財形貯蓄は本当にやめたほうがいいのか?メリット・デメリットを徹底解説

財形貯蓄はやめた方がいい?

財形貯蓄については理解したけれども、実際に自分はやるべきなのか否か分からない・・・

ほとんどの人が財形貯蓄に魅力を感じないかもしれません。

現在、約4分の1の人が貯蓄ゼロのまま老後を迎えているのが現状です。

少子高齢化社会の現在、年金生活に不安を感じる人も多いですよね。

せっかく財形貯蓄を行ったのにも関わらず将来不本意な結果で終わらせないためにも、自分は財形貯蓄が向いているのかどうか確認していきましょう。

アジア最大の投資塾である「株塾」を運営している私たちが、財形貯蓄はやめたほうがいいのかどうか徹底解説します。

財形貯蓄をこれから始めるか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。

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目次

財形貯蓄をする目的によってはやめたほうがいい

財形貯蓄が向いている・いない人

結論、貯金額や資金を今以上に増やしたいと考えている方は財形貯蓄はやめた方がいいです。

一方で、コツコツと貯金を行いたい方にはおすすめの制度です。

財形貯蓄は財産の積み立てであり賃金から天引きされるため、手元に資金があると使いすぎてしまって全然貯金をすることができないという人でも将来のために確実に貯蓄をすることができます。

少額でも利子として資金額が増えるので、普通に自分で貯金をするよりはるかにお得な制度ということができるでしょう。

今ある資金を増やすことが目的ではなく、貯蓄が目的の方というわけです。

イメージとしては、自分の代わりに貯蓄を行ってくれていて退職時に天引きされていた賃金をまとめて受け取れる感じです。

自動的に貯蓄ができることが大きなメリットです。

「先取り貯蓄」なら、先に貯蓄分を確保して残ったお金で生活するので、必ず貯蓄ができます。

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財形貯蓄はやめたほうがいいといわれている理由

具体的に、なぜ財形貯蓄はやめた方がいいのか説明していきます。

財形貯蓄はやめた方がいいといわれる理由には、以下があげられます。

  • 利益が小さいから
  • 非課税の恩恵が少ないから
  • 好きな時にお金をおろすことができないから
  • 転職したら面倒だから

一つずつ確認していきましょう。

利益が小さいから

財形貯蓄は財産の積み立てがメインなので、あまり貯蓄をしたことによる利子に期待ができません。

現在は超低金利の状態にあり、財形貯蓄の金利は0.1%以下に設定されている場合がほとんどです。

これは、預金した場合の金利と大きな差はありません。

仮に0.1%とした場合、月に約1.2万円を積み立てて限度額いっぱいの約550万円を預けたとしても利子は約11万円です。

財形貯蓄の推移

一見利益が小さいように見えないかもしれませんが、投資信託を行った場合と比較すると一目瞭然です。

下記の図で分かる通り、同じ年数で同じ金額を積み立てていた場合、投資信託であれば利子は約450万円になります。

投資信託と財形貯蓄の比較

財形貯蓄の金利がとても低いため、貯蓄額を増やしたり資金を増やしたりしたい方には向いていないことがお分かりいただけることでしょう。

非課税の恩恵が少ない

利子の非課税は財形貯蓄の利点ですが、超低金利時代ではあまり期待することはできません。

現在は超低金利の状態にあり、財形貯蓄の金利は0.1%以下に設定されている場合がほとんどです。

仮に0.1%とした場合、限度額いっぱいの約550万円を預けると利子は約11万円です。

通常ならば利子に20.315%が課税されて、約2.2万円が税金として取られ約8.8万円が手元に残る利益です。

通常の預金と財形貯蓄の比較

非課税の分だけ得をしたかと思うかもせれません。

しかし、逆を言えばこれしか恩恵が受けられないです。

投資信託と財形貯蓄の比較

先ほども比較した投資信託の場合、利子の約450万円に20.315%が課税されたとしても約360万円が手元に残ります。

投資信託やNISAなどで利子非課税の税制優遇があれば約90万円がさらに手元にある状態ということになり、とても大きい恩恵と言えるでしょう。

そのため、貯金額や資金を増やしたいと考えている方には魅力的に感じないでしょう。

好きな時にお金をおろすことができない

好きな時にお金をおろすことができない

本来の目的外での引き出しは認められていません。

一般財形貯蓄ならば払出しはいつでも可能ですが、もともと利子非課税の税制優遇はありません。

非課税措置対象の財形年金貯蓄または財形住宅貯蓄で契約していた場合、急遽資金が必要になったとしても積み立てていた資金を使うことはできません。

もともと賃金から天引きされて手元で使える金額は限られているため、このリスクは大きいと感じる方も多いでしょう。

財形貯蓄をしないで手元に資金を置いておけば資産運用に回して資金を増やすことができるため、やはり貯金額を増やしたり資金を増やしたりしたい方には向いていないといえるでしょう。

転職が当たり前の時代に合わない

財形貯蓄は勤め先の財形制度を通じて貯蓄を行う制度のため、離職や転職など現在の勤め先を離れる場合はその後の積み立て継続は不確実です。

財形貯蓄をしていて転職したら・・・

新たな勤め先でも財形貯蓄を行っていた場合は、2年以内に手続きを行い移換する必要があります。

転職先がすぐに見つからない場合は、2年以内であれば元の金融機関に保管しておくことができます。

2年以内に引き出しや積み立て再開が難しい場合は、利子非課税の優遇措置がなくなり課税扱いとなります。

転職先に財形貯蓄の制度がない場合は、一定期間が経過すると課税扱いとなります。

積み立ててきた資金を払い出すことになりますが、一般財形貯蓄以外であれば目的外の解約となりますので、利子に対して5年間さかのぼって課税が行われます。

非常に手続きが複雑で面倒で、その上非課税の恩恵を受けられない可能性もあります。

転職が当たり前になってきているこの時代。

将来へのリスクを考えると、財形貯蓄以外の方法を考えてみてもいいかもしれません。

サラリーマンがセミリタイアをするには?どのような方法があるのか紹介します

講座

財形貯蓄以外で効率のいい資産運用方法はあるの?

世の中にはさまざまな資産運用方法があります。

おすすめの資産運用方法を3つご紹介します!!!

資産運用方法 リスク 収益性 流動性 取り組みやすさ 元本保証
投資信託 ×
株式投資 ×
債券

投資信託

1つ目は、投資信託です。

投資信託とは

投資信託は、不特定多数の投資家から資金を集めて、その資金を運用の専門家が複数の資産に分散投資し、その収益を投資家に分配するものです。

さまざまな商品があり、自分で商品を選びます。

投資信託は次の点においておすすめです。

  • プロに運用を任せられる
  • 少額から投資可能
  • リスク分散可能
  • 透明性が高い

財形貯蓄とは異なり元本保証はありませんしリスクも0ではないですが、比較的取り組みやすく収益も出やすいので、ハイリスクを負いたくはないけれど資金を増やしたい人におすすめです。

より詳しい投資信託の内容は下記の記事に書かれていますので、ぜひ参考にしてみてください。

投資信託はおすすめしない?おすすめできない理由を徹底解説

株式投資

2つ目は、株式投資です。

株式投資とは

株式会社が資金調達のために発行する株式を購入する投資方法です。

株を買う時の値段より高く売ることで売却益を得るのが基本です。

そのほかにも、企業が出す配当金や株主優待などを目的とすることもあります。

株式投資は次の点においておすすめです。

  • 売却益を狙える
  • 配当金を得られる
  • 株主優待を得られる

財形貯蓄とは異なり投資の知識が求められたり日中の時間が取られたりと「自分の能力」が試されるところが大きいですが資金を大きく伸ばしたいと考えている人はぜひチャレンジしてみてください。

株式投資は危険なのか?株初心者がリスク回避するためには

債券

3つ目は、債券です。

債券とは

債券とは発行者が資金を借りるために発行する借用証書です。

国が発行すれば国債、地方が発行すれば地方債、企業が発行すれば社債となります。

債券は次の点においておすすめです。

  • 元本保証
  • 預金よりも高い金利で運用可能

財形貯蓄よりも高い金利で運用することができ、満期保有で額面全額を受け取れるので元本割れのリスクもありません。

コツコツと貯金を行いたい方は財形貯蓄以外にも、債券での資産運用を検討してみてはいかがでしょうか。

【債券】社債のメリットとデメリット

講座

活用すべき制度

上記でおすすめの資産運用方法についてご紹介しました。

ここでは一緒にぜひ活用してほしい「お得な制度」を2つご紹介します。

投資商品を選ぶのと同様大切になってきますので、積極的に活用できるようにしていきましょう。

NISA

2つ目は、NISAです。

最近、身近なところで聞く機会が多いのではないでしょうか。

株式・債券投資で得た利益を非課税にしてくれる制度です。

通常であれば20.315%の税金が利益に課されるため、とても魅力的です。

 注意点として、財形貯蓄とは併用することができません。

より詳しいNISAの内容は下記の記事に書かれていますので、ぜひ参考にしてみてください。

金融庁「はじめてみよう!NISA早わかりガイドブック」

新NISAで元本割れする確率は10年で0%?原因や対処法を徹底解説

新NISAに向いてない人の特徴は?5つのポイントを徹底解説

iDeCo

1つ目は、iDeCoです。

自分で決めた額を積み立てて運用し、60歳以降に受け取る年金です。

財形貯蓄と同じように思われますが、iDeCoは自分で運用商品を選んで資金を運用する制度です。

運用資金が全額所得控除、運用益が非課税、公的年金等控除または退職所得控除を受けられることがメリットとして挙げられます。

商品によって異なりますが、元本確保型のものであれば元本割れのリスクはありませんが、投資信託系のものは元本割れのリスクがあります。

また、財形貯蓄と同様に払出しが制限されています。

iDeCoは60歳までは原則払出し不可能なので、運用中の資金が急遽必要になったとしても難しいことが注意点として挙げられます。

財形貯蓄は非課税優遇のみなので、より多くの優遇があるiDeCoは魅力が詰まっているでしょう。

自分自身で運用商品を選ぶことができるので、コツコツ貯蓄をしたい方も資金額を増やしたい方にもおすすめの制度です。

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まとめ

自分に財形貯蓄が向いているか分かりましたでしょうか。

投資信託や株式投資などを比較し、NISAiDeCoも活用して資金の貯蓄に取り組んでいきましょう。

不安な方は、FPの方に相談してみるのもいいかもしれません。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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