ダブルインバース型ETFのデメリットとは?リスクと注意点を徹底解説

ダブルインバース型ETFのデメリットとは?リスクと注意点を徹底解説

投資家の間で「ダブルインバース型ETF」は根強い人気があります。

「ダブルインバースって何?」

「知人がダブルインバース型ETFで儲かったらしいんだけど、デメリットは無いの?」

ダブルインバース型ETFは取引所に上場している投資信託なので、証券会社を通じて購入することができます。

通常のETFとは異なる値動きにより、大きな利益を得られたり、マーケットの下落局面でも利益を狙えることがあり、「ダブルインバ」とも呼ばれるなど投資家の間に浸透しています。

ただしダブルインバース型ETFには、通常のETFにはない特有のリスクもあるので注意が必要です。

今回はダブルインバース型ETFのデメリットについて解説します。

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目次

ダブルインバースとは

「ダブルインバース」という言葉は、日常生活においては一般的ではないため、どんなものかイメージできないという人も多いのではないでしょうか。

まず「ダブルインバース」とは何か、見ていきましょう。

インバース型ETF

「ダブルインバース」の「ダブル」と「インバース」はそれぞれ、英語の「double:ダブル(2倍)」と「inverse:インバース(逆の、反対の)」という意味です。

投資の世界においては、主にETF(上場投資信託)の金融商品で使用されます。

ETFは株式と投資信託の特徴を併せ持った金融商品で、取引所を通じてリアルタイムで値動きする市場価格で売買できることが大きな特徴です。

インバース型のETFとは、日経平均株価のような株式指数と逆の動きになるETFのことで、「日経インバース」というETFを買うと、日経平均株価が下がると利益が生じる仕組みです。

例えば日経平均株価が3%下がれば、逆に3%の利益が生じるということになります。

なぜそんなことができるのかというと、インバース型ETFでは先物取引などの手法を使って、株価が下落すると儲けが出る仕組みを実現しているからです。

なお逆ではなく同じ動きをするETFは「レバレッジ型ETF」と呼びます。レバレッジ型ETFでは、NASDAQ100指数に連動するETFが有名です。

レバレッジ型ETFは「ブル型ETF」、インバース型ETFは「ベア型ETF」と呼ばれることもあるので、覚えておきましょう。

ダブルインバース型ETF

ダブルインバース型ETFは、2倍のレバレッジがかかったインバース型ETFです。

投資家の間で「ダブルインバース」という場合、日経平均指数と連動する「日経平均ダブルインバースETF」を指すことが一般的です。

「日経平均ダブルインバース・インデックス」は、日経平均株価の値動きのマイナス2倍になるよう計算された指数です。

日本経済新聞社が2014年6月16日から、取引時間帯に15秒間隔で算出・公表しており、2017年7月18日からは5秒間隔となっています。

例えば日経平均が5%下落した場合は、ダブルインバースの指数は10%下落することになります。

出来高が多い代表的なダブルインバース型ETFの銘柄は、「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)」です。

「NEXT FUNDS」とは、野村アセットマネジメントが運用するETFシリーズで、日本国内でのETF取引額や運用残高の市場シェア首位となっています。

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ダブルインバースのデメリット

ダブルインバース型の金融商品には、主に3つのデメリットがあります。

ひとつずつ見てみましょう。

価格変動リスクが高い

ダブルインバース型ETFは、通常のETFよりも価格変動リスクが高くなります。

レバレッジ効果によって大きなリターンが見込める一方で、期待と逆の動きをすれば損失も大きくなります。

レバレッジが効いている分、想定外の損失が発生する可能性もあるので、特に初心者は注意が必要です。

取引コストが高め

インバース型ETFを運用するファンドは、指数や指標に連動させるため、先物取引で運用を行います。

このため運用の難易度やリスクが高くなり、通常のETFよりも信託報酬や購入手数料が高めとなる傾向があります。

インバース型ETFで利益を出すためには、取引コストも考慮したうえで高いパフォーマンスを目指す必要があるでしょう。

長期保有に不向き

レバレッジ型やインバース型のETFは、基本的に短期・超短期の投資に適しており、長期投資には向いていません。

一般的に日経平均株価の値動きが上下動を繰り返した場合、マイナスの方向に差(ずれ)が生じる可能性が高くなります。

さらに期間が長くなれば長くなるほど、その差(ずれ)は大きくなります。

このことは投資信託説明書(交付目論見書)でも説明されており、代表的なダブルインバース型ETFである「NEXT FUNDS 日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信(1357)」には以下のように明記されています。

⼀般的に中⻑期の投資には向かず、⽐較的短期間の市況の値動きを捉えるための投資に向いている⾦融商品です。

また通常のETFには分配金が出るものもありますが、レバレッジ型やインバース型のETFは分配金が出ないため、分配金目的で長期保有するということもありません。

さらに個別株投資のように、株主優待がもらえることもありませんので覚えておきましょう。

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まとめ

今回は「ダブルインバース型ETF」とは何か、そのデメリットとあわせて解説しました。

代表的なダブルインバース型のETFである「日経ダブルインバース」は、日経平均株価の下落を見越して利益を狙うものです。

2倍のレバレッジが効くため、日経平均株価が下がれば大きな利益が期待できます。

不透明な経済環境が続くなか、株価の下落時に利益が生じるインバース型のETFは投資家からの人気を集めています。

特にマーケットの下落局面において、株主優待や配当金が魅力の株は売却したくないけれど、マーケットの見通しに対して弱気な個人投資家が、ダブルインバースETFを購入する傾向が見られます。

予想通り株式市場が下落しても、損失を抑えることができるからです。

ただしハイリターンな分、ハイリスクな金融商品でもあるので、「日経平均が下がれば2倍儲かる!」などと、むやみやたらに売買するのは危険です。

「何となく株価が下がりそうだから」「日経ダブルインバって人気らしいから」などと初心者が当てずっぽうな取引をすれば、思わぬ損失が生じる可能性もあるでしょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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