手仕舞いとは?初心者向けに利益確定と損切りのタイミングを解説

手仕舞い

みなさんは「手仕舞い」という言葉をご存知でしょうか?

実はこの言葉を聞いたことがなくても、株式トレードをしている方ならだれもが1度はとったことがある行動だといえます。

簡単にいうと、保有しているポジションを決済するという意味です。

本記事では、そんな手仕舞いの意味や目的、タイミングの重要性について徹底解説していきます。

この記事でわかること

  • 手仕舞いの意味
  • 手仕舞いをする目的
  • 手仕舞いのタイミングを考慮する重要性

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目次

手仕舞い(てじまい)とは?

「手仕舞い」とは前述のとおり、株式投資において保有しているポジションの決済をして現金化することを指します。

利益を確定する際や、損切り(ロスカット)をする際など、現在のトレードの成果を確定する行為とも言えます。

トレーダーの方は、「株を買って、タイミングを見て売る」を繰り返しているかと思いますが、理由はどうであれ株を売って現金化することを手仕舞いといいます。

株を始めたばかりの方の中には、「聞いたことがなかった」という株用語かもしれませんが、日常的にトレーダーの方は手仕舞いをしているということです。

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手仕舞いをする目的

一概に「手仕舞い(株を売って現金化)」をするとはいっても、株を手放す目的は場合によって異なりますよね。

株式投資において、トレーダーの方はどのような目的で手仕舞いをするのでしょうか?

1つずつ見ていきたいと思います。

利益確定をしたい

「利益確定」とは、保有している株式の株価が購入時の株価よりも上昇して含み益が出た時点でその株式を売却して、譲渡益(キャピタルゲイン)を確定させることをいいます。

「利益確定売り」、「利食い売り」と呼ぶこともあります。

株式トレードの目的の一つとして、買い玉でポジションを持っている場合は購入時の株価より高い株価で売却して利益を得ることにあるかと思いますが、1回値上がりして含み益の状態に入るとその後の値上がりを期待して待ってしまいますよね。

ただし、あまりに値上がりを待ちすぎて下落トレンドに反転してしまったら含み益を失いかねません。

こういったことを防ぐためにも、ある程度の含み益が生じた時点で利益確定をするために手仕舞いをすることがあります。

損切りをしたい

「損切り」とは、保有している株式の株価が購入時の株価よりも下落(買い玉の場合)して含み損が出ている状態でその株式を売却して、譲渡損(キャピタルロス)を確定させることをいいます。

「ロスカット」、「ストップロス」と呼ぶこともあります。

含み損が出たからといってすぐに損切りをする必要はありませんが、株価が下落してその後の回復の可能性が見込めないという場合には、そのまま保有し続けるよりも損切りをする方が妥当です。

損切りをしておくことで、さらにその後株価が下落して含み損が膨らむという最悪のケースを防ぐことができます。

このように、含み損の増大を抑えるためには損切りが必要なので、手仕舞いをすることがあります。

イベント・リスクを回避したい

「イベント・リスク」とは地震・台風などの自然災害や工場火災、大規模なテロ事件、主要国の要人や経営者の急死、大企業の倒産など、事前に予測できなかった大きな出来事の発生によって、株式を含む多くの金融資産の価格が下落するリスクのことをいいます。

なぜ価格が下落する可能性が高いのかというと、イベント・リスクがトレーダーの間で考慮されるようになると多くのトレーダーはリスク回避的な行動をとる傾向にあるからです。

よって、イベント・リスクが生じた時点でほかのトレーダーより一刻も早く手仕舞いをして、可能な限り高値で株を売っておく必要があります。

つまりほかのトレーダーによる手仕舞いの動きが活発になる前に、手仕舞いをしておくほどいい状態になるということです。

大型連休中の身動きがとれないリスクに備えたい

日本では、ゴールデンウィークなどの大型連休があります。

また、年末年始は日本の株式市場は休場します。

実はこのような大型連休の直前は、多くのトレーダーの手仕舞いが活発になるのです。

なぜ大型連休の直前に株を手放すのかというと、理由は以下のようなものが挙げられます。

  • 連休中は金融機関(銀行や証券会社)が一斉に休業するため、株式の換金ができない
  • 日本の株式市場が休場中であっても海外の株式市場は営業しているため、海外の株式市場でもしものこと(株価急落など)があったときに日本のトレーダーは身動きがとれない

実際に2019年に差し掛かる年末年始も、日本の株式市場が休場中のなかNY市場などは通常どおり営業していました。

ちなみにこのときの休場期間は6日間です。

そして、年末年始中に海外の株式市場の環境が悪化しましたが、日本のトレーダーはまったく身動きを取ることができませんでした。

そして年が明けた2019年最初の日本の株式市場での取引日である大発会に、大量の売り注文を浴びせる結果になったというわけです。

日本のトレーダーはこのような理由から、連休前には手仕舞いをしておきたいという心理が働くのですね。

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手仕舞いのタイミングを間違えるとどうなるの?

このように、手仕舞いのタイミングは株式を購入するタイミングと同じくらい重要性が高く、株式トレードにおける必要性がお分かりいただけたかと思います。

もし手仕舞いのタイミングを間違えてしまうと、得られるはずだった利益が小さくなるだけではなく逃してしまったり、損失を抑えようとしたけど思ったよりも膨らんでしまったりすることがあります。

そうした手仕舞いのタイミングを上手く見極めるためには、株価チャートの分析が欠かせません。

株価が変動する要因はさまざまですが、その全てを把握するということは不可能でしょう。

そうした中で、全てのトレーダーが平等に確認することができるのが株価チャートなのです。

チャートの見方について詳しくは、株価チャートはどうやって見ればいい? テクニカル分析の基本とはの記事をご覧ください。

手仕舞いのタイミングを間違えると、利益が一瞬で減ってしまうこともあるので注意が必要です。

トレード技術を磨いていくことにより、手仕舞いのタイミングも見極められるようになっていくので、まずは「株の技術を磨く」ためのトレーニングをしてみてはいかがでしょうか?

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まとめ

  • 手仕舞いとは保有している株式を売却して現金化すること
  • 目的は利益確定・損切り・イベント・リスクの回避など
  • 大型連休の直前などは活発になりやすい

本記事では「手仕舞い」の意味や目的、タイミングを間違えるリスクについて紹介しました。

手仕舞いは利益確定・損切り・イベント・リスクの回避を目的としておこなわれることが多く、活発化すると株価下落の要因になります。

よって、手仕舞いが必要なシーンでは一刻も早く行動することが求められます。

手仕舞いが必要なシーンでは、チャートの状態や今後の動向をよく分析して、適切なタイミングを探すようにしましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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