ローソク足のパターンの種類が多すぎて、なかなか頭に入らず「チャートをみてもよく意味がわからない」と思っている方が多いようです。
そこで今回は、ローソク足のパターン一覧表を作成し投資家心理がひと目でわかるようにしました。
この記事で紹介するローソク足パターン一覧をみながらチャートを観察することで、初心者の方でも今後の株価動向の把握に役立ちます。
投資家としてレベルアップできるきっかけとなりますので、この記事を読んで実践してみてください。
初心者必見!ローソク足の見方を徹底解説!6つの代表的なローソク足も紹介
ローソク足の重要な形を大まかに分けると6種類あります。
- 大陽線
- 大陰線
- コマ
- ハンマー
- 流れ星
- 十字線
これらの注目すべきポイントは、それぞれのローソク足が表す投資家心理です。
ローソク足パターン一覧表をみながらチャートを観察すると、投資家心理を掴めるので値動きの推測に役立ちます。
この一覧表で紹介するローソク足については、以下の章で詳しく解説します。
超初心者向け!ローソク足の見方とチャート分析の基本を徹底解説
ローソク足の意味を紹介
ローソク足にはパターンごとに意味があり、それぞれが市場参加者の心理状態を表していることを先ほど述べました。
ここでは、代表的な6種類のローソク足が表す投資家心理を紹介します。
それぞれみていきましょう。
大陽線
大陽線は、始値から終値まで一本調子で大きく上昇したローソク足です。
上下のヒゲが極端に短く、実体が長いのが特徴です。
大陽線の投資家心理は「強気」を示しています。
投資家の間で「この銘柄はさらに上昇する」という期待感が高まっている状態だといえます。
特に横ばい相場が続いた後にこの形状が現れると、上昇トレンドへの転換点となる可能性が高く、買いの好機と判断できるケースが多いです。
大陰線
大陰線は、始値から終値まで大きく下落したローソク足です。
こちらも上下のヒゲが短く、実体部分が目立ちます。
このパターンの投資家心理は「弱気」です。
上昇トレンド中にこのパターンが突然出現した場合は、「もうこの銘柄から撤退した方が良いかもしれない」という投資家心理の変化を表しています。
そのため、相場転換の警告サインとして注意が必要です。
このパターンをみたら「なぜこれほどの売りがでているのか」を冷静に分析し、必要に応じて売却することも、長期的な投資成功の秘訣となります。
コマ
コマは実体が小さく、上下のヒゲも短いローソク足です。
小さな陽線や陰線として表れます。
このパターンは市場の小休止を意味し、投資家心理としては「迷い」を表しています。
見分け方としては、陽線か陰線かの違いはあまり重要ではなく全体として値動きが小さいことが重要です。
相場をみる際、コマが発生している期間は次の展開を冷静に分析する好機と捉えるのもおすすめです。
ハンマー
ハンマーは実体が小さく、下方向に長いヒゲを持つローソク足です。
ハンマーの投資家心理は「強気」です。
このパターンは、下落トレンドの転換点を示す可能性が高い重要なサインだといえます。
「一度大きく値を下げたものの、そこから強い買い戻しが入り、終値は始値付近で収まった」という状況を表しており、売り優勢だった相場が買い優勢に転じる可能性を示しています。
ハンマーは、陽線でも陰線でもほとんど意味は変わりません。
ただし、出現する位置で意味が変わります。
下落トレンドの転換を示すときはハンマー、上値圏で同じ形状が出現するときは首吊り線(ハンギングマン)と呼びます。
高値圏で出た場合には下落転換のサインとなる場合があるため注意が必要です。
流れ星
流れ星は実体が小さく、上方向に長いヒゲを持つローソク足です。
このパターンの投資家心理は「弱気」です。
流れ星は「一度高く上昇したものの、そこから強い売りに押され、終値は始値付近まで下がった」という状況を表しており、強い売り圧力が働いたことを表しています。
こちらも陽線か陰線かよりも、形状の把握が重要です。
上昇トレンドの高値圏でこのパターンが出現した場合は、特に注意が必要です。
トレンド転換の可能性が高まるため、売却を検討することを視野にいれてもいいでしょう。
十字線
十字線は始値と終値がほぼ同じ位置にあり、実体がほとんどなく上下に伸びるヒゲが特徴的なローソク足です。
このパターンの投資家心理は「迷い」です。
買い手と売り手の力が拮抗していることを示し、市場参加者の間で強い迷いが生じている状態を表しています。
強いトレンドの途中でこのパターンが出現すると、そのトレンドが転換する可能性を示唆するため、特に注目すべき形状です。
ローソク足パターン一覧の使い方
チャートを観察していて今後の株価の先行きが気になった場合、ローソク足パターン一覧表を元に心理を確認して今後の相場を推測するのがおすすめです。
たとえば、以下のチャートで今後の株価の先行きを見通したいとします。
ここでローソク足パターン一覧表を元に投資家心理を当てはめて、今後の株価がどうなるのかを想定してみましょう。
この例では大陽線がでているので、相場の投資家心理は強気であり今後上昇が期待できると推測し投資できます。
ここで、投資家心理を読んで株を購入できれば、上昇トレンドの初期でポジションを取れていることがわかるでしょう。
このようにローソク足パターン一覧を使うことで、投資判断に役立てられます。
心理別の相場の見通しを2章で解説しましたが、ここでまとめます。
投資家心理 | 値動き | 投資行動 |
強気 | 上昇 | 買い |
弱気 | 下落 | 売り |
迷い | 予測不可 | 様子見 |
これらの投資家心理から、相場の行方を想定して投資に活かしてみてください。
ですが、上記の表はあくまでも基本的な考え方であり、例外のパターンがあることは注意しておきましょう。
ちなみに、ローソク足の形が曖昧なものは、6つの内一番近いものに当てはめて考えるのがおすすめです。
ローソク足パターン一覧を使うときの3つの注意点
ローソク足は、投資家心理を読み解くにはかなり優れたツールだといえます。
ですが、ローソク足パターン一覧を使って分析する際に気をつけておきたいことが3つあります。
注意しておきたいことは、以下のとおりです。
- シグナル通りの値動きをするわけではないことを理解しておく
- 他のテクニカル指標と併用しながら使う
- 適した時間軸で観察する
それぞれみていきましょう。
シグナル通りの値動きをするわけではないことを理解しておく
株価チャートのローソク足パターンは絶対的なものではなく、あくまで可能性を示す指標である点を理解しておくことが大切です。
株価は買いたい人と売りたい人のバランスで動いているため、ローソク足の形だけでは説明できない動きもよく起こります。
そのため、ローソク足分析に基づいてトレードする際は、常に予想と反対方向に動いた場合の対応策を考え、損切りポイントを事前に設定しておくことが重要です。
他のテクニカル指標と併用しながら使う
ローソク足分析の信頼性を高めるためには、複数のテクニカル指標を組み合わせることが効果的です。
特に出来高は、ローソク足パターンの信頼性を確認する上で重要な指標です。
出来高が多いということは、その銘柄に多くの投資家の関心が集まっていることを示しています。
たとえば、大陽線が出現し同時に出来高が大幅に増加している場合、多くの投資家に注目されており今後上昇する可能性が高まったといえます。
ローソク足パターンだけに頼ったトレードでは「ダマシ」という一時的な逆行現象に遭遇するリスクが高いです。
複数の指標から市場状況を多角的に分析することで、より精度の高い投資判断が可能になります。
最適な時間軸で観察する
同じローソク足パターンでも、分析する時間軸によってその信頼性と重要度は大きく異なります。
一般的に、長い時間軸のチャートで現れるパターンほど信頼性が高いとされています。
たとえば、1分足チャートに表示されたパターンよりも、日足チャートに現れたパターンの方が市場の長期的な方向性をより正確に示す可能性が高いです。
そのため、自分のトレードスタイルに適した時間軸を選択することが重要です。
短期売買を繰り返すデイトレーダーは分足や時間足チャートを参考にし、数日から数週間の取引を行うスイングトレーダーは日足や週足チャートを中心に分析するべきでしょう。
短期足と長期足のパターンの心理が相反する状況では、基本的には長期足のシグナルを優先するのがおすすめです。
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まとめ
今回は、ローソク足パターンの一覧表で投資家心理を読み解く方法について解説しました。
ローソク足の形には、様々な種類の名前がついておりすべてを覚えるのは大変です。
ですが、今回紹介したローソク足パターン一覧を使えば、投資家心理をイメージしやすくなり、相場の方向性を予想するうえで参考になります。
とはいえ、ローソク足だけで相場を断定することは難しいため、必ず他の指標や情報と併用するようにしましょう。
投資家の方はこの記事で紹介した一覧表をみながら、実際の相場と照らし合わせてみてください。

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。