株式分割とは?株初心者向けにその仕組みと株価への影響を解説

株式分割

「株式分割」という言葉をご存知でしょうか?

「“株式”を“分割する”? どういう意味?」と思われる方もいらっしゃると思います。

この記事では株初心者が知っておくべき株式分割についてわかりやすく解説し、理解を深めていただきたいと思います。

この記事でわかること

  • 株式分割の意味
  • 投資家にとってのメリット、デメリット
  • 株式分割された時の株価の傾向

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目次

株式分割とは

チョコレートの例

ここに板チョコレートが1枚あるとしましょう。

それを半分に割ると、チョコレートは2枚になります。

しかしチョコレートの価値は変わりません。

株式に関しても同じことが言えます。

つまり、1つの株式を2つに分けることができるのです。

「コトバンク -精選版 日本国語大辞典の解説-」によると、

株式を細かく分けて、多数の株式とすること。

と記載されています。

これがどういうことを表しているかというと、具体的には下記のような例になります。

  例  

A企業が「株式を1:2の比率で分割」するケース。

あなたがA企業の株式を1株1万円で保有している場合に上記のような比率で株式分割が実施されると、

  • 株式の保有数

(分割前)1株 ⇒ (分割後)2株

  • 株価

(分割前)1万円 ⇒ (分割後)1万円 ÷ 2 = 5000円

よって株式分割後は2株保有していることになりますが、株価は1/2の5000円になっていることがわかります。

つまり保有している株は、2株 × 5000円 = 1万円 となり、株式分割によって保有数は変化したものの、あなたが持つ資産価値には変化がない(得も損もしていない)のです。

 投資家の注意点 

ただし、ここで1つ注意点があります。

1株が2つ(1:2の比率で分割された場合)になるというのは、1株持っていた株主にもう1株交付される(受け取る)ということになります。

その際、株式分割の権利(株券を受け取る権利)を得るには、権利確定日(株主優待や配当などを受け取る権利が得られる日)に株主になっておく必要があります。

株式の受け渡しは売買成立の日から起算して3営業日目(土日祝日は含まない)に行われるので、権利確定日から起算して3営業日前までに売買を成立させておく必要があるのです。

つまり、権利確定日から起算して3営業日前までに売買を成立させていないと、自分の持っている株式が分割比率に応じて減価してしまうのです。
(株式分割の権利だけでなく配当や株主優待の権利も同様です)。

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投資家が株式分割をする3つのメリット

ひとつずつ見ていきましょう。

1.分割後に株が買いやすい

株式分割が行われると1株あたりの価格が分割比率に応じて下がるので、安く買うことができます。

今まで株価が高くて敬遠していた投資家も、手を出しやすくなります。

つまり、流動性が高まるのです。

2.分割後に株が売りやすい

分割による価格下落の影響で株に対する需要が高まるので、分割前から株を持っていた人は売りやすくなります。

つまり、上記と同様に流動性が高まるのです。

3.実質的な配当金増加

分割前から株を持っていた人は、企業が配当金額を変えないと想定した場合、分割された株式数に応じて配当金を受け取ります。

(例)1株が2つに分割された場合(1株5円の配当)

   (分割前)5円(5円×1株)の配当

⇒ (分割後)10円(5円×2株)の配当

ではなぜ企業は株式分割をする必要があるのでしょうか?

以下で考察していきましょう。

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企業が株式分割をする2つの理由

企業が株式分割をする理由は、主に2つあります。

1.投資家のメリットと同様に流動性を高めたいから

今まで株価が高値についてしまっていたため投資対象としての魅力を失っていたとすると、株式分割による株価下落によって、投資家の興味を引くことができます。

つまり、株価を意図的に安くしてより多くの人に買ってもらいやすくしているのです。

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2.さらに株価を上げて資金調達力を高めたいから

流動性が高まり株価が分割比率に応じて下落しているので、多くの投資家がその株を買うことが想定されます。

よって多くの場合株式分割後には、その株の需要が高まり株価が上昇します。

したがって分割前よりも多くの資金調達が実現するのです。

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株式分割は良いことだらけではない!?

実際、株式分割は意図的に株価を上昇させることができます。

分割比率が大きければ大きいほど、その上昇具合も大きくなります。

以前、ライブドアが行っていた1:100の比率での株式分割も意図的な株価上昇を狙いましたが、結果的に日経平均株価が前日比約-5%になるなど、株式市場全体に大きな悪影響が及びました(ライブドア・ショック)。

つまり、株式分割後には「分割バブル」が起こり得るのです。

分割により下落しすぎた株価の影響で需要が大きく高まり、株価が上昇する傾向があります。
分割バブルの際も、いずれ投資家による利益確定などで一斉に売りが入るときが来て、その企業の適正価格に株価が落ち着くでしょう。

要するに、株式分割が行われる際はほとんどの場合株価が上昇しますが、マーケットの状況を見極めた上で、トレードするべきかどうかをご自身で判断することが重要です。

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まとめ

  • 株式分割とは株を複数に分割して流通量を増やすことをいう
  • 株式分割後は株価が値上がりすることが多い
  • 分割バブルがあるので、株価の値動きには注意が必要

株式分割は、企業の成長・投資家の資産運用の両側面においてメリットが多く見えますが、分割バブルのような急な値動きも発生するため注意が必要です。

こうした株価の急な値動きに惑わされないためには「株の技術」を磨き、自身を持ってトレードができるようになる必要があります。

当サイトの監修をしてくださっている相場師朗(あいばしろう)先生は、38年以上にわたり株技術を磨き続け、利益を上げ続けています。

また、相場先生のプロの技を学ぶことができる『株塾』では、現在3,500名以上の受講生の方が「再現性の高いトレード技術」を体得するため、修行に励まれています。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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