円安とはなんなのかわかりやすく解説!円安になると起こる実生活での影響についても紹介

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2024年1ドル160円の歴史的な円安を記録し、世間を騒がせました。

円安については日々ニュースでも取り上げられているため、気になっている方も多いのではないでしょうか。ですが「円安ってどんな状態?」と疑問を持つ方も多数いるようです。

そこで今回は、円安とはなんなのかについてわかりやすく解説します。

また、円安が及ぼす個人への影響や円安のときに有利になる投資方法について解説します。

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目次

円安とは?初心者へわかりやすく解説

1章では、円安とはどのような状態なのかについて解説します。

円安とは反対の円高についても紹介します。

円安とはなに?

円安とは、外国の通貨と比べて円の価値が低くなることです。

為替レートが、1ドル100円から120円になれば円安です。

円安とはわかりやすく,円安

上の例で見ると、1ドル100円のときは1ドルの商品を100円払えば購入できたのに円安になると120円払わないと買えなくなります。

このように、20円分多く払わないと同じものを買えなくなったことから円の価値が下がったと言えます。

円高とはなに?

円高は円安とは反対に、外国の通貨と比べて円の価値が上がることを指します。

たとえば、為替レートが100円から80円になった場合は円高です。

円安とはわかりやすく,円高

1ドルの商品を100円払って購入していたのに、円高になると80円払うだけで1ドルのものを買えるようになります。

このことからわかるように、円高は他の国の通貨と比べて円の価値が高くなったと言えます。

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円安になる理由とは?

円安になる理由は、円よりも外貨の需要が大きいため円安になります。

通貨の価値は、需要と供給で決まります。

需要と供給の法則はどちらかが多くなると、価格が動いて受給バランスを取ろうとする法則です。

円安とはわかりやすく,需要と供給

円の需要や供給を生み出す要因は様々ですが、最も通貨の需給バランスに影響を与えるのは金利だと言われています。

金利とは、お金を借りるときのコストです。

銀行預金をイメージするとわかりやすいですね。

私たちが銀行にお金を預ける(貸している)お礼として、利息が払われます。

金利が高い国の通貨でお金の貸し借りをすれば、その分多くの利息を受け取れます。

このことから、通貨を交換する大口の投資家たちは金利が高い国の通貨にお金を交換することが多いです。

円安になる理由としては、金利やなんらかの理由で円の需要が外貨よりも少なくなったため円安になります。

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円安のメリット・デメリット

円安によるメリットやデメリットは、自分が属する業界や立場によって変わります。

3章では円安や円高が、特に大きな影響を与える他国との輸入出の観点からみたメリット、デメリットについて解説します。

円安のメリット

円安になると、輸出企業が有利になります。

輸出企業とは、自動車関連、電気機器、精密機器などの業界があげられます。

たとえば、1ドル100円のとき10万ドル(1,000万)の車を輸出してドルを円に換金すれば1,000万円です。

ですが、1ドル120円のときに10万ドルの車を輸出して円に換金すれば1,200万円受け取れます。

このように円安が進むと、同じドルで多くの円に換えられるため輸出企業は売上が増加します。

この200万円の差を活かして、同じ性能の車を安く提供できるなど競争優位性を高められるのは大きなメリットです。

円安のデメリット

円安は、輸入企業にとってはデメリットです。

仕入れを輸入していた場合、円安になると以前に比べて商品の調達にお金がかかるようになります。

たとえば、1ドル100円のときブランド品を10万円で輸入できていたとします。

ですが、1ドル120円になると12万円払わないと輸入できません。

この2万円の差を埋められないと、企業としては損失になってしまいます。

値上げや経費削減が強いられるため、輸入企業にとってはデメリットです。

ちなみに輸入企業は食料品、電気・ガス、紙・パルプなどの業界があげられます。

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円安になると個人が受ける影響

3章では、マクロな視点から円安の影響について解説しました。

ここでは、個人が実生活で受ける影響について解説します。

3章ではメリットやデメリットは立場や業界によると解説しましたが、円安を日本全体で見るとプラスだと言われています。

ですが、個人が受ける影響としてはマイナスであることが多いです。

それぞれ解説します。

家計が苦しくなる

円安になると商品価格が上昇するため、以前に比べ生活費がかかるようになります。

製品になる原材料を輸入すると、モノの製造コストが上がり物価が上昇します。

また輸入している食料品も高くなるため、消費者の負担は大きいです。

ガソリンなどのエネルギーも輸入に頼っているので、実質所得は下がり生活は苦しくなります。

海外旅行も割高になります。

円安による影響で家計が苦しく感じる場合、円安時に有利になる投資でリスクヘッジをするのも1つの手です。

日本円でもっている資産は価値が減少する

円安になると、日本でもっている資産の価値は下がります。

たとえば、外国人が1ドル100円のときの日本円で1,000万円の価値の土地を買うには10万ドル必要です。

ですが、1ドル200円になった場合5万ドルでその土地を買えるようになります。

円安とはわかりやすく,資産価値

このように、円安になると日本で保有している土地や株などの資産価値は減っていると言えます。

資産を保有する際は、為替リスクも考えた分散された資産構成にするのがいいですね。

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円安のときに有利になる投資を3つ紹介

円安は、個人レベルで見るとデメリットが多いです。

そのため、円安を逆手にとった投資で対策するのも1つの手だと言えます。

5章では、円安の時に価値が上がる資産について解説します。

外貨預金

外貨預金をしておくと、円安のリスクヘッジになります。

外貨預金とは、円を外貨に交換して預けておくことです。

1ドル100円のとき外貨預金を始めて、100万円をドルに交換したとします。

その後円安になり1ドル120円になったら、100万円の価値は円に換算すると120万円になります。

円安で家計は苦しくなっていても、資産は増えているので円安のリスクを下げることが可能です。

円を外貨に交換するタイミングが難しいと思う方は、積立購入をおすすめします。

積立購入とは、決まった期日に決まった金額を外貨に交換することです。

積立購入すると、単価が平均されるためタイミングを測る必要がなくなります。

外貨預金をする際は、将来的に円高に振れる可能性もあるため資産の数パーセントを交換するのがいいですね。

投資信託

外貨建ての投資信託も、円安のときに有利になる投資の1つです。

外貨建ての投資信託とは、ドルやユーロなどの外貨で取引できる投資信託のことです。

代表的な外貨建て投資信託として、外貨建てMMFがあげられます。

国債や債券などで運用されているため、比較的リスクが低い投資商品だと言えます。

リスクは低いですが、投資ですので元本割れの可能性があることはわかっておきましょう。

外貨建てMMFは円安リスクを低減させながら資産形成ができるので、円安のリスクヘッジとしてはおすすめの商品です。

株式投資

円安のときに有利な投資として、輸出企業の株を保有するのも1つの手です。

3章でも解説しましたが、輸出企業は円安になるに連れて売上が増加します。

そのため輸出企業の株を保有しておけば、円安で家計が苦しいときも多くの配当金を生み出してくれるでしょう。

有名な企業でいうと、トヨタや日産自動車などがいいですね。

また、値上がり益も期待できるかもしれません。

個別株は今回紹介した3つの投資商品の中ではリスクが1番大きいですが、少量保有しておくのもおすすめです。

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まとめ

今回の記事は、円安とはどのような状態なのかについて解説しました。

円安が個人の実生活にもたらす影響は、ネガティブなものです。

しかし、国から見るとプラスであると捉えられています。

立場により良し悪しが変わりますが、私たちができることは円安時だからこそできる投資を行うなどメリットを活かすことだけです。

今回紹介した円安時に有利な投資をして、円安のメリットを活かせるような投資をするのがベストな行動です。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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