中央銀行の3つの役割とは?経済に与える影響をわかりやすく解説

中央銀行の3つの役割とは?経済に与える影響をわかりやすく解説

「中央銀行って何?」

「G7とかG20って何のこと?」

私たちは日々、食料や日用品を買ったり、家賃や交通費を支払ったりと、あらゆる場所でお金を使っています。

そもそもなぜ「いつでもどこでもお金が使える」のか、考えてみたことはあるでしょうか?

それには「中央銀行」という存在と、中央銀行が行っている「金融政策」が深く関係しています。

今回の特集では、中央銀行と金融政策について詳しく解説します。

初回となる今回はまず、中央銀行とは何か、その役割を解説します。

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目次

中央銀行とは

中央銀行とは、国や特定の地域の金融機構の中核となる、銀行や機関のことです。

物価の安定と金融システムの安定を担っており、金融政策も司るため「通貨の番人」とも呼ばれます。

金融に関して独自の判断をするという位置付けのため、中央銀行は政府からは独立しています。

日本なら「日本銀行」、イギリスなら「イングランド銀行」、EU(欧州連合)なら「ECB(欧州中央銀行)」が中央銀行にあたります。

世界最古の中央銀行は、1668年に設立されたスウェーデンのリスクバンクであるとされており、日本銀行は1882年に設立されています。

中央銀行の役割

中央銀行の役割は、大きく3つに分けられます。

①発券銀行

中央銀行は、その国や地域で通貨として使用される銀行券(紙幣)を独占的に発行します。

日本の紙幣を発行するのは日本銀行、ドル紙幣を発行するのはFRB、ユーロを発行するのはECBというわけです。

現金である紙幣の発行量を調整することで、中央銀行は貨幣(紙幣+預金)の量、すなわち供給量を調整しているのです。

金利は貨幣の需要と供給によって決まるため、供給量が増えれば金利は下がり、金利が下がるとお金を借りやすくなって企業の設備投資や住宅投資が活発になり景気が上向きます。

このように中央銀行は、発券銀行として貨幣の量を調整することで、景気対策を行っているのですね。

②銀行の銀行

中央銀行は、私たち個人のお金を預かることはありません。

中央銀行が取引するのは、「市中銀行」と言われる、普段私たちが利用している民間の銀行です。

中央銀行は市中銀行から預金を受け入れるとともに、「最後の貸し手」としてお金を貸し出す「銀行の銀行」としての役割も持っています。

資金が足りない銀行には、倒産しないよう貨幣を供給したりして、金融システムの混乱を防いでいるのです。

貨幣は「経済の血液」とも言われる重要な存在です。

中央銀行は貨幣を円滑に循環させ、健全な金融システムを維持しているのですね。

③政府の銀行

中央銀行は、国の預金を受け入れることで、政府の資金を管理する「政府の銀行」としての役割も担っています。

日本政府は日本銀行に「当座預金口座」を持っており、この口座を使って税金の収納や国債に関する入出金、公共事業費や年金の支払いなどを行っているのです。

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G7・G20とは?

各国の中央銀行総裁と財務大臣が集まって経済・金融問題を議論する「財務大臣・中央銀行総裁会議」は、G7やG20として定期的に開催されています。

G7とは、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、イギリス、アメリカの7か国のことです。

G20はこれにアルゼンチン、オーストラリア、ブラジル、中国、インド、インドネシア、韓国、メキシコ、ロシア、サウジアラビア、南アフリカ、トルコ、欧州連合・欧州中央銀行を加えた20か国・地域を指します。

G20財務大臣・中央銀行総裁会議は、1997年のアジア通貨危機をきっかけに、1999年から原則1年に1回開催されてきました。

世界金融危機が起きた2009年以降はさらに重要性が高まり、開催頻度も増えています。

なおG7とG20には、主要国の首脳が国際社会の問題を協議する「主要国首脳会議」もあります。

主要国のトップが集まるため「サミット(頂上)」とも呼ばれます。

毎年参加国の持ち回りで開催され、日本でも2000年に九州・沖縄サミット、2008年に北海道・洞爺湖サミットが開催されたので、覚えている方も多いのではないでしょうか。

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まとめ

中央銀行とは何か解説しました。

中央銀行の「発券銀行」「銀行の銀行」「政府の銀行」という3つの役割は、ぜひ覚えておきましょう。

中央銀行は紙幣の発行量を調整して景気対策を行ったり、市中銀行とお金をやり取りして金融システムを安定させたり、国の資金を預かったりと、重要な役目を担っています。

G7・G20主要国の財務大臣と中央銀行総裁が集まる「財務大臣・中央銀行総裁会議」も、ニュースで詳しく取り上げられますので、その動向は随時チェックするようにしたいですね。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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