「なぜ株で勝てないのか?」
同じように勉強しているのに成績が伸びない、利益を出してもすぐ減ってしまう──そんな悩みを抱える個人投資家は多いでしょう。
実は“勝てない理由”は人それぞれではなく、5つの要素に整理できます。
どの部分が崩れているのかを特定できれば、闇雲な努力から抜け出し、改善の順番が見えてきます。
株式投資で勝てない主な理由を5分類で把握する
株式投資で勝てない原因が漠然としていると、改善点が散漫になりやすいです。
まずは「何が効いていないか」を5つに分類すると、取るべき初期アクションが見えやすくなります。
それぞれどのようなものか、見ていきましょう。
技術(手法)──「勝ちパターン」を持たないまま相場に出ていないか
最も多いのが“技術のブレ”です。
エントリーの根拠が毎回違い、指標のサインが食い違うと迷う──これは初心者だけでなく中級者にも多い症状です。
例:MACDが買いサインでもRSIが過熱を示し、結局見送る。
翌日、見送った銘柄が上昇し、感情的に飛び乗って損切り……。
原因は、「使う指標と優先順位が明文化されていない」こと。
まずはコア指標を3つ以内に絞りましょう。
たとえば、トレンド系は「移動平均(MA)」、モメンタム系は「RSI」、出来高系は「5日平均比」などです。
3つに限定することで、判断の一貫性が生まれます。
資金管理──1回の負けで数週間の利益を失っていないか
次の理由は、資金配分とリスク許容です。
連勝したあとに大きく張って損失を出す──この“1発ドローダウン”が継続を阻みます。
重要なのは「1回当たりのリスクを定量化」すること。
たとえば、口座残高100万円なら、1回の取引で失ってもいい金額は**1〜2%(1〜2万円)**が目安。
損切り幅を決めておけば、自然とポジションサイズも決まります。
・数量=(1回の許容損失額)÷(エントリー価格−損切り価格)
これを守るだけで、“資金ショック死”の確率は激減します。
心理──「あと少し」「もう少し早く」が口ぐせになっていないか
株で最も難しいのはメンタルのコントロールです。
損切りを先送りにして被害を拡大、逆に少しの利益で利確して伸ばせない──誰もが通る道です。
感情を消すことはできません。
しかし、感情を可視化することはできるのです。
そのための道具が「R(リスク単位)管理」。
1R=想定損失額(例:−1万円)
2R=2倍の利益(+2万円)
こうして「2Rを狙い、−1Rで撤退」と決めておけば、感情に左右されずトレードできます。
情報運用──ニュースで右往左往していないか
“良いニュースが出たのに株価が下がった”──これも典型的な失敗パターン。
ニュースを材料にすること自体は悪くありませんが、「織り込み済み」の概念を理解しないと逆効果になります。
イベントを先に把握しておくと、余計な動揺を防げます。
決算・配当・業績修正・経済指標の発表など、「日程を先にカレンダー化」することが重要です。
検証体制──毎回“リセットトレード”していないか
努力しても結果が安定しない人の共通点は、検証の仕組みがないことです。
勝った負けたで一喜一憂しても、データを取らなければ成長は測れません。
最低限でも以下の4項目を月次で集計しましょう。
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勝率
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平均損益R(1取引あたりのリスク報酬比)
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PF(利益率合計÷損失率合計)
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最大ドローダウン(資金減少の最大値)
これらを1か月単位で見ると、自分の“負けパターン”が浮き彫りになります。
デイトレでつまずきやすい要因|5つの見直しポイント
デイトレードは時間帯・流動性・コストの影響が極めて大きい短期決戦です。
準備の差=成績の差といえます。
【デイトレ前チェック】
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上位足(日足・週足)の方向を確認
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板の厚み・スプレッド・出来高回転を確認
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寄り前の気配値・ギャップ幅を把握
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決算や経済指標の直前取引を避ける
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手数料・スリッページを損益計算に含める
特に「寄り直後の初動」に飛び乗る癖がある人は要注意。
最初の5分はノートレード(取引を一切しないこと)を基本にするだけで、成績が安定することもあります。
【初心者向け】デイトレードのやり方を解説。株で安定して稼ぐためには
株のスイングトレードでまずきやすい要因|週足と日足の整合を取る
株式投資の手法として、2~3日から数週間程度で取引をするスイングトレードという手法があります。
ただ、スイングトレードは、日足の形状だけで判断すると危険です。
週足で流れをつかみ、日足でセットアップするのが基本とされています。
つまずかないために下記をチェックしましょう。
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週足で方向確認:一般的に、スイングでは週足のトレンドや支持・抵抗の把握が起点になります。週足で上昇基調か否か→日足でセットアップの順で整合をとります。
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日足で条件確認:レンジ離れ、押し戻りの形成、移動平均の傾き変化などを条件として明文化します。
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トリガーと無効化:トリガー=実行基準、無効化=想定が崩れた条件(たとえば「直近安値を明確に割れたら無効」などの例)。事前に両方を定めることで、判断の一貫性が高まります。
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イベント管理:決算跨ぎや増資などのイベントは価格ギャップの要因になり得ます。日程を把握し、跨ぐ・跨がないの方針を前もって整理しておくと、ブレを抑えられます。
この整合が取れているだけで、「いい形に見えたのに逆行した」という失敗を減らせます。
チャートを活用したテクニカル分析で勝てない理由
株式投資で勝つためには株価チャートを読み解く力が必要とお伝えしましたが、テクニカル分析を勉強しても勝てないことがあります。
その原因にはどのようなものがあるか、見ていきましょう。
手法が複雑になり過ぎている
テクニカル分析にはさまざまな指標があるので、できるだけ多くの指標を取り入れながら分析をしているという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、これが勝てない原因の一つなのです。
なぜなら、手法が複雑になることにより、どれを判断軸にすればいいかが明確ではなくなってしまうからです。
例えば、あっちの指標では買いエントリーの場面だけど、こっちの手法だと売りのエントリーサインが出ているなど、あべこべなことにもなりかねません。
また、あれもこれもと盛り込んでしまうと、全てが中途半端になってしまいます。
こうした状況にならないためにも、なるべく手法はシンプルな方がいいのです。
再現性の高い方法を実践できていない
テクニカル分析は、あくまで過去の株価チャートをもとに未来の株価の動きを予測していくものになるので、100%当たるということはありません。
しかし、再現性の高い方法で確率を高めていくことは可能です。
そうした際に、独学で自分の方法だけでトレードをしていてもなかなか勝てないでしょう。
テクニカル分析を学んでいるのに勝てないという方は、今一度自分のやり方が合っているかどうか、過去のトレードを振り返ってみましょう。
勝ちを安定させる資金管理と期待値の基礎|「勝率」ではなく「確率」を見る
成績を安定させるには、「勝率」よりも「期待値」で考える癖をつけましょう。
・期待値 =(平均利益 × 勝率) −(平均損失 × 敗率)
勝率60%でも、損切りが深く利確が浅ければマイナスです。
逆に、勝率40%でもリスクリワードが2:1ならプラスになります。
【サイズ管理の原則】
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1回当たりリスク=口座残高×1〜2%
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損切り幅で数量を決定
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手数料・税金を含めた「実効損益」で記録
これを守るだけで、破綻リスクは劇的に下がります。
株式投資で勝つための行動とは?|再現性を高める5ステップ
株式投資で勝つためには、毎回のトレードをチェックリスト化しましょう。
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事前準備:地合い・イベント日程・流動性を確認
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セットアップ:上位足→下位足で方向と形状を整理
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トリガー:実行基準(終値/ライン抜けなど)を明文化
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無効化:想定崩れ条件を先に設定
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事後:執行価格・最大含み益/損・乖離要因を日誌に記録
“感覚”ではなく“手順”で動く。
それが継続して勝てる鍵です。
記録と検証の進め方|数字で自分を可視化する
株式投資で勝つためには、改善が必須です。
改善サイクルは「書く→集計する→次に反映する」の繰り返しで回ります。
最低限の項目に絞ると継続しやすく、数週間で傾向が見え始めます。
まずは、ノート1冊でいいので、以下を記録しましょう。
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銘柄・時間軸・エントリー理由
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想定リスクRと実際の損益R
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最大含み益・含み損
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損益結果と次回への修正点
月末には、勝率・PF・平均損益Rを集計しましょう。
「勝率は高いが利益が伸びない」「勝率は低いが利益が太い」など、自分の特徴が数値で見えてきます。
まとめ|型を整えるだけで“勝てる確率”は変わる
株で勝てない理由は、技術・資金管理・心理・情報運用・検証体制のどこかに必ずあります。
一つずつ整えれば、無理に才能を磨かなくても安定した結果に近づけます。
まずは今日から、
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「1回のリスク%を決める」
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「トレードを1行で記録する」
この2つだけでも行動を変えてみてください。
株の世界で勝てる人は、“上手い人”ではなく“手順を守れる人”です。
負けを分析し、次に活かす。
それを繰り返すことが、長く生き残るための最短ルートです。
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著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。







