数あるテクニカル指標の中でも、ATRインジケーターを使って利益を生み出したいと思ってはいませんか?
テクニカル指標の中でもオシレーター系であるATRインジケーターは、決済タイミングを計るのに向いています。
正しい決済タイミングがわかれば、無駄な損は避けつつ大きな利益を狙えますね。
しかし、決済タイミングを間違えれば、利益が損失に変わってしまうこともあります。
決済すべきときにできず、気付けば含み損になってしまう事態は避けたいですよね。
そこで今回は、決済タイミングを掴むときに役立つATRインジケーターをご紹介。
3,000人以上の塾生を誇る投資塾「株塾」を運営している私たちが、投資のプロとして活用方法をお伝えします。
ATRインジケーターが何かわからない人も、基礎から解説していきますからぜひ参考にしてくださいね。
ATRインジケーターとは
ATRインジケーターとは、株価の値幅を分析し、価格変動の大きさを測る指標のことです。
ATR(Average True Range)であり、直訳すると真の平均値幅となります。
上図は、楽天証券の「MARKET SPEEDⅡ」でのチャートです。
上半分が通常のローソク足と移動平均線、下半分がATRとなっています。
相場の価格変動率を表すテクニカル指標
ATRインジケーターは、相場の価格変動率を表すテクニカル指標です。
期間を設定すると、その期間の価格変動の平均値をつないだグラフが表示されます。
上図はTradingViewのチャートです。
期間は14で設定しているため、14日間の価格変動の平均値が左上に表示されています。
グラフは、その平均値をつないでいるものであり、上昇すればするほど、直近の変動が大きいことを示します。
つまり上図は、かなり変動幅が大きくなってきていることがわかるわけですね。
買われすぎ・売られすぎがわかる
ATRインジケーターからわかるのは、相場の過熱感です。
「買われすぎ・売られすぎ」を判断するのに役立つため、ATRインジケーターでトレンドのタイミングを掴めます。
上図は任天堂(7974)のチャートですが、ATRの数値がピークに達成するのと同時に上昇トレンドが終わり、レンジ相場に切り替わっていることがわかります。
買われすぎなラインまで到達しており、買いの勢いが落ち着いたわけですね。
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利確・損切りラインを決められない人にオススメ
ATRインジケーターは、利確・損切りラインを決められない人にオススメです。
利益確定・損切のタイミングで困っているなら、ATRインジケーターを活用してみましょう。
それ以外の目的であれば、必ず使うべきテクニカル指標というわけではありません。
ATRインジケーターさえあれば勝てるようになるわけではありませんし、利用する投資家が特に多いというわけでもないのです。
あくまでも、数あるテクニカル指標の中の一つとして、「ほかの視点からも分析したい」ときにオススメ。
ATRインジケーターにこだわりすぎないようにしましょう。
計算式は複雑なので覚えなくてもOK
ATRインジケーターの計算式は、複雑ですから無理に覚える必要はありません。
チャート上に表示される数値やグラフを読み取れればOKです。
ちなみに機関が14日の場合のATRインジケーター計算式は以下の通り。
ATR=(14日前の値幅+13日前の値幅+………1日前の値幅+当日の値幅)÷14
移動平均線の計算式にも似ており、ATRの中でも単純平均・指数平滑移動平均など平均の出し方は変えることができます。
とはいえ、実際に計算するのは自分ではなくチャート・ツールですから、無理に計算式を覚える必要はありませんよ。
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ATRインジケーターの活用方法
ATRインジケーターの活用方法をまとめました。
トレンドを掴む・値動きの幅を予測する際に役立つ指標ですよ。
ATR上昇=トレンド発生
ATRインジケーターが上昇しているということは、それだけ値動きが激しくなっているということです。
上昇トレンド・下降トレンドが発生している可能性が高いため、チャートと照らし合わせてみましょう。
どちらにしても、ATRインジケーターの数値も上昇していることがわかりますね。
ATRインジケーターの数値が上昇していれば、トレンドが発生しているため順張りをすれば利益を狙える可能性があります。
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ATR下降=トレンド終了・転換
ATRインジケーターが下降しているときは、トレンド終了・転換のタイミングが近いと考えられます。
相場の盛り上がりが収まり始めている状況ですから、手仕舞いのタイミングを考えるようにしましょう。
上図はドル円のチャートです。
上昇トレンドが終わるタイミングで、ATRインジケーターが下降していることがわかります。
その後ATRインジケーターは急上昇、下降トレンドへと切り替わっているわけですね。
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値動きの幅をATRから予測
値動きの幅を、ATRインジケーターから予測できます。
これまでの平均値幅がわかるわけですから、その日どれくらいの値動きがありそうかを分析できるのです。
例えば、上図は日経225のある日のチャートです。
とある日のATRが565だった場合、翌日の値幅が565円程度だと予想できます。
実際、翌日の値幅は535円でした。
値幅が予測できれば、トレードにもさまざまな活かし方ができますね。
ATRの1~5倍を利益確定・損切りラインにする
ATRの1~5倍を、利益確定・損切りラインとして活用できます。
倍率は、自分が背負えるリスクの大きさに合わせて変えましょう。
上図は、メルカリのチャートです。
「移動平均線がすべて上向きだし上がりそう」と考え3,000円で株を購入したとして、その日のATRが136.7だったとしましょう。
ATRの3倍を利益確定・損切りラインとした場合、3,410円を利益確定・2,590円を損切りラインと決められます。
実際のその後の値動きは以下の通りでした。
その後、予測通り株価は上昇していき、利益確定ラインに到達したため手仕舞います。
上昇した分が、利益として得られたわけですね。
このように、ATRインジケーターを活用すれば、決済のタイミングを掴むことができるのです。
ATRのオススメ設定は14
ATRでは期間を設定することで数値が変わってきます。
オススメの設定期間は14です。
デフォルトで14になっていることが多いですから、利用している投資家も多い数値だといえます。
短期や長期で利用する場合は、時間足を変えることで使い分けられます。
14本分のローソク足でATRが算出されますから、5分足でみるか週足でみるかによって、数値は全く変わってくるわけですね。
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まとめ
ATRインジケーターは、決済のタイミングを計るときに役立つテクニカル指標です。
トレンドの発生や終了のタイミングも分析できますから、今後のトレードの方針となるでしょう。
とはいえ、ATRだけではだましにあうこともありますから、他の指標でも分析するようにしましょう。
あくまでも分析手段の一つとして、ATRインジケーターを活用してくださいね。
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これまで10以上のメディア運営に従事。現在は自身も株塾で学びつつ、毎日コンテンツ作成をし続ける。
あらゆるジャンルで編集者として活動してきた経験を活かし、初心者から上級者まで役立つ記事を作成。
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