株式投資初心者のギモンとして、配当金を狙うのとトレード(売買差益を狙う)を行う投資方法ならどちらが良いのかと悩むこともあるのではないでしょうか。
特に株式投資初心者の場合、配当金で利益を得ることができれば不労所得を得られるため魅力的に感じる人も多いのです。
一般的なイメージとして、配当金はただ株式を保有していれば簡単に入ってくるものと考えられがちですが、そう単純なものではありません。
通常のトレードと比べると配当金による利益は少ない金額となったり、短期的に見ると収益がプラスになりにくいという側面も持っているのです。
では株式投資をはじめたばかりの初心者であれば、配当金狙いとトレードでどちらの投資方法を選ぶべきなのでしょうか?
そこで今回は、株式投資で稼ぐためには配当金狙いとトレードならどちらの投資方法がおすすめなのかを紹介します。
この記事でわかること
- 投資初心者は配当金狙いとトレードでの利益狙いならどちらが良いのか
- トレードと配当金による投資法の特徴
- 株式投資で稼ぐ際に意識をすべき期間について
株式投資で稼ぐならトレードのほうがおすすめ
まず、株式投資初心者が株で稼ぐことを目的とするのであれば売買差額を狙ったトレードがおすすめとなります。
配当金を狙った投資の方が、株式を保有しているだけで利益が発生するので楽だと考えるかもしれませんが、株式を保有し続けなければならいない点でリスクがあるのです。
では、配当金を狙った投資とトレードによる利益を狙った投資の場合、なぜトレードの方がおすすめなのかを見ていきましょう。
配当金狙いの投資は意外とリスクが多い
配当狙いの投資には、一度株を購入し保有し続けるだけで利益が毎年発生し続けるという不労所得的な面があります。
しかし、株を保有し続けるという点で発生するリスクがいくつかあるのです。
どのようなリスクかというと
- 株を購入した時の株価から必ず価格変動が起こる
- 業績悪化による減配の可能性がある
- 配当金による利益は基本的に小さい
などが挙げられます。
株価は株式市場が開かれている限り、必ず変動が起きます。
株を購入した時点の株価から変動は必ず発生し、株価が上昇もしくは現状維持をしていなければ配当金狙いの投資ではプラスの収益とならないのです。
他にも株を発行している企業の業績悪化による減配で配当金の配当額が減少したり、配当金による利益は持ち株に比例をするため基本的には少ない傾向にあります。
そのため、配当金による利益は購入時点の株価を少し下回っただけでも収支がマイナスとなったり、減配による配当利回りの減少も起こる可能性は十分あるため、意外にもリスクがある投資となっているのです。
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トレードなら自分の技術や立ち回りで利益を得やすい
売買差額による利益を求めるトレードであれば、株価の変動を上手く利用して利益を狙うことができます。
現時点の株価から翌日以降に株価がどのように変動するのかを予測しながらトレードを行いますが、自分の技術や立ち回りで利益を狙いやすいという特徴があるのです。
資金効率を考えても、短期間で利益を狙いやすいため、より自己資産を増やしたいと考えている方には特におすすめです。
過去のチャートからこれからの値動きを予測するテクニカル分析や、売買のタイミングを株価のトレンドごとの局面で見極めたりと技術的な部分を磨くことによって、自分の実力で利益を狙って行くことができるのです。
難しいと感じる方もいらっしゃるかと思いますが、株初心者の方でもシンプルで理解しやすいテクニカル分析の方法などもあります。
それと、配当金による利益は必ず株を買って保有し続けることが前提にあります。
しかし、トレードの場合なら信用取引を行えば、高い株価で売って低い株価で買い戻す空売りを行う事もできるので、株価が暴落するような局面でも利益を狙うことができます。
そして、株を買った数時間後、もしくは翌日には利益が出ている可能性も十分にあり、配当金による投資であれば最大1年近くは利益が出るまで待たなければならないので、資金回転率も全く違うものとなるのです。
株式投資で稼ぐ際には期間を意識しよう
株式投資で初心者が行うなら配当金を狙う投資よりも普通にトレードを行う方がおすすめということを紹介してきました。
ここでさらに初心者の方に意識をしてもらいたいのが、どの程度の期間で投資を行うのかについてです。
株を保有する期間だけではなく、いつ頃には利益を得ていたいのかを意識することが大切となります。
例えば、半年後には株式投資による利益を得たい、1年や2年後には副業レベルの利益を得たい、近い将来ではなく5年や10年後に資産を築いておきたいから株をやるといったようにです。
この投資で利益を得たい期間や投資期間を意識することで、配当金と普通のトレードでどちらを行えばいいのか詳しく見分けることができるのです。
では配当金を狙う場合と普通のトレードで投資期間はどのような関係があるのかをここからは見ていきましょう。
配当金を狙った場合には長期的な投資しかできない
配当金を狙う投資の場合は、基本的に長期間での株の保有が必要となります。
1年や2年程度の配当金では、普通にトレードを行う場合と同様の資金で投資を行った場合には、少額の利益にしかなりません。
そのため、毎年少額の利益を積み重ねていくことで、長期的に利益を得続けトータルである程度の積み重なった利益を狙うのです。
1年に配当金による利益が1万円であれば、10年かけて10万円の利益を積み上げたり、毎年株を買い増していくことによって配当金による利益を伸ばしていかなければならないのです。
ただ、長期的に利益を積み上げたとしても、10年後に保有した時の半分の株価となっていた時には「配当金<売買差額による損失」となりますし、減配のリスクを考えると長期的でも利益を狙いやすい投資とは言えないでしょう。
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トレードであれば短期的な利益から長期的な利益まで幅広く狙える
通常のトレードであれば、短期的な利益から長期的な利益まで幅広く狙うことができます。
デイトレードやスイングトレードによって中短期間の株保有で利益を狙うことは当たり前で、長期的な投資でも上手く上昇トレンドを捉えることによって利益を狙っていけます。
ここで、通常のトレードで長期的に株を保有するのは、配当金を狙った長期的な株の保有と変わらないのではと思うかもしれませんが、投資を行う株の選び方が変わるのです。
配当金を狙った株の保有は必ず配当金を設定している株を購入しなければなりません。
ただ単純に「配当金が多くもらえる」「なんとなく知っている企業だから」などの理由で配当金目的で株式を購入してしまうと、実は多くの問題を抱えていて「株価暴落」、「無配当」などのような状況になってしまうかもしれません。
しかし長期的な利益を狙うトレードであれば、どのような株でもテクニカル分析によってトレンド予測を立てられれば購入して利益を狙えるのです。
つまり、長期的な期間で見ても投資を行える株で選べる銘柄が全く違うので、全ての株が投資の選択肢に入る通常のトレードの方がおすすめとなります。
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配当金を狙いたい場合にはトレードで上手く利益を出せるようになってから狙おう
さて、配当金を狙うよりも普通のトレードの方がおすすめと紹介してきました。
ただそれでも配当金を狙いたいという人もいるかもしれません。
そこで、配当金を狙う場合には、普通のトレードで上手く利益を出せるようになり余剰資金が貯まった際に配当金狙いの株を買っていくことをおすすめします。
配当金による利益は、長期的に投資を続けなければ株価変動のリスクがあるためプラスとすることが難しいので、現在ある投資資金を全て配当金狙いの株に投資をすることはおすすめできません。
そのため、普通のトレードで十分稼げるようになってから、資金の内からある程度の割合を配当金による利益を狙う場合の投資に使うと良いのです。
これが上手く運用できれば、通常のトレード+配当金による利益を狙うことができるので、株式投資による利益に安定性を生み出すことができます。
なのでまずは、普通のトレードで稼げるようになることを目指すことが優先で、そこで得た利益を将来的に新たな投資先として配当金を検討すると良いでしょう。
まとめ
- 投資初心者は普通のトレードで利益を狙う方がおすすめ
- 配当金を狙う場合には株価の変動がリスクとなりやすい
- 株式投資で稼ぐ際には投資期間も意識をするようにする
いかがでしたでしょうか。
配当金による投資は決して簡単なものではなく、株価変動のリスクが常について回るため普通のトレードよりもトータルで利益を狙いにくい投資といえます。
そのため、まずは普通のトレード稼げるようになることを目的として、株の技術や知識を学んで高めていきましょう。
特に初めは、短期的に利益を得た方がトレードを行うモチベーションアップにもつながりやすいですし、自分のスキルが稼げる金額に直結をしやすいので上達具合が分かりやすいのです。
もちろん、投資は自己責任で行う必要があるため、配当金による投資を行うのは自由と言えますが、まずは稼ぎやすさを優先した方が投資を行う目的を達成することができるので、今回の記事を参考にしてどちらで投資を行うのか考えてみてもらえればと思います。
株の正しい勉強方法は?優待・ファンダ・テクニカルそれぞれ完全ガイド
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。