ドレッシング買い(お化粧買い)って何?月末に株価が上昇しやすいワケとは

「ドレッシング買い(お化粧買い)」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?

一見おもしろい名前ですが、実はこの言葉は株用語の1つなのです。

では、ドレッシング買いとはどのような意味があるのでしょうか?

本記事では「ドレッシング買い」について、株初心者の方にもわかりやすく徹底解説していきます。

この記事でわかること

  • ドレッシング買いの意味
  • ドレッシング買いが及ぼす株価への影響
  • ドレッシング買いの対象となりやすい銘柄

株初心者はこれでOK!株の勉強は何から始めるべき?

目次

ドレッシング買いって何?

ドレッシング買いとは、運用機関が運用しているファンドが保有する資産の時価評価額を上げるために買い注文を入れることをいい、別名「お化粧買い」とも呼ばれています。

ファンドの運用成績は月末や決算期末(3月末・9月末・年末など)に評価されるので、ドレッシング買いはその時期に合わせておもに個別株や上場投資信託(ETF)などの株価を上げたいファンド運用者がおこなうことが多いです。

ここでドレッシング買いについて理解しやすくするために、1つ例を見てみましょう。

あるファンドがA社の株式を10万株持っていて、現時点での株価が500円であったとします。このときの時価評価額は5,000万円(=10万×500)です。

もしそのA社の株価が月末(運用成績が評価される時点)に600円に上昇していたらどうでしょうか?株価が100円上昇しているので、時価評価額は6,000万円(=10万×600)となり以前と比べると1,000万円も時価評価額が上昇しますよね。

ファンドは、このようなメカニズムでドレッシング買いにより運用成績を高めています。

なぜ運用成績がそこまで重要なのかというと、ファンドに運用を委託している顧客は自分の資金を金融機関に託しているため、ファンドの運用成績には厳しいことが多いという理由があります。

もし望ましい運用成績でなければファンドが解約されてしまうこともありえるからこそ、運用期間はドレッシング買いをして月末や決算期末の時価評価額を一時的に高めて、顧客からの評価を引き続き得ようとしているということが考えられるのです。

ドレッシング買いの「ドレッシング」とは、dress(着飾る=運用成績をよく見せようとする)という単語から来ています。

お化粧買いの「お化粧」も、印象をよくするためにおこなうものですよね。

ドレッシング買いはこのような理由からおこなわれています。

ドレッシング買いによる株価の動き

実際に、ファンドがドレッシング買いをして運用成績を見せようと買い注文を出すと、保有銘柄の株価を上がりやすくなります。

ファンドの規模や運用資金によって株価に与える影響力は多少変動がありますが、資金力が大きいほどドレッシング買いの効果も大きくなるでしょう。

また、ファンドがドレッシング買いをおこなうと株価が上昇しやすいということを知っているトレーダーも多いので、株価上昇を見込んでそれに乗っかろうとするトレーダーによる買い注文が入りやすくなります。

よって、トレーダー心理がドレッシング買いによる影響を意識すればするほど、株価は大きく動きやすいということです。

しかし、このドレッシング買いはあくまでも運用成績をよく見せるための手段なので、投資判断に基づいておらず月末や決算期末が過ぎると株価は元の水準に戻ることがほとんどです。

ドレッシング買いとほかの買い注文を見分けられるのか

上記で少し紹介しましたが、ドレッシング買いがおこなわれると株価が上昇しやすいことから、トレーダーがドレッシング買いを投資チャンスとして利用することもあります。

ですが実際、ドレッシング買いとそうでない意思による大量の買い注文を見分けることができるのでしょうか。

結論から申し上げますと、ドレッシング買いを投資チャンスとして利用しようと思ってもその動きの有無を見極めるのは非常に難しいといわれています。

ファンドはドレッシング買いでなくても、月末に大量の株を買うことがありますし、そもそもドレッシング買い自体が必ずおこなわれるというものではありません。

また、ドレッシング買いを期待するトレーダーがあらかじめ買い注文をすることによって株価が上昇する可能性もあります。

よって月末や決算期末の株価上昇がドレッシング買いによるものなのかどうかは、確実に判断することはできないので推測するしかありません。

よって現実では、月末や決算期末に株価が上昇していてその理由が分からない場合などに「ドレッシング買いがおこなわれた可能性がある」といわれる傾向にあります。

ドレッシング買いの対象になりやすい銘柄

ドレッシング買いは、東証一部に上場している銘柄よりも、中間市場(東証二部・東証REIT市場)、新興市場(東証JASDAQ市場・東証マザーズ市場)に上場している銘柄に対しておこなわれていることが多いとされています。

というのも、新興市場に上場している銘柄は東証一部上場銘柄に比べると流動性が低いので、より少額で株価上昇に導きやすいと考えることができるからです。

しかし、このような銘柄は安定性がなく、初心者の方がトレードをするのは危険であると言えるでしょう。

銘柄選定については、初心者におすすめの株の買い方とは?プロも活用する3つの基本ポイントを押さえようの記事をご覧ください。

安定した銘柄選定と、しっかりとしたトレード技術が合わさってこそ、安定した利益を上げていけるということを覚えておきましょう。

まとめ

  • ドレッシング買いとは、ファンドが月末などに運用成績をよく見せるためにおこなう買い注文のこと
  • ドレッシング買いはトレーダー心理の影響も相まって、株価を上げやすい
  • ドレッシング買いは中間市場や新興市場の銘柄が対象となりやすい

本記事ではドレッシング買いの意味や株価に及ぼす影響、対象となりやすい銘柄について紹介しました。

ドレッシング買いはファンドが運用成績アップのためにおこなうもので、影響は一時的な可能性が高いです。

ですが、ドレッシング買いではないほかの大量の買い注文と見分けることは非常に難しいのでご注意ください。

月末や決算期末に株価が上昇したからといってすぐに乗っかろうとはせずに、テクニカル指標などほかの分析手法と合わせて株価を分析してトレードをするようにしましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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