「ゴールド投資に興味があるけれど、現物の金を買うのはハードルが高い」と感じていませんか?
金投資というと、金の延べ棒や金貨を購入して保管庫に保存するイメージをもつ方も多いようです。
ですが、ゴールドの投資信託へ投資すれば上記のような心配は一切不要です。
そこで今回は、手軽にゴールド投資をはじめられるゴールドの投資信託について詳しく解説します。
本記事を読むと、ゴールド投資信託のメリット・デメリットや選び方のポイント、おすすめ商品もわかります。
ぜひこの記事を参考に、ゴールド投資信託を活用した資産形成をはじめてみてください。
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ゴールドの投資信託とは
本章では、ゴールドの投資信託の基本的な仕組みと、ほかの金投資との違いについて詳しく解説します。
- ゴールドの投資信託とはなにか
- 金の現物への投資との違い
- 金ETFへの投資との違い
まずは、投資する前にゴールドの投資信託の基本的な概念をしっかり理解することが重要です。
それぞれみていきましょう。
ゴールドの投資信託とは
ゴールドの投資信託とは、多数の投資家から集めた資金を金価格に連動する商品に投資し、運用成果を投資家に分配する金融商品のことです。
投資家が直接ゴールドを購入するのではなく、プロの運用会社が投資家の代わりに金投資を実施します。
プロが運用してくれるため、投資初心者の方でも投資信託を購入するだけで簡単にゴールド投資をはじめることが可能です。
ちなみに、ゴールドの投資信託は主に2つのタイプが存在します。
1つ目は金価格の値動きに直接連動するタイプで、2つ目は金鉱山会社などの金関連企業の株式に投資するタイプです。
ゴールドそのものは利息や配当を生まないため、基本的には金価格が上昇したときの値上がり益が主な利益源となります。
金の現物への投資との違い
現物の金を購入する場合、実際に金の延べ棒や金貨を所有することで「本物の金を保有している」という実感を得られます。
しかし、盗難や紛失のリスクが常に存在し、銀行の貸金庫を借りたり自宅に金庫を設置したり保管に相当な費用がかかってしまいます。
一方、ゴールドの投資信託は、現物を直接保有せずに金価格に連動する商品に投資する仕組みのため、物理的な保管場所や盗難対策の心配が不要です。
また、証券会社を通じて比較的簡単に売買できるため、換金もしやすいといえます。
現物の金の場合は、金属買取業者との取引になり手数料も買取業者ごとに違うため、投資家が希望する価格で売却できない可能性があります。
手軽さ・コスト・流動性・保管リスクの面で、投資信託の方が投資初心者にははじめやすいといえるでしょう。
金ETFへの投資との違い
金ETFとゴールドの投資信託の最大の違いは、証券取引所に上場しているかどうかです。
ETFとは、証券取引所に上場している投資信託のことで、株式と同じようにリアルタイムで売買できます。
金ETFは、上場しているため株式のようにリアルタイムで取引できますが、ゴールドの投資信託は非上場のため1日1回決定される基準価額で売買します。
そのため、流動性の面では金ETFの方が優れているといえるでしょう。
ですが、ゴールドの投資信託と金ETFでは、最低投資金額に違いがあります。
ゴールドの投資信託は100円から購入できる商品が多いのに対し、金ETFは1口単位(数千円〜数万円)からの購入となります。
このことから、少額からはじめたい投資初心者にとっては、ゴールドの投資信託の方が取り組みやすいです。
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ゴールドの投資信託に投資する3つのメリット
本章では、ゴールドの投資信託の3つのメリットについて詳しく解説します。
- 保管コストがかからない
- インフレ対策になる
- 少額からはじめられる
上記の特徴により、ゴールドの投資信託は初心者から上級者まで幅広い投資家に適した金融商品として注目されています。
それぞれみていきましょう。
保管コストがかからない
現物の金投資では、保管コストが大きな負担となります。
ですが、ゴールドの投資信託なら現物を直接保有しないため、銀行の貸金庫を借りる必要がありません。
また、自宅での保管による盗難・紛失リスクを完全に回避できます。
ゴールドの投資信託は証券口座で電子的に管理されるため、株式や債券などほかの投資信託と一緒に一元管理が可能で、資産配分の確認や売買手続きもオンラインで簡単に行えます。
また、金価格の変動もリアルタイムで確認でき、必要に応じて部分売却も容易です。
金投資に興味があっても「現物管理の手間や費用が心配」と考えていた投資家には理想的な投資手段といえるでしょう。
インフレ対策になる
金は、世界共通の価値をもつ実物資産として、インフレ対策に有効です。
インフレとは、物価が上昇してお金の価値が下がることを指しますが、ゴールドは物価上昇に合わせて価格も上昇する傾向があるからです。
ゴールドは供給量が限られ、長期的に通貨の価値が下がるインフレ局面では「購買力の維持手段」として需要が高まり、価格が上昇しやすい特性があります。
そのため、ゴールドの投資信託に投資していればインフレによる現金価値の目減りを防げます。
さらに、株式や債券などの金融資産と違い、企業の倒産リスクや国の信用リスクに左右されにくいのも大きなポイントです。
ほかにも、金は株式や債券などのほかの資産と値動きの相関が低いため、ポートフォリオに組み入れると全体のリスク分散効果が期待できるメリットもあります。
少額からはじめられる
ゴールドの投資信託の魅力は、100円から投資をはじめられることにあります。
現物の金を購入しようとすると、最低でも数万円以上の資金が必要です。
しかし、投資信託であれば100円からはじめられるため気軽に金投資をスタートできます。
毎月コツコツと積み立てられるので、学生や収入が少ない方でも無理なく資産形成できるでしょう。
さらに、クレジットカード決済やネット証券を利用すれば手続きも簡単で、ポイント還元などの特典も受けられます。
「投資には大金が必要」という先入観をもっている方も多いです。
ですが、ゴールドの投資信託なら手軽にはじめられるため、投資初心者にぴったりの選択肢といえるでしょう。
ゴールドの投資信託に投資するデメリット
ゴールドの投資信託には、メリットがある一方でデメリットも存在します。
本章で紹介するデメリットは、以下のとおりです。
- インカムゲインが得られない
- 手数料が比較的高い
投資をはじめる前に、しっかりとデメリットを理解しておくことが大切です。
それぞれみていきましょう。
インカムゲインが得られない
ゴールドの投資信託では、インカムゲインが一切得られない点がデメリットとなります。
収益を得るには、金価格が上昇したタイミングで売却して値上がり益を狙うしかありません。
株式投資なら配当金、債券投資なら利息収入がありますが、金そのものはなにも生み出さない資産なので複利効果が期待できないことも理解しておきましょう。
そのため、「毎月安定した収入がほしい」という方には向いていない投資方法だといえます。
ゴールドの投資信託は、あくまで資産の保全や値上がり益を狙った長期投資として考えておくのがおすすめです。
手数料が比較的高い
ゴールドの投資信託は、一般的な株式インデックス投資信託と比べて信託報酬が高めに設定されています。
信託報酬とは、投資信託の運用や管理をプロに任せるために、投資家が投資信託を保有している間に間接的に支払い続ける費用のことです。
ゴールドの投資信託の信託報酬は年0.2%〜0.4%程度が一般的で、中には0.5%を超える商品も存在します。
人気のS&P500連動型インデックス投資信託の信託報酬が年間約0.1%程度なのに対し、ゴールドの投資信託は年0.2%〜0.4%程度と約2倍以上の差があります。
金自体は配当や利息を生まないため、信託報酬などのコストは重要です。
金価格が横ばいの期間が続くと、コスト分だけ資産が目減りするリスクがあることも理解しておく必要があります。
ゴールドの投資信託に投資する際の注意点
ゴールドの投資信託に投資する際の注意点として、短期投資に向かないことを理解しておく必要があります。
ゴールドの投資信託は、個別株への投資と比べて値動きが比較的小さいため短期間で大きな利益を狙うのは現実的ではないです。
また、投資信託は1日1回決められる基準価額で売買が成立するシステムのため、株式やETFのようにリアルタイムで取引できません。
そのため、自分が狙った価格での売買が難しいです。
値動きの特性や取引の仕組みなどを総合的に考えると、ゴールドの投資信託は短期売買には向いていないといえます。
基本的には長期的な資産形成を目的とした投資に適しており、毎月の積立投資や長期保有を前提として活用するのに適した投資商品といえるでしょう。
ゴールドの投資信託に投資する人によくある質問
ゴールドの投資信託に投資しようとおもっている初心者の方から、以下の3つの質問が多く寄せられます。
- ゴールドの投資信託に投資するときなにを基準に選ぶ?
- ゴールドの投資信託を選ぶならなにがおすすめ?
- ゴールドの投資信託はどんな人におすすめ?
本章では、上記の3つの質問に応えていきます。
ゴールドの投資信託に投資するときなにを基準に選ぶ?
ゴールドの投資信託を選ぶ際は、以下の5つのポイントを重視することが大切です。
- 信託報酬が安いか
- 純資産総額が十分にあるか
- 商品内容や運用方針を確認する
- 手数料(購入時・解約時・信託財産留保額)が安いか
- NISA対応しているか
長期投資ではコストの差が大きな影響を与えるため、信託報酬の安さが重要です。
次に、純資産総額が十分にあるかどうかを確認する必要があります。
資産規模が小さすぎると運用が不安定になったり、最悪の場合は繰上償還(運用終了)のリスクが発生したりするので注意が必要です。
目安としては、10億円以上あるのか確認するようにしましょう。
商品内容や運用方針についても、金価格連動型なのか金関連株式型なのか違いがあるので必ず確認してください。
また、購入時手数料・解約時手数料・信託財産留保額などの各種手数料も重要な選択基準です。
最後に、税制優遇を受けたい場合はNISAに対応しているかどうかも確認しておきましょう。
ゴールドでおすすめの投資信託を選ぶならなにがおすすめ?
低コストで人気のあるゴールド投資信託の一例として、「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド」が挙げられます。
信託報酬が業界水準より低く、為替ヘッジの有無も選べる点が特徴です。
信託報酬(為替ヘッジなし) | 0.1838% |
信託報酬(為替ヘッジあり) | 0.0638% |
純資産総額(為替ヘッジなし) | 約675.8億円(2025年6月時点) |
純資産総額(為替ヘッジあり) | 約125.7億円(2025年6月時点) |
手数料(購入時・解約時・信託財産留保額) | 無料 |
新NISA対応 | 可能 |
SBI・iシェアーズ・ゴールドファンドは、為替ヘッジありとなしを選択できます。
為替ヘッジとは、外国資産に投資する際に生じる為替変動リスクを抑えるための仕組みです。
信託報酬は、為替ヘッジなしが0.1838%で、為替ヘッジありが0.0638%とほかのゴールド投資信託と比べて業界最低水準の低コストになっています。(2025年6月現在)
また、純資産総額も為替ヘッジなしが約675.8億円為替ヘッジありが125.7億円、と十分な規模があり新NISA枠での購入も可能です。
ただし、投資判断は信託報酬・純資産規模・運用方針などを比較検討したうえで行いましょう。
ゴールドの投資信託はどんな人におすすめ?
ゴールドの投資信託は、少額から長期的な資産形成をしたい安定志向の方に最適な投資商品です。
100円から積立投資が可能な商品が多く、まとまった資金を用意できない学生や若い会社員の方でも気軽にはじめられます。
また、金は世界的に需要が高く供給量も限られているため、価値が下がりにくく安定資産としての役割を果たしてくれます。
ゴールドは中長期で保有すると価格の安定性や資産の増加が期待できるため、コツコツと長期的な資産形成を目指す方に適しているといえるでしょう。
ただし、短期売買で利益を狙いたい方や、配当・利息による定期収入を重視する方には向いていません。
「資産を安全に守りながら、少しずつでもお金を増やしていきたい」という堅実な投資スタイルの方には有効な選択肢となります。
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まとめ
ゴールドの投資信託は、投資初心者でも100円からはじめられる魅力的な投資商品です。
現物金投資と比べて保管コストがかからず、インフレ対策としても有効でポートフォリオの分散効果も期待できます。
ただし、インカムゲインが得られない点や手数料が比較的高い点などのデメリットもしっかり理解しておくことが大切です。
安定した長期投資を少額からはじめたいとおもっている方には、ぜひ検討していただきたい選択肢の1つです。
ゴールド投資信託で投資をはじめる際は、信託報酬や純資産総額などをしっかり比較検討し、自分の投資目的に合った商品を選ぶようにしましょう。
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株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。