プロに運用を任せられる投資信託は、知識や経験がまだ豊富ではない投資初心者の方や、本業が忙しく投資のためにあまり時間をかけられない方に、おすすめの商品です。
中でも今回は、オルカンに注目します。
オルカンの平均利回りや、どのようなメリットがあるか、注意点は何かなどを解説します。
オルカンとは
まずは、オルカンとは何か、その概要や平均利回り、メリットについて解説します。
オルカンはインデックス型の投資信託
オルカンとはオール・カントリーの略で、全世界株式の投資信託のことです。
先進国だけでなく新興国も含めて投資の対象となり、世界のあちこちの株式に分散して投資できます。
オルカンの特徴は、インデックス型の投資信託であることです。
インデックス型投資とは、日経平均やS&P500といった指標に連動した運用を目指す方法です。
リスク分散をしながら運用コストをおさえられ、値動きがわかりやすいといった特徴があります。
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オルカン平均利回りとメリット
オルカンの平均利回りは、6~7%程度です。
この高利回りを維持しているポイントは、世界経済全体の長期的な成長を取り込んでいるところにあります。
リーマンショックやコロナショックのような一時的な下落局面はあったものの、人類の経済活動は歴史的に右肩上がりで成長を続けています。
オルカンは、その成長の恩恵を幅広く享受できるため、高い利回りを維持してきました。
投資信託全体の平均利回りは5%前後であるため、やや高めの傾向だと言えるでしょう。
オルカンのメリットは、簡単に分散投資ができることです。
これにより一度で大きな損失を生むといった失敗をしにくくなり、安定した運用が期待できます。
また、世界経済の成長を取り込めることもオルカンの魅力です。
先進国は安定性があるものの、大きな成長は期待しにくいことも多いです。
しかし、新興国はクーデターなどの大きな政変リスクがある一方、大幅な経済成長を見込めます。
これまでのオルカンのパフォーマンス
過去のオルカンのパフォーマンスはどうなっているのか、事例とともに確認します。
暴落の事例
オルカンは比較的安定した投資方法ですが、それでも過去に暴落した事例はあります。
最近では、コロナショックが挙げられるでしょう。
コロナ禍ではいずれの国も経済成長が止まり、各業界に大きな影響を与えました。
その結果、2020年1月から同年3月という短期間で、S&P500は一気に20%下落しています。
2007年にはリーマンショックと呼ばれるサブプライムローンバブルの崩壊が起こり、2007年10月から2009年3月の18か月で、49%下落。
さらにさかのぼると、2000年8月から2002年9月にはドットコムバブル崩壊により、46%の下落を記録しました。
このように、大きな下落は約10年に一度のペースで発生しており、今後も何らかの出来事により大きな下落が起こると考えられます。
そのため、オルカンが安定的な商品だとしても「絶対に損をしない」と盲信するのではなく、常にあらゆるリスクを想定しておきましょう。
他のインデックスファンドとの比較
投資信託にはいくつか商品があります。
その中でオルカンがどのような立ち位置か、比較してみましょう。
引用:MIKABU「【インデックス型】投資信託人気ランキング インデックス型 2025/02/26 ~ 2025/03/27
上記のように、インデックス型投資の商品を見てみると、2位に三菱UFJAM eMAXIS Slim(オール・カントリー)にランクインしています。
利回りは13.95%と非常に高く、投資信託全体の平均利回りは5%前後の中で非常に優秀だと言えるでしょう。
オルカンに投資する際の注意点
オルカンはメリットが多い投資信託商品ですが、注意点もあります。
特に次の3つには気を付けましょう。
為替リスクを理解する
オルカンは様々な国に投資するため、為替リスクが発生します。
為替リスクとは、為替相場が変動することにより損失が生まれることです。
為替換算リスク、為替取引リスク、為替経済性リスクの3つにわかれます。
為替換算リスクとは、為替変動により外貨建ての資産の評価額が減少することです。
実現損益ではありませんが、自分の所有している資産については常に評価額をチェックしておきましょう。
為替取引リスクとは、取引時の円建て換算金額から、決済時の円建て換算金額が変動することです。
為替レートの差異によって、為替差損益が生まれてしまいます。
為替経済性リスクとは、為替相場が変動することにより、企業の競争力が相対的に低減することです。
事業に大きな影響を与え、場合によっては倒産などを引き起こすこともあります。
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米国株に左右されやすい
オルカンは複数の国に投資しますが、中でもアメリカへの投資比率が高いです。
投資先を調べると、62.3%がアメリカで、日本5.5%、イギリス3.7%、中国3.2%などとなっており、6割以上をアメリカが占めています。
そのため、アメリカ株に非常に左右されやすく、アメリカ経済が好調であればよいのですが、不況になると損益につながりやすくなる点は留意しておきましょう。
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なるべく長期運用を心がける
オルカンには、運用時に発生するコストが小さいというメリットがあります。
長期運用に向いており、10年、20年といった視野でコツコツ利益を伸ばすやり方に向いているでしょう。
そもそも、インデックス型ファンドは短期間で一気に利益を出すのではなく、時間をかけて少しずつ増やしていく方法が主流です。
例えばFXのような「リスクを取って一気に大儲け」といった投資がしたい方は、別の商品を検討しましょう。
まとめ
今回は、オルカンについて解説しました。
平均利回りが比較的高く、リスク分散もできるため初心者の方にもおすすめの商品です。
為替リスクがあることや米国株に左右されることなどの注意点はありますが、こういったポイントをおさえてぜひ少額からでも始めてみましょう。

株トレード歴40年のプロトレーダー相場師朗先生が監修する株式投資情報総合サイト「インテク」の編集部です。今から株式投資を始めたいと思っている投資初心者の方から、プロが実際に使っているトレード手法の解説までの幅広いコンテンツを「わかりやすく、気軽に、実用的に」をモットーに発信しています。