米国ETFであるVYMはおすすめしないという話を聞いて、本当のところはどうなのか知りたいと思ってはいませんか?
せっかくETFに投資をするなら、できるだけ自分に取ってプラスの大きい商品を選びたいですよね。
利益はもちろん、配当もたくさん出れば最高です。
高配当で人気を集めるVYMですが、誰にでもおすすめできるわけではありません。
人によっては、VYMを選んでも満足いく結果にならないこともあるのです。
ではあなたにとって、VYMが本当におすすめできるのかどうか。
アジア最大の投資塾である「株塾」を運営している私たちが、投資のプロとしてVYMがおすすめしないといわれる理由と、実際のところどうなのかを徹底解説。
VYMに投資しようか悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
【結論】配当目的で長期保有するならVYMはおすすめ
結論から言えば、配当目的で長期保有するならVYMはおすすめです。
VYMは高配当かつ、長期であれば売却益も期待できるからです。
運用コストも低いですし、少額から投資できるのも嬉しいポイント。
とはいえ、さらに高配当であるSPYDという米国ETFもありますから、配当面だけでいえば正直微妙なところではあります。
SPYDと比べれば組み入れ銘柄数は多いため、分散効果高めなところがVYMの強み。
リスクを抑えつつ、利益もそこそこ狙いたい方には特におすすめです。
一方で、短期で大きな利益を狙いたい方には、VYMはおすすめできません。
VYMはおすすめしないといわれる理由
VYMがおすすめしないといわれる理由をまとめました。
メリットだけでなく、デメリットにもきちんと目を向けておきましょう。
利回りがあまり優れていない
VYMは利回りがあまり優れていないため、おすすめしないといわれています。
実際に他の米国ETFと利回りを比較してみましょう。
VYM | 2.20% |
---|---|
VOO | 1.23% |
SPYD | 3.71% |
VTI | 1.36% |
QQQ | 0.47% |
SPY | 1.17% |
※2024年6月18日時点
決して悪くない利回りではあるものの、VYMよりも高配当のETFもあることがわかります。
確かに利回りがもっともすぐれているETFとはいえませんね。
成熟企業が多く、株価上昇が期待できない
成熟企業が多く、株価上昇が期待できない点も、VYMをおすすめしないといわれる理由の一つです。
VYMの組み入れ銘柄を一部ピックアップしてみました。
- JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
- ブロードコム
- エクソンモービル
- プロクター・アンド・ギャンブル
- ジョンソン・エンド・ジョンソン
- ウォルマート
大手有名企業で構成されているETFだといえますね。
実際の株価の動きも見てみましょう。
一部コロナショックなどの影響で下がっている場面もありますが、基本的には右肩上がりのチャートだといえます。
まったく期待できないわけではなさそうですね。
「S&P500」のほうが優れている
VYMより「S&P500」のほうが優れているから、おすすめできないといわれています。
「S&P500」は500の米国企業が採用されている株価指数です。
S&P500に連動した投資信託やETFが人気を集めています。
では実際にS&P500に連動して運用されるETF「VOO」とVYMを比較してみましょう。
上図は、約12年間のVOOとVYMのチャートです。
確かに、VOOのほうが途中から上昇率が大きくなっていますね。
価格だけで比較すれば、VOOのほうが優れているといえそうです。
しかし、2024年6月時点の配当利回りはVOOが1.23%、VYMが2.20%ですから、VYMのほうが優れていますね。
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為替リスクがある
米国ETFであるVYMには、為替リスクが存在します。
日本円でなくドル換算となりますから、円高・円安の影響を受けてしまうのです。
場合によっては、思っているより利益が少ない…なんてことにも。
逆に、思っているより利益が多かったという可能性もあります。
重要なのは、為替リスクのことを踏まえて投資できるかどうかです。
リスクをきちんと理解してから投資するようにしましょう。
米国の税金が発生する
VYMでは、米国の税金が発生します。
米国の税率は10%、それに加えて日本の税率20.315%も発生してしまいます。
合計約30%が税金として受け取れなくなってしまうわけですね。
新NISAを活用して、日本の税金だけでも0にしておくのがオススメです。
「VYMはおすすめしない」に対する反論
VYMはおすすめしないという意見に対する反論をまとめました。
VYMは配当目的の長期投資であれば、おすすめできるETFです。
おすすめできる理由を一つずつ解説していきます。
増配の実績が多い
VYMは増配の実績が多いです。
上図は、直近10年間のVYMの配当金推移です。
順調に右肩上がりになっているのがわかりますね。
VYMは増配の実績が多いため、今後の配当金にも期待できるでしょう。
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構成銘柄が多く分散効果は高め
VYMは構成銘柄が多いです。
実際に他の米国ETFと比較してみましょう。
VYM | 約500銘柄 |
---|---|
VOO | 約500銘柄 |
SPYD | 約80銘柄 |
VTI | 約3,400銘柄 |
QQQ | 約100銘柄 |
SPY | 約500銘柄 |
とびぬけて多いというわけではありませんが、VYM一つに投資するだけで、約500もの銘柄に分散投資できると考えると大きなメリットですね。
リスクを低くして投資したい方にはおすすめのETFです。
運用コストは低め
運用コストが低めなのも、VYMの魅力の一つ。
投資信託であれば、「購入時手数料・運用管理費・信託財産留保額」といった手数料がかかります。
しかしVYMなどのETFは、購入時手数料しかかからないため、運用コストが抑えられるのです。
VYMの経費率は0.06%ですから、無駄な出費を抑えて効率よく投資ができますね。
長期であれば売却益も期待できる
VYMは、長期であれば売却益も期待できます。
もし2010年の時点で購入していれば、現在は約3倍の価格になっています。
投資した資産が3倍になるわけですから、大きな利益といえますね。
長期間であれば、利益をコツコツ積み上げていけるのです。
短期で利益を狙うならVYMはおすすめしない
短期で利益を狙いたいなら、VYMはおすすめできません。
値動きが激しいわけではないですから、短期であればVYMよりも優れた商品はたくさんあります。
あくまでも、配当目的かつ長期投資の方におすすめです。
短期で利益を積み重ねていきたい方は、ETFだけでなく、個別株やCFDも検討してみましょう。
自分に合った投資スタイルを探してみてくださいね。
まとめ
VYMは、配当利回りに優れつつ、長期であれば売却益も狙える米国ETFです。
配当をメインで進めつつ、株価上昇にも期待したい方におすすめ。
とはいえ、他にも米国ETFはたくさんあります。
どの米国ETFに投資するかは、比較してじっくり検討してからにしてくださいね。
これまで10以上のメディア運営に従事。現在は自身も株塾で学びつつ、毎日コンテンツ作成をし続ける。
あらゆるジャンルで編集者として活動してきた経験を活かし、初心者から上級者まで役立つ記事を作成。
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