仕手株とは?仕手株となる銘柄の特徴と見分け方を徹底解説

急に株価が何倍にも跳ね上がった銘柄を見て「買っておけばよかった」と思った経験はありませんか?

しかし、その銘柄が仕手株(してかぶ)だった場合、気づかないうちに危険な相場に巻き込まれている可能性があります。

仕手株とは、特定の投資家やグループが意図的に株価をつり上げることで利益を得ようとする銘柄のこと。

短期間で急騰・急落するため、初心者が安易に手を出すと大きな損失を被るリスクがあります。

本記事では、株のプロが仕手株の見分け方・典型的な特徴・実際の過去事例をわかりやすく解説します。

「仕手株に巻き込まれたくない」「怪しい値動きを見抜きたい」方は、ぜひ参考にしてください。

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目次

仕手株として狙われている銘柄の見分け方

仕手株は、仕掛ける側が少ない資金で株価を動かしやすい銘柄を選ぶ傾向があります。

次のような特徴があれば、注意が必要です。

  • 発行株式数が少ない(例:6,000万株未満)
  • 低価格株(500円以下)
  • 出来高が低い
  • 株価高騰の理由がわからない
  • 仕手株情報サイトに掲載されている

仕手株は、投資家あるいは投資家集団によって株価を意図的に操作されている銘柄です。

意図的に操作するためには、大量の株式を一気に売買できなければ株価を急変させられません。

そんな操作が可能そうな銘柄を、事前に見分けていきましょう。

発行株式数が少ない(例:6,000万株未満)

株式数が6,000万株未満である銘柄は、仕手株として狙われやすいです。

なぜなら、株式数が少なければ少ないほど、株価を操作しやすくなるから。

少ないほど、大量に株を集めなくても影響を与えやすくなります。

1,000株中の100株と、100株中の10株はどちらも割合は10%と同じですよね。

10株で全体の10%分を動かせてしまうわけですから、少ない株数であれば、必要になる労力も少なくなることがわかります。

6,000万株未満というのは、小型株の基準と同じです。

全体の中でも小型株というのは、仕手株として狙われやすいと覚えておきましょう。

低価格株(500円以下)

株価500円以下のいわゆる低位株も、仕手株にされやすい銘柄だといえます。

理由は、安ければ安いほど買い集めやすくなり、株価を操作しやすくなるからです。

株価500円と10,000円とでは、100株集めるのに必要な資金は大きく異なりますよね。

安い株価の銘柄は、それだけ株価を操作されやすいともいえるのです。

出来高が低い

出来高が低い銘柄も、仕手株として狙われるリスクがあります。

なぜなら、仕手株として仕掛ける側はできるだけ目立たず株をコツコツ買い集めたいからです。

出来高とは、株の取引数量のことを指します。

出来高が低いということは、それだけ取引されていない、注目されてないということです。

周りに気付かれないように、仕手株の準備を進められてしまうかもしれないというわけですね。

株価高騰の理由がわからない

株価が高騰しているにもかかわらず、なぜ高騰したのか理由がわからないときは要注意。

理由もないのに高騰しているのは、仕手株として株価が操作されているからかもしれません。

わからないものには手を出さない、失敗を避けるためには必ず守っておきたい考え方です。

仕手株情報サイトに掲載されている

仕手株の疑いがある銘柄を随時まとめている情報サイトもあります。

そのサイトに掲載されている銘柄にも注意しておきましょう。

特に買おうとしている銘柄が、仕手株として情報サイトに掲載されていれば、検討の余地があります。

念のため仕手株の銘柄として疑われている理由も確認しておきましょう。

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仕手株として過去話題になった銘柄

仕手株として実際に過去話題となった銘柄を紹介します。

仕手株の常連といわれている銘柄もありますから、目を通しておきましょう。

ニチダイ(6467

銘柄名 ニチダイ(6467
発行済株式数 9,053,300株
株価 368円
出来高 11,100株

2025/10/28時点

ニチダイは京都に本社を置く金型メーカーです。

2018年3月に株価が急騰し、世間をにぎわせました。

実際に操作したとされる相場師は逮捕・起訴もされています。

どんな変動をしたか、チャートを見てみましょう。

ニチダイ,株価

1月中旬まで株価600円台を推移していたにもかかわらず、急激に上昇を続け3月上旬には3,000円台にまで急騰しています。

3月16日に3,980円というピークを迎え、その後急落しました。

仕手株となった実際の流れは以下の通りです。

  • 仕掛け側がニチダイ株をコツコツ買い集める
  • SNSで「ニチダイが注目株だ」と個人投資家を煽る
  • 個人投資家たちにより取引が増え株価上昇

株価が5倍超にもなる、恐ろしい動き方ですね。

新日本理化(4406

銘柄名 院日本理科(4406
発行済株式数 37,286,906株
株価 226円
出来高 111,800株

2025/10/27時点

2012年に話題となった銘柄です。

新日本理化,株価

前後でこれまで推移していた銘柄が、2011年後半から徐々に株価を上げていき、11月から一気に急騰、20123月には1,297円にまで株価が吊り上がりました。

ストリーム(3071

銘柄名 ストリーム(3071
発行済株式数 28,525,000株
株価 111円
出来高 21,200株

2025/10/27時点

2014年に急騰した銘柄です。

ストリーム,株価

2014年5月時点で110円台だった株価が、9月下旬には530円まで急上昇しました。

その後急落、2017年に相場操縦の容疑で男3人を逮捕しています。

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仕手株銘柄を避けるためのポイント

仕手株に巻き込まれないためには、次の3つを意識しましょう。

  1. 急騰している理由を確認する
     ニュース・決算・IRが出ていないのに上がっている場合は要警戒。

  2. 出来高の急増を追わない
     仕手筋の仕掛けによる一時的な動きの可能性があります。

  3. SNS・掲示板の煽り情報を鵜呑みにしない
     「次に動く銘柄」などの言葉に注意。仕手筋の思惑に利用されることもあります。

よくある質問 Q&A

Q1. 仕手株は違法ですか?

A. 「仕手株」という銘柄自体は違法ではありませんが、意図的に株価を操縦する行為は金融商品取引法で禁止されています。

Q2. 仕手株で利益を出すことはできますか?

A. タイミングを完璧に読めれば一時的に利益を得ることもありますが、再現性は極めて低く、リスクが非常に高いです。

初心者にはおすすめできません。

Q3. 仕手株を見抜くにはどうすればいいですか?

A. 「出来高急増+低位株+材料なし+SNSで話題」など、複数の条件が重なっている銘柄は特に注意が必要です。

まとめ

仕手株は、少ない資金で株価を動かせる小型株・低位株・出来高の少ない銘柄が狙われやすく、一見チャンスに見えても、実際はプロの思惑に巻き込まれやすい非常に危険な銘柄です。

株価の急騰に惑わされず、「なぜ上がっているのか?」を確認する習慣をつけることが何よりの防衛策。

もし理由が見つからない場合は、仕手株の可能性を疑いましょう。

株式投資で長く勝ち続けるには、再現性とリスク管理が何より大切です。

派手な急騰銘柄に惹かれず、確実に成長を重ねる投資スタイルを意識していきましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

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この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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