個人年金のデメリットは?個人年金のメリットも併せて解説

個人年金のデメリットは?個人年金のメリットも併せて解説

「個人年金にはどんなデメリットがあるの?」と疑問に思っていませんか?

老後の生活資金を準備する方法として注目されている個人年金ですが、加入を検討する際にはデメリットもしっかり理解しておく必要があります。

そこで今回は、個人年金のデメリットについて解説します。

ぜひ本記事の内容を参考に、個人年金の特徴を正しく理解した上でご自身の状況に応じた老後資金対策を検討してみてください。

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目次

そもそも個人年金とは?

個人年金とは、公的年金とは別に老後の生活資金が準備できる私的な年金制度です。

生命保険会社が販売する個人年金保険は、働いている期間に毎月保険料を積み立てて、定年退職後に年金として受け取る仕組みになっています。

国民年金や厚生年金といった公的年金だけでは、老後の生活費が足りない可能性があるため、自分自身で老後資金を準備する手段として多くの方が活用しています。

契約時には年金の受取開始年齢や受取期間をあらかじめ決定するため、計画的に老後の資金を準備することが可能です。

個人年金には確定年金(生死に関係なく決められた期間だけ受け取る)、有期年金(生存している間の一定期間だけ受け取る)、終身年金(生涯にわたって受け取る)など複数のタイプがあります。
そのため、自分の希望する受取方法に合わせて柔軟に選択することが可能です。

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個人年金のデメリット

本章では、個人年金のデメリットを以下の内容に沿って解説します。

  • インフレに弱い
  • 途中解約すると元本割れする可能性がある
  • 年金収入には税金がかかる

それぞれみていきましょう。

インフレに弱い

個人年金のデメリットの一つが、インフレに対する脆弱性です。

多くの個人年金は契約時に受取額が固定されるので、将来物価が上昇しても年金額は変わりません。

そのため、契約時に月10万円の年金が「十分」と思えても、インフレにより30年後に物価が2倍になれば、実質的な購買力は半分に目減りしてしまいます。

したがって、個人年金では想定していた生活水準を維持できなくなる可能性がある点に注意が必要です。

途中解約すると元本割れする可能性がある

契約期間の途中で個人年金を解約すると、積み立てた保険料を大きく下回る金額しか戻ってこないケースがほとんどです。

たとえば契約から2年〜3年以内の早期解約では、支払った保険料総額の70%程度しか返金されない商品も珍しくありません。

そのため、急な病気や失業などで資金が必要になって個人年金から資金を引き出すと、大きな損失が発生する場合があります。

したがって、緊急時の資金需要に対応できない点が個人年金のデメリットといえます。

もし、個人年金に加入する際は、別途で生活防衛資金(生活費の3か月分〜6か月分)を確保してからはじめるのがよいでしょう。

年金収入には税金がかかる

個人年金のデメリットとして、受け取る年金には税金がかかる点が挙げられます。

年金収入は「雑所得」として扱われ、所得税と住民税の課税対象となります。

受取額から必要経費(支払保険料相当額)を差し引いた利益部分に対して課税されるため、受取金額がそのまま手取りになるわけではありません。

特に注意すべきは、年金収入が他の所得と合算されて累進税率で課税される点です。

所得が増えれば税率も上がるため、思わぬ税負担が生じる可能性があります。

そのため事前に税負担を試算し、受取時期や受取方法を慎重に検討することが重要です。

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個人年金のメリット

個人年金にはデメリットがある一方で、メリットも存在します。

そこで本章では、以下の内容に沿って個人年金のメリットを解説します。

  • 老後の生活費を計画的に準備できる
  • 個人年金保険料控除が使える
  • 健康面で不安を抱える人でも加入しやすい

それぞれみていきましょう。

老後の生活費を計画的に準備できる

個人年金のメリットは、将来受け取れる金額が契約時点で明確になるため、老後資金を計画的に準備できることです。

たとえば、月額2万円を30年間積み立てれば、60歳から毎月65,000円を10年間受け取れるといった具体的な計算が可能です。

株式投資や投資信託は運用成績によってリターンが大きく変動しますが、個人年金は将来の受取額を確定させられます。

そのため、将来の不確実性を減らし、安心して老後を迎える準備をできる点が大きな魅力です。

特に投資経験が少なく、安定志向の方に適した選択肢といえます。

個人年金保険料控除が使える

個人年金保険料は所得税・住民税の控除対象となり、毎年の税金を軽減できる節税効果があります。

個人年金保険料控除により、所得税で最大4万円、住民税で最大2.8万円の所得控除が受けられます。

ただし個人年金保険料控除を受けるには、保険料払込期間が10年以上などの条件を満たす必要があるため、契約前に控除適用の基準を必ず確認しましょう。

健康面で不安を抱える人でも加入しやすい

個人年金保険は、健康状態に関する告知が不要である場合が多いのがメリットです。

一般的な生命保険では詳細な健康診断や告知が求められ、持病や既往歴がある場合は加入を断られることも少なくありません。

しかし、個人年金保険は将来の年金受取を目的とした貯蓄性の高い商品であるため、加入時の健康審査がほとんど行われないのが特徴です。

そのため、持病がある方や過去に大きな病気を経験された方でも、安心して老後資金の準備をはじめられます。

健康面での不安から保険への加入を諦めていた方にとって、個人年金保険は貴重な資産形成の選択肢となるでしょう。

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個人年金に加入する前に確認すべきチェックポイント

個人年金は数十年にわたる長期契約となるため、加入前に複数のポイントを確認することが重要です。

契約後に後悔しないよう、以下の3点は必ずチェックしましょう。

  • 解約返戻金の推移を必ず確認する
  • 実質利回りを計算してみる
  • 他制度と並べて比較する

それぞれ解説します。

解約返戻金の推移を必ず確認する

個人年金の契約前には、各年度の解約返戻金がいくらになるか必ず確認すべきです。

たとえば、35年契約で29年目から元本割れの可能性がなくなる場合、29年未満で解約するとマイナスになることを理解した上で契約する必要があります。

解約返戻金の推移を示した設計書は保険会社から提供されるため、契約前に必ず入手して内容を確認しましょう。

急な資金需要が発生した際に、どれだけの損失が出るかをシミュレーションしておくことで、無理のない契約判断ができます。

実質利回りを計算してみる

個人年金に加入する前に実質的な運用利回りを自分で計算し、他の金融商品と比較すべきです。

保険会社が提示する返戻率だけでは、投資効率の良し悪しが分かりにくいからです。

たとえば、30年間で返戻率105%と表示されていても、実際の利回りが何%か計算してみないとわかりません。

そのため、契約前に年利回りを正確に算出し、他の金融商品(国債や投資信託など)の利回りと比較検討することが重要です。

インターネット上には利回り計算ツールも多数あるため、積極的に活用しましょう。

他制度と並べて比較する

個人年金をはじめる前に、他の資産形成制度の条件と比較検討することが重要です。

個人年金以外の老後資金作りに適した制度を比較すると、より有利な条件で資産形成できる可能性があるからです。

たとえば、iDeCoや新NISAなどの選択肢がありますが、これらの税制優遇やリスク特性、引き出し制限は以下の表のように異なります。

制度 税制優遇 リスク 引き出し制限
個人年金 保険料控除 低(元本割れリスク小) 途中解約で損失の可能性
iDeCo ・掛金全額控除
・運用益非課税
・受取時も税制優遇
中~高(運用次第) 60歳まで引き出し不可
新NISA 運用益非課税 中~高(運用次第) いつでも引き出し可能

自分のライフスタイルやリスク許容度などを総合的にみて、最適な手段を考慮した上で個人年金に加入すべきかを決めましょう。

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個人年金のデメリットについて知りたい人によくある質問

個人年金のデメリットについて知りたい人によくある質問は、以下のとおりです。

  • 個人年金とiDeCoとの違いは?
  • 個人年金は元本保証ですか?

それぞれみていきましょう。

個人年金とiDeCoとの違いは?

個人年金保険は民間保険会社が提供する貯蓄型商品で、契約時に将来の受取額がほぼ確定します。

保険料控除は、所得税が年間最大4万円で住民税が年間最大2.8万円です。

中途解約が可能となっていますが、元本割れのリスクがあります。

一方、iDeCo(個人型確定拠出年金)は国が推進する私的年金制度で、投資信託などで運用できます。

掛金全額が所得控除の対象となり、税制優遇が大きいのが特徴です。

ただし原則60歳まで引き出せず、運用次第で将来の受取額が変動します。

そのため、確実性を求めるなら個人年金、税制メリットと運用の自由度を重視するならiDeCoが適しているといえます。

個人年金は元本保証ですか?

個人年金は「元本保証」ではなく「元本割れリスクがある」金融商品です。

途中解約時には、解約返戻金が払込保険料を大幅に下回るケースが多いです。

たとえば契約後3年で解約すると、払込保険料の70%程度しか戻らない商品もあります。

そのため、無理のない保険料設定と十分な生活防衛資金の確保が欠かせません。

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まとめ

今回は、個人年金のデメリットとメリット、加入前に確認すべきポイントについて解説しました。

個人年金には、インフレに弱い点や途中解約で元本割れする可能性がある一方、将来受け取れる金額が明確で計画的に老後資金を準備できる特徴があります。

大切なのは、解約返戻金の推移や実質利回りをしっかり確認し、iDeCoや新NISAなど他制度と比較した上で、自分のライフスタイルに合った選択をすることです。

ぜひ本記事を参考に、無理のない老後資金準備の第一歩を踏み出してみてください。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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