「日本株は海外投資家が動かしている」と聞いて、不安になったことはありませんか。
日々の値動きを見ていると、自分の売買判断が世界の大きな資金に振り回されているように感じることもあるかもしれません。
本記事では、日本株市場における海外投資家の割合や国内投資家との違いを整理しながら、為替やゴールドとの関係、最終的にどこを見て相場を判断すればよいのかを、初心者にも分かる形で解説します。
日本の株式市場に参加をしているのは日本人だけではない
日本の証券会社から海外の株式を売買できるように、海外の証券会社からも日本の株式を売買することができます。
つまり日本の株式市場では日本人だけが取引をしているのではなく、海外投資家も参入をしているということです。
では実際に、日本の株式市場では海外投資家がどれだけ参入をしているのかを紹介しましょう。
株式の売買状況を見ると、海外投資家の比率が7割以上ある
日本の代表的な株式市場である東京証券取引所では、株式売買の状況を月間や年間で公表をしています。
ここで2019年の株式売買状況を確認してみると、プライム市場における海外投資家の取引割合は7割近くあり、海外投資家が頻繁に売買を行っていることがわかります。
これは2019年の売買で行われた金額の割合であり、海外投資家が日本株の7割近くを保有しているというわけではありません。
実際に日本株の7割近くは日本人が保有をしているのですが、日々の売買金額で見てみると国内投資家はほとんど売買をしておらず、海外投資家が頻繁に売買を繰り返していることがわかるのです。
そのため、株価の短期的な値動きに関しては国内投資家での売買ではなく、海外投資家の意思による値動きが大きく反映していることが分かります。
国内の個人投資家だけで見ると2割近くの比率となる
日本の株式市場における海外投資家の状況を紹介したところで、日本国内の個人投資家の状況も紹介をしておきます。
先ほど同様、プライム市場における個人投資家の状況を見てみると2割以下程度の売買金額となっています。
やはり日本では個人投資家の株式市場参入が少ないことと、もともと法人に比べると個人資金が少ないということもあり2割以下の数字となっているのでしょう。
しかし、プライム市場よりも株価の低い株式が集まっているスタンダード市場での個人投資家による売買金額の比率は4割程度あります。
海外投資家の売買金額の比率もスタンダード市場では5割近くあり、国内法人のほとんどがスタンダード市場での売買に力を入れていないことがわかります。
海外投資家の動きを見るためにも米ドルやゴールドの値動きを確認した方が良い?
日本の株式市場において、実際に資金力と売買力を海外投資家が持っていることがお分かりいただけたかと思います。
そのことから、日本株のトレードを行う際に海外投資家の動向を探ることも一つの戦略になると考える方もいるでしょう。
つまり海外での主要通貨である米ドルの値動きや米国金利、米ドルの代替通貨とも呼ばれるゴールドの値動きなどを確認することで、お金の流れや海外投資家が現在どのような考えでトレードを行っているのかを推測できるかもしれません。
しかし本当に、海外投資家の動きを推測することは可能なのでしょうか。
では実際に、個人投資家がどのような戦略でトレードを行えば良いのかを考えていきましょう。
世界的なお金の流れを確認しておくことも一つの参考には、なる
先ほど紹介した、海外投資家の資金の流れを確認するために米ドルやゴールドの値動きを確認することは、トレードを行う際に参考になることは確かです。
例えば、ドルと円の取引であるドル円の値動きは日経平均株価と連動しやすい一面を持っており、ドル円が上昇すれば日経平均も上昇する場面が多いと言われています。
これは株安になると海外投資家が日本株を買うため円高となり、株高になると利益などに伴い円を売り円安になるためです。
このように円とドルと日本株では関連性を持ってはいるのですが、常に上記の通り動くわけではもちろんありません。
為替の世界では日本円とドルの関係性だけではなく、ドルとユーロ、ポンドと円、ポンドとドルといったように、世界中の通貨でトレードを行われており、とても複雑に関係性が変動しているのです。
他にもドル円とゴールドは真逆の値動きを取りやすいとされており、ドル高となればゴールドを売り米ドルを得て、ドル安となればゴールドを買い米ドルを手放すためと言われています。。
この関係性についても常に連動するわけではなく、時として連動している場面があるというだけで、参考になる時もあればならない時もあるぐらいに思っていた方が良さそうです。
あくまでも参考程度にとらえて、絶対がないのが株の世界だということを忘れないでください。
実際に全てのお金の流れを追うのは不可能であり、投資家心理が反映されているチャート分析が一番のおすすめ
海外投資家のお金の流れを追うために、米ドルなどの価格やチャートを確認すると参考になると紹介をしましたが、ドルは世界の基準通貨でもあるため日本円以外に様々な通貨とトレードが行われています。
もちろん他の金融商品購入のためにも使われているため、お金の流れを完全に追うことはできません。
そのため、個人投資家が少しの参考程度にドル円やゴールドなどのチャートを参考にするのは良いですが、完全に自分のトレードの参考にしてしまうのはおすすめできません。
では結局のところどうやって国内株価の予測を立てれば良いのかについては、最新の投資家心理が反映されているチャートを確認するのがベストでしょう。
ある銘柄において売り手よりも買い手の勢いが強くなった時に株価は上昇し、逆に売り手の勢いが強くなった時に株価は下落します。
つまり、海外を含めた全投資家すべての判断がチャートに現れ、そのチャートをテクニカル分析することが一番の株価予測につながります。
テクニカル分析の基礎でもあるダウ理論でも「平均株価はすべての事象を織り込んでいる」としており、テクニカル分析に磨きをかけていくことで投資家心理も分析でき、予測が難しい株式市場で利益を狙うことができるのです。
ちなみに投資家心理については株価を動かす投資家心理とは?ファンダメンタルズ分析の限界とテクニカル分析の有用性で詳しく解説をしているので参考にしてみてください。
よくある質問(Q&A)
Q1. 日本株は本当に海外投資家に動かされているのですか?
日本株の短期的な値動きについては、売買金額の大きい海外投資家の影響が反映されやすい側面があります。
ただし、長期的な株価の方向性は企業業績・国内投資家の保有姿勢・経済環境など複数の要素が重なって形成されていきます。
「常に海外がすべてを動かしている」という単純な構図ではありません。
Q2. 海外投資家の売買比率が高いと、個人投資家は不利になるのですか?
売買比率が高い=必ず不利、という関係ではありません。海外投資家と個人投資家では売買の目的・期間・金額規模が違うため、同じ土俵で競争しているわけではないからです。
個人投資家は、短期の値動きだけでなく中長期の値動きや銘柄の特性に合わせた判断ができます。
まとめ
日本株市場では、海外投資家が売買金額ベースで高い割合を占めている一方、株式の多くは国内投資家が保有しています。
為替やゴールドなどの指標は、資金の流れを知る手がかりにはなりますが、常に株価と連動するわけではありません。
世界中の投資家の判断が最終的に集約されるのが株価そのものです。海外投資家の存在を正しく理解しつつ、目の前の値動きを丁寧に見ていくことが、相場と向き合ううえでの一つの軸になっていきます。
また、当サイトの監修者である株歴37年以上のプロトレーダー「相場師朗(あいばしろう)」先生の手法は、テクニカル分析の手法を応用して株初心者の方にもわかりやすい手法として確立されています。
正しいテクニカル分析を学び、このコロナ禍でも戦える技を身につけましょう。

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。







