よくニュースで「円高」や「円安」という言葉を聞きますよね。
為替の変動は株式市場に影響を与えそうだけど「円高のとき株価はどうなるの?」と疑問がでてくるでしょう。
そこで今回は、円高のとき株価はどうなるのかについて解説します。
また、円高のときにおすすめの投資先や円高時に投資する際の注意点を紹介します。
円高になると株価は下がる
基本的には円高になると、株価は下がります。
円高が進むと輸入企業の株価は上がり、輸出企業の株価は下がる傾向にあるからです。
日本は輸入よりも輸出で恩恵を受ける企業が多いため、株式市場全体で見ると下落する傾向にあります。
実際の相場でも、だいたいそのようになっていますね。
ですが、必ずしもそうならないこともあります。
株価は為替の影響だけでなく、政治や景気など様々な要因でも上下するためセオリー通りに動かない場合もあることをわかっておきましょう。
円高のとき輸入企業と輸出企業の株価が動く理由は?
為替の変動は、特に輸入企業と輸出企業に大きな影響を与えます。
2章では為替の変動で株価が動く理由を、それぞれ見ていきましょう。
円高になると輸出企業の株価が下がる理由
円高になると、輸出企業の株価は下がります。
輸出して稼いだ外貨を円に交換する際、円高になると受け取るお金が少なくなるからです。
たとえば、海外で車を売って10万ドルの売上が立ったとします。
その10万ドルを1ドル100円の時に換金すると1,000万円受け取れます。
ですが、1ドル80円になった場合、800万円しか受け取れません。
このように円高になると、輸出企業の売上が下がるため、株価も下落します。
円高になると、株価が下がる業界として以下のような業界があげられます。
- 自動車関連
- 電気機器
- 精密機器
これらの業界は海外に輸出してお金を稼いでいる会社も多いため、株を買う際は為替をチェックするのがいいですね。
円高になると輸入企業の株価が上がる理由
円高になると、輸入企業の株価は上がります。
なぜなら、海外からの仕入れが安くなり競合と比べて競争力が増すからです。
たとえば、1ドル100円のとき1ドルのりんごを仕入れるのに100円かかります。
ですが円高になり、1ドル80円になると1ドルのりんごを80円で仕入れることが可能です。
このように、円高になると同じ商品を仕入れるのにかかるお金が安くなり他社よりも競争優位性ができるため株価は上昇します。
円高になると株価が上がる傾向にある業界として、以下の4つがあげられます。
- 電力・ガス
- 小売り
- 建設
- 不動産
上記の業界から円高を利用した投資をする際に見るべきポイントは、どこの国から売上を得ているのかを確認するようにしましょう。
売上のほとんどを、国内で稼いでいる会社を選ぶのがポイントとなります。
円高のときはなにに投資したらいいの?
為替相場は円高のとき、どこまで円高に振れるかわからないため、円安になったことを考えて投資するのがおすすめです。
基本的には、円高時に仕込んで円安になったら売るイメージです。
円高のときに仕込むべき投資商品を3つ紹介します。
- 個別株
- 投資信託
- 外貨預金
それぞれ見ていきましょう。
個別株
円高時に、輸出企業の個別株を購入しておくのがおすすめです。
2章でも解説しましたが、輸出企業が多い業界は以下のとおりです。
- 自動車関連
- 電気機器
- 精密機器
これらの業界に属していて、海外での売上が多い会社から選ぶのがいいですね。
購入する個別株は、規模が大きくて配当利回りが3%以上の会社を選ぶようにしましょう。
そのような会社の株を円高時に買い集めて、配当金をもらいながら円安に振れたときに値上がり益を狙うのがおすすめです。
投資信託
円高のときにおすすめの商品として、外貨建ての投資信託もあげられます。
外貨建て投資信託とは、外貨で買える投資信託のことです。
代表的なものとして、外貨建てMMFがあります。
外貨建てMMFは格付けの高い債券を中心に構成されているため、比較的安全な投資商品です。
円高のときにコツコツ買っておいて、円安時に売るのが基本的な戦略です。
外貨預金
外貨預金とは、日本円で預金するのではなく外貨で預金することです。
外貨で預金するので、銀行の利息も預けた国の金利が適用されます。
日本の預金金利はかなり安いため、外貨預金をすると日本よりも高い利息を受け取ることが可能です。
また、外貨預金は為替変動の影響を受けます。
そのため為替差益にも期待できます。
円高時に預金して、利息を受け取りましょう。
そして円安になったときに日本円に戻すのがいいですね。
外貨投資ってリスクはある?為替変動リスクや関係の深い金融商品を解説
円高時に投資する際気を付けておきたい3つの注意点
円高のとき、どのような商品に投資すればよいかを3章では解説しました。
投資先の目星がついても、闇雲に投資するのはリスクが大きいです。
ここでは、円高時に投資する際リスクを抑えるため最低限気を付けておきたいことを3つ紹介します。
- 余剰資金で投資する
- ドルコスト平均法で投資する
- 必ず分散する
それぞれ解説します。
余剰資金で投資する
円高時に投資するときは、余剰資金で投資するようにしましょう。
為替レートは需要と供給で決まるので、為替相場の将来を予想するのは難しいです。
そのため、失ってはいけないお金で投資をするのはリスクが大きいと言えます。
またお金に余裕がない状態で投資すると、冷静さを欠いて間違えた行動をとってしまいやすいです。
そうなると、資産形成の成功確率が下がります。
このことからも、円高時に投資するときは余剰資金で投資することを心掛けましょう。
ドルコスト平均法で投資する
円高時に投資するときは、ドルコスト平均法で投資するのがおすすめです。
ドルコスト平均法とは、決まった金額を等間隔で投資する方法です。
ドルコスト平均法で購入することにより、為替変動を予想してタイミングを測るような取引をしなくて済みます。
そうなると取得単価も安定するので、冷静に取引ができるようになるでしょう。
ドルコスト平均法を使って長期目線で投資できれば、円高時の投資で成功する確率が格段に上がります。
必ず分散する
円高時に投資するときは、必ず投資商品を分散させましょう。
なぜなら、為替相場や株式市場の将来に確実というものがないからです。
もし1つの商品にお金をつぎ込んでいて自分の予想が外れた場合、損をした時に再起不能になる可能性が高くなります。
為替変動を読むことは難しいため、分散して立ち直れなくなるリスクだけは避けなければいけません。
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