初心者向け|株式用語と株の仕組みをやさしく基礎からまとめて解説

【知っておきたい株式投資用語集】マーケットや指数・指標に関する基本用語その1

株式投資を始めようとすると、「株」「銘柄」「配当金」などの用語が一度に出てきて戸惑ってしまう方も多いと思います。

本記事では、株式投資で頻出する基本的な株式用語と、その背景にある仕組みをまとめて解説します。

まずはニュースや証券会社サイトを読み解くための“共通語”をそろえ、これからの学習や実践につなげていきましょう。

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目次

株(株式)とは

株式投資のニュースや本を読むと、最初に必ず登場するのが「株(株式)」という言葉です。

株とは何かを一言で説明するのは意外と難しいですが、イメージをつかんでおくと、その後に出てくる用語の理解がぐっと楽になります。

ここでは、企業と投資家の両方の立場から、株式の基本的な意味を整理します。

株式の基本的なイメージ

株式とは、株式会社が事業に必要な資金を集めるために発行する「会社の持ち分」を小さく分けたものです。

投資家がお金を出して株式を受け取ることで、その会社の一部を保有している状態になります。

企業側から見ると、株式を発行することで銀行からの借入だけに頼らず、多くの人から資金を集めることができます。

投資家から見ると、株式を通じて企業の成長や活動に参加し、その結果として株価の変動や配当金などの可能性を受け取る立場になります。

このように、株式は「企業と投資家をつなぐ契約の単位」であり、株を1株持つことは、その会社のごく一部を持っていることを意味します。

株式が使われる主な場面

株式は大きく「資金調達」と「投資」という場面で使われます。企業は新しい工場を建てたり、研究開発を進めたりするための資金を集める際に、新しく株式を発行して投資家からお金を受け取ります。

一方、投資家は将来の株価変動や配当金などを見込みながら、その株式を購入します。

一度発行された株式は、その後、証券取引所を通じて投資家同士の間で売買されていきます。

企業側は日々の売買に直接関わりませんが、株価の動きや株主構成は今後の経営にも影響するため、重要な情報として注視しています。

このように、株式は「企業がお金を集める入口」であり、その後は「投資家同士が売買する取引の対象」として機能していくのが基本的な流れです。

株式投資とは?

株式そのもののイメージがつかめたら、次は「株式投資」という言葉の意味を確認しておきましょう。

株式投資は、単に株を売買して差額を狙うだけでなく、企業に資金を提供し、その活動の結果を共有するという側面もあります。

ここでは、仕組みと代表的なスタイルを簡潔に紹介します。

株式投資の仕組みと役割

株式投資とは、企業が発行した株式を購入し、その企業の一部を保有することで、株価の変動や配当金などの結果を受け取る活動です。

投資家はあらかじめ決められた価格で株を買い、その後、別の投資家に売ることで売買差額が生じる場合があります。

また、企業が利益を出したときに配当金が支払われることもあります。

一方で、企業の業績や市場環境によって株価が下がることもあり、株式投資には損失が出る可能性も含まれています。

株式投資は「企業の成長や活動を支える立場」と「価格変動や配当の結果を引き受ける立場」をあわせ持っているのが特徴です。

株式投資の主な目的とスタイル

株式投資にはいくつかの代表的な目的やスタイルがあります。

たとえば、短い期間で株価の変動を捉えて売買する「短期売買」では、チャートやニュースをこまめに確認し、売買のタイミングを重視します。

一方、企業の成長や配当を重視して長い期間株を保有する「長期保有」では、業績や事業内容などをじっくり確認しながら、時間をかけて資産形成を考えます。

どのスタイルにも、それぞれの特徴と注意点がありますが、共通するのは「自分の資金でリスクと向き合いながら、企業と市場の動きを受け止める」という点です。

まずは、自分がどのくらいの期間・頻度で市場と付き合えるのかを意識しながら、情報収集や学習を進めていくと全体像がつかみやすくなります。

株主とは?

株式投資では「株主」という言葉も頻繁に登場します。株主は単に株を持っている人、という印象かもしれませんが、企業との関係性や持っている権利を知っておくと、ニュースや決算情報の読み方が変わってきます。この章では、株主の立場と主な権利を紹介します。

株主=会社の一部の持ち主

株主とは、その会社の株式を保有している人や法人のことです。株式は会社の持ち分を小さく分けたものなので、株主は「会社の一部を持っている人」と言い換えることができます。

保有している株の数が多いほど、その会社に対する持ち分の割合も大きくなります。

株主は、株価の変動や配当金の受け取りなどを通じて、企業活動の結果を共有する立場にあります。

企業側にとっては、株主から預かった資金を使って事業を行い、その成果を株主とともに分かち合う関係性だとイメージすると分かりやすくなります。

株主が持つ主な権利

株主には、いくつかの基本的な権利があります。

代表的なものは、利益が出たときに配当金を受け取る「利益配当請求権」、株主総会で議案に賛成・反対の意思表示をする「議決権」、会社が解散する際に残った財産の一部を受け取る可能性のある「残余財産請求権」などです。

これらの権利は、保有している株数に応じて行使できる範囲が変わります。

たとえば議決権は、1株につき1票のような形でカウントされるのが一般的です。

また、残余財産請求権は万が一会社が清算される場合の権利であり、日常的に意識する場面は多くありませんが、会社と株主の関係を理解するうえで知っておきたい用語の一つです。

銘柄とは?

証券会社の画面やニュースで必ず目にするのが「銘柄」という言葉です。

「この銘柄が上昇」「あの銘柄に注目」といった表現を耳にしたことがある方も多いはずです。

銘柄という用語の意味と、銘柄コードの役割を理解しておくと、取引画面で迷いにくくなります。

銘柄と銘柄コードの意味

銘柄とは、証券取引所で取引されている有価証券(ここでは株式)の呼び名です。

上場しているそれぞれの企業には「銘柄名」と4桁の「銘柄コード」が割り当てられています。

同じ企業名のように見えても、証券会社のシステム上は銘柄コードで識別されているため、正しいコードを指定することで、誤った企業の株を注文してしまうリスクを減らせます。

ニュースや証券会社のサイトでは、企業名とともに銘柄コードが表記されていることが多く、慣れてくるとコードからおおよその業種や市場区分を連想できるようになることもあります。

まずは「銘柄=個別の上場企業を示す単位」と押さえておくとよいでしょう。

銘柄コードが役立つ場面

銘柄コードは、実際の取引や情報収集の場面で役に立ちます。

たとえば、証券会社の検索画面で銘柄名を入力すると、似た名前の企業が複数表示されることがありますが、銘柄コードを入力すれば狙った企業をピンポイントで指定できます。

また、ニュース記事で気になった銘柄コードをメモしておけば、後から証券会社のアプリで素早くチャートや決算情報を確認できます。

このように、銘柄コードは「株式の住所」のような役割を果たしています。

最初は企業名だけで十分ですが、少しずつ銘柄コードにも慣れていくと、情報収集の効率が高まり、売買のミスを減らすことにもつながります。

株取引の仕組みとは?

株式そのものの意味や銘柄のイメージがつかめたら、「実際の株取引はどのような場で行われているのか」を押さえておくと全体像が見えやすくなります。

この章では、企業が資金を集める場と、投資家同士が株を売買する場に分けて、株取引の流れを解説します。

一次市場と二次市場のイメージ

株取引には、大きく分けて「一次市場」と「二次市場」があります。

一次市場は、企業が新しく株式を発行して投資家から直接資金を集める場です。新規上場(IPO)や公募増資などがこのイメージに近く、企業はここで事業資金を調達します。

一方、二次市場は、既に発行された株式を投資家同士が売買する場です。

普段、ニュースで報じられる株価や、証券会社のアプリで見る価格は、この二次市場でつけられた値段です。

企業そのものにお金が移動するのではなく、投資家同士の間で株式とお金が交換され、その積み重ねによって株価が形成されていきます。

株価はなぜ変動するのか?

株価が毎日のように動く理由を知っておくと、ニュースの見え方が変わります。「人気投票のようなもの」と説明されることもありますが、背景にはいくつかの要素があります。

この章では、株価変動の主な要因を「需給」と「情報」の2つの観点から整理します。

需要と供給による価格変動

株価を決める基本的な仕組みは、売りたい人と買いたい人のバランスです。

売り注文より買い注文が多いときは、その株を欲しがる人が多いため、取引価格は上がりやすくなります。

逆に、売りたい人が多く買いたい人が少ないときは、価格が下がりやすくなります。

株式は発行された数が限られており、発行済みの株を誰がどのくらい持っているかによって、市場に出回る量も変わります。

少ない株数を多くの人が欲しがる場合、需給の関係から価格は上昇しやすくなり、反対に多くの株が売りに出されて買い手が少ない場合は、価格は下落しやすくなります。

このように、株価は「需給のバランス」の結果として常に変化していると考えられます。

業績やニュースが与える影響

株価には、企業の業績や経済全体のニュースも影響します。

たとえば、決算発表で利益の増加が示された場合、その企業の将来性に期待する投資家が増え、買い注文が増加することがあります。

一方で、業績の悪化や不祥事、景気の後退を示すニュースが出た場合には、リスクを避けたいと考える投資家が売りに回ることもあります。

また、金利や為替レート、国際情勢など、企業の業績そのものではない要因が株価に影響する場面もあります。

これらの情報が投資家の判断に影響し、結果として「買いたい・売りたい」という行動の変化を通じて株価に現れてくるのが特徴です。

株式投資のメリット

株式投資のメリットは大きく分けて2種類あります。

株式の売却によって得られる利益(キャピタルゲイン)と、株式の保有によって得られる利益(インカムゲイン)です。

株を保有している場合、株主は持株比率に応じた一定の権利を有します。

【売却益】
自分が買ったとき価格より高い価格で株を売ることができれば、そこで売却益を得ることができます。

ここで気をつけたいのは、株式売買の手数料と税金が発生することです。

多くの場合、証券会社では取引の際に仲介手数料が発生します。

また、利益に対して20.315%(所得税15.315%、住民税5%)の税金が課税されます。

【配当金】
企業が事業で利益を出した場合、株主は保有株数に応じて、この利益を「配当金」として受け取権利をもちます。

ただし、利益が出ていても配当金を出さない企業もあります。

配当金も課税の対象です。大口株主を除く株主の場合、配当金の課税率は20.315%(所得税+復興特別所得税15.315%、住民税5%)です

【株主優待】
「株主優待」とは企業が株主に対して行うサービス提供のことです。

配当金同様、義務ではないため、株主優待がない企業もあります。

株主優待には自社製品や自社サービスがお得に利用できる優待券のほか、商品券やクオカードなどの金券もあるようです。

企業は株主優待を充実させることで、多くの株主を獲得する手段として活用しています。

PERとは?株式投資初心者でもわかる収益率の基礎と使い方

株式投資の基礎に関するよくある質問(Q&A)

Q1. 株価はなぜ毎日変動するのですか?


A. 株価は「需要と供給」のバランスによって常に動いています。

買いたい人が多ければ株価は上がり、売りたい人が多ければ株価は下がります。

さらに、企業の業績やニュース、景気動向、為替レートなども影響し、株価変動の要因となります。

Q2. 配当金や株主優待は誰でも必ずもらえますか?

A. 配当金や株主優待は企業が任意で実施している制度です。

すべての企業が配当や優待を行っているわけではありません。

また、配当を出すかどうかは企業業績や経営方針によって毎年変わります。

株主優待も、権利確定日に一定株数以上を保有している必要があるので、事前に確認しておきましょう。

まとめ

株式投資の仕組み自体はシンプルですが、売買のタイミングをつかむのは慣れている人でも難しいものです。

誰でも最初は初心者ですから、株式投資に関するさまざまな知識を身に着けながら実践することで、次第に利益をあげることが可能になるでしょう。

また、売買による差益ではなく、配当金や株主優待を目的にする人もいます。

株式投資の目的や投資スタイルは人それぞれです。

ご自分に合った投資方法をいろいろ試してみるのもよいでしょう。

知っておきたい株式投資用語集|マーケットや指数・指標に関する基本用語 その2

 

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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