①「円安になると株価はどうなるの?」と疑問に思っていませんか?②
①②①円安の進行は私たちの資産形成に大きな影響を与えることから、円安と株価の関係性について知りたいと思う方が多いようです。②
①②①そこで今回は、円安が株価に与える影響について詳しく解説します。②
①②①本記事を読むと、投資初心者の方でも円安時にどの業種が恩恵を受け、どの業種が悪影響を受けるのかを理解できるようになります。②
①②①また、円安局面で投資する際に注意すべきポイントについても解説しました。②
①②①ぜひこの記事の内容を参考に、円安と株価の関係性を理解して投資判断に役立ててください。②
①②①円安とはなんなのかわかりやすく解説!円安になると起こる実生活での影響についても紹介②
円安とは
円安とは、ほかの通貨と比べて円の価値が下がる現象です。
たとえば、以前1ドル100円だったのが円安になり1ドル150円になった場合、前は1ドルを手に入れるのに100円で済んでいたのが、150円必要になります。
普段の生活に置き換えて考えると、海外旅行に行くときや輸入品を買うときは、円安になると以前よりも多くの円を支払わなければなりません。
このように、円安は私たちの日常生活や経済全体に大きな影響を与える現象です。
円安と日本株の関係
円安になると、日経平均等の指数は上昇しやすいといわれます。
なぜなら、日本は自動車や電機製品など、海外に商品を輸出している企業が多いからです。
輸出企業は、円安のときに海外で得た外貨を円に換算すると売上や利益が増えるため業績が好転しやすいです。
業績が向上すると、企業の株価も上がりやすくなり、結果として株式市場全体が押し上げられます。
実際の例でみても、円安になると株価は上がる傾向にあります。
ただし、円安=株高という関係は強い傾向にありますが、すべての状況で必ず当てはまるわけではないことも覚えておく必要があります。
円安になると恩恵を受ける業種
円安が進行すると、悪影響を受ける業種もあれば恩恵を享受できる業種もあります。
本章では、特に円安の恩恵を受けやすい輸出企業について説明します。
また、なぜ円安になると輸出企業の株価が上がるのかについても詳しく解説するのでみていきましょう。
輸出企業は円安で恩恵を受ける
円安で最も大きな恩恵を受けるのは、輸出関連企業とインバウンド関連の業種です。
詳しくは次の節で解説しますが、円安になると輸出企業は海外での価格競争力が高まるからです。
また、訪日外国人にとって日本が「割安な旅行先」になるため、観光需要も大幅に増加します
恩恵を受けやすい業種は、以下のとおりです。
輸出関連業種
- 自動車メーカー
- 電子機器メーカー
- 産業機械メーカー
- 化学・素材メーカー
インバウンド関連業種
- 観光業
- ホテル・旅館業
円安時には、輸出・観光関連企業の業績と株価が上がりやすい傾向があることを覚えておくと投資判断をする際、有利になるでしょう。
円安で輸出企業の株価が上がる理由
円安になると、海外に商品を売っている会社の株価が上がりやすくなります。
なぜなら、海外で稼いだお金を日本円に変えるときに受け取れる金額が増えるからです。
たとえば、日本の会社が海外で車を売って、10万ドル儲けたとします。
1ドル100円のときに10万ドルを円に変えると1,000万円になりますが、1ドル120円になった場合1,200万円受け取ることが可能です。
上記の例からもわかるとおり、同じ10万ドルでも円安が進むだけで輸出企業の利益が増えます。
そのため、円安になると競争力の強い価格設定が可能となるので、さらなる売上増加による株価上昇が期待できます。
円安で悪影響を受ける業種
円安の影響は業界によって大きく異なりますが、特に輸入企業は悪影響を受けやすいです。
本章では、円安により悪影響を受けやすい業種について詳しく解説していきます。
また、円安で輸入企業の株価が下がる理由についても紹介します。
輸入企業は円安で悪影響を受ける
円安はすべての企業にとって良いことばかりではなく、輸入に依存している企業にとってはマイナス要因となります。
なぜなら、海外から原材料やエネルギー、商品を輸入する際のコストが大幅に上昇してしまうからです。
コストが増加するメカニズムについては、次の節で詳しく解説します。
円安で特に悪影響を受けやすい業種は、以下のとおりです。
原材料・エネルギー関連業種
- 食品・飲食業(小麦、大豆などの輸入依存)
- 繊維・アパレル業(綿花、化学繊維の輸入)
- 電力・ガス会社(石油、天然ガスの輸入)
小売・流通関連業種
- 小売・卸売業(海外商品の取り扱い)
- 運輸業(燃料コストの上昇)
- 農林水産業(飼料、肥料の輸入)
上記に関連する企業は、コスト上昇分を商品価格に転嫁できれば問題ありません。
ですが、競争が激しい業界では価格転嫁が困難な場合が多く、結果として利益が圧迫されてしまいます。
円安で輸入企業の株価が下がる理由
円安が進行すると、輸入企業の株価は下落する傾向にあります。
なぜなら、海外からの調達コストが上昇し企業の利益率が悪化するためです。
たとえば、1ドル100円の為替レートで1ドル相当の商品を購入する場合、100円の費用が必要となります。
しかし円安が進み、1ドル120円のレートになると、同じ商品の調達に120円を要することになります。
この結果、円安局面では商品仕入れに必要な資金が増加し、企業の収益性が悪化するので株価の下落要因となります。
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円安で株価がどうなるのか気になっている人によくある質問
円安が株価に与える影響について気になっている人によくある質問は、以下のとおりです。
- 円安局面での投資で気をつけることは?
- 円安が米国株や海外資産の評価額にどう影響する?
本章で紹介する疑問を先に解決しておくと、円安相場でも冷静な投資判断ができるようになるでしょう。
円安局面での投資で気をつけることは?
円安が進行している時期の投資では、為替変動に惑わされないよう冷静な判断が求められます。
円安局面で注意すべきポイントは、以下の3つです。
- 為替だけで投資判断をしない
- 投資する時間軸を明確にする
- 分散投資を心がける
上記のポイントを押さえると、円安による環境変化に振り回されず安定した投資成果を目指せるようになるでしょう。
為替動向だけをみて投資判断をしない
円安が進んでいるからといって、為替動向だけをみて投資先を決めるのは危険だといえます。
円安局面では「円安=株高」と短絡的に考えがちですが、実際には様々な要因により円安でも株安になる場合があるからです。
まず、米国株との連動性に注意が必要です。
円安時は米国株を円換算した評価額が上がる一方、米国株自体が米国の景気減速や金利上昇で下落すれば、円安効果だけでは損失をカバーできません。
次に、金融政策の影響です。
円安が進行すると輸入物価が上昇し、インフレ圧力が強まるため、日銀が追加利上げに動く可能性が高まります。
利上げは企業の資金調達コスト増や消費の冷え込みを招き、株価下落要因となります。
さらに、原材料価格の高騰も無視できません。
円安によって輸入原材料やエネルギーコストが上昇し、企業の利益率の圧迫により、業績悪化を通じて株価が下落するリスクが高まります。
そのため、為替だけでなく米国株動向や金融政策、原材料価格などを総合的に見極めるのも重要です。
投資する時間軸を明確にする
円安局面で資産運用する際は、どの時間軸で投資をするかスタンスを明確にするのが重要です。
なぜなら、為替の影響は投資する時間軸によって重要性が異なるためです。
たとえば、短期的には円安によって米国株などの外貨建て資産の円換算評価額は増加しますが、円高に転じた場合は逆に為替差損が生じるリスクもあります。
そのため、短期投資で資産形成を考えるなら、取引のタイミングの見極めが特に重要です。
一方、中長期でみると株価は為替変動だけでなく、企業業績や世界経済の影響を受けやすくなります。
そのため、中長期の投資を考えているなら投資先企業の成長性や収益力などファンダメンタルズに基づいた銘柄選択が特に重要です。
このように、投資の時間軸によって重視すべきポイントが異なるため、自分の投資スタンスを明確にした上で戦略を立てることが不可欠です。
分散投資を心がける
円安が加速しているのをみて、輸出企業ばかりにポートフォリオを偏らせるのはリスクが高い行為です。
なぜなら、特定の資産や業種に投資を集中させると、相場の急変動で大きな損失を被る可能性があるからです。
たとえば、円安を見込んで自動車株ばかりに投資していた場合、急激な円高が発生するとポートフォリオ全体が大幅な下落に見舞われる危険性があります。
そのため、投資する際はポートフォリオを偏らせず様々な資産や業種などに分散させるのが重要です。
分散投資の具体的な方法は、以下のとおりです。
資産クラスの分散
- 株式
- 債券
- 不動産
- コモディティ等
業種・地域の分散
- 輸出企業だけでなく内需企業にも投資
- 日本株だけでなく米国株、新興国株にも分散
分散投資により、一つの資産が下落してもほかの資産でカバーできるため、全体のリスクを抑えられます。
円安が米国株や海外資産の評価額にどう影響する?
円安時には、米国株や海外資産の円換算での評価額が自動的に上昇します。
投資した資産の実際の価値が変わらなくても、為替レートの変動により円ベースでの評価額が増えるためです。
たとえば1ドル140円のときに米国株を500ドル分購入し評価額は7万円になったとします。
その後、株価自体は変わらないまま円安が進んで1ドル160円になった場合、同じ500ドルの株式が8万円の評価額になります。
- 円安前:140円×500ドル=70,000円
- 円安後:160円×500ドル=80,000円
株式の価値は全く変わらないのに、為替効果だけで1万円の含み益が発生します。
上記のことから、円安は既に海外資産を保有している投資家にとって追い風となります。
なお、円安が進行している時期に新たに海外資産に投資する場合は、その後の円高リスクに注意が必要です。
まとめ
今回は、円安と株価の関係について解説しました。
円安になると、一般的に日本の株価は上昇する傾向があります。
ただし、円安局面での投資では為替の動向だけで判断せず、企業の業績や財務状況も総合的に評価するのが重要です。
また、特定の業種に偏らない分散投資を心がけると、リスクを適切にコントロールできます。
今回解説した知識を実際の投資活動に活かし、資産形成に役立てていただければ幸いです。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。