先物取引は怖い?具体的な特徴や必要なリスク管理などについて解説!

先物取引は怖い?具体的な特徴や必要なリスク管理などについて解説!

これから投資を始めたい方の中には、先物取引に興味を持っている方もいるでしょう。

将来の価格変動を利用して利益を狙う先物取引は、正しく取引できれば大きな利益を生み出します。

一方で、想定より大きな損失を出してしまうリスクもあるものです。

今回は、これから初めて先物取引にチャレンジしたい方にとって必要なノウハウを詳しく解説します。

目次

先物取引とは

まずは、先物取引の概要について解説します。

先物取引の定義

先物取引とは、ある商品を、特定の期日に特定の価格で売買することを約束した取引です。

例えば、パン屋は一つひとつのパンの値段をころころと変えるわけにはいきません。

基本的に、毎日同じ値段で販売しています。

しかし、天候による不作などによって小麦の価格が急騰することがあり、そうなると利益を確保できなくなります。

そこで、パン屋が小麦農家と「3か月後に、1キロ当たり1,000円で小麦を買う」と約束します。

もし、3か月後に小麦の価格が2,000円/キロになっていた場合、パン屋は大きな損失を回避できます。

さらに、たとえ500円/キロになっていたとしても、そもそも1,000円で利益が出るように価格設定しているため、大ダメージはありません。

このように、先物取引では本来は変動する価格の商品を一定の値段で売買することで、価格変動のリスクヘッジができます。

先物取引の対象となる商品

先物取引では、様々な商品が対象となります。

最もわかりやすいのは、コモディティです。

具体的には、「穀物(トウモロコシ・小麦)、畜産品(牛肉・豚肉)、エネルギー(原油・天然ガス)、貴金属(金・銀)」などがあります。

また、金融商品先物では、株価指数先物や金利先物、外国為替先物などがあります。

近年は仮想通貨も一般化しており、ビットコインやイーサリアムなどが代表例です。

先物取引でかかる税金と手数料

先物取引で得られた利益は雑所得として分類され、申告分離課税となるため確定申告が必要です。

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また、先物取引では手数料が発生します。

基本的には1約定ごとにかかり、10円~300円程度が目安です。

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先物取引の特徴

先物取引には、3つの特徴があります。

レバレッジを利かせられる

レバレッジとは、自分の持っている資金以上の商品を購入し、取引を実行する制度です。

目安として、10~15倍ほど資金効率を高められ、大きな倍率になるほど大きな利益を得る可能性があります。

上手くいけば、たった数千円から始めて数百万円の資産を築くことも可能です。

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一方で、本来であれば出なかったほど大きな損失を出してしまうリスクもあります。

先物取引ではレバレッジを効かせられるので、こういったハイリスク・ハイリターンの投資ができます。

空売りができる

空売りとは、自分が保有していない商品を売ることです。

先に商品を借りて売り建てを行い、期日までに買い戻し返却します。

例えば、日経225先物が3万円のタイミングで売りでエントリーします。

その後、2万9,000円に下がった時に買戻しをして決済すると、1,000円分の利益が出るという仕組みです。

空売りは、予測が外れて価格が上昇すると損失になるため注意が必要です。

限月がある

限月とは取引の満期となる月で、2025年6月であれば25-06といった形で表示されます。

タイミングは商品や市場により異なり、毎月や四半期、隔月といった種類があり、いずれも限月になると契約は取引終了となり決済されます。

まだ保有したいと思った場合に行うのがロールオーバーです。

これは限月を迎えるポジションを決済し、次の限月の先物を新たに同じ方向で建てることを指します。

これにより長期保有ができるようになりますが、売買の度に手数料がかかりタイミングによっては損益変動がある点がデメリットです。

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先物取引で資産を増やすために必要なリスク管理

先物取引を通じて資産を増やしたい場合、以下の3つはしっかり抑えましょう。

証拠金について理解する

先物取引の証拠金とはいわゆる保証金のことで、相場が変動しても支払い能力があることを証明するために必要なお金です。

先物取引では、実際には数百万円の取引を購入する時にも、全額を用意する必要はありません。

例えば、レバレッジ3.3倍で100万円分の先物を購入する場合、約30万円の資金があれば取引が可能ではあります

手元のキャッシュが少なくても大きな取引ができる一方、損失が続いて証拠金が足りなくなると追証といって追加の資金を入れなくてはならなくなります。

もしも準備できなければ、強制ロスカットとなり自動的に損切されるので注意が必要です。

しっかりと資産を増やしていくためには、どこまでの損失を許容するのか決め、手に負えない金額になる前に自ら損切しましょう。

追証に備える

先物取引は大きな利益が狙えるものの、一気に損失が大きくなり追証となるリスクも高いです。

そのため、常に追証に備える必要があります。

まず、最低証拠金ギリギリで取引を始めるのではなく、1.5~2倍の余裕を持っておくといいでしょう。

また、あらかじめストップロスを設定しておけば想定外に大きな損失になることはありません。

誰しも損をしている時は「もう少し待てば持ち直すかも」という希望的観測を持ってしまいますが、感情に任せず事前に決めたルールを機械的に守る方が最終的な損失は抑えられます。

先物取引で資産を増やしていきたい方は、「いかに増やすか」だけでなく「いかに減らさないか」についても注意深く考えましょう。

レバレッジを抑える

レバレッジが高ければ高いほど、大きな利益を得られます。

しかし、損失した時のダメージが大きくなるため、特に初心者の内は2~3倍程度から始めて経験を積むようにしてください。

大きく儲けられずもどかしい思いをするかもしれませんが、一度大損失をしてしまうとそこからの回復には時間がかかります。

長期的に見て資産を増やしていけるよう、レバレッジは抑えめを意識してください。

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まとめ

今回は、先物取引について解説しました。

先物取引にはコモディティや金融商品など、様々な種類があります。

特徴として、レバレッジを効かせて少ない資産でも大きな利益を出せる一方、想定より大きな損失を被ってしまうリスクもあります。

まずはレバレッジを抑えて、少しずつ経験を積むようにすると資産を減らさずコツコツ増やしていけるでしょう。

先物取引で大儲けは可能か?成功するための長期戦略とリスク管理

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。

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