株主優待とは?仕組み・種類と権利日の基礎知識を初心者向けに入門解説

【株初心者向け!】株主優待で銘柄を 選ぶときの注意点

雑誌やSNSで株主優待が紹介されることが増え、「気になるけれど仕組みがよく分からない」という声も多く聞かれます。

どんな商品やサービスがもらえるのかだけでなく、いつまでに何株持っていれば権利が得られるのか、利回りはどう見るのかなど、基礎を押さえておくと情報を整理しやすくなります。

この記事では、株主優待の基本的な仕組みと代表的な種類、権利付き最終日・権利確定日の考え方などを、初心者向けに解説します。

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目次

株主優待とは?

株主優待は、企業の株式を一定条件のもとで保有している株主に対して、自社商品やサービスなどを提供する制度です。

食品や外食のクーポンだけでなく、旅行や交通、日用品、金券など内容は企業ごとにさまざまです。

この章では、まず株主優待の基本的な仕組みを整理したうえで、代表的な優待の種類や傾向を例とともに確認していきます。

株主優待の基本的な仕組み

株主優待は、権利確定日までに企業が定めた「必要株数」以上の株式を保有している株主に対して、そのお礼として商品やサービスを提供する仕組みです。

多くのケースでは、年に1回または2回の権利確定日が設定され、その時点の株主名簿に名前が載っている人が優待の対象となります。

このとき重要になるのが「何株持っていれば対象になるか」という条件です。100株以上や500株以上など、必要株数は企業によって異なり、同じ企業でも保有株数の区分によって優待内容が変わることがあります。

また、一定期間以上保有している株主に対して、内容を上乗せする「長期保有優遇」を設けている企業もあります。

株主優待の内容も、金券や商品詰め合わせ、自社サービスの割引など多岐にわたります。

どのような条件で、どのような優待が受け取れるのかは、企業が公表する株主優待制度の案内やIR情報で確認することができます。

まずは、権利確定日・必要株数・長期保有条件の有無の3点を押さえておくと、各社の優待制度を比較しやすくなります。

株主優待でもらえる物は?

株主優待は、上場企業の株式を一定期間保有していることで得られる権利です。そして、株主優待でもらえる物は、企業によって大きく異なっており幅広いサービスや商品が存在します。

そこで、ここでは株初心者やちょっとしたお得感を感じたい方に向けて、株主優待でもらえる物をご紹介していきます。

食品メーカー系の銘柄は詰め合わせや食事券などがもらえる

食品メーカーや飲食関係のサービス業に関する銘柄を購入すると、株主優待で食品やギフト、食事券などをもらうことができます。

例えば、水産加工食品メーカーであれば缶詰の詰め合わせ、お菓子メーカーならお菓子、レトルト食品メーカーならレトルトのセットなど、その企業の自社商品を株主優待でもらうことができます。

プロ野球球団の保有企業であれば、プロ野球の公式戦チケットも特典になっています。

食品関係の商品が欲しい方は食品メーカーの銘柄を購入するのがおすすめです。

ホテルの割引券や乗車証など旅行や電鉄系銘柄

旅行が趣味という方や、頻繁に交通機関を利用する方は、ホテルを運営している企業や電鉄系企業などの銘柄を購入してみてはいかがでしょうか。

これらの企業では、株主優待として乗車証や特定のリゾート地で使える割引券をはじめ、自社グループが運営しているホテルの割引券などを提供しています。

傾向としては、電鉄系が乗車証や系列店のお買物割引券、ホテル運営企業や旅行会社は割引券や宿泊券などを用意していることが多いようです。

株主優待が充実している銘柄の特徴

株主優待はさまざまな企業が提供していますが、優待内容が充実している・質の高いサービス内容となっている銘柄には、いくつかの特徴があります。

大型株も含む銘柄で優待内容が充実している場合は、投資家にサービスできるほど業績も良いと考えられますから、最低投資額が高い可能性があります。

また、株主優待によっては、株の保有期間が長いとサービスが上乗せされることがあり、投資金額を増やしたくない方には嬉しいサービスといえます。

株主優待目当てで買う場合のタイミング

株主優待を目的として投資を行う場合、株式購入に関して、いくつか押さえたいポイントがあります。

株主優待は権利付き最終日と権利確定日がポイント

株主優待を目的とする場合は、優待を受けられる最低投資金額以上で購入することはもちろんですが、権利確定日までに保有しておく必要があります。

以下、3種類のルールがあります。

  • 権利確定日:株主として株主名簿に記載され、優待などの権利が確定する日
  • 権利付き最終日:権利確定日の3営業日前で、この日までに株を保有していなくては優待を受ける権利を得られない。
  • 権利落ち日:権利付き最終日の翌日で、この日以降は株を売却しても株主優待を受けられます。

ただし、確定日と権利落ちの関係上、通常の株トレードでしっかり稼ぐトレーダーにとってはトレード内容が左右されてしまうため、株主優待を狙いながら売却益も得ることは難しいかもしれません。

権利落ち日に売るべきではない理由!トレードで大切にしたい考え方

株主優待に関連する優待利回りもポイント

株主優待に関連する利回りとして優待利回りがあります。

優待利回りとは、優待の価値を株取得に必要な金額で割った数値で、どれだけの価値があるのかを示しています。

5,000円分の食事券がある優待で、取得に50万円かかった場合は、5,000円÷50万円×100で1%になります。つまり優待利回りは1%です。

また、株を購入する場合は、配当利回りについても確認しておくのがおすすめです。株主優待とは直接関係ありませんが、1年間の配当金割合も重要な収益指標になります。年間配当を株価で割ると算出できます。

配当利回り・配当性向とは?言葉の意味や平均値などをご紹介

株主優待に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 株主優待だけを目的に株を買うのはアリですか?


A. 優待内容が魅力的でも、それだけを理由に株を買うのは注意が必要です。

優待分の利回りが高くても、株価が大きく下がれば損失につながります。

あくまで「株式投資の副次的なメリット」として考え、配当や企業の業績も含めて総合的に判断するのがおすすめです。

Q2. 優待利回りと配当利回り、どちらを重視すべきですか?


A. 投資目的によって異なります。

生活費の補助やお得感を重視するなら優待利回り、長期的な資産形成を重視するなら配当利回りに注目すべきでしょう。

両方を合わせて総合利回りとして見ると、バランスの良い銘柄選びにつながります。

まとめ

    本記事では、株主優待の基本的な仕組みと、食品・外食、旅行・交通、日常サービスなどの代表的な優待の例、権利付き最終日・権利確定日・権利落ち日の関係、優待利回りと配当利回りの考え方を整理しました。

    株主優待は、権利確定日までに一定株数以上の株式を保有している株主に対して、自社商品やサービスなどを提供する制度であり、内容や条件は企業ごとに異なります。

    優待は魅力的な制度ですが、株価の変動や制度の変更・廃止といった可能性も含めて理解しておくと、情報を落ち着いて整理しやすくなります。

    優待内容や利回りに注目しつつも、企業の事業内容や業績、配当方針などもあわせて確認していくことで、自分なりの視点で銘柄を見ていく土台が整っていきます。

    株主優待への関心をきっかけに、企業や株式投資全体について少しずつ学びを深めていく時間として活用してみてください。

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    この記事の監修者

    監修者プロフィール

    トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
    20歳で株の売買を始めてから20年間、
    「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
    その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

    現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
    日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
    どの市場でも大きな利益を生み出している。

    ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
    東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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    この記事を書いた人

    著者プロフィール
    根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
    1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

    地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

    その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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