があり、短期間で大きな損失を出してしまう可能性があります。

また、情報不十分な企業が多く投資判断が難しいため投資を始めたばかりの初心者の方はやらないことをおすすめします。

高いリターンを得たい人はおすすめ

新興国株は、高い成長ポテンシャルを秘めているため、大きなリターンが期待できる魅力的な投資対象です。

先進国と比較して新興国は経済成長のスピードが早く、それに伴い企業も急成長する可能性があります。

また人口増加が著しく、内需の拡大が見込まれるため今後持続的に成長していくことが予想されています。

以上の理由から、高いリターンを得たいと考えている人は新興国株投資も選択肢の1つにいれるといいでしょう。

CFD取引はやめとけ?やったほうがいい理由を徹底解説

新興国株投資はやめとけと言われる理由

新興国株投資はやめとけと言われる理由は、下記のとおりです。

新興国株投資はやめとけと言われる理由

それでは一つずつ確認していきましょう。

カントリーリスクを受けやすい

新興国は、政治・経済の安定性などが不十分な場合が多いため、カントリーリスクが高いとされています。

カントリーリスクとは、投資対象となる国の政治・経済・社会・自然災害などの要因によって、投資の価値が影響を受けるリスクを指します。

新興国では、政権交代に伴う政策変更や規制の導入、急激なインフレや景気後退、社会不安や紛争、自然災害への対応力などが、先進国と比べて不安定な場合があります。

カントリーリスクの例は下記のとおりです。

カントリーリスクの例

  • 政治リスク   革命・政権交代による政策変更
  • 経済リスク   急激なインフレ・通貨の暴落
  • 社会情勢リスク テロ・紛争・内覧
  • 自然災害リスク 地震・台風

これらのリスクは、株価に大きな影響を与えるため、注意が必要でしょう。

通貨の変動が激しい

新興国は、経済成長が早く、物やサービスの需要が急増に高まるため、インフレになりやすいです。

インフレが起こると、通貨の価値が下がるので仮に株価が上がっても通貨の価値変動の影響で利益が出ない可能性もあります。

仮に株価が上がっても、通貨の価値が下がってしまったら利益が減ってしいます。

手数料が割高

新興国株取引の手数料は、他の投資先と比較して割高です。

通貨の変動に加えて、手数料が割高だとそれだけで利益を大きく減らしてしまう恐れがあります。

米国インデックスファンドの手数料が0.2%程度であるのに対し、新興国インデックスファンドの手数料は、1%を越えるものもあります。

この場合、仮に3%の利益が出たとしても2%しか自分の手元に残りません。

手数料が割高というのも新興国株投資はやめとけと言われる理由の1つです。

海外ETFの税金ってどうなっているの?外国税額控除とは

新興国株投資に向いている人・向いていない人

「新興国株投資はやめとけ」というのは、すべての人に当てはまるわけではありません。

新興国株投資には、向いている人と向いていない人いるので、こちらの章でくわしく紹介します。

新興国株投資が向いている人

新興国株投資が向いている人は、下記のとおりです。

新興国株投資が向いている人

高いリターンを得たい人

新興国は先進国と比較して経済成長率が高く、それに伴う株価上昇により高いリターンを期待できるのが特徴です。

短期的な価格変動が大きいため、長期保有前提で保有すると高いリターンを得ることができるでしょう。

新興国株は、株価の上げ下げを繰り返し長期的に見るとプラスになっていることが多いです。

分散投資先を探している人

日本株や米国株の他に投資先を探している人にも向いています。

新興国株は、先進国の株と異なる株価の動きをするため、分散投資をしたいと考えている方にピッタリです。

新興国株をポートフォリオに加えることでリスクを軽減することができます。

情報収集が自分でできる人

新興国株は、政治や経済の状況が株価に大きく影響を与えます。

そのため日ごろから海外のニュースを欠かさずにチェックする必要があります。

国内外の経済や政治に関わるニュースを普段からチェックしている人には向いているでしょう。

新興国株投資が向いていない人

新興国株投資が向いていない人は、下記のとおりです。

新興国株投資が向いていない人

投資初心者の人

投資を始めたばかりの人には向いていません。

新興国株は、目先の株価だけでなく為替の状況や、投資している国の政治や経済の状況などにも目を向ける必要があるので、初心者の方だとそこまで手が回らないことがほとんどです。

まずは日本株や米国株など比較的安定した先進国の銘柄で経験を積んでから挑戦するといいでしょう。

リスクを抑えたい人

なるべくリスクを抑えたいという人には新興国株投資はおすすめできません。

新興国株は、高い成長ポテンシャルを持っている一方で高いリスクを伴います。

短期間で株価が大きく変動するので、一時的な元本割れの覚悟も必要です。

元本割れしたタイミングで我慢できず売ってしまうかもという人は、新興株投資はやらない方がいいかもしれません。

忙しい人

新興国株投資は情報集中がとても大事です。

投資先の国の経済や政治に関する動向を細かくチェックする必要があるので、情報収集の時間が取れないもしくは調べる作業が苦になるという方には、新興国株投資は向いていません。

株初心者が抑えておきたい投資のコツ!先駆者から学ぶべきこととは

新興国株投資を成功させるには?

新興国株投資は大きく資産を減らしてしまう恐れもありますが、高い成長率が期待できるので大きく利益を増やすポテンシャルを持っています。

比較的リスクが高いとされている新興国株投資ですが、手段によってはそのリスクを軽減することが可能です。

具体的には、下記の手段を取るといいでしょう。

新興国株投資を成功させるには?

地域やセクターを分散する

投資先の地域やセクターを分散するといいでしょう。

例えば、新興国株は、先進国の株と比較して株価が異なる動きをするため日本株や米国株を保有しながら新興国株も保有するのがおすすめです。

金額は、ポートフォリオの10%~20%程度に抑えるといいでしょう。

投資先を分散させることで、大事な資産を減らすリスクを減らすことができます。

対象国の情勢を随時確認する

ニュースなどで投資している国の政治や経済の状況をこまめにチェックすることが大事です。

国のトップを決める選挙は結果によって政治の方向性が変わるので、投資先の企業の株価にも影響が出ます。

またインフレや景気変動など経済状況の変化も企業の業績に影響を与えます。

これらの情報を収集するためには、時間と労力を要するためプロに運用を任せる投資信託やETFを選ぶのも一つの手です。

成長性があるか分析する

企業価値が上がらないと、株価は上昇しないため、成長性のある投資先を見つけることが大切です。

特に経済成長や人口増加の恩恵を受けるサービスや製品を扱っている企業は、今後さらに業績を伸ばしていく可能性が高いでしょう。

今後期待できる銘柄をきちんと選ぶことが新興国株投資の成功につながります。

株に必勝法はある?利益を上げ続けるための最短の方法とは

新興国株投資でよくある疑問Q&A

Q1.新興国株投資は本当に「やめとけ」なのでしょうか?

A.一律に「やめたほうがよい」と決めつけられるものではありませんが、「人を選ぶ投資対象」であることは意識しておくとよいです。

新興国株は、先進国株よりも値動きが大きく、政治や通貨の影響も受けやすいため、投資経験が浅い段階や、元本割れに強いストレスを感じる人にとっては負担になりやすい側面があります。

一方で、長期視点で世界全体の成長を取り込みたい人が、ポートフォリオの一部として検討する対象になることもあります。

「良い・悪い」ではなく、自分の経験・リスク許容度・情報収集の姿勢と合っているかどうかを確認することが大切です。

Q2.新興国株は先進国株と比べて何がそんなに違うのですか?

A.大きく分けると「成長の期待」と「不確実性の大きさ」のバランスが違います。

新興国は、人口増加や都市化などで経済成長率が高くなりやすく、長期的な成長ポテンシャルが意識される一方で、政治体制や制度、通貨の安定度、情報開示の水準などは先進国より不安定なことが多いです。

その結果、株価が急に上昇・下落したり、為替変動によって円ベースのリターンが変わったりしやすくなります。

この「成長余地」と「不安定さ」をセットでどう受け止めるかが、先進国株との大きな違いを考える際のポイントになります。

まとめ

新興国株投資は、高い経済成長や人口増加などポジティブな要素が意識される一方で、カントリーリスクや通貨、手数料など、先進国株とは異なるリスクを抱える資産クラスです。

そのため、「やめとけ」と言われる背景には、値動きだけでなく、情報量や制度面の不確実性といった要因も含まれています。

一方で、投資経験があり、長期で世界全体の成長を取り込みたい人にとっては、ポートフォリオの一部として新興国株を検討するケースもあります。

重要なのは、投資経験・リスク許容度・情報収集への姿勢といった自分の状況を整理し、「自分にとって新興国株はどのような位置づけか」を考えることです。

わたしたちが運営している「株塾」では、業績やニュースなど複雑な情報を必要としないトレード手法を教えています。

シンプルかつ投資初心者でも実践しやすいトレードテクニックを身に付けたい方は一度のぞいてみてください。

 株の勉強は絶対にやるべき!オススメ勉強ステップや失敗しないためのコツ

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

執筆書籍はこちら!

公式Xはこちら!

公式Instagramはこちら!

この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

家計カルテ診断
目次