ニュースで「景気動向指数のCI一致指数が…」「DIが50%を上回り…」といった表現を見かけても、正直よく分からないままスルーしてしまうことはないでしょうか。
なんとなく景気の話だとは分かるけれど、「何がどう良い・悪いのか」がイメージしにくいものです。
本記事では、景気動向指数の基本と、CI・DIの違いを初心者向けにわかりやすく解説します。
景気動向指数とは
景気を理解するために最も重要な経済指標が「景気動向指数」です。
景気に関する総合的な指標で、景気全体の現状を把握したり、将来の動向を予測するときなどに使われます。
景気動向指数を一文で表すと、「たくさんの経済指標をまとめて、景気の今と流れを数字にしたもの」です。
生産・雇用・消費・在庫・輸出入など、経済に関わるさまざまな指標を組み合わせ、景気が全体として上向きなのか、足踏みなのかを、一本のグラフで眺められるようにしています。
よく比較されるGDPは、国内で生み出された付加価値の合計額を四半期ごとに集計した指標です。
一方、景気動向指数は毎月公表されるため、「景気の方向が変わりつつあるかどうか」を早めに把握したいときに役立ちます。
なぜ28種類もの指標をまとめるのか
景気動向指数は、産業・金融・労働など、景気に敏感な指標から代表的なものを選び、全部で28種類程度を組み合わせて作られています。
生産だけを見ても、雇用だけを見ても、景気の一側面しか分かりません。
例えば、生産は増えているのに雇用は伸び悩んでいる、といった場面もあり得ます。そこで「複数の指標をまとめて、景気全体の“温度感”を見よう」という発想から、景気動向指数が使われています。
イメージとしては、体温計だけでなく血圧や脈拍もあわせて見て、体調を総合的に判断している感じに近いでしょう。
景気動向指数の中にある「CI」と「DI」
景気動向指数には、大きく分けて二つの見方があります。それが「CI」と「DI」です。
- CI(コンポジット・インデックス)
- DI(ディフュージョン・インデックス)
どちらも、同じ景気動向指数のデータを使っていますが、「何を知りたいか」の視点が少し違います。
CIは、景気の強さや変化のテンポを表す数字であり、DIは、良くなっている指標と悪くなっている指標の「割合」を示します。
CIとDIの違い
「CIとDIって、アルファベットが並んでいるだけで何が違うのか分からない」と感じる人は多いはずです。
言葉だけで聞くと難しそうですが、ポイントを絞ると、それぞれが見ているものは意外とシンプルです。
ここでは、CIとDIの違いについて解説します。
CIとは?「景気の強さ・テンポ」を表す数字
CIは、Composite Index(コンポジット・インデックス)の略で、日本語では「一致指数」「先行指数」などと組み合わせて使われます。
イメージとしては、「景気の強さ・テンポ」を表す数字です。
基準となる年(現在は2015年)が100とされ、それに比べて景気が強いのか、弱いのかを指数で表します。
例えば、
- CI一致指数が「100」なら、2015年と同じくらいの水準
- 「90」なら、2015年の水準よりやや弱め
- 「105」なら、2015年時点よりやや強め
といったイメージになります。
さらに、前月比でプラスになっているかマイナスになっているかを見ることで、「回復が速くなっているのか」「落ち込みが緩やかになっているのか」といったテンポも読み取れます。
ただし、CIの数字だけで「景気が必ずこう動く」と読み切れるものではなく、「全体の流れと強さの目安」として捉えるのが自然です。
DIとは?「どのくらいの指標が良くなっているか」の割合
一方、DIはDiffusion Index(ディフュージョン・インデックス)の略で、「景気が良くなっている指標の割合」を示します。
例えば、景気動向指数を構成する指標が10個あるとして、そのうち
- 6個が上向き、4個が下向きなら → DIは60
- 3個が上向き、7個が下向きなら → DIは30
というイメージです。一般に、DIが50%を上回る状態が一定期間続くと、上向きの指標が多い=景気が拡大していると判断され、50%を下回る状態が続くと、下向きの指標が多い=景気の後退局面と判断されます。
DIは「どれくらいの範囲に景気の変化が広がっているか」という“広がり・方向”を見るのに向いた指標です。
CIとDI、ざっくりどう違う?
ここまでをまとめると、CIとDIの違いは次のようにイメージできます。
- CI:景気の強さ・テンポを見る
- 例:体温計の目盛り(平熱より高いか低いか、どのくらい変わったか)
- DI:景気の方向・広がりを見る
例:日本地図で「晴れている地域」と「雨の地域」の割合
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先行指数・一致指数・遅行指数の役割
景気動向指数の説明では、「先行指数」「一致指数」「遅行指数」という言葉もセットで出てきます。
名前だけ見ると難しそうですが、実は「時間的にどのタイミングで動きやすいか」という違いを表しているだけです。
ここでは、先行・一致・遅行のイメージを整理しつつ、ニュースでよく出てくる「CI一致指数」「CI先行指数」の役割を見ていきます。
先行指数・一致指数・遅行指数のざっくりイメージ
先行・一致・遅行は、それぞれ景気との「時間的なズレ」を表しています。
- 先行指数:景気より少し早く動きやすい指標
- 一致指数:景気とほぼ同じタイミングで動きやすい指標
- 遅行指数:景気より少し遅れて動きやすい指標
イメージとしては、
- 先行指数=天気予報のように、数か月先の動きを先取りしやすいもの
- 一致指数=今まさに窓の外で起きている天気
- 遅行指数=後から振り返ったときに確認できる実績(例えば失業率など)
のように考えると分かりやすくなります。
景気の現状を把握するには「一致指数」、先行きをうかがうには「先行指数」、景気の変化がどこまで実体経済に反映されたかを確認するには「遅行指数」が使われます。
よくニュースに出る「CI一致指数」と「CI先行指数」
ニュースや内閣府の発表でよく目にするのが、「CI一致指数」と「CI先行指数」です。
- CI一致指数:景気の現状を示す「今の温度」のような役割
- CI先行指数:数か月先の景気の動きを示す「予報」のような役割
例えば、CI一致指数が上昇傾向にあれば、「現在の景気は拡張局面にある」と判断されやすくなります。
一方、CI先行指数が数か月にわたって上昇傾向にある場合は、将来の景気回復の兆しとして注目されます。
とはいえ、どちらも「確実にこうなる」と言い切るためのものではなく、「現状と先行きの方向感を数字で確認するための材料」として使われています。
DIの先行・一致・遅行はどう使われている?
CIと同様に、DIにも先行・一致・遅行という区分があります。
ただ、実務上よく取り上げられるのはCIの方で、DIは「どのくらいの分野に景気の変化が広がっているか」を確認する補助的な指標として扱われることが多いです。
例えば、CI一致指数が回復傾向にあっても、DIが50%近辺であれば、「上向きの指標もあるが、まだ広がりは限定的」というように読み解かれます。
逆に、DIが高い水準で続いている場合は、「景気の変化が多くの分野に及んでいる」といった見方ができます。
CIとDI、先行・一致・遅行を組み合わせることで、「今の強さ」「先行きの方向」「広がり方」を立体的にイメージすることができます。
まとめ
「景気動向指数」は、多くの経済指標をまとめて「景気の今と流れ」を数字で表したものです。
その見方がCIとDIです。
CIは2015年=100を基準にした「景気の強さ・テンポ」、DIは上向きの指標の割合で見る「景気の方向・広がり」です。
さらに、景気より早く動く先行指数、ほぼ同時に動く一致指数、遅れて動く遅行指数があり、ニュースでは主に「CI一致指数」「CI先行指数」と内閣府の基調判断を組み合わせて景気局面を示します。
CI=強さ、DI=広がり、先行/一致/遅行=時間のズレというイメージを持つと、景気ニュースがぐっと読みやすくなります。

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。






