自宅に電話をかけてお金を振り込ませる「オレオレ詐欺」など、特殊詐欺のニュースが世間を騒がせています。
なかでも近年、高額な被害などで問題になっているのが「投資詐欺」です。
「投資をしてみたいけれど、詐欺に遭わないか不安…」
「投資詐欺を見分ける方法ってあるの?」
特に投資に興味を持っている方は、投資を始めようとしたときに投資詐欺に遭ってしまわないか、不安に感じるかもしれません。
そこで今回は、投資詐欺の見分け方や手口について、詳しく解説します。
副業として勧められた投資が詐欺だった!どのように詐欺案件は見分ければいい?
投資詐欺とは
不特定多数の者から現金等をだまし取る「特殊詐欺」が多数発生しています。
警察庁によれば、2022年の特殊詐欺の認知件数は17,520件で、合計被害額は360億円以上にものぼっています。
特殊詐欺には、有名な「オレオレ詐欺」のほか、キャッシュカードなどをだまし取る「預貯金詐欺」や、架空の未払い料金等を口実とする「架空料金請求詐欺」、税金還付等の手続きを装ってATM操作をさせる「還付金詐欺」などさまざまな手口があります。
なかでも、詐欺的な投資勧誘「投資詐欺」の被害が後を絶ちません。
「必ず儲かる」「元本保証」「あなただけの特別なご案内」などと巧妙な勧誘でお金を出すと、儲かるどころか大半のお金が返ってこないという被害が多く報告されています。
被害者の多くは高齢者で、大切に貯めてきた老後資金や年金をだまし取られるという悲惨な状況が発生しているのです。
投資詐欺の手口
もちろん投資はすべてが詐欺というわけではなく、適切な投資を選べば資産を増やすことができます。
では投資詐欺はどうやって見分ければよいのでしょうか。
投資詐欺かそうでないかを見分けるためには、まず投資詐欺の手口を知っておく必要があります。
手口を知っていれば「あ!これは詐欺なのでは!?」と警戒することができるでしょう。
ここでは代表的な投資詐欺の手口をご紹介します。
ポンジ・スキーム
最も代表的な投資詐欺の手口が「ポンジ・スキーム」です。
天才詐欺師として知られるアメリカのチャールズ・ポンジが名前の由来となっています。
その手口は、まず「運用益を配当金として支払う」と、出資を募って資金を集めます。
しかし実際には運用は行われておらず、新たな出資者から集めたお金を配当金として支払いながら、お金をだまし取り続けます。
詐欺師もこれでは当然、いずれは破綻してしまうことが分かっているので、お金をたくさん集めたところで行方をくらましてしまうというわけです。
出資者は「月5%」、「年20%」などと高利回りを提示されるうえ、初めのうちは高額の配当金が振り込まれることで信用してしまい、さらに多くのお金を出資したところで連絡がつかなくなり、だまされたことに気付きます。
ポンジ・スキームの被害に遭うと、お金が戻ってくることはほとんど期待できません。
劇場型詐欺
近年増えてきているのが「劇場型詐欺」です。
劇場型詐欺とは、複数人から構成される犯人グループが、あらかじめ用意されたシナリオに沿ってターゲットに接触する巧妙な手口です。
「オレだよ、オレ」としか言わない「オレオレ詐欺」が大きな話題となりましたが、近年はもはや「オレだよ」などということは少なく、詐欺師はあらかじめターゲットの個人情報を入念にリサーチしています。
家族構成や家族の名前、勤務先などを事前に調べているので、接触してきた詐欺師を信頼できる人物だと誤認してしまうことも少なくありません。
投資詐欺においても、複数の業者が連携する劇場型詐欺の被害が増加しています。
未公開株や社債などの投資について、「事業者の代わりに購入してほしい」、「購入額より高く買い取ります」などと勧誘するケースが後を絶ちません。
例えば証券会社A社から、B社の未公開株の購入を勧められ断った後に、別の投資コンサルタントC社から「B社の未公開株が欲しいが弊社には購入権がなく、高値で買い取るので代わりに購入してくれないか」という連絡があったらどうでしょうか?
A社とC社がグルだと気づかず「高値で買い取ってくれるなら儲かるからいいか」と言う通りにしてしまうと、お金を騙し取られてしまいます。
出会い系やマッチングサイトにも注意
インターネットの普及に伴い、オンライン上でパートナー探しができる「出会い系」や「マッチングサイト」を利用する人が増えています。
気軽にパートナー探しができる一方で、本人確認が難しいため詐欺目的で接触してくるケースも後を絶ちません。
何度かやり取りして仲良くなったところで、「必ず儲かる」と投資をもちかけられ、オンライン上でお金を振り込んでしまった後、連絡が取れなくなったなどの事件が相次いでいます。
詐欺的なギャンブルや、怪しげな海外の投資サイトに誘導するパターンも見受けられます。
「詐欺に遭うのは高齢者だろう」と油断している若い世代の人も、このような身近なサービスを利用した詐欺には十分注意する必要があるでしょう。
もし投資詐欺に遭ってしまったら
詐欺師は次から次へと巧妙な手口を考え出し、摘発する警察とのいたちごっこが続いています。
日進月歩で詐欺の手口が巧妙化するなか、いくら気を付けていても100%詐欺を防ぐことは難しいかもしれません。
そこでもし投資詐欺に遭ってしまったら、どうすればよいのでしょうか?
いざという時のために、対処方法を頭に入れておきましょう。
金融庁の「金融サービス利用者相談室」に相談する
「怪しい投資の勧誘を受けた」「投資トラブルに遭った」など投資に関する困りごとがある場合には、金融庁の「金融サービス利用者相談室」に気軽に相談することができます。
専門の相談員が、金融サービスなどに関する利用者からの質問や相談、意見などを電話やFAX、ウェブサイト、郵便で受付けています。
相談料は無料で、相談した人のプライバシーも守られます。
金融庁が個別のトラブルに対して自らあっせんや仲介、調停を行うことはできませんが、アドバイスをくれたり他の機関を紹介してくれたりします。
消費者庁の「消費生活センター」に相談する
消費者庁の「消費生活センター」では、専門の相談員が悪質商法や詐欺被害によるトラブルの相談などを受け付けています。
消費者ホットライン「188」に電話すれば、最寄りの消費生活センターを案内してくれます。
消費生活センターでは被害状況に応じてアドバイスをくれたり、ケースによってはあっせんをしてくれることもあります。
警察に被害届を提出する
投資詐欺は犯罪行為なので、詐欺被害に遭ったら警察に相談しましょう。
被害届を提出したり、刑事告訴することによって、刑事事件として立件できる可能性もあります。
ただし投資詐欺では被害者が多数にのぼることも多く、被害届が受理されても騙されたお金が全額返ってくることはほとんどありません。
まとめ
投資詐欺の手口や見分け方について解説しました。
「必ず儲かる」「元本保証」「あなただけに特別なご紹介」などといった甘い言葉は詐欺を疑い、被害を未然に防止できるよう注意しましょう。
投資詐欺に遭ってしまうのは、「お金が欲しいけれど自分でうまく稼げない」とお金に困っている人がほとんどです。
自ら必要なお金を稼げるようになれば、投資詐欺の被害に遭うリスクを減らすことができるでしょう。
【初心者向け】資産運用の正しい勉強方法!何から勉強するべきか徹底解説
著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。
地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。
その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。