打診買いとは?初心者でもできるリスクを抑えた投資方法を解説

打診買い

みなさんは「打診買い」という言葉をご存知でしょうか?

簡単にいうと“株の試し買い”のようなものです。

株式投資においてはさまざまな要因を分析して建玉をするかと思いますが、100%確信を持っていきなり建玉できるケースはそう多くないでしょう。

そのようなシーンで、可能性として予測している方向に株価が動くと仮定しておこなうのが打診買いです。

本記事では打診買いをする理由や向いている方について、ご説明していきます。

この記事でわかること

  • 打診買いの意味
  • 打診買いをする理由
  • 打診買いが向いている(おすすめの)人

順張り・逆張りとは?それぞれのリスクや注意点を解説

目次

打診買いとは?

まずは「打診買い」がどのような行動を表しているのかについて、ご説明していきます。

打診買いとは、株価が下落局面にあるときに「そろそろ底値をついて下落が止まるのではないか?」と思ったところで買いを入れることをいいます。

多くの場合は、市場の反応を探るためにおこなわれる小規模な注文であることがほとんどです。

打診買いをする理由

では、トレーダーはどのような理由から打診買いをするのでしょうか?メカニズムを見てみましょう。

株価が下落局面にあるときは多くのトレーダーが「できるだけ底値で買いたい」と思っているため、もう下落が止まるだろうと判断した者によってどんどん買いが入れられていきます。

ただし実際には底値をついたことを明確に見極めることは、プロのトレーダーであっても難しいといわれています。

「これが本当の底値だ!」、「もう売りつくされただろう」と思って買いに入ったのに、さらに株価が下落するということもざらにあります。

こうなると底値で買おうとしたはずが思いがけない含み損を抱えてしまうことになるので、できれば防ぎたいですよね。

このような「底値かもしれない」、「今後上昇の局面に向かうのではないか」といったような100%明確に判断することが難しい状況のときに、1つのテクニックとして登場するのが、打診買いです。

上記でも少し触れましたが、打診買いは投資資金すべてを投じて買いに入るというよりはその一部である小口の資金を投じておこなう「とりあえず試しに買ってみよう」という小規模な買いであることがほとんどであり、この場合も同様です。

このとき投資資金すべてではなく一部を投じておくことで、もし予想に反してさらに株価が下落したとしても残りの資金でさらに安値で株を買い足して平均取得単価を下げたり、一時撤退で手仕舞ったとしてもそれほど損失は大きくならないでしょう。

このように、保有している銘柄の株価が下落したときに、さらに同じ銘柄を買い増して平均取得価格を下げることを「ナンピン買い」と呼びます。

ナンピンについてはナンピン買いはダメじゃない!使いこなして含み損を減らすコツの記事で詳しく解説していますので、合わせてご覧にください。

また、市場の反応がよく株価が上昇したのであれば、上昇局面に乗って残りの資金で強気に買い増すことも可能になります。

ちなみに江戸時代の米相場では「買い米を一度に買うには無分別、二度に買うべし(投資をするときに1度に投資資金をすべて投入するのは賢明ではない。少しずつ何回かに分けて仕掛けてリスクを分散させよう)」という相場格言が誕生したほどです。

実際に当時打診買いのことを「千天元」、「萬天元」、「枕米」などと呼んでいたようで、打診買いの考え方は江戸時代から存在して現在まで引き継がれていると思うと、非常に重要な思考であることが感じ取れますよね。

講座

打診買いはこのような方におすすめ

打診買いはだれでもできるトレード方法ではありますが、なかでもおすすめしたいのは以下のような方です。

株式投資初心者の方

まずは、株式投資初心者の方です。

打診買いはリスクを分散させることが1番のメリットなので、いきなり大きなポジションをとることに抵抗があったり、始めたばかりでなかなかうまくいかなかったりといった株式投資初心者の方におすすめです。

1度に投資資金すべてを投じて失敗してしまうと、一瞬で資金を失ってしまう可能性もあるので注意してくださいね。

相場格言「卵は一つのカゴに盛るな」

中長期的なトレンドを狙っているがなかなか結果が出ない方

中長期的なトレンドを狙っていて、なかなか利益が結果として表れないという方にもおすすめです。

打診買いは小口の買い注文のため、1回の注文のリスクが小さいという点があります。

そのため余裕資金によってまだ数回注文のチャンスがあるので、トレンドの転換点をしっかりと見極めてそのタイミングで注文を出すことができます。

なかなか結果が出ないという場合はどこかでリスクをとりすぎている可能性があるので、リスクを抑えながらトレードができる打診買いはたいへんおすすめです。

講座

まとめ

  • 打診買いとは、“~かもしれない”状況のときに投資資金の一部を投じて買いを入れること
  • 打診買いをすることで損失を小さく抑えたり、平均取得価格を下げたりすることが可能
  • 株式投資初心者の方におすすめ

本記事では打診買いの意味や有効にはたらくメカニズム、向いているのはどのような方なのかについて解説してきました。

打診買いは江戸時代から引き継がれている考え方で、相場格言として取り上げられているほどです。

株式投資では100%確信が持てるシーンというのはなかなかないので、そのような場合は“~かもしれない”を過信しすぎずに小口の打診買いをして、市場の反応を探ってみることが大切です。

トレード技術を向上できるように、いろいろと試してみましょう。

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この記事の監修者

監修者プロフィール

トレード歴40年の株職人。“株匠” を目指している。
20歳で株の売買を始めてから20年間、
「日本郵船」1銘柄のみの「売り」「買い」に集中、大きな利益を重ねる。
その後、宮本武蔵が洞窟に籠もるかの如く、チャートと建玉の研究に没頭する。

現在も、チャートと建玉の操作のトレード手法をさらに極めるべく精進を重ねており、
日本株、米国株、イタリア指数、イギリス指数、ユーロ指数、金、原油、コーン、FXなど、
どの市場でも大きな利益を生み出している。

ラジオNIKKEI「相場師朗の株は技術だ!」でキャスターを務める。
東京証券取引所北浜投資塾講師、日本経済新聞社お金の学校講師。

この記事を書いた人

著者プロフィール
根本 卓(株塾・インテク運営責任者)
1年間勉強・練習後に2013年から株式投資を運用資金30万円から開始。

地道に続け、7年後に月500万円の利益を出せるように。

その経験を活かし、株塾サービスに反映・インテク記事を書いています。

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