ストップ高で株を売れない…と、今あなたは困っていませんか?
せっかく保有している銘柄がストップ高で価値が上がっているのだから、早く利益を確定させたいですよね。
しかし、ストップ高で売ろうとしても売れないときはあります。
そこで今回は、「ストップ高で売れないのはなぜか、どうすべきか」を徹底解説。
会員数約3,000人を誇る投資塾、「株塾」を運営する私たちが、プロの目線でわかりやすくお伝えします。
ストップ高でも売れないときは、ぜひ参考にしてください。
株価の決まり方がわかる!株価が変動する理由と実例も合わせて解説
ストップ高で売れないのは一時的に取引停止中だから
ストップ高になったときに株を売れないのは、一時的に取引が停止中となっているためです。
株価の急変動を避けるために、取引が成立しないようになっています。
この状況を、特別気配と呼びます。
異常な値動きを避ける「特別気配」という状態
株価の異常な値動きを避けるために、「特別気配」というものがあります。
買い・売りどちらかに偏ってしまった場合に、取引所が「特別気配」だと表示します。
市場全体に、買い・売りが偏っているよと呼び掛けて、需給のバランスを取ろうとしているのです。
「特別気配」になっている間は、取引は成立しません。
売買のバランスが取れるまで売れない
急な株価の変動で取引が停止されると、売買のバランスが取れるまで売れなくなってしまいます。
もしバランスが崩れたまま取引を成立させてしまえば、大きな不利益を被る投資家が出てくるからです。
例えば先ほどの図のように、101円から急に150円に株価が急上昇したとしましょう。
「いくらでも買います」と成行注文を出していると、急上昇していたとしてもその価格で買うことになってしまいます。
100円くらいで買えるだろうと思っていたのに、実際は150円で買うことになってしまうわけです。
当初の約1.5倍ですから、金額によっては大きな痛手になってしまいますね。
そういったことが起こらないよう、取引所が特別気配を出し、110円や120円で売ってくれる人が現れないかとバランスを取ろうとしているのです。
売買のバランスが取れれば、取引は再び再開されます。
その日最後の取引(大引け)まで売れない
売買のバランスがなかなか取れずに、その日の取引時間が終了することもあります。
そうなると、その日最後の取引(大引け)まで売れないことに。
ストップ高で売りたい場合は、市場が終わる時間まで待たなければならないのです。
ストップ高で売れるタイミングは2つ
ストップ高で売れなくなった後、売れるようになるタイミングは2つあります。
売買のバランスが取れたときと、その日が終わるときです。
バランスが取れたとき
売買のバランスが取れたとき、ストップ高でも売れるようになります。
そもそも株価が異常な値動きをしたときに「特別気配」が出て、取引ができなくなっていますよね。
その後3分ごとに価格が更新されていき、「注文する人はいませんか」と呼びかけが続きます。
その呼びかけに答えるように注文が集まれば、「特別気配」は解除されるのです。
「特別気配」が解除されれば、売買のバランスはとれている状態ですから、再び取引ができるようになります。
その日が終わるとき
いくら呼びかけても注文が集まらず、「特別気配」がずっと続いた場合は、その日が終わるタイミングで取引ができるようになります。
「比例配分方式」という方法で、抽選のように取引が成立していきます。
ストップ高の場合は、売り手が多く買い手が少ない状態ですから、買えるかどうかは抽選次第。
一方、売り手は「売る先が抽選で決まる」わけですね。
ストップ高が続きその日の終わりに売れる流れ
ストップ高が続き、その日が終わる場合はその最後のタイミングで比例配分方式によって取引が成立します。
比例配分方式とは、証券取引所が「注文量の多い取引所から株を1単位ごとに配っていく」方式のことです。
ストップ高になっている状態は、少しの売り注文とたくさんの買い注文がある状態です。
そのうえで、少しの売り注文を抽選で配っていくわけですね。
売りの注文よりも買いの注文が多くなっていますから、基本的に大引け(その日最後の取引)にはストップ高で売れます。
ストップ高になった時の売り方
ストップ高になった場合、どういう売り方をすればいいのでしょうか。
売り方は主に4つあります。
利益優先で売りたいならストップ高の価格で指値注文がオススメです。
とにかく売ること優先なら成行注文、リスク回避優先なら逆指値注文がオススメ。
翌日さらに上昇しそうであれば、翌日の寄付きで売ることも一つの手でしょう。
初心者にオススメなのは、逆指値注文です。
ストップ高の価格で指値注文
ストップ高の価格で指値注文を出しておけば、その日の利益としては最大限を狙いに行けます。
一方で、結局売れなかったというリスクも覚えておきましょう。
ストップ高で指定したとしても、その日のうちにストップ高よりも低い価格になってしまえば、取引が成立することはありません。
どうしても売りたいなら成行注文
ストップ高になって、多少低い価格であっても十分な利益が見込めるのであれば、成行注文がオススメです。
とにかく売ることを最優先で進めるわけですね。
ただし、急にストップ高から大幅に株価が下落してしまえば、下がった価格で取引が成立してしまうことも。
思ったよりも利益が少なくなってしまう可能性には注意しましょう。
ストップ高の価格よりやや下で逆指値注文
少しくらい低い価格でもいいから、今日中に利益を確保しておきたいなら「ストップ高の価格よりやや下で逆指値注文」がオススメ。
逆指値注文とは、「○○円以上になったら買い、○○円以下になったら売り」という注文方法です。
「○○円以下になったら買い、○○円以上になったら売り」という指値注文の逆といえます。
ストップ高よりやや下の価格で逆指値注文をしておけば、株価が下がった時でも早いうちに売って利益を確保できるわけです。
大引けまでストップ高が続きそうなら、大引けになる直前に成行注文に切り替えておくことで、少しでも利益を増やしていけますよ。
翌日の寄付きで売る
翌日も株価が上昇し続けそうなのであれば、翌日の寄付きで売ることも考えておきましょう。
ストップ高になったからといって、翌日それ以上上がらないとは限りません。
さらに利益を狙いにいけそうなのであれば、そもそも本日売らなくてもいいかもしれないのです。
とはいえ、翌日いきなり株価が下がることもあるため注意しておきましょう。
条件付き注文「寄付、引け、指成」とは?指値や成行以外の株の注文方法を解説
そもそもストップ高になったら売るべきかは要検討
そもそもストップ高になったら売るべきかは、よく考える必要があります。
翌日さらに上がる可能性もありますし、焦って売ろうとして想定より低い価格で売ることになる可能性もあります。
本当に今売るべきかを、きちんと分析する必要があるのです。
チャートから分析して売るべきか判断
チャートから売るべきかどうか分析しましょう。
テクニカル分析を駆使して、売り時を見極めるのです。
売るタイミングについては、下記記事を参考にしてください。
【相場流株技術用語】9の法則とは?忘れがちな株技術をあらためてチェック
【相場式株技術用語】下半身・逆下半身とは?株初心者にもわかりやすく解説します
天井で売ろうと意気込まない
もっとも株価が高くなる価格、天井で売ろうとは意気込まないようにしましょう。
利益を追いすぎて、結局損失を抱えてしまうのは初心者にありがちなミスです。
目先の欲に惑わされず、冷静に判断できるようにしておくことが大切。
ストップ高になったとしても喜びすぎず、いつもの取引を心がけましょう。
一部だけ売りにするという手も
保有している株すべてを売る必要はありません。
400株保有しているのなら、そのうち200株を売るという選択肢もあります。
その割合をどうするかは、よく検討する必要があるでしょう。
いわゆる建玉の操作というものですが、よくわからない方は下記記事を参考にしてください。
【株技術】建玉の操作って何?株初心者にもわかりやすく解説します
中長期運用なら売らないのが吉
デイトレード・スイングトレードではなく、中長期で運用するスタイルであれば、売らないほうが最終的に利益を大きくできる可能性があります。
中長期運用をするのであれば、「日々の値動きに一喜一憂しない」ほうが良いのです。
ストップ高だとしても、長い目で見ればそこまで大きな値動きではないかもしれません。
その日1日での上昇よりも、1年かけた上昇のほうが上り幅は大きくなりやすいですよね。
株価に振り回されないようにしましょう。
まとめ
ストップ高で売れないのは、特別気配により取引が停止されているからです。
保有している銘柄がストップ高になったとしても、焦らず対応することがとても大切。
利益を大きくするためにも、どうすべきか自分の状況と今後どうなるかの予想を照らし合わせて考えるようにしましょう。
どのような選択をしても、結果を振り返って次につなげることが成長の糧となります。
一つの練習と捉えて、冷静にストップ高と向き合うようにしてくださいね。
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著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。